「リビングにロールスクリーンを取り付けると後悔する」
このような口コミを見かけることがあります。
家族が長い時間を過ごし来客が訪れるリビングの窓辺には、カーテンとロールスクリーン、どちらを取り付けるべきなのでしょうか。
本記事ではロールスクリーンを設置して後悔するケースと原因やメリット・デメリットについて解説します。
ロールスクリーンはリビングの壁面のうち、大きな面積を覆うことになるため想像よりも存在感の大きなアイテムです。
後悔する場合の解決策についても解説していますので、ロールスクリーンを希望しながらデメリットや後悔事例が気になる方はぜひご覧ください。
リビングにロールスクリーン設置の後悔とその原因
はじめに、リビングにロールスクリーンを設置した場合に感じる可能性のある後悔と原因を紹介します。
カーテンの方が断熱性が高いのでは?と感じてしまう
ロールスクリーンはカーテンと比較したとき、より寒さを感じやすい場合があります。
原因はロールスクリーンと窓枠の間にある隙間です。
構造上、ロールスクリーンと窓枠との間には隙間が生じやすく、窓を通じて外の寒さが侵入する可能性があります。
スクリーンの端から光が漏れてまぶしい
ロールスクリーンは布地の端から光が漏れてまぶしさを感じる場合があります。
ロールスクリーンは布地を巻き上げるために、枠とロールスクリーンの芯のあいだに隙間が生じます。ここから外の光が漏れてしまうのです。
ロールスクリーンを出しても光が透過する
★光が透過するロールスクリーン
後述しますが、ロールスクリーンの端から光が透過する問題は対処が可能です。
こちらも対処可能な問題ではありますが、布地の種類によってはロールスクリーンを出していても光を遮れずに透過するケースがあります。
お昼に横になりたいとき、太陽光を遮って作業したい場合などは透過する光に後悔を抱えるかもしれません。
風で揺れたときに鳴る音が気になる
ロールスクリーンには、布地をしっかり伸ばすために最下部にウエイトバーと呼ばれる枠と重りを兼ねる棒があります。
風が吹いたとき、バーが揺れて枠と接触しカランカランと音がする場合があります。
強風時など、気になりだすと後悔につながるかもしれません。
面積が大きくなると昇降動作が辛い
★開閉動作が大変になる可能性のある大型のロールスクリーン
ロールスクリーンは布地の面積が大きくなると開閉時に重量を感じる場合があります。
頻繁に開け締めの動作が必要になる場所では、日々の昇降動作が辛いと感じるケースもあるでしょう。
掃き出し窓に取り付けると出入りがしづらい
人が出入りするための窓である掃き出し窓にロールスクリーンを設置すると出入りしづらくなるケースもあります。
カーテンであれば左右にカーテンを分けるだけで出入りできますが、ロールスクリーンの場合は一度完全に開放する必要があります。
部分的に開放できず外からの視線が気になる
カーテンは窓の半分まで締めたりレースカーテンを利用したりと開度の調節が容易です。
ロールスクリーンは横方向には部分的に開けることができず、お住まいの環境によっては外からの視線が気になるケースもあります。
汚れた場合に洗濯ができない
取り外して洗濯できるカーテンと異なり、ロールスクリーンは金具に固定されているケースも多く洗濯できない場合があります。
長期間使い続けて汚れが蓄積した場合に後悔を抱えるかもしれません。
リビングのロールスクリーンのデメリットと解決策
こうした様々な後悔を抱える可能性のあるリビングのロールスクリーン。
改めてデメリットを紹介するとともに、それぞれの解決策を紹介します。
デメリット(1)カーテンと比べて厚みを出しづらく断熱性を確保しづらい
ロールスクリーンは金具に巻き上げる構造であることから厚みを出しづらく、断熱性を確保しづらい点が1つ目のデメリットです。
解決策:遮熱タイプのロールスクリーンを選択する
窓からの寒さを防ぎたい場合は、遮熱タイプの生地を使用した製品を選びましょう。
遮熱タイプの生地であれば、窓からの寒さを防ぎ、室内の暖気を留める効果を発揮します。
