吹き抜けのエアコン設置位置:おすすめの場所と失敗例、エアコンの選び方も解説!

吹き抜けのエアコン設置位置:おすすめの場所と失敗例、エアコンの選び方も解説!

吹き抜けは開放感のある住宅にすることができる一方で、冷暖房効率が下がってしまうため、どこにエアコンを設置すべきか悩ましいところです。吹き抜けにファンを設置して空気の循環を行う家庭も多いですが、できれば適切なエアコンの設置位置を把握しておきたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事ではエアコンの設置位置と失敗例、注意点について紹介します。これから吹き抜けのマイホームを建築する方はぜひ参考にしてください。

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吹き抜けのある家におすすめのエアコン設置位置

一般的に吹き抜けはリビングに設置することが多いですが、エアコンの設置個所はどこがおすすめなのでしょうか。

通常の高さ

通常、エアコンの高さは1.8m〜2.4m前後に設置されます。吹き抜けであっても同じ高さに設置する家庭が多いです。吹き抜けであっても居住スペースは下のフロアになります。そのため、通常の住宅と同じ高さに設定する方が多いです。またエアコンの清掃や修理なども行いやすいメリットがあります。エアコンは天井高さから逆算して設置します。通常1階の天井高は2.4mから3mの間で建築され、エアコンを設置する場合は、天井高から30センチから50センチほど下の位置に取り付けます。そのため吹き抜けの間取りであっても1階に天井があると仮定した高さに取り付けるのが一般的です。

吹き抜けの中間層

吹き抜けの中間層の位置に設置する家庭もあります。より全体的にエアコンの冷暖房が届くようにするためです。ただし通常の高さより冷暖房効率は低下してしまうため、「よりパワーが強いエアコン」または「強風などに設定する」ことにもなりかねません。さらに簡単にメンテナンスできる高さではないため、清掃や修理の際は専門の業者に依頼することにもなるでしょう。中間層に設置した場合、電気代や業者代などランニングコストがかかるデメリットが挙げられます。

横軸の設置位置について

エアコンの高さについて紹介してきましたが、今度のは横軸である設置場所についてです。設置場所はどこでもよいですが、一般的には四隅に取り付けることが多いです。エアコンが空間の中央にあると目立ってしまうためでしょう。とはいえ細かな条件などはなく、好きな位置に取り付けることができます。ただし後ほど紹介する失敗例もあるため、家具などのレイアウトを考慮しながら取り付けることが大切です。

室外機が見えない場所に置くのもポイント

エアコンを設置する際は外に室外機を設置しますが、見栄えが良くないため。見えにくい場所に設置するのが一般的です。建物正面に室外機を設置するとイメージが悪くなります。そのため一般的には建物側面に室外機を設置します。とはいえエアコンの位置によって室外機の場所も変わってくるため、双方のバランスを考慮して設置する必要があります。

天井タイプもある

オフィスや商業施設のように、天井にエアコンをつけるタイプもあります。天井カセットエアコン(天カセエアコン)とも呼ばれ、送風口は4か所などにすることも可能なことから、空間全体に風が行き届きます。一方で設置する際の費用はコスト高であり、なおかつメンテナンス費用も高額となります。さらに通常のエアコンのように取り替える工事も大規模となるため、費用面においては大きな支出となります。しかし近年の天井カセットエアコンの性能が高く、耐久性も長くなっていることから導入する家庭も少しずつ増えています。ただし吹き抜けの住宅は天井にエアコンをつけても、下の空間まで風が届かないため、設置しないようにしましょう。

吹き抜けのある家でよくあるエアコン設置位置の失敗例

エアコンの設置位置は空間の温度調整の鍵を握る設備です。そのため設置位置などが重要となりますが、さまざまな失敗例も挙げられます。ここでは代表的な失敗例を4つ紹介します。

ソファーの正面に配置した

ソファーの正面にエアコンを設置することで、顔に風が直接当たるため、肌の乾燥などにもつながったという失敗例です。結果テレビやソファーなどの配置を変えざるえない状況にもなりました。ソファーの正面に配置することで冷暖房を感じることができますが、エアコンの風に直接当たると、以下の健康被害につながる可能性があるといわれています。
● 肩こり
● 免疫力低下
● むくみ
● 食欲不振
● 腹痛、便秘、下痢
● 血行不良
● 疲労感
● 頭痛
● 女性は生理不順
そのためエアコンは普段いるソファーの正面に配置してはいけません。新築時や住宅の建築時に、ソファーの位置とエアコンの向きを検討しておく必要があります。

