「エコキュートの電気代はどのくらい?」
「エコキュートはガスや電気温水器と比べて安いの?」
注文住宅を建てる予定のある方の中には、こうした疑問を抱える方も多いでしょう。
給湯器の中で近年人気を集めているのは、エコキュートです。
複数ある選択肢の中で、エコキュートに注目が集まる理由としては、電気代が安くなったりガスと比べて火災などへの安心感のあるイメージがあることが挙げられるでしょう。
一方で、インターネット上でエコキュートについて調べると「エコキュートにして電気代が上がった」という口コミを見かけることがあります。
本記事では、エコキュートの電気代が高くなる原因と節約する方法を紹介します。
適切にエコキュートを使用して、電気代を抑えられる暮らしを実現しましょう。
エコキュートの電気代が高い原因とは?
はじめに、「エコキュートの電気代が上がった」「エコキュートにしたのに電気代が高いまま」といった口コミが見られる原因を確認しましょう。
使用しているお湯の量が平均的な家庭と比べて大きく変わらない場合でも、以下の9つのケースで電気代が高くなる可能性があります。
● 電気代の単価が高い時間帯に沸き上げしている
● 日中にお湯切れを起こして毎回沸き増ししている
● 電気代の単価が高い電気事業者と契約している
● 家を空けるときも湧き上げしている
● 給湯効率の悪い古い製品を利用している
● 電気代の高い冬の時期のイメージが強い
● 給湯温度の設定を変えていない
● 湯量の設定を変えていない
● エコキュートの室外機の環境が悪い
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電気代の単価が高い時間帯に沸き上げしている
1つ目は、電気代の単価が高い時間帯に沸き上げを行っていることです。
電気事業者や契約プランによりますが、電気を使用する時間によって、電気の使用料単価は異なります。
たとえば東京電力では、「夜トク8」というプランを運用しています。
夜トク8を利用している場合、午後11時から午前7時までは1kWhあたり31.64円、午前7時から午後11時までは1kWhあたり42.60円と電気を使用する時間によって電気の単価が変わります。
こうしたプランを利用している場合は、電気料金が割高な時間に沸き上げする設定にしていると電気代が高くなる可能性があります。
上記プランでは、使用する時間による電気料金の差は10.96円/kWhです。
例として沸き上げに必要な電力量を8kWhとすると、1回あたり80円ほどの差が生まれることになります。
1か月で2,400円、1年で28,800円と、決して無視できない差額が生じることとなります。
日中にお湯切れを起こして毎回沸き増ししている
2つ目は、日中にエコキュートのタンクが空になり、一日に2回、3回と沸き増しをしていることです。
エコキュートには、家庭に合った容量のお湯を提供できるように、複数のタンク容量の製品が販売されています。
たとえば、三菱が販売しているエコキュートだけでも「180・300・370・430・460・550L」と様々な容量の製品がラインナップされています。
一般家庭用として販売されているのは、3~4人家族向けの370Lタイプですが、シャワーの時間が長い家庭や、調理が好きでキッチンでのお湯の使用量が多い家庭など、ご家庭での使い方とタンクの容量が合わない場合は度々お湯切れを起こす可能性があります。
タンク内のお湯が底をついた場合、エコキュートはタンク内に水を注入して沸き増しし、お湯を使い続けられるようにする処置を取ります。
多くのケースでは、再沸騰するのは湯船へのお湯はりが完了し、シャワーやキッチンのお湯の使用量が多い7~8時頃です。
この時間は一般的に電気料金の単価が高く、沸き増しするために割高な電気代を支払うことになるのです。
電気代の単価が高い電気事業者と契約している
★電気事業者によって異なる電気代
3つ目は、電気代の単価が高い電気事業者と契約していることです。
一昔前までは、電気を使用するためには東京電力など、地域に一つしかない電気事業者から購入する必要がありました。
しかし2016年4月から、家庭向けを含めた電力の小売り自由化が進められ、大手電力事業者以外からでも電気を購入できるようになっています。
