最近の注文住宅は、部屋の天井に取り付けるシーリングライトより、ダウンライトの方が人気は高いです。スタイリッシュでありながら高級感もあり、住宅のおしゃれさを引き立てる役割も持ち合わせています。
ダウンライトは天井に埋め込むタイプの照明を指します。高級感住宅だけでなく、高級感ホテルでもダウンライトが多く採用されていることも多いため、一見価格が高い照明と思っている方も多いのではないでしょうか。
近年のダウンライトはメーカーの方で、価格を抑えた商品も多く、手頃に購入することもできるため、注文住宅でも多く取り入れています。
そこで今回、注文住宅ダウンライトの費用相場を紹介します。また、ダウンライトのメリット・デメリットも解説するため、これから注文住宅を検討されている方は是非参考にしてください。
注文住宅のダウンライトの取り付け費用相場
注文住宅のダウンライトは「ランプ交換型」と「一体型」の2つに分けることができます。それぞれの特徴と費用相場を紹介します。
ランプ交換型の費用相場
「ランプ交換型」のダウンライトは、照明の電球が切れたとき、電球を交換するタイプのものです。自身で電球を家電量販店などで購入すれば、簡単に交換できるメリットがあります。しかし、一体型より照明器具の価格が高くなります。
ランプ交換型のダウンライトは施工費含め、1か所あたり「3,000円~20,000円前後」です。新築住宅でダウンライトを設置する場合は、個数も増えるため、一か所あたりの工事費はさらに安くなる場合も多いです。
またダウンライトにはバリエーションも豊富なため、商品の価格も幅広い特徴があります。
一体型の費用相場
一体型のダウンライトは、交換型のダウンライトと異なり、電球と一体になっているため、電球が切れたタイミングで本体の交換をしなければいけません。
一体型の電球の多くは、LED照明を採用しており、寿命はおおよそ10年~15年ほどです。つまり10年が経過した時点で交換しなければいけないデメリットがあります。
しかし、ランプ交換型のダウンライトより価格は安く、「8,000円~10,000円前後」となります。
こちらも交換型のダウンライト同様、設置個所が増えれば価格は安くなるでしょう。
注文住宅のダウンライトの選び方
注文住宅でダウンライトを採用するか悩んでいる方は、まずはメリット・デメリットを理解しておきましょう。
ダウンライトのメリット
まず初めにダウンライトのメリットについてです。ダウンライトには以下の5つのメリットが挙げられます。
部屋の空間をスッキリさせることができる
従来の照明は、天井に取り付けるタイプのものが多かった傾向にあります。照明器具も多少重さがあったため、女性が取り付けるのは難しいという印象を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
更に従来の照明はダウンライトよりもサイズが大きいため、圧迫感を感じていた人もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、部屋の照明をダウンライトにすることで、天井からの圧迫感がなくなり、スッキリした空間にすることができます。また、照明器具自体は既に天井に取り付けてあるため、ランプ交換型のダウンライトであれば、電球だけの交換で済みます。
またダウンライトは天井の凹凸感を無くすことができるため、他のインテリアを主張させたいときにおすすめです。
ポイントを絞って照らせることができる
一か所だけを集中的に照らすことができる「集光タイプ」のダウンライトを用いることで、骨董品や絵画などを照らすことができ、美術館のような見せ方にすることも可能です。
またインテリアを部屋に飾っている方は、照明を照らすことでよりおしゃれさを引き立てることができます。何もない状態でインテリアを飾るよりも照明を照らすだけで、一つのワンポイントにもなり、見栄えも向上します。
高級感を出せる
ダウンライトがあるだけで、高級感を引き出すことができます。ダウンライトが住宅の照明として主流になる前までは、高級ホテルなどでよく見かけました。しかし、近年は一般住宅でも多く採用されています。その名残もあり、ダウンライトがあるだけで、高級感を感じる方も多いです。
また建物内部だけでなく、玄関ポーチにダウンライトを取り入れることで、住宅の外部もおしゃれにすることが可能です。
虫が隙間に入る心配がない
従来のシーリングライトに虫がいたという経験をしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。商品によるものの、従来のシーリングライトには隙間があり、虫が入ってしまうケースも多くありました。
しかしダウンライトは壁に埋め込まれており、照明部分もカバーがついているケースも多いです。つまり、上記のような悩みは無くなります。もちろんダウンライトの種類によって異なるため、一概には言えませんが、虫が苦手な方は、ダウンライトがおすすめです。
掃除が簡単
ダウンライトは壁に埋め込みされており、簡単に拭き掃除ができます。大きいシーリングライトの場合は、裏側も掃除する場合、一度取り外す手間がありますが、ダウンライトはそのまま吹けば掃除が完了します。掃除の手間を少なくできる点は、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
ダウンライトのデメリット
ダウンライトのメリットを紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。メリットだけを見るのではなく、デメリットも理解した上でダウンライトを取り入れるか検討しましょう。
シーリングライトと比べて照明範囲は狭い