熱を蓄えたい冬場のほか、西日の強い夏場にも効果を感じられます。
解決策:ダブルタイプのロールスクリーンを選択する
★ロールスクリーンメーカータチカワブラインドのダブルタイプのロールスクリーン
ロールスクリーンは製品によっては2つの生地を出し入れできるダブルタイプの製品があります。
ダブルタイプの製品を利用すれば、空気の層を2つ設けられ、高い断熱性を期待できます。
解決策:ハニカム構造の製品を選択する
ロールスクリーンに似た性質を持ちながら高い断熱性を誇る製品として、ハニカムスクリーンが挙げられます。
蜂の巣のような六角形で構成されるスクリーンで、間に空気の層を作ることから冷気の侵入を遮断する効果を発揮します。
デメリット(2)ロールスクリーンの端から光が漏れる・透過する
2つ目のデメリットは、ロールスクリーンと枠の間から光が漏れることです。昼間に横になって休憩するときなど、光を遮りたいときに問題となることがあります。
一般的な布地を使用した場合に、光が透過する場合もデメリットを感じることがあります。
解決策:壁付けのロールスクリーンを選択する
ロールスクリーンには、窓枠の内側に設置する天井付けと、窓枠の外を覆うように設置する壁付け、2つの設置方法があります。
壁付けを選択することで光の漏れを大幅に軽減できるでしょう。
解決策:ガイドレールのある製品を選択する
ロールスクリーンには枠に沿ってガイドレールが付属するタイプの製品があります。
ガイドレール付きの商品であれば、布地と枠との隙間がなくなることから光が漏れる心配をせずに済みます。
解決法:遮光1級の製品を選択する
光の透過が気になる場合は、遮光1級の製品を選択しましょう。
ロールスクリーンの布地には、無等級のもの、遮光2級のもの、遮光1級のものがあり、後になるほど遮光性能が上がります。
夜の勤務で昼寝をする可能性があったり、朝をゆっくり過ごしたい場合は遮光性能の高い製品を選択しましょう。
デメリット(3)バーが揺れると枠との間で音がする
ロールスクリーン下部のウエイトバーは、布地を綺麗に巻き取るために不可欠な部品ですが、強い風が吹くとウエイトバーと枠との間で音が鳴る点がデメリットに数えられます。
解決法:ウェイトバーキャッチャーを利用する
★風によるロールスクリーンの音が気になる場合に利用できるウエイトバーキャッチャー
ウエイトバーによる音が気になる方は、バーを固定するウエイトバーキャッチャーの利用を検討しましょう。
ロールスクリーン最下部にある金具にバーを固定することで風が吹いてもバーが揺れずに済み、音が鳴ることを防いでくれます。
デメリット(4)面積が大きい場合は昇降動作が重くなる
垂直に持ち上げる必要のあるロールスクリーンは、布地の面積が大きくなると開閉時に重さを感じる場合があります。
特にリビングの窓は大開口であることが多いため、開閉時の重さも考えつつ製品のサイズを検討しなければいけません。
解決法:ロールスクリーンを2つに分割する
開閉する際の重さが気になる方は、ロールスクリーンを2~4分割することを検討しましょう。
分割する方が1つ当たりの布地が少なくなり、開閉時の重さを軽減できます。
ただし、一度に全体を開閉できない点や操作用のチェーンが増えてしまう点などには注意が必要です。
デメリット(5)掃き出し窓からの出入りがしづらい場合がある
ロールスクリーンを閉めている状態だとウエイトバーがあることから、掃き出し窓からの出入りに支障をきたします。
カーテンであれば手で寄せれば気軽に出られることから、ロールスクリーンならではのデメリットといえます。
解決法:カーテンとロールスクリーン、適材適所に利用する
掃き出し窓については、カーテンとロールスクリーンを適所に利用することをおすすめします。
リビングには日光を取り込むために掃き出し窓を設けるケースは多いですが、出入りが多くなるかはご家庭ごとのリビングの使い方によります。
頻繁に出入りする場所であればカーテン、出入りが少ない場所にはロールスクリーンと、適した場所ごとに使い分けましょう。
デメリット(6)開放状態にするとプライバシーを確保しづらい