新たに参入してきた電気事業者(新電力)は、基本料金が無料であったり、指定の時間であれば電気料金が安かったりと、事業者ごとに異なるプランが用意されています。
使用する時間や容量、使い方が電気事業者やプランと合っていない場合は、電気料金が高額になる恐れがあります。
家を空けるときも沸き上げしている
4つ目は、外出の多い時期でも通常通りの沸き上げ設定にしていることです。
エコキュートは電気温水器やガス湯沸かし器など、お湯を使いたいときに使用する水量だけお湯を沸かす機器とは異なり、毎日設定された湯量を沸かしてタンクに貯めておく方式です。
このため、出張や海外旅行など、中・長期間お湯を使わない場合も、不必要に毎日お湯を沸かすこととなります。
「家で過ごす時間が短かったのに、どうして今月も電気代が高いんだろう?」
このように思う原因は、外出の多い日、多い月でもお湯を沸かし続けるからかもしれません。
なお、世帯当たりの用途別エネルギー消費の内訳を見ると、エネルギー消費の約3割が給湯によるものとなっています。
電気代の少なくない部分を給湯機器が占めていることも、沸き上げ設定を続けることで電気代が高くなる一因と言えるでしょう。
給湯効率の悪い古い製品を利用している
5つ目は、給湯効率が低い、古い製品を利用し続けていること。
エコキュートは2001年に初めて販売が開始され、初期のモデルは販売から20年以上が経過しています。
当然、機器の性能は初期のままではなく、新しいモデルが販売されるたびに新たな機能がつけられたり、基本的な性能が向上していたりします。
現在エコキュートを利用している方の中に、「エコキュートなのに電気代が高い」と考えている方がいるなら、古いタイプのエコキュートを使用している可能性があります。
エコキュート本体が古い場合、ヒートポンプやタンク、配管なども老朽化していて、貯湯機能や送水機能に問題が生じ電気代が高くなる原因になっているかもしれません。
電気代の高い冬の時期のイメージが強い
6つ目は、冬期の高い電気代のイメージが強く残っていることです。
エコキュートは、主に夜間に沸かしたお湯を水道水と混ぜ、適温にしてから蛇口から給水するシステムです。
タンク内のお湯の温度が高いほど、タンク内から使用するお湯の量が減って、沸き増しする量や回数が減ります。
また、エコキュートに使われているヒートポンプという技術は、空気中の温度を圧縮して熱を取り出す仕組みです。
空気中の温度が低い冬場は、より多くのエネルギーを使用して熱を作り出します。
このように、沸き上げのために冬場の方が多くのエネルギーが必要になり、電気代は高くなります。
一方で夏場は逆に必要なエネルギー量が少なく、電気代も安くなる傾向にあります。
一年を通じたエコキュートの電気代を平均すると実は安価であっても、冬場の電気代の高さがイメージとして残っていることから、高く感じる場合があります。
給湯温度の設定を変えていない
★電気代が高くなる原因:給湯器の設定温度を変えていない
7つ目は、給湯温度の設定を季節に合わせて変えていないことです。
冬場は高め温度設定のお湯を使用して体を温めたり洗い物をしたりすることから、給湯器の設定温度を高くするケースが多いでしょう。
一方で夏場は冬場よりも低い設定温度でも、入浴や蛇口から出るお湯の温度は問題ないものです。
しかし季節に合わせて給湯器の設定温度を変更するケースは少なく、操作方法が分からない、または不満がないことからそのまま使用する方もいるでしょう。
こうして夏場などに必要以上に高い温度で沸き上げすることから、電気代も高くなってしまいます。
湯量の設定を変えていない
8つ目は、温度と同様に、湯量の設定を変えていないことです。
エコキュートは、沸き上げの温度とともに、タンク内でお湯を沸かす湯量を変更することも可能です。
毎日使用するお湯の量以上に沸き上げしていれば、必要以上の電気代がかかることになるでしょう。
特に夏場はタンクのお湯の温度が下がりにくいことから、沸き上げ設定を少なめにしていても問題のないケースは多いもの。
冬場に設定した湯量のままでは、夏場に「思ったより電気代が高い」と思うことがあるかもしれません。
エコキュートの室外機の環境が悪い
9つ目は、室外機周囲の環境が悪いことです。
