憧れのマイホームのイメージはあるけれど、どんな間取りかは言語化するのは難しいですよね。間取りではなく、建物の外観や内装のデザインでイメージしている方も多いでしょう。
しかし、理想のマイホームを建築するためには一番間取りが大切です。いくらかっこよく、おしゃれな注文住宅を建築しても、間取りが悪ければ住みにくく後悔することでしょう。
しかし家を建てたことが無い人が間取りを考えると言っても、どの点を意識して検討すればいいかわからない方も多いです。さらに、注文住宅は一から間取りを作り上げていくので、非常に困難で労力を費やします。
とはいえ、間取りを決める流れやポイントを理解しておくことで、スムーズに決めることができ、納得いくプランを早期に決めることも可能です。
そこで今回、注文住宅の間取りに着目し、流れや優先順位、決める6つのコツなどを紹介していきます。これから注文住宅を検討される方は、ぜひ参考にしてくださいね。
注文住宅の間取り決めの流れ
間取りを決めるといっても、どれくらいの大きさで、何部屋必要かわからない方も多いでしょう。ここでは間取りを考え始めた時から決まるまでの4つの流れを紹介します。
- 展示場や見学会に参加し、空間をイメージする
- 注文住宅会社に間取りの提案をしてもらう
- 何度も間取りの打ち合わせを行い、納得するプランを完成させる
- 間取りの最終確認を行う
1.展示場や見学会に参加し、空間をイメージする
間取りを決める前に、部屋の大きさや部屋数をイメージできない方も多いでしょう。「リビング14帖」と言われてもピンと来ない方もたくさんいます。
そのような方は、住空間をイメージするためにも展示場や見学会に参加し、実際の建物を見てみることをおすすめします。
「どれくらいの部屋の大きさであれば、圧迫感を感じないか」、「部屋数はどれくらいあったら足りるか」など、今後の間取りを検討する上で大いに役立つことでしょう。
また、間取りにはたくさんの種類があるため、さまざまな物件を見てみると良いです。一つの間取りを見て、大きさを分かった気でいる方も多く、注文住宅が完成してから「後々部屋が小さかった」と後悔している人も多いです。
たくさんの物件を見れば、おおよその大きさのイメージが出来るようになりますので、さまざまな間取りの家を見てみましょう。
2.注文住宅会社に間取りの提案をしてもらう
見学会に参加し、間取りのイメージがわいてきたら、注文住宅会社に要望を伝えて、プラン図の提示をしてもらいましょう。
もちろん1パターンのプランだけで良いですし、2.3パターンのプランを依頼しても問題ありません。憧れのマイホームを建築するためにも、比較検討できるプランがあっても良いでしょう。
また優秀な注文住宅会社であれば、あなたの要望+αの提案をしてくれるかもしれません。土地に合った間取りや、地域の特性を踏まえた間取りなど、最適なプランを提案してくれます。
注文住宅会社も数多くの注文住宅を建築してきていますから、ぜひ貴重な意見として参考にしてみましょう。
3.何度も間取りの打ち合わせを行い、納得するプランを完成させる
注文住宅の依頼をする会社がある程度決まったら、間取りの打ち合わせを何度も行い、完成させましょう。
この段階ではおおよその間取りは決まっていると思います。そのため、「収納スペースの場所や大きさ」、「動線の流れ」などの詳細を決めていきましょう。何度も打合せを行い、納得するプランを決めてください。
しかしながら注文住宅は建売住宅などと違い、一から間取りを考えていくため、大いに時間が必要となります。その時間が嫌になり、注文住宅を諦めてしまう方も多いです。
しかし打ち合わせ回数が増えて嫌になったとしても、憧れのマイホームのために努力して、納得できる間取りを完成させていきましょう。
4.間取りの最終確認を行う
注文住宅会社と契約する際は、間取りの最終確認があります。自身の要望がしっかり反映されているか確認しましょう。
もちろん納得したプランではあると思いますが、念のためチェックしておくことが大切です。
これで間取りの完成となり、後は契約して着工し、完成を待つのみとなります。
注文住宅の間取りを決める際の優先順位・ポイント
もちろん部屋が大きい方が解放感もありますし、広く使えるなどのメリットがあります。しかし、部屋を大きくすると、住宅面積も増えるため、予算が大きくなってしまいます。
とはいえ、予算と間取りのバランスは、見積もり金額を提示された時にしか分かりませんので、ここでは間取りを重視した際に決める優先順位やポイントについて下記の5つを解説します。
- 建築動機を確認
- リビングの大きさ
- 動線を意識する
- 収納スペースの数と大きさ
- 日当たりと風通し
1.建築動機を確認