ロールスクリーンは開放状態にした際にプライバシーの確保が難しいこともデメリットに挙げられます。
特に交通量の多い場所や住宅に囲まれている場所では、常にロールスクリーンを閉めた状態で過ごすことになりかねません。
解決法:レースカーテンの併用・ダブルタイプのロールスクリーン
視線が気になりながらロールスクリーンを利用したい場合は、レースカーテンの併用やダブルタイプのロールスクリーンの利用がおすすめです。
ロールスクリーン1つに頼らず、枚数を増やしたりカーテンを併用して視線を防ぎましょう。
デメリット(7)洗濯ができない製品がある
ロールスクリーンの中には洗濯に対応していない製品がある点も後悔につながる場合があります。
特に金具に固定されている製品は実質的に洗濯できませんので、他の方法で綺麗にする必要があります。
解決法:拭き掃除で対応する
選択できないロールスクリーンを選択した場合は、拭き掃除で対応することとなります。
汚れが付着した場合など、適度なタイミングで拭き上げることで汚れの沈着を防ぎましょう。
解決法:洗濯可能な製品を選択する
ロールスクリーンの中には、取り外して選択できる製品もあります。
メンテナンスのことも考慮して、商品選択の段階でこうした製品を選ぶことも有効です。
ロールスクリーンには複数のデメリットを指摘される場合がありますが、紹介したようにいずれも個別に対処することは可能です。
ただし、家を建てる前の段階でなければ利用できない対策もありますので、ロールスクリーンを利用する場合は早めに設計者に伝えることをおすすめします。
リビングのロールスクリーンのメリットと活用方法
ここまでリビングにロールスクリーンを設置する上での後悔やデメリットについてお伝えしました。
しかし、ロールスクリーンには、デメリットを上回るメリットもありますので、どういったメリットがあり、どう活用できるのかも確認しましょう。
スタイリッシュな見た目になり内装をおしゃれにできる
カーテンではなく、ロールスクリーンを導入することで、スタイリッシュな内装になりリビングがおしゃれになります。
カーテンのように”ひだ”が出ず、ピンと張った布地はアーバンスタイルにぴったり。
もちろん木目が似合うナチュラルスタイルにも生地のデザイン次第で合わせることも可能です。
生地が張るためデザイン・柄がよく見える
ロールスクリーンの生地が張る性質は、デザインや柄がよく見えるメリットにもつながります。
悩んで選んだこだわりの生地がはっきり見えることで高い満足度を得られるでしょう。
縦長の窓など横幅の小さな場所でも設置できる
縦スリット窓や横スリット窓など、縦横の寸法がコンパクトな窓に設置しやすい点もロールスクリーンのメリットです。
コンパクトな寸法の窓に通常のカーテンを設置すると、カーテンレールや縫い目が目立ってしまいますが、ロールスクリーンであれば心配せずにすっきり設置できます。
日光が入る範囲を調節できる
★日光の入る範囲を調節できる点もロールスクリーンのメリット
縦方向に開閉するロールスクリーンは、室内に入ってくる日光の範囲を調節できる点が魅力的です。
温熱環境の面やまぶしさの面から日差しを調節したい場面、上下方向で調節できれば適度な日射へと容易に調節できるでしょう。
部屋と部屋の間に設置して目隠しとしても利用できる
すっきりした印象で閉じているときに存在感が少ないロールスクリーンは、リビングと和室など、部屋と部屋の間仕切りとしても活用できます。
客間として利用する予定である一方、普段は家族が使用する場所では、引き戸などのしっかりした建具を設けても活躍する機会が少ないもの。
ロールスクリーンは費用も安く巻き上げていれば目立たないことから、間仕切りとして最適な選択肢です。
ほこり取りなど日常的な掃除を行いやすい
洗濯しづらいことがデメリットに挙げられましたが、日常的な掃除がしやすい点はロールスクリーンのメリットです。
生地が平滑であることから、ホコリ取りなどでサッと掃くだけでも綺麗になります。
巻き上げた状態であればほこりが被らない点も嬉しいポイントです。