エコキュートはエアコンと同じように、ヒートポンプユニット(大きな扇風機のような室外機)を利用して熱を集めるシステムです。
この室外機部分はファンを回して空気を取り込む役割を持ちますので、ヒートポンプユニットの周囲に段ボールその他の資材が積み重なっていると、効率的に熱を取り込めず沸き上げに長い時間がかかる場合があります。
普段は室外機部分の周囲が整頓されていても、冬に雪が積もり埋もれてしまうと十分に機能を果たせない可能性もあります。
こうした9つの場合などに、エコキュートにしても「電気代が高い」と感じるケースが生まれてしまいます。
エコキュートで電気代を節約する方法
では、紹介した原因を解消して、エコキュートで電気代を節約する方法はあるのでしょうか。
主には、以下の方法を組み合わせることで、エコキュートを選択して思ったとおり電気代を節約できるでしょう。
● 電気代の安い時間に沸き上げる設定にする
● 貯湯容量の大きなエコキュートを選択する
● 単価の安い電気事業者を選択する
● 旅行・出張などは沸き上げを停止する
● 給湯効率の高い現行品に切り替える
● 給湯器による電気代の比較は年間平均で考える
● 季節に合わせて給湯器の設定温度を変える
● 季節に合わせて給湯器の湯量を変える
● エコキュート室外機の環境を整える
● 太陽光発電・蓄電池の導入
電気代の安い時間に沸き上げる設定にする
★電気代を安くする方法:沸き上げ時間の設定を意識する
エコキュートで電気代を抑えたい場合、沸き上げ設定の時間を変更することが効果的です。
具体的には、現在使用している電気料金のプランを確認した上で、最も単位電力当たりの電気料金が安価になる時間に沸き上げる設定に変更しましょう。
たとえば電気料金が高くなる理由で紹介した東京電力の「夜トク8」プランであれば、11時から沸き上げを開始する設定にすれば、始めから終わりまで単価の安い時間に沸き上げられますので電気代を節約できます。
また、エコキュートにはピークシフト、またはピークカットなどと呼ばれる機能がついている場合があります。
ピークシフト・ピークカットは、お湯切れを防止する目的で貯湯量が一定以下になった場合に自動で沸き増しする機能です。本機能は、電力需要が高い(=電気料金が高い)昼間を避けて、電力需要が低く電気料金が割安な時間に沸き増しする点が特徴です。
こうした機能も活用することで、複数の電力単価が設定されているプランの場合に電気料金を節約できる可能性があります。
貯湯容量の大きなエコキュートを選択する
度々お湯切れを起こし、沸き増しが始まってしまい電気代が高くなる場合は、タンクの容量が大きなエコキュートを利用することをおすすめします。
以下の図のように、エコキュートには複数のタンク容量の製品が販売されています。
家族が3~4人であっても、シャワーを使用する時間が長い方がいる場合は、ワンサイズ大きな430・460Lタイプを選択することで、沸き増しを防ぎ電気代を浮かせられる可能性があります。
逆にDINKS家庭など、1~2人家族で370Lタイプを選択するとエコキュート本体の費用が割高に感じられるうえ、毎日の沸き上げ容量が不必要に多くなる可能性もあります。
家族の人数、お風呂やシャワーの使い方、将来的なライフプランなどを総合して適切なタンク容量を選択することが大切です。
単価の安い電気事業者を選択する
電気代を節約するためには、電力の単価が安価な電気事業者を選択することも重要です。
電力自由化によって様々な電気事業者が参入している昨今、東京電力などの大手事業者も含めた複数の事業者で比較・検討してから電気事業者を決めることをおすすめします。
1kWh当たりの単価だけではなく、基本料金の有無や割安な時間帯の違い、ガソリンその他の利用時の割引など、検討するべき項目はたくさんあります。
ご自身とご家族のライフスタイルを再度確認した上で、最も経済性の高い事業者を選択しましょう。
旅行・出張時などは沸き上げを停止する
不必要に沸き上げを行い、旅行や出張時に無駄な電気を使用している場合は、一定期間沸き上げを停止する機能の利用がおすすめです。
エコキュートのリモコンを利用すれば、どの程度の期間沸き上げを行わなくてよいのかを簡単に設定できますので、説明書を確認しながら沸き上げの休止設定をしましょう。
