「3畳ほどの和室(畳コーナー)は作っても後悔することになる」
注文住宅を検討していると、こうした意見や口コミを見かけることがあります。
コンパクトな和室や畳コーナーを設けると、どうして後悔することになるのでしょうか。
本記事では、後悔する理由やコンパクトな畳コーナーのデメリットを紹介します。
メリットや活用方法、3畳ほどの和室を作る場合の方法も解説しますので、「リビングの一角に和室を設けたい」「帰宅してからゴロ寝できるスペースが欲しい」このように思う方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
和室3畳の設計で後悔する理由
はじめに、3畳の和室を作る場合にどのような点で後悔を感じるのか、理由を確認してみましょう。
コンパクトすぎて家事室として使いづらい
★洗濯物を畳むなど家事に十分なスペースがなければ後悔につながる
3畳の和室を作る目的は様々ですが、使用する目的を満たせないほどの広さであれば後悔を感じるかもしれません。
たとえば、洗濯物を畳んだりアイロンがけをしたり、日々の家事を行うためのスペースとして小さめの和室を作る場合を考えます。
洗濯物を畳むためには、取り込んだ洗濯物を仮置きする場所、座る場所、畳む作業をする場所、畳んだ洗濯物を種類ごと・家族ごと分けて置くスペースなど、意外と広い場所が必要です。
こうした家事を行うために十分な広さを確保できない場合に後悔につながります。
コンパクトすぎて子どもが遊ぶ場所として使いづらい
家事のほかにも、コンパクトな和室は子どもが遊ぶ場所として利用することもあります。
ここでも家事と同様に、子どもが座る場所や遊び道具を広げる場所が必要で、十分な広さを確保できない場合に使用頻度が低くなり後悔につながります。
結局、和室を使わずに十分な広さのあるリビングにおもちゃが散乱することとなります。
来客が宿泊するスペースとして狭すぎた
★コンパクトな和室では宿泊するために十分なスペースを確保できない場合も
和室を作る目的の中に「頻繁に来る訳ではないが、来客があった場合に泊まるスペースが欲しい」というものがあります。
ここでも、和室をコンパクトに作りすぎてしまうと来客が泊まるための十分な広さを確保できないケースが生まれてしまいます。
来客用に壁や引き戸を取り付けたが圧迫感を感じる
来客の宿泊スペースを作る場合は、就寝する際にリビングなどから視線が通らないように、壁や引き戸を取り付けることがあります。
床面積が小さい部屋を壁や引き戸で囲んでしまうと圧迫感を感じる場合があります。
部屋が完成するまでは気づきにくい問題ですので、設計の段階で圧迫感を解消する対策を考えることをおすすめします。
畳や畳の下の掃除に大変さを感じる
和室を作る場合は、畳や畳の下を掃除する際に大変さを感じるかもしれません。
特にコンパクトな和室では、畳を取り外すときや掃除機をかけるときに、壁や柱に当たってしまい掃除しづらさを感じる可能性があります。
掃除のしづらさから掃除の頻度が下がると、カビやダニが発生してさらなる後悔につながるかもしれません。
こうした後悔を抱える場合がありますので、3畳などコンパクトな和室・畳コーナーを作る場合はデザインや機能性に配慮した設計をする必要があります。
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★狭い畳コーナーのデメリット
続いて、コンパクトな和室や畳コーナーを作る場合のデメリットを確認します。
デメリットを把握することで、コンパクトな和室・畳コーナーを作る際に後悔を感じずに済む具体的な方法を考えられます。
和室3畳の広さは単体で使うには使いづらい
1つ目のデメリットは、単体で使用する場合に狭さを感じやすいことです。
後悔する場面で紹介したとおり、家事や子どもの遊びといった目的で3畳の和室・畳コーナーを使用すると狭さを感じる場合があります。
他の部屋に付属して設けるなど、狭さを感じさせない工夫を考えましょう。
リビング・ダイニングや収納など、他の間取りを圧迫する
2つ目のデメリットは、他の間取りを圧迫する場合があることです。
3畳と聞くとコンパクトに感じるかもしれません。
しかし「畳3枚のスペース」は決して狭い訳ではなく、6人掛けのダイニングテーブルがすっぽり入るほどの大きさがあります。