ダウンライトは一つあたりの大きさも小さい分、照明する範囲が狭いです。従来のシーリングライトは部屋に一つあれば、全体を照らすことができました。部屋の大きさに合わせた照明も家電量販店などで購入できたため、部屋に合った明るさを選ぶことができます。
しかしダウンライト一つだけでは照明範囲が狭いため、複数取り付ける必要があります。
LEDの明るさ調整ができない種類もある
ダウンライトの種類によっては、照明の明るさを調整できないものも多くあります。一般的には照明にリモコンがついており、明るさを調整できます。
しかし、賃貸住宅などで取り入れられているダウンライトは、スイッチのオンオフだけのものが多いです。もちろん注文住宅と賃貸住宅では、ダウンライトの仕様が異なりますが、価格を意識した場合は、明るさを調整できないものを選んでしまうこともあるでしょう。
そのため、ダウンライトをどのような種類を設置するかよく検討して選ぶようにしましょう。
配置が難しい
ダウンライトの配置は非常に難しいです。照明位置が描かれた電気図だけではわかりにくく、注文住宅が完成してから後悔したという方もいらっしゃいます。
基本的には注文住宅のインテリアコーディネーターなどが照明位置を提案してくれます。ダウンライトの配置は良くイメージして検討する必要があるでしょう。
自分で交換できない
先ほどもお伝えした通り、LED照明の寿命は10年~15年前後です。ランプ交換型の場合は自身で交換可能ですが、一体型の場合は電気工事士の資格を所有している専門業者でなければ交換できません。複雑な電気工事であるため、専門的知識と技術が必要です。
また、ダウンライトは複数設置するのが通常ですが、それぞれ寿命が異なります。照明の寿命が来る度に電気業者に交換の依頼をすると、その都度修理費用がかかるため一度にまとめたいと思う方も多いです。
しかし電気が切れた状態で生活することも嫌と思う方も多いため、「修理費用を優先するか」「照明を優先するか」判断しなければいけないでしょう。
寝室には向いていない
ダウンライトはスポットライトに一点集中の照明が多いです。寝室で天井を見上げた時は、ダウンライトが眩しいと感じる方も多いのではないでしょうか。そのため寝室にダウンライトを取り入れる場合は、配置と種類をしっかり検討しましょう。
ダウンライトのサイズ
ダウンライトは埋め込みされる直径のサイズによって種類がわかれています。例えばφ75(ファイ)と表記されているものは、直径7.5センチメートルのサイズを表します。もちろんメーカーによって表記は異なり、100㎜と記載されている場合や100形と読む場合もあります。どの表記も数字が直径サイズになりますので、簡単に覚えることができるでしょう。
注文住宅のダウンライトのサイズは、20㎜~450㎜前後が多いです。大きさによってダウンライトの照明具合も異なるため、取り付けする際は、場所に合わせたダウンライトを選ぶようにしましょう。
ダウンライトの工期
ダウンライトの工期は注文住宅の構造と内装がある程度できた段階で行います。始めに電気工事として配線工事を行います。電気配線工事が完了した後、クロスの貼り付けなど行い、ダウンライトを取り付ける流れです。
その期間は約2か月ほどです。もちろん注文住宅の構造や建築会社によってことなるため、工期は目安として下さい。
ダウンライトのメンテナンス
ここではダウンライトのメンテナンス方法を紹介します。「交換型」と「一体型」に分けて紹介しますので、それぞれのメンテナンスを理解しましょう。
メンテナンス方法
ダウンライトは基本的に拭き掃除だけでメンテナンスは完了します。近年のダウンライトはカバーがついているものが多いです。汚れも溜まりにくいため、一年に一度乾拭きすれば問題ありません。
「交換型」のダウンライト照明が切れた場合は、ホームセンターや家電量販店など電球を購入しましょう。間違えて電球を購入しない為にも、家電量販店に電気が切れた電球をもっていくことをおすすめします。どの電球か分からない方は、お店の方に聞けば教えてくれるでしょう。
一方で「一体型」のダウンライトが切れた際は電気会社へ依頼し、見てもらうようにして下さい。先ほどもお伝えした通り、一体型のダウンライトの交換は電気工事士の資格が必要です。資格が必要ということは、それなりに複雑な工事であり、かつ危険性もあるということです。必ず自身で行うのではなく、専門業者に依頼してください。
メンテナンス費用
交換型ダウンライトの電球は、家電量販店などでは「1,000円~10,000円」で購入可能です。またインターネットでは更に安く購入することもできるでしょう。商品によって価格は大きく異なるため、ご自身の予算に合わせて購入してください。
一方で「一体型」の交換を電気業者に委託した場合、「5,000円~20,000円」前後の費用となります。
どちらもダウンライト一か所分の交換費用なため、複数交換ある際は、更に費用がかかります。
また上記の価格は目安です。具体的な費用を知りたい方は実際に家電量販店に足を運ぶか、電気業者に確認してみて下さい。
注文住宅のダウンライトに関するQ&A
ここでは注文住宅のダウンライトに関するQ&Aを紹介します。
ダウンライトの費用を抑える方法はありますか?
注文住宅のダウンライト費用を抑えたい方は、注文住宅会社が指定するダウンライトにすることです。注文住宅会社はダウンライトをメーカーから集中購買で購入しているため、一つあたりの単価は安いです。
ダウンライトだけの単価はインターネット上の方が安いですが、施工費が含まれておらず、どこのメーカーの商品か分からないということも多いです。さらに保証がついていないダウンライトも多いため、取り付けしてすぐに故障した時は、再度購入しなければいけません。
将来的な費用を考慮した上でも、注文住宅会社が指定するダウンライトが良いでしょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。