そもそもなぜ注文住宅を建てようと思ったのでしょうか。「今住んでいる賃貸物件の家賃が高いから」「子供が増えてきて部屋が欲しくなったから」などさまざまあると思います。
その動機を思い出し、建築理由を見直しましょう。
賃貸の家賃が高ければ予算を重視しなければいけませんし、子供が増えてきたのであれば、間取りや部屋数を考慮しなければなりません。
どの点に比重を置くかを最初に決めておきましょう。
2.リビングの大きさ
家族が一番集まるのはリビングですよね。
リビングは広い方が圧迫感も感じず、過ごしやすい空間となります。ソファーやテーブル、ダイニングテーブルなども置くとなると、広めに想定していた方が良いかもしれません。
しかし、リビングが広すぎたゆえに、掃除が大変という方もいらっしゃいます。
そのため、展示場や見学会で見たリビングの大きさをイメージしながら検討しておきましょう。
3.動線を意識する
朝に起床してからの動線、家事をするうえでの動線、トイレやお風呂にいくまでの動線を意識して検討しましょう。
「トイレ一つ行くのにも、さまざまな部屋を通らないといけない」「朝起きて顔を洗ってから着替える部屋までに行くのがめんどうくさい」など、動線が悪ければ、理想のマイホームであってもストレスを感じてしまいます。
そのため何度も間取り図を見て、動線をイメージして検討しましょう。
4.収納スペースの数と大きさ
注文住宅の間取りで最も失敗が多いのが「収納が少ない」です。
家に長く住めば荷物も多くなり、収納スペースは必須となります。また子供も増えた場合は、さらに収納スペースが必要となるでしょう。
しかし収納スペースを大きくしたり、数を増やすことで、他の部屋が狭くなってしまうなどの原因にもつながります。バランスを考えて収納スペースを検討しましょう。
5.日当たりと風通し
せっかくのマイホームなので、日当たりが良いお家が良いですよね。
南側に部屋を配置すれば、日当たりは良くなる傾向がありますが、全部屋南側は難しいケースが多いです。そのため家族が集まるリビングは南側に配置し、寝室など活動時間が少ない部屋は北側に配置するなどを考慮しましょう。
また、一つの部屋に窓を2か所設けることで風通しがよくなります。つまり角部屋を作るということです。間取りの配置上、全部屋角部屋は難しい場合、廊下や階段に窓を設けて風通しを考慮してみましょう。
日当たりと風通しは住んでから気が付くという方が多いです。そのため、プランを打合せしている段階で考慮しておきましょう。
失敗しない注文住宅の間取りの決め方【6つのコツ】
誰もが失敗した間取りにしたくないことでしょう。注文住宅が完成してから後悔しないためにも、ここでは間取りの決め方を6つ紹介します。
- 要望を書き出す
- 優先順位を決める
- 家族会議を行う
- プロの意見を取り入れる
- 他の方の意見をすべて聞き入れない
- コンセントの数や位置を確認
要望を書き出す
理想のマイホームのイメージができたら、要望を書き出してみましょう。「3LDKと子供部屋一つ「広めのリビング」「二回にもトイレが欲しい」など、自身がイメージしている注文住宅はどんなものなのかがわかるようにもなります。
書き出すことで、注文住宅へのモチベーションが上がるだけでなく、注文住宅会社との打ち合わせ時も使えます。
まずは理想のマイホームはどんな注文住宅なのかを明確にしてみましょう。
優先順位を決める
理想のマイホームを作り上げるためには、予算との兼ね合いもあることでしょう。間取りを大きくし、住宅設備もハイグレードにすれば、建築費も上がります。
予算がオーバーした際は、どこか削らなければなりません。その際優先順位を決めておけば、「ここは譲れない」「ここは諦められる」など、判断することが可能となり、予算内の建築費に収めることも可能となります。
優先順位を決められない人は、「あれもこれも譲れない」となり、予算オーバーの注文住宅や注文住宅が建てられないなどにもなりかねません。そのため、どの箇所を優先するかを決めておく必要があります。
家族会議を行う
旦那さんと奥さんが間取りを検討する上で譲れないポイントはあるでしょう。例えば、「旦那さんは書斎が欲しい」「奥さんはハイグレードのキッチンにしたい」などが挙げられます。
それらの意見を家族会議でまとめておくことで、スムーズに間取りを決めていけます。
家族内で意見が割れていると、注文住宅会社との間取り打合せも進みませんので、必ず行うようにしましょう。
プロの意見を取り入れる
注文住宅会社は数多くの家を建ててきた経験があります。間取りの良し悪しもわかっているので、意見は参考にしてみましょう。
これから長く住む注文住宅となるので、後悔はしたくないはずです。そのため、プロの意