なお、2週間を超える出張など、中・長期の外出の場合は、所定の作業を経てタンク内の水を抜いた上で、エコキュートの主電源を落とすことをおすすめします。
タンク内に水が残っているとカビや雑菌が繁殖する場合がありますので、適切に水を抜いた上で電源を切っておきましょう。
不必要な沸き上げを止められますし、タンク内の環境を清浄に保つことができます。
給湯効率の高い現行品に切り替える
現在使用しているエコキュートの品番が古い場合は、給湯効率が高い現行品に切り替えましょう。
基本的には新しい機種の方が沸き上げの効率も高まり、タンク内での保温機能も高いことが期待できます。
また、エコキュート内の配管を自動で洗浄する「バブルお掃除」や、スマートフォンと連携しての効率的なお湯はり作業などを行えるようになっています。
こうした、効率的に湯沸かしを行える最新機種の導入を検討しましょう。
給湯器による電気代の比較は年間平均で考える
★給湯器の電気代の比較は年間の費用の平均額を参考にして
電気代のことを考えるときは、単月ではなく年間の電気代を平均して考えましょう。
電気代が高くなる原因で解説したとおり、エコキュートの電気代は夏場に安く、冬場に高くなります。
単月で見ると、冬場の電気代の高さが目についてしまいますが、年間を通して電気代を合算し月あたりの平均額を求めることで、エコキュートの経済性に気づけるでしょう。
季節に合わせて給湯器の設定温度を変える
わずかに手間がかかりますが、季節に合わせて給湯器の設定温度を変えることも効果的です。
冬場はタンク内のお湯が切れることを防ぐため、沸き上げ設定の温度を高くしがちです。
一方で夏場は気温が高いことから効率的に沸き上げでき、タンク内のお湯も冷めにくいため、設定温度を冬場よりも低く設定して、不要に高い温度まで温めることを避けましょう。
季節に合わせて給湯器の湯量を変える
給湯器の温度設定に加えて、沸き上げする給湯器の湯量を少なめに設定しましょう。
設定温度と同じ理由で、冬場は多めに沸き上げるメリットがありますが、夏場は少なめに設定しても問題なく利用できるはずです。
ただし、少なく設定しすぎるとタンク内のお湯が底をつき、沸き増しを頻繁に利用することになり逆に電気代が上がってしまう点には注意が必要です。
エコキュート室外機の環境を整える
もしもエコキュートの室外機の設置環境に問題がある場合は、室外機まわりの整頓など室外機の環境を整えてみましょう。
以下の図のように、エコキュートのヒートポンプユニット(室外機)には、設置場所についての制約が設定されています。
米印箇所に記載のある、「風通しが悪く、吹き出した風を再び吸い込む場合は、加熱能力が10%程度悪化する場合があります」のとおり、沸き上げ能力に支障をきたす恐れがありますので、説明書に記載のとおり室外機の周囲には十分な隙間を設けましょう。
太陽光発電・蓄電池の導入
エコキュートを利用する場合は、太陽光発電システムや蓄電池を導入することも効果的です。
太陽光発電システムを導入すれば、晴れた昼間であれば太陽光で発電した電気で沸き上げを行い、電気事業者から電気を購入せずに給湯できる可能性があります。
また、蓄電池を導入すれば、天気のよい日・時間に発電し、曇りや雨の日、夜間の沸き上げに利用することも可能になります。
自治体によっては太陽光発電システムや蓄電池の設置に補助金を設定している場合もありますので、設置する場合は補助金の有無を確認しましょう。
こうした対策を取ることで、はじめに紹介した様々な「電気代が高くなる原因」を避けられます。
なお、電気事業者やプランを変更すると最も電気代が安くなる時間帯が変わるなど、他の対策に影響を及ぼすこともありますので、単体で考えずに複数の対策を同時に進める考え方も重要です。
エコキュートとガス給湯器の平均光熱費の比較
エコキュートの電気代について疑問を持つ方は、他の給湯器と比べてどの程度安価になるのかも気になるものです。
そこで使用する方の多いエコキュートとガス給湯器(都市ガス)を使用する場合とで、年間どの程度ランニングコストが変わるのか、比較表を作成しました。
エリア | エコキュート | ガス給湯器 (都市ガス) |
北海道電力 | 54,000円 | 104,400円 |
東北電力 | 48,000円 | 98,400円 |