後悔しないためのリビングのロールスクリーン選びのポイント
記事の終わりに、リビングにロールスクリーンを設ける場合に後悔を避ける選び方を紹介します。
設置する場所での使い方を想像する
リビングにロールスクリーンを設ける場合は、実際に使う姿を想像することが大切です。
後悔やデメリットの話題で説明したとおり、ロールスクリーンは閉めた状態では出入りができず、一度巻き上げる必要があります。
こうした手間を何度も感じていると後悔を感じるかもしれません。
庭のお手入れや洗濯など一日に何度も出入りすることが予想される場所にはカーテンを、一度操作するとしばらく操作しない場所にはロールスクリーンをと、場所によってカーテンとロールスクリーンを使い分けることをおすすめします。
天井付け・正面付けを意識して選択する
ロールスクリーンには、窓枠の内側に取り付ける天井付けと、窓枠外側の壁に取り付ける壁付けがあります。
天井付けは枠の内側に収まりすっきりした印象に仕上がりますが、窓枠とロールスクリーンの隙間から熱や光が漏れる点に注意が必要です。
天井付けと壁付け、どちらを選択するべきか、メリット・デメリットを比較して検討しましょう。
カーテンと比較してからロールスクリーンを選ぶ
後悔を避けるために必ず行っておきたいことは、カーテンとの比較です。
ロールスクリーンのデザインが気に入った場合でも、使う場所によってはカーテンの方が適しているケースはあります。
カーテンの方が適している場所にデザイン重視でロールスクリーンを取り付けると、暮らし始めてから後悔することになります。
双方の特徴を把握したうえで、設置場所に合った方を選択しましょう。
窓の開閉ハンドルやスイッチとの干渉に気をつける
ロールスクリーンを閉めるとき、窓の開閉用のハンドルや照明のスイッチなどと干渉するケースもあります。
この場合中途半端な位置でロールスクリーンが止まってしまいます。
こうした事態を避けるために、設計の段階から布地やウエイトバーに干渉するものがないか確認することをおすすめします。
各種機能を把握した上で商品を選択する
ロールスクリーンに、遮熱や遮光といった機能があることは紹介しました。
しかしほかにも、UVカットや抗菌・防カビ機能、取り外して選択できるウォッシャブルタイプ、防炎や天然素材使用の製品など、多様な製品が存在します。
取り付けた後に各種機能を知ると後悔につながる恐れがあるため、設計の段階でどんな機能があるのか把握しておきましょう。
操作方法(チェーン・コード・ハンドル・電動など)を確認する
機能に加えて、ロールスクリーンの操作方法を検討することもおすすめです。
最も一般的なチェーンのほか、コードで上げ下げするもの、ハンドルで上げ下げするもの、電動で開閉するものまで様々です。
こちらも場所ごとに最適な仕様を選ぶことが大切です。
こうしたポイントを抑えて、ロールスクリーンを設置した後の後悔を感じず、メリットだけを感じて暮らせるよう工夫しましょう。
まとめ:リビングのロールスクリーンで後悔しない方法
リビングにロールスクリーンを利用する場合に後悔するケースやデメリット、およびその対策、メリットや活用法など幅広く解説しました。
ロールスクリーンはスタイリッシュな見た目や生地の柄がよく見える点など、デザインの面で優れた特徴を持つ設備です。
また、縦横の幅がコンパクトなスリット窓などにもぴったり納まる点も魅力的です。
一方でカーテンと比較したとき、隙間を埋めづらい点など後悔を感じるケースが多いことも確かです。
ロールカーテンを利用して後悔を感じないためには、本記事で紹介した特徴や機能性ロールスクリーンなどがあることを認識することが大切です。
その上で、カーテンも含めて設置場所ごとに適した選択を行うことで、後悔を避けて満足できる窓まわりを実現できるでしょう。
ロールスクリーンでの後悔を避けるためには、こうした建築後の設備についても相談できるハウスメーカーでの家づくりをおすすめします。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。