エアコンの風が壁に当たって部屋が温まらない

エアコンの位置はソファーの正面が良くないため、別の向きに変えたものの、壁までの距離が近く、空間全体が温まらない(冷えない)失敗例です。エアコンは部屋全体に風が届くようにしなければいけません。しかし壁が近いと空間全体に行き届かなくなります。さらにクロスへのダメージも増え、定期的な張替えをすることにもつながりかねません。そのためエアコンを設置する際は、壁との距離も考慮しておきましょう。

手の届かない位置で掃除が大変

吹き抜けの中間層などにエアコンを設置したものの、掃除に手間がかかってしまったという失敗例です。通常のエアコンの高さであれば、男性でも簡単に清掃が可能です。しかし吹き抜けの中間層に設置されていると、手の届かない位置であるため脚立などで掃除しなければいけません。もちろん非常に危険なためおすすめしませんが、業者に依頼する方も少ないのも事実です。そもそも中間層に設置しておかなければ簡単に掃除できるため、手の届かない位置にエアコンを設置して失敗したという事例です。

寝室に付けるエアコンの位置に失敗した

寝室にエアコンをつける家庭も多いですが、ベッドに直接風が当たってしまう場所に設置してしまった失敗例です。先程もお伝えした通り、直に風に当たってしまうと健康にも影響を及ぼします。しかし寝室の間取り上、ベッドの位置が変えられず、結果エアコンを使用しないで就寝することになった失敗例です。夏場は暑くて寝付けず、冬場は寒い中就寝することになります。そのため寝室のエアコンの位置を決める際は、ベッドのサイズや向きと一緒に検討しなければいけません。

吹き抜けのある家のエアコンの選び方

ここでは吹き抜けのある家のエアコン選びのコツについて紹介します。

対応畳数を確認する

はじめにエアコンの対応畳数を確認しましょう。家電量販店などでエアコンを見てもらうとわかる通り、エアコンによって出力パワーが異なり、対応乗数にも違いが生じます。例えば「12畳」「14畳」「16畳」などと記載されているので確認してみましょう。吹き抜けの住宅の場合、ワンランクもしくは2ランク上の対応乗数を選ぶようにしましょう。より大きなパワーが必要となるためです。とはいえ対応乗数だけでなく、設置位置も重要となるため、図面などをもって家電量販店の方に確認するのも一つの方法です。

電気料金を確認する

エアコンには年間消費電力の目安が記載されているため、年間の電気代を想定できます。もちろん安いことに越したことはありませんが、実際使用する電気量は各家庭によって異なるため、自身で計算してエアコンを選ぶのも一つの方法です。年間の電気代を計算するためには、エアコンの消費電気量と1kWhあたりの料金単価をかけます。

年間の電気代=期間消費電力量 × 料金単価(円/kWh)

期間消費電力量はエアコンの商品説明などに記載されており、料金単価は電力会社で確認できます。例えば電気単価が30円で期間消費電力量が750kWhの場合、エアコンの年間電気代は22,500円と想定できます。しかし期間消費電気量が700kWhの場合、21,000円となるため、約1,500円安くすることが可能です。双方のエアコン代金差が15,000円であれば、11年目以降は期間消費電気量が700kWhの方がお得になると計算することが可能です。とはいえ電気単価も変われば、劣化によって期間消費電気量も大きくなる可能性もあるため、トータルの費用を計算してエアコンを選ぶことが大切です。

付加価値を確認する

近年のエアコンにはさまざまな付加価値がある機能が付いています。「人検知機能」「除菌機能」「自動おそうじ機能」など、より利便性の高いエアコンの人気が高まっています。付加価値は人によって必要・不必要が異なるため、事前にチェックしてから購入しましょう。またIoT化されたエアコンの人気も高く、スマホ1台で操作することが可能です。さらに遠隔操作できるため、外出先から帰宅時間に合わせてエアコンをつけることもできます。その他にもさまざまな付加価値機能が付いたエアコンがあるため、家電量販店などで確認してから購入しましょう。