東京電力 | 37,200円 | 73,200円 |
北陸電力 | 42,000円 | 112,800円 |
中部電力 | 25,200円 | 81,600円 |
関西電力 | 20,400円 | 75,600円 |
中国電力 | 43,200円 | 108,000円 |
四国電力 | 44,400円 | 93,600円 |
九州電力 | 20,400円 | 102,000円 |
沖縄電力 | 27,600円 | 62,400円 |
引用:Pansonic はじめてのエコキュート 低ランニングコスト
このように、ほとんどのエリアでエコキュートを利用した方がガス給湯器を利用する場合と比べて光熱費を半分にできることが分かります。
また、九州電力など電気代が安くガス代が高いエリアでは差額が5倍にもなる試算もあります。
どの給湯器・温水器を選択するのかを決める際は、お住まいの地域の電気・ガス事情を考慮に入れた上で、詳細に検討することが重要です。
エコキュートを使うメリットと経済的理由
「エコキュートにしたのに電気代が高い!」こうした口コミを受けて、電気代が高くなる原因と対策を解説してきました。
ここで改めて、エコキュートを選択する場合に得られるメリットを、経済的理由とそれ以外の理由も含めて確認します。
他の給湯器・温水器を使用する場合より電気代を節約できる
エコキュートを選択するメリットで大きなもののひとつは、電気温水器・ガス給湯器・石油給湯器といった他の給湯器を使用する場合と比べて、光熱費を大幅に削減できることです。
東京電力管内を対象としたシミュレーションを見て分かるとおり、エコキュートは電気温水器の4分の1、ガス給湯器や石油給湯器の2分の1程度の光熱費に抑えられることが期待できます。
光熱費の差額は1度きりではなく継続して節約効果を発揮し続けますので、毎月の家計への光熱費の負担を大幅に減らせるでしょう。
エコキュートの導入に補助金が出る場合も
エコキュートの導入には補助金が出る場合があることもメリットに挙げられます。
毎月発生するランニングコストを減らせる点はエコキュートの強みですが、電気温水器やガス給湯器といった、お湯を使用する際に給湯するシンプルなシステムと比べて、エコキュートは設置費用が高くなる傾向にあります。
しかし、国や地方自治体が実施する補助事業を活用することで、お得にエコキュートを設置できるかもしれません。
たとえば国が実施する子育てエコホーム支援事業では、リフォームでエコキュートなどの高効率な給湯器を使用する場合、1戸あたり30,000円の補助金が用意されています。
ほかにも、給湯省エネ事業では、登録されたエコキュート製品を設置することで最大1台あたり8万円の補助金が受け取れる事業も行われています。
エコな設備であるエコキュートを利用することで補助金を利用でき、実際にかかる費用を抑えて導入できるでしょう。
太陽光発電と組み合わせてさらに経済的に
エコキュートは太陽光発電システムとの相性がよいことから、太陽光発電と組み合わせることもおすすめです。
太陽光発電システムのある住まいでは、容量にもよりますが発電している間は宅内で使用する電気の全てを発電で賄えます。
加えて蓄電池やV2H(電気自動車のバッテリーを住宅の電源として活用できるシステム)を導入することで、昼間や天候のよい時間帯に発電し天気の悪い日や夜間に使用する使い方も可能となります。
基本料金が0円の電気事業者・プランを選択すれば、家庭内の光熱費を支出しなくても生活できる可能性もあります。
ガス・石油系給湯器と比べてメンテナンスの手間が少ない
エコキュートは、ガスや石油系の給湯器と比較したとき、メンテナンスの手間が少ない点もメリットです。
ガスも石油も給湯の際に燃焼が起こりますので、定期的にメンテナンスを行い機器の異常を確認しなければ、ガス漏れや不完全燃焼といったトラブルが発生する可能性があります。
一方でエコキュートの場合は、タンクの清掃や室外機まわりの掃除といったメンテナンスは必要ですが、危険を伴う故障が起きることは少ないものです。
また、プロパンガスのボンベ交換や石油給湯器の給油など、燃料の補充にかかる手間がない点も特徴的です。
ガスと違い本管の有無に左右されない