コンパクトな和室を作ることで、リビングやダイニング、または収納といったスペースが狭くなる可能性があるという認識は必要です。
和室・畳、特有の雰囲気が出てしまう
★畳ならではの和の雰囲気が合わない場合も
3つ目のデメリットは、畳を敷くことで和室ならではの雰囲気が出てしまうことです。
い草を使用した天然の畳は畳独特の風合いが出ることとなり、洋風のお部屋やアジアンテイストのお部屋と雰囲気が合わないことがあります。
畳・畳の下の定期的な掃除が必要になる
4つ目のデメリットは、畳や畳の下の掃除が必要になることです。
い草で編まれた畳には細かな隙間があり、適度な掃除を行わなければカビやダニが発生する場合があります。
また、定期的に畳の下を掃除しなければ同様にカビやダニが発生する可能性があります。
掃除機をかけるだけのフローリングと比較すると、メンテナンスのしづらさにデメリットを感じるかもしれません。
畳の定期的なメンテナンス・交換が必要になる
5つ目は、掃除だけでなくメンテナンスや交換が必要になることです。
畳は細かな繊維を編み込んで作っていることから、経年変化で繊維がほつれることもあります。
こうした場合に畳の表替えや、場合によっては畳全体の交換を行わなければいけない場合もあります。
こうしたメンテナンス・交換の手間や費用がデメリットに数えられます。
また、建築時も一般的な合板フローリングと比較して、和室は施工に手間がかかることから建築コストが高まる点にも留意が必要です。
3畳の畳コーナーのメリットと上手な活用方法
ここまで後悔やデメリットについて紹介しましたが、3畳の畳コーナーにはメリットもあり上手に使用すると生活を豊かにできる要素もあります。
メリット:気軽に使えるスペースになる
コンパクトな和室の最大のメリットは、気軽に使えるスペースが増えることです。
リビングやダイニングなど、他の部屋と一緒に設けられるケースの多い畳コーナーは、帰宅後に一時的に物を置いたりくつろいだりするスペースとしてぴったりです。
リビングやダイニングをほかの家族が占有している場合なども利用可能で、LDK周辺の居場所が1つ増えて居心地のよさが増します。
メリット:間取りによっては客間として使える
畳コーナーやコンパクトな和室は間取りによっては客間として使えます。
たとえば吊り押入れを導入して、来客が物を置く場所として利用したり、宿泊時に足を押入れ下部まで伸ばせるように設計すれば、3畳であっても十分にくつろげる和室・畳コーナーになります。
また、地窓や高窓を設けたりして閉塞感を感じづらいよう設備を配慮すれば、圧迫感や窮屈感を抱かずに済むでしょう。
メリット:断熱効果がある畳はコタツスペースとしても最適
和室に利用される畳は、いぐさを編んで作られているため内部に空気の層が形成されており高い断熱性を持っています。
冬場にフローリングに寒さを感じる場合でも、和室であれば足元の冷えを感じずに済みます。
こうした特徴から直接座る場所としても最適で、こたつを出して温まるスペースとしても活用できるでしょう。
メリット:デザイン畳・天然木などを活用してワンポイントになる
リビングやダイニングは、床面は木質系フローリング、壁面は白いクロスで作ることが多く、住まいの個性を出すのが難しい場合があります。
和室は畳や天然木といったLDKとは異なる素材を利用しやすく、部屋のデザイン上のワンポイントを作りやすい場所です。
特に近年は白い畳や着色された樹脂畳など、個性的な色味やデザインの畳も販売されていますので、住まいの個性を出す場所として活用できます。
活用方法…小さな子どもの昼寝スペースとして
コンパクトな和室や畳コーナーは、子どもがお昼寝をするスペースとして活用できます。
特に乳幼児期など、目を離すことに不安を覚える頃はリビングやダイニングなど、家事や団らんする場所の近くに子どもにいて欲しいものです。
リビングの床面に毛布などを敷いてもよいですが、フローリングからの冷たさや硬さが気になるもの。畳であれば暖かく柔らかですので、安心して寝かせつけられるでしょう。
また、小上がりにすることでホコリの侵入を防いだり振動が伝わることも防げますので、畳コーナーやコンパクトな和室を作る場合は、小上がりについても検討しましょう。
寝返りのときなど落下に不安を覚える場合は、ベビーゲートを設置できるよう和室の枠に引っ掛かりを設けるなど対策を考えることをおすすめします。
活用方法…疲れたときのゴロ寝スペースとして
