現在注文住宅の建築を打合せしている方やこれから注文住宅の建築を検討している方はぜひ、壁の下地補強を意識しておきましょう。壁の下地補強と聞くと、建物の耐久性を高める効果を思いつく方も多いと思いますが、壁の下地補強は後々非常に有効な効果を発揮してくれます。どのような効果があるかわからない方に向けて、本記事では壁の下地補強に着目し、目的や費用相場などを紹介します。ぜひ参考にしてください。
注文住宅の壁下地補強とは?
注文住宅の壁下地補強とは、合板などを入れ、壁の強度をあげることを指します。強度をあげることにより、壁に棚などを設置する際倒れにくくする効果が見込めます。下地補強しない場合のクロスの裏側は、石膏ボードになるため、耐久性が高いとはいえません。ビスを打って棚を設置したとしても、建物が老朽化していくと倒壊する可能性も高まります。一方、合板などを設置することでビスも十分固定できるため、安定した棚を造ることが可能となります。新築時に棚を造る予定がないものの、後々棚を設置したいからといって、家が完成してから下地補強をすることは非常に困難です。クロスをはがし合板を取り付けることは簡単にできる工事でなく費用も高くなります。そのため壁の下地補強は新築時に行うのが望ましいでしょう。
壁下地補強の目的・効果
壁の下地補強は棚などを設置し、荷物を置いても倒れないようにするために用いられています。例えばクローゼットに棚を設置し、その上に荷物を置くとすると、必ず下地補強が必要となります。下地補強がなければ軽い荷物しか置けませんが、下地補強することにより、重い段ボールなども置くことが可能となります。
新築時の壁下地補強の必要性
新築時に壁の下地補強は棚などを設置する必要があれば行うべきです。設置場所は後ほど紹介しますが、下地補強をしないまま棚の設置はできないと思うべきでしょう。また住宅の壁は石膏ボード1枚もしくは2枚貼りです。石膏というだけあって耐久性が高いとは言えず、壁掛けテレビなどを設置するとすぐにテレビが倒れてしまいます。十分な強度にするためにも下地補強が必要となります。
注文住宅の壁下地補強の費用と相場
下地補強は建築会社によって異なるものの、1か所あたりおおよそ「4,000円~7,000円」前後です。また施工範囲によっても金額は異なります。下地補強は見積書に明記されていないため、わかりにくい費用でもあります。詳しく知りたい方は建築会社へ確認してみましょう。
注文住宅の壁下地補強が必要になる場所
注文住宅の壁に下地補強が必要となる場所は主に以下の5つが挙げられます。
1. クローゼット
2. トイレ・洗面所
3. ロールスクリーン
4. 壁掛けテレビ
5. リビング
クローゼット
クローゼットは壁の下地補強が必須です。枕棚の上に荷物を置く場合やポールを取り付けてジャケットやコートをかける場合に用いられています。衣類も数が増えれば重くなるため、重さに耐えられるように補強しましょう。
トイレ・洗面所
トイレや洗面所の棚を取り付ける際も必要です。トイレにはトイレ用品などを置く方や洗面所にタオルを置く方も多いです。物自体は軽いですが、万が一に備えて下地補強しておきましょう。もちろん手すりなどを取り付ける際も必要です。
ロールスクリーン
ロールスクリーンを取り付ける際も必要です。天井に取り付けるタイプと両壁に取り付けるタイプがあります。それぞれの取り付け場所に合わせて下地補強しましょう。
壁掛けテレビ
壁掛けテレビを設置する際も下地補強は必要です。テレビの重さも20キロや30キロもあるため必ず行いましょう。
リビング
リビングの壁にインテリアとして小物などを飾る際も下地補強が必要となります。絵画や自転車などある程度重さがあるものであればなおさらです。さらにエアコンを設置する場合は下地補強が必須となります。
注文住宅の壁下地補強の注意点
注文住宅の壁の下地補強を行う際は以下の3点に注意しましょう。
1. 補強する場所によっては断熱性能が落ちる
2. 事前に下地補強場所を決めておく
3. 壁一面は必要ない
それぞれ次の項で解説します。
補強する場所によっては断熱性能が落ちる
壁には断熱材が入っていますが、下地補強をすることで断熱材を削ることになるため、断熱性能が下がることにも繋がります。そのため外壁に面した壁は極力下地補強を控えた方が良いでしょう。リビングなどは外壁面が多く、家族が一緒にいる場所であるため、断熱性能は低下させない方が良いです。下地補強する場所は断熱性能に影響が出ない場所を選びましょう。
事前に下地補強場所を決めておく
下地補強は住宅が完成してから行うのは手間と費用がかかるためおすすめしません。そのため、住宅の設計段階で下地補強箇所を決めておくことが望ましいです。下地補強箇所は「どこに何を取り付けるか」を決めておき、設計士に伝えるようにしましょう、例えば棚を取り付ける場所や壁掛けテレビの位置などを想定し、図面に反映させるようにしておきましょう。図面に記載があれば問題なく施工してもらえます。
壁一面は必要ない
下地補強は壁一面する必要はありません。棚などを取り付ける範囲を定めて必要最小限にしましょう。「壁の全面を下地補強したけど使用しなかった」という意見も多いです。無駄な工事は建築予算にも影響を及ぼすため、どの場所に必要かあらかじめ決めておくことをおすすめします。
注文住宅の壁下地補強に関するQ&A
ここでは注文住宅の壁の下地補強に関するQ&Aを紹介します。下地補強も施工箇所を増やすと費用も高額となります。少しでも費用を抑えるためにコストを抑える方法を紹介します。
壁下地補強の費用を抑える方法はありますか?
壁の下地補強の費用を抑える方法は2つ挙げられます。
● 施工範囲を決めておく
壁の下地補強の費用を抑えるためには必要最低限の場所を施工するようにしましょう。先ほどもお伝えした通り、下地補強は壁全面施工する必要はありません。棚や壁掛けテレビを設置する箇所だけで良いので、補強範囲を意識しましょう。とはいえ具体的な補強範囲はわからないという方も多いです。そのため建築会社の設計士におまかせすることをおすすめします。設計士は数々の住宅を建築してきた経験とノウハウを持ち合わせているため、どの場所を下地補強した方が良いかわかっています。知識のない方は設計士から細かく説明してもらい、必要最低限の下地補強であるか確認するようにしましょう。
● 後から工事を行わない
先ほどもお伝えした通り、住宅が完成してから壁の下地補強は費用が高くなります。新築時であれば建物の本体工事と一緒に行うことができますが、後からの工事となると一度クロスをはがし、合板を取り付け、再度クロスを貼る作業を行います。非常に手間のかかる作業であるためリフォーム費用も高額となります。そのため新築時下地補強を行うようにしましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。