エコキュートなど電気を使用する給湯器は、ガス管などの有無に左右されない点もメリットといえます。
都市ガスを引く場合、主要な道路に敷設されている本管から宅内までの引き込み費用が自己負担となる場合があります。または、距離があまりに離れている場合はガスの引き込み自体を断られる場合も。
プロパンガスを使用する手もありますが、一般的に都市ガスよりも高くなるケースが多く、光熱費の面でストレスを感じるかもしれません。
電気の場合は、引き込み元となる電柱との距離がある場合でも、掘削工事を行わずにポールを立てるなどして工事が可能で、工事する場合でもガス管と比べて大幅に費用を抑えられます。
災害で水道が止まってもタンクのお湯を使える
地震や台風など災害によって断水が生じた場合に、エコキュートの場合はタンク内のお湯を利用できる点もメリットです。
写真のように、タンク下部からお湯を取り出すことができ、災害時の生活用水として活用できます。
なお、タンク内の水は貯めてから一定の時間が経過していますので、飲用に適さない点に注意が必要です。
ガス給湯器と比較して火災の発生リスクを抑えられる
エコキュートを使用するオール電化の家ではガス給湯器と比較して、火災の発生リスクを抑えられる点もメリットです。
消防庁がまとめたデータによると、コンロに関係する火災では、ガスコンロで2,497件、電気コンロで283件と、火を使用した家庭での出火件数が多くなっていることが分かります。
ガス給湯器では、ガス漏れや不完全燃焼といった危険性もありますので、安全性を求める上ではエコキュートがおすすめです。
高効率でSDGsな生活スタイルになる
ここまで紹介したとおり、エコキュートは高いエネルギー効率で給湯できるシステムです。
消費するエネルギーの量も少なくなることから、環境に与える影響を抑えられるSDGsな機器としても知られています。
特に近年は「おひさまエコキュート」(太陽光発電のエネルギーも活用して熱を生み出すシステム)など、自然エネルギーも活用してCO2量を削減する製品も発売されています。
★エコキュート+太陽光発電で大幅にCO2を削減する「おひさまエコキュート」
本製品では住宅のエコキュートと比較して44%もCO2排出量を削減できる試算を行っています。
このようにエコキュートを選択することで、自然や地球環境への配慮ができる点も魅力です。
まとめ:エコキュートで電気代を節約するポイント
「エコキュートにしたのに、電気代が高い!」
エコキュートを導入予定で、こうした口コミを見て不安に感じている方に向けて、エコキュートでも電気代が高くなる原因と対策を紹介しました。
本来エコキュートはヒートポンプという技術を利用していることから、非常に高効率にお湯を作り出せる技術です。
しかし、契約しているプランや給湯器の設定によっては、口コミのとおり電気代が高くなるケースもあるようです。
エコキュートを導入して期待通りに電気代を節約するためには、以下の対策を講じることを考えてみましょう。
● 電気代の安い時間に沸き上げる設定にする
● 貯湯容量の大きなエコキュートを選択する
● 単価の安い電気事業者を選択する
● 旅行・出張などは沸き上げを停止する
● 給湯効率の高い現行品に切り替える
● 給湯器による電気代の比較は年間平均で考える
● 季節に合わせて給湯器の設定温度を変える
● 季節に合わせて給湯器の湯量を変える
● エコキュート室外機の環境を整える
● 太陽光発電・蓄電池の導入
エコで電気代も節約できるエコキュートで期待通りの光熱費にするために、現在の使用状況と照らし合わせて1項目ずつ確認することをおすすめします。
特に電気事業者の選定やライフスタイルに合わせたプランの選定は、一度設定すれば手間もかからず継続的に節約効果を得られます。
手間がかかるのは初めだけと考えて、検討してみましょう。
これから新築住宅を建築・取得する予定の方は、適切な容量のエコキュートの選定や太陽光発電・蓄電池の導入など、建築当初だからこそしておきたい対策もあります。
どこから手を付けてよいか分からない場合は、間取りから光熱費の不安まで、細かな相談にも対応する、弊社サティスホームまでお気軽にご相談ください。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。