畳のある空間は子どもだけでなく、大人がくつろぐ場所としても活用できます。
畳のないリビング・ダイニングは床全面がフローリングで、硬さ・冷たさから気軽に横にはなれません。大きめのソファがあれば横になることもできますが、家族が集まれば横になるスペースはなくなるでしょう。
畳スペースやコンパクトな和室があれば帰宅時に気軽に横になることができ、子どもも大人もちょっと横になり体を休める空間になります。
活用方法…子どもが遊ぶスペースとして
3畳ほどと小さな畳スペースは子どもが遊ぶスペースとしても活用可能です。
後悔する3畳和室で紹介しましたが、工夫次第で子どもが遊ぶスペースとして活用できます。
大切な点は、リビングやダイニングなど家族が集まる広めのスペースと隣接させることです。
畳スペース自体が遊ぶために十分な広さでない場合でも、他の間取りと組み合わせることで十分な広さを確保できます。
また、和室を小上がりにすることで、高さも含めた3次元的な遊び方もできるため、子どもの遊びの幅が広がる点にも注目です。
遊びスペースとして活用する場合は、子どものおもちゃを片付けるための収納を確保することをおすすめします。
活用方法…来客時の客間として
畳スペースやコンパクトな和室は、来客があったときの客間としても活用可能です。
ただし、単に畳があるだけのスペースでは、広さの面からも機能性の面からも客間の使用には適しません。
3畳の畳スペースに布団を敷くと分かりますが、シングルの布団を2組敷くと、敷布団が重なってしまい、荷物を置くスペースすら確保できません。
押入れを作って荷物を置くスペースを確保するとともに、吊り押入れにして足を伸ばせるようにする、窓を設けて閉塞感を感じないようにする、引き戸を設けてプライバシー性を確保するなど、複数人の宿泊を想定する場合は十分な配慮が必要です。
活用方法…洗濯物を畳む・アイロンがけ・裁縫など家事室として
畳スペースやコンパクトな和室は、洗濯物を畳む場所やアイロンがけなど家事をするための空間として活用できます。
移動の動線から外れることの多いコンパクトな和室はホコリやゴミが侵入しづらい場所です。小上がりにして段差がある場合は特にホコリの侵入を防げます。
このため、干した後の洗濯物を広げるためのスペースとして、アイロンがけや裁縫を行う場所として利用するのに適しています。
失敗しない3畳の和室(畳コーナー)の造り方
記事の終わりに、3畳ほどとコンパクトな和室や畳コーナーを後悔・失敗せずに造る方法を紹介します。
メリットで紹介したように、様々な使い方ができる多目的な空間。満足できる間取りにするために工夫を凝らしましょう。
他の間取りと関連付けて3畳和室を検討する
3畳ほどのコンパクトな和室や畳コーナーは、以下の例のように他の間取りと一緒に造ることを意識しましょう。
・リビングと隣接させる
・ダイニングと隣接させる
・階段の踊り場に隣接させる
・納戸やファミリーライブラリーに隣接させる
他の間取りと一緒に造ることで、小上がり和室をソファのように使ったり、ファミリーライブラリーの本を読むスペースとして活用したり、使い方に幅を出せます。
畳コーナーの「小上がり」を検討する
畳コーナーを設ける場合は「小上がり」の採用を検討しましょう。
小上がりにすることで、ソファのように腰掛けることもでき、小上がりの下は収納としても活用可能です。
段差をつけることでホコリの侵入を防げますので、横になるときや洗濯物を仮置きするとき、客間として活用するときもホコリを気にする必要はありません。
窓・引き戸・ロールスクリーンを設置して快適性を高める
コンパクトな和室の快適性を高めるためには、窓や引き戸、ロールスクリーンを設置することをおすすめします。
3畳ほどの小さな和室に窓を設けなければ、広さの面から閉塞感が生まれることがあります。
特に客室として利用する場合は、プライバシーを確保するためにロールスクリーンや引き戸を設けるでしょう。このとき、窓がなければ快適に過ごせない可能性があります。
また、ロールスクリーンや引き戸があることで照明の光を遮ることも可能になり、子どものお昼寝に利用するなど汎用性が高まります。
客間として利用する場合は押入れを設ける
来客があったときに客間として利用する場合は、押入れを設けることをおすすめします。
押し入れがあることで来客用の布団を収納することもできますし、来客の持ち物を押入れに一時的に収納することも可能です。