吹き抜けのある家の間取りと冷暖房の注意点

最後に吹き抜けのある家の間取りにエアコンを設置する際の注意点を紹介します。

そもそも吹き抜けを作る意味を考える

吹き抜けを開放的な空間にすることができる一方で冷暖房効率が低下してしまうため、そもそも吹き抜けを作る意味を考えてみましょう。近年おしゃれな住宅に採用され始めている吹き抜けですが、今後一生住むかもしれない住宅に本当に必要なのでしょうか。吹き抜けは大きなリビングなどを設置できない場合や、2階にいる子どもとのコミュニケーションを取るために用います。しかし十分なリビングの広さを確保できるうえ、子どもたちもリビングに集まる傾向にある家庭であれば、わざわざ吹き抜けを設ける必要性もないでしょう。そのためエアコンの設置位置以前の前に、吹き抜けの必要性を検討してみた方が良いでしょう。

家具のレイアウトを考慮する

エアコンの風が直接当たらないように、配置する家電のレイアウトを考慮しておくことが大切です。「ソファーを置いたもののエアコンの風が直接当たる」「ベッドで寝ていると直接当たって寒い」ということにもつながりかねないため、エアコンの設置場所を検討する前に、「どこにどの家具を置くのか」を決めておくことが大切です。多くの方は建物の間取りが完成して満足しておりますが、本来は家具のレイアウトも決めておくべきです。エアコンの風向きだけでなく、生活動線や家電の配置などにも影響がでます。そのため建築会社の方にどのような家具を設置したいのかを伝えておき、図面に反映してもらいましょう。例えばソファーのサイズも2人掛けや3人掛け、L字ソファーによってサイズが大きく異なります。サイズが大きくなると歩くスペースも狭くなってしまいます。結果家が完成してから家具を購入したものの、狭いリビングになったという事例も少なくありません。そのため建物の工事が始まる前に、希望の家具のサイズを伝え、図面に書き落としてもらってからエアコンの設置位置を決めることが大切です。

キッチンからの臭いが届かないように間取りを考慮する

リビングに吹き抜けを設ける場合、キッチンからの料理の臭いが2階まで届いてしまう可能性もあります。2階まで臭いが届くということは、家全体に臭いが行き届いてしまうことにもなりかねません。そのため吹き抜けのあるリビングとキッチンの間取りを考慮する必要があります。一般的にはキッチンとリビングはつながっています。しかし臭いを気にする方は、キッチンに扉をつけて独立型にした方がよいでしょう。また風の流れなどを考慮した間取りにしておくと、2階まで臭いが行き届くことがありません。とはいえ臭いを考慮した間取りに関しては専門家からの意見を参考にしなければ、一般の方には難易度が高いです。そのため建築会社の方に相談しながら間取りを検討しましょう。

ラニングコストがかかることを把握しておく

吹き抜けを設けた場合、照明や窓を高い位置に設置することになります。自身で取り替えや清掃するには危険度が高いため、専門業者に依頼しましょう。もちろん専門業者への費用が発生する点は把握しておかなければいけません。費用は業者によって価格が異なるため一概には言えないものの、電球の交換であれば数千円程度、窓清掃であれば数万円程度です。さらに業者に依頼する回数自体は数年に1度程度であるため、大きな支出にはなりませんが、ランニングコストがかかることは理解しておきましょう。

施工例をたくさん見る

吹き抜け間取りを検討する際は、実際の施工例を見てみることが大切です。住宅展示場や見学会に足を運べば、吹き抜け住宅の間取りを確認することが可能です。実際「冷暖房が効いているのか」「音はどれくらい届くのか」「風はどのように流れているのか」などを把握することができるからです。また実際に自分が住んでいることをイメージすると、吹き抜けの良しあしが判断できるでしょう。そのため実際の施工例を見てみることが大切です。施工例を見たいという方は、相談している建築会社の方へ確認してみましょう。

吹き抜けのエアコン設置位置についてのまとめ

今回は吹き抜けの間取りに設置するエアコンの位置や失敗例、注意点について紹介しました。吹き抜けだからといって高い位置にエアコンを取り付けるのではなく、通常の高さがベストです。しかしエアコンの向きが重要となるため、建築会社の方と相談して決めましょう。直接風が当たるようにすると健康にも影響がでます。さらに高い位置に設置すると清掃したいタイミングでわざわざ業者を呼ぶことになりコストがかかってしまいます。そのため適切な位置にエアコンを設置するようにしてください。また吹き抜けの住宅の人気は高いですが、そもそも必要なのか慎重に判断してください。吹き抜けは開放的な空間にできる反面、さまざまなデメリットがあります。そのため住宅展示場や見学会に足を運び、吹き抜け住宅の施工例を見て、実際に住んだ場合をイメージしてから取り入れるか検討しましょう。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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