カラオケ好きの方は「自宅にカラオケルームがほしい」と考えたこともあるのではないでしょうか。カラオケルームはカラオケ機器などの他に防音対策をしなければいけません。そのため大掛かりな工事となり、高額な工事費用が発生します。とはいえどれくらいの費用になるのか気になる方も多いでしょう。本記事では自宅にカラオケルームを作る方法と目安費用について紹介します。
自宅にカラオケルームを作る方法
自宅にカラオケルームを作る方法は大きく分けて以下の4パターンあります。
1. 防音室を作り、カラオケルームにする
2. 地下にカラオケルームを作る
3. 自宅庭にガレージなどを設けてカラオケルームにする
4. 一人カラオケルームを作る
それぞれ工事方法が異なれば費用にも違いが生じます。まずはどのように作るのかについて次の項から紹介していきます。
防音室を作り、カラオケルームにする
自宅の一室に防音室を作り、カラオケ機器を設置する方法です。防音室は防ぎたい音の大きさによって施工方法が異なりますが、カラオケルームの場合は通常の防音室より防音性能が高い施工をしなければいけません。一般的な防音室は大きな声に対応できる程度ですが、カラオケルームとなると通常の音より何倍も大きくなります。そのため複数人でカラオケを楽しみたい場合は部屋全体の工事が必須となります。さらにカラオケ機器やモニター、テーブルや椅子の設置なども必要となります。
地下にカラオケルームを作る
新築住宅の建築時地下室を作り、カラオケルームにする方法です。工事内容は先程紹介した物と同じで、防音室を作ってカラオケ機器を設置する流れとなります。ただし地下室の建築費が高額となるため、資金的にも余裕がなければ難しい方法となるでしょう。既に地下室のある住宅を建築されている方は、防音室とカラオケ機器の工事費で済みます。ただし地下室の場合は、通常の部屋より音漏れがしにくいメリットがあるため、カラオケルームには最適です。
自宅庭にガレージなどを設けてカラオケルームにする
自宅とは別に、ガレージやプレハブなどを庭に設置し、独立したカラオケルームにする方法です。もちろん設置できるほどの庭の広さや、ガレージなどの購入費用が必要です。同じく防音室工事を行う流れとなりますが、近年では防音室付きガレージの商品も販売されています。自動車の音も非常に大きいため、カラオケルームとしても利用することができます。場合によってガレージ兼カラオケルームも可能となるため、車好きにも人気のある施工方法です。
一人カラオケルームを作る
近年では1人カラオケルームの製品もあります。公衆電話BOXのように立ったままカラオケをすることができます。特に防音室の工事をすることもなければ、カラオケ機器が備え付けられているため、工事する必要もありません。コンセントをつなげれば即座にカラオケすることが可能です。ただし1人用であるため、複数人が入れるスペースはありません。
自宅カラオケルームの防音工事の効果と費用
自宅にカラオケルームを設置する際、必須となるのは防音室です。防音室を設置した方にとっては「本当に音が聞こえなくなるのか」疑問に思うところでしょう。そのため、ここでは防音室の効果と費用目安について紹介します。
音の大きさを理解する
防音室を設置するうえで音の大きさを理解しておく必要があります。環境省が定める騒音基準は昼間は55デシベル以下、夜間は45デシベル以下となっています。その基準に対し、音別のデシベル目安は以下の表の通りとなっています。
人の寝息 雪が降り積もる音 |
10デシベル~25デシベル |
人のささやき声 | 25デシベル~45デシベル |
トイレを流す音 テレビの音 |
45デシベル~65デシベル |
セミの声 パチンコ店 |
65デシベル~85デシベル |
地下鉄の通過音 滝の音 カラオケ店 |
85デシベル~105デシベル |
飛行機の通過音 ブルの解体工事 |
105デシベル~130デシベル |
もちろん環境や状況によって音の大きさは前後しますが、おおよその目安は上記の通りとなり、セミの声以上となると騒音に感じてしまいます。カラオケも非常に大きな音になってしまうため、カラオケルームでは防音室が必須となり、音を半減近くまで落とす必要があります。
防音室の種類
防音室には以下の3つのタイプがあります。
● 簡易タイプ
簡易タイプとはブースタイプやテントタイプなど比較的安価なもので、組み立てによって作ることが可能です。ただし遮音性が高いとは言えないため、完全防音にならないことからカラオケルームには向いていません。
● ユニットタイプ
すでに作られた防音室を部屋に設置するだけとなります。1畳前後のものから5畳位と幅広いサイズの製品があります。
● 自由設計タイプ
部屋を完全防音室にするタイプです。防音効果が高いだけでなく、カラオケなどの音響を好きにすることができるため、カラオケルームに向いています。
防音室の費用相場
防音室の費用はグレードなどによって異なりますが、ここでは部屋の大きさ別の費用目安を紹介します。
防音室の大きさ | 費用目安 |
4.5畳 | 300万円~350万円前後 |
6畳 | 300万円~400万円前後 |
8畳 | 350万円~450万円前後 |
10畳 | 350万円~500万円前後 |
12畳 | 400万円~550万円前後 |
上記の費用目安は遮音等級を55〜60デシベル前後に調整した場合の費用相場です。カラオケルームでは調度よい防音性能です。
カラオケ機材の費用
防音室をカラオケルームにするためにはカラオケ機材を設置しなければいけません。主に必要な機材は以下の通りです。
● 通信カラオケ本体・・・カラオケ本体機器 ● マイク・・・2本以上(ワイヤレスの方がおすすめ) ● アンプ・・・スピーカーから音声出力する機材 ● スピーカー・・・音源とマイク音を出す ● 液晶モニター・・・映像と歌詞を出す ● デンモク・・・カラオケのリモコン ● インターネット回線・・・楽曲提供するために必須 ● 通信カラオケ用ルーター・・・ネット回線をつなげるためのルーター |
上記のカラオケ機材をそろえるとなると、200万円〜300万円前後の費用が発生します。中古であっても100万円近い価格となるでしょう。
さらにソファーやテーブルなどもそろえるとなると、数百万円の費用が発生します。そのためカラオケルームを作るとなると、500万円〜1,000万円近い価格となるとに認識しておきましょう。
自宅カラオケルームをDIYで作る場合の防音効果と費用
ではメーカーや業者に依頼せず、自分でカラオケルームを作ることは可能なのでしょうか。ここではDIYでカラオケルームを作る方法と費用相場について紹介します。
DIYでカラオケルームを作る方法
自身でカラオケルームを作る際は、以下の必要材料を用意します。
● 吸音材 ● 壁用合板(MDFボード) ● 柱用木材 ● ビス ● 養生テープ ● ジョイントマット ● マスキングテープ ● 扉用丁番 ● 扉用取手 ● コーナー金具 ● すきま埋めシリコン施工用 ● コーキングガン ● コーキングヘラ ● マグネットキャッチ ● ゴムロール ● 室内照明 |
材料の準備が完了した後は、以下の手順で作業を行います、
1. 床にジョイントマットを敷く
2. 壁3面を組み立てる
3. 天板とドアを装着する
4. 外壁を密閉加工する
5. 内壁にウレタンを貼る
最後に防音性能を騒音計などで計測します。しかし上記の作業を素人の方が行うと正しい施工ができず、防音効果が発揮しない場合があります。さらにカラオケの配線なども複雑であるため、しっかり勉強してからDIYをしましょう。
DIYでカラオケルームを作る費用
DIYでカラオケルームを作った場合、おおよそ200万円~300万円の費用となります。ただしDIYのデメリットはしっかり防音性能が高いカラオケルームを作れる保証がないことです。機材などはそのまま使えますが、DIYで失敗した場合は防音室の材料が無駄になる可能性も高いです。そのためカラオケルームを作る場合は専門業者に相談することをおすすめします。
DIYではなく専門業者に依頼する場合の注意点
専門業者によってもカラオケルームの工事費用は異なるため、複数社に見積もりを取ってから判断しましょう。本記事では500万円~1,000万円ほどの費用が発生するとお伝えさせて頂きましたが、安く施工してくれる業者もあります。しかし安いがゆえに材料の素材もよくないケースがあるため、各社に見積もりを依頼する場合、材料などが記載されている詳細見積もりをもらうようにして比較しましょう。
自宅にカラオケルームを作る方法と注意点まとめ
今回は自宅にカラオケルームを作る方法と費用相場、注意点を紹介しました。カラオケルームの費用は500万円~1,000万円前後となりますが、カラオケルームの広さや防音性能によって大きくことなります。そのため専門業者に依頼するようにしましょう。DIYでも作成できますが、失敗する可能性も高いため、しっかり勉強してから取り組むことをおすすめします。新築住宅をこれから建築し、同時にカラオケルームをつくるのであれば、建築会社に相談し、コストの安く施工技術が高い業者を紹介してもらいましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。