コタツ布団など季節用品の収納もできますので、日常生活の利便性を高めることにもつながります。
なお、押入れの下部を浮かせる「吊り押入れ」にすることで、来客の荷物を置いたり足を伸ばしたりするスペースにもなりますので、合わせて検討することをおすすめします。
頻繁に来客がある場合、4畳・4.5畳の和室を検討する
来客が頻繁にある場合には、3畳と固定せずに4畳・4.5畳など少し広めの和室を設けることをおすすめします。
3畳ほどの広さだと、2枚布団を敷く場合に布団が重なるなどスペースの不足を感じるでしょう。
来客が頻繁にある場合は広めに和室を取って、就寝しやすい環境を作りましょう。
4.5畳など広めに和室を作ることで、来客が使用する以外の家事や育児に使用できる場面も多くなります。
琉球畳は一般的な畳の半分ほどの寸法で、真四角の形をした畳です。
1畳の畳の重厚感はなくなりますが、軽やかな雰囲気になり他のテイストの内装にも合わせやすくなります。
また、最近は樹脂製でホワイトやブラックなど、特徴的な色味をした畳も販売されています。内装やフローリングの色が白い場合など、い草の畳が内装のテイストと合わない場合に使用を検討しましょう。
フローリング + 置き畳など変化に耐えられる工夫を加える
元々の目的が子どものお昼寝場所などで、将来子どもが大きくなってから使わなくなる可能性があるなら、フローリングの上に置き畳をする手もあります。
置き畳であればライフステージに応じて使わなくなった場合には簡単に撤去することも可能です。
また、畳を置く場所を変えることで気軽に模様替えや掃除できる点もメリットです。
ハウスメーカーの施工事例を確認する
3畳ほどのコンパクトな和室がどんな雰囲気になるのか知りたい場合は、依頼を検討しているハウスメーカーのホームページから施工事例を確認してみましょう。
ハウスメーカー・工務店の多くは畳のある住まいの事例がありますので、検討中のハウスメーカー・工務店でコンパクトな和室や畳コーナーを作った場合にどんな雰囲気になるのか把握できるでしょう。
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【三重県四日市市のハウスメーカー「サティスホーム」の施工事例】
モデルハウスや見学会に参加して広さ・高さ感を確かめる
施工事例を確認した上で、コンパクトな和室や畳コーナーの広さを検討する際は、モデルハウスや見学会に参加することをおすすめします。
実際に和室や畳コーナーを見て座ってみることで、自分たち家族のライフスタイルに合った畳の広さを確認できるでしょう。
同時に和室や畳コーナーと他の間取りをどのように関連付けているのか、間取りの考え方について聞くことをおすすめします。
和室(畳コーナー)を作る目的を明確にする
最後に、3畳の和室や畳コーナーを作る際に最も重要なことは、和室・畳コーナーを作る目的を明確にすることです。
使用目的が明確であれば、必要な広さや収納量、小上がりや窓の有無といった具体的な検討を始められます。
何に使うために3畳ほどの和室を作りたいのか、希望を明確にして後悔を防ぎましょう。
まとめ:和室3畳で後悔しない方法
3畳のコンパクトな和室や畳コーナーを造る際に後悔を感じるケースやデメリット、逆にどういったメリットや活用方法があるのかについて解説しました。
畳のある空間は気軽に横になることができ、各種家事室としても活用できることから非常に汎用性が高い空間になります。
一方で和室・畳コーナーを小さく作りすぎてしまい、客室として利用できなくなったり家事室として使い勝手が悪くなったりすることもあります。
こうした失敗を避けて満足できる3畳のコンパクトな和室・畳コーナーを実現するためには、施工実績が豊富なハウスメーカー・工務店に依頼することをおすすめします。
豊富な経験から、目的に合った広さや設備の提案を期待できるからです。
三重県(四日市市・津市など)、愛知県(弥富市・蟹江町など)で注文住宅の建築を計画していて、リビングやダイニングの近くに和室を設けたいと考えている方は、和室・畳コーナーの施工経験の豊富なサティスホームまでお気軽にご相談ください。要望に合わせた魅力的なお部屋の実現をお約束致します。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。