注文住宅の壁紙にはさまざまな種類があります。壁紙によっては部屋の雰囲気が変わるだけでなく、性能も異なります。一見部屋の色合いを出すだけと思っている方も多いですが、壁紙には脱臭効果や湿気対策などさまざまな効果があります。効果を考慮しないまま壁紙を選んでしまうと、後々すぐに劣化し、交換することにもつながりかねないため、あらかじめ壁紙ごとの特徴は理解しておくべきでしょう。そこで今回注文住宅の壁紙の種類と費用相場について解説します。これから注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。
注文住宅の壁紙の費用と相場
注文住宅の壁紙は1㎡あたり「800円~2,500円」前後が一般的です。もちろん建築会社によって価格は異なります。また壁紙にもたくさんの種類があり、費用もさまざまです。詳しくは次の項で紹介します。
注文住宅の壁紙の種類と選び方
注文住宅の壁紙には大きく分けて以下の6つが挙げられます。
1. ビニールクロス壁紙
2. 紙壁紙
3. 織物壁紙
4. 木質系壁紙
5. 珪藻土壁紙
6. オレフィン壁紙
それぞれの特徴とメリット・デメリット、費用を紹介します。
ビニール壁紙(ビニールクロス)
ビニールクロスはポリ塩化ビニールを主原料とする壁紙で、最も住宅に使用されています。しかし数年前まで材料の問題からシックハウス症候群を起こす原因とも言われていました。近年のビニールクロスは塩化ビニールの量を減少させることができ、シックハウス症候群対策もされています。ビニールの裏には「「F☆☆☆☆」と記載があり、星の量が多いものを選ぶことでシックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドを含む量が少ないことを意味します。ビニールクロスを選ぶ際はぜひ確認してみましょう。
メリット
ビニールクロスのメリットは以下の3つがあげられます。
1. 価格が安い
2. 防水・防臭・防湿効果も見込める
3. カラーバリエーションが豊富
デメリット
一方デメリットは以下の3つが挙げられます。
1. 耐久性が低い
2. 安っぽく見える
3. 有害物質が含まれている
費用
ビニールクロスの費用は1㎡あたり800円~1,200円前後です。
紙壁紙(紙クロス)
紙壁紙とは紙に樹脂などを塗工・含浸し強度をもたせたファインペーパーのことを指します。現在の住宅では使用されることは少なくなりましたが、ヨーロッパでは根強い人気があります。紙クロスは大きく分けて2種類あり、ヨーロッパなどで用いられているものは木材から抽出したバルブを原料としたものです。さらに紙クロスの表面にプリントを行うため、好きなデザインにすることが可能です。一方日本の紙クロスは和紙として使われることが多く、コウゾやミツマタが使用されています。和風建築の家や和室などに向いている特徴を持ち合わせています。
メリット
紙クロスのメリットは以下の通りです。
1. 吸音性が高い
2. 紙素材のため環境に良い
3. 化学物質がないため人体にも優しい
デメリット
紙クロスには以下のデメリットが挙げられます。
1. 水と油に弱い
2. 紙が収縮するためつなぎ目が目立つ
3. 擦れに弱い
費用
紙クロスの費用は1㎡あたり1,500円~2,500円前後です。
織物壁紙(布クロス)
織物壁紙とは、織物やフェルト、不織布、レーヨン、麻や綿などを使用したクロスです。他のクロスより質感も良く、高級感あるクロスとして、結婚式場や高級ホテルなどでも使用されています。
メリット
織物壁紙のメリットは以下の通りです。
1. 高級感がある
2. 質感が良い
3. 調湿性と通気性に優れており、結露しにくい
デメリット
織物壁紙のデメリットは以下の通りです。
価格帯が高く値幅が大きい(レーヨンからシルクがあるため)
汚れが落ちにくい
防火認定を受けていないためキッチン周辺には使用できない
費用
織物壁紙の費用は1㎡あたり1,000~2,500円前後です。また高級シルクになると更に費用は高くなります。
木質系壁紙
木質系壁紙とは薄くスライスしたコルクや天然木などを紙に張り付けたクロスのことです。自然素材からできているため、温かさのある空間にすることができます。特にカントリースタイルなどの住宅に向いている特徴を持ち合わせています。
メリット
木質系壁紙のメリットは以下の通りです。
1. 天然目の味わいを出せる
2. 落ち着いた印象に仕上がる
3. 高級感あるアクセントクロスにすることもできる
デメリット
木質系壁紙のデメリットは以下の通りです。
1. 水拭きできない
2. 耐久性が高いとは言えない
3. ビニールクロスと比べて価格が高い
費用
木質系壁紙の費用は1㎡あたり1,500円~2,000円前後です。
珪藻土壁紙
珪藻土壁紙とは壁紙の表面に珪藻土を塗り付けたクロスのことを指します。珪藻土は植物性プランクトンである珪藻土の化石を塗り壁にしたものです。
メリット
珪藻土壁紙のメリットは以下の通りです。
1. 手塗り工事であるためオリジナリティがある
2. 脱臭効果が見込める
3. 耐火性能が高い
デメリット
珪藻土のデメリットは以下の通りです。
1. ひび割れする可能性もある
2. しみになる可能性もある
3. 施工できない建築会社もある
費用
珪藻土壁紙の費用は1㎡あたり1,500円~2,500円前後となります。
オレフィン壁紙
オレフィン壁紙はポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックの一種を主原料とした壁紙です。ビニールクロスと似た性質を持ち合わせる一方、破棄した時に有害物質が発生しない特徴を持ち合わせています。
メリット
オレフィン壁紙のメリットは以下の通りです。
1. 高い耐久性
2. 手入れがしやすい
3. 有害物質(有毒ガス)をほとんどださない
デメリット
オレフィン壁紙のデメリットは以下の通りです。
1. 価格が高い
2. 壁紙自体が薄く下地の凹凸が目立つ
3. デザインのバリエーションが少ない
費用
オレフィン壁紙の費用は1㎡あたり1,500円~2,000円前後となります。
注文住宅の壁紙に関するQ&A
ここでは注文住宅の壁紙に関するQ&Aを紹介します。壁紙は1㎡あたりの費用は大きくないものの、家全体の施工範囲となると費用も高額になります。そのため少しでも費用を抑えたいと思う方もいらっしゃるでしょう。そのため壁紙の費用を抑える方法を紹介します。
壁紙の費用を抑える方法はありますか?
壁紙の費用を抑える方法は2つあります。
● ビニールクロスをベースにする
ビニールクロスは壁紙の中で最も安いです。さらに耐久性も高く、コストパフォーマンスが高いクロスとも言えるでしょう。ビニールクロスは住宅業界ではもっとも流通しているクロスです。そのためメーカーの方でも価格を抑えている特徴があります。
● 建築会社が指定するクロスを選ぶ
建築会社は年間たくさんの住宅を建築しているため、メーカーや商社から大量に壁紙を発注しています。そのため建築会社が指定するクロス以外を選ぶとオプション工事になり、費用が高額となってしまいます。例えば建築会社が紙クロスを指定している場合、指定外のビニールクロスを選ぶと1㎡あたりの費用は紙クロスの方が安くなるケースも多いです。そのため建築会社で決められたクロス以外は使用しない方が安くすることが可能です。ただしお客様の方でも気になるデザインなどもあると思いますので、ぜひ建築会社へ相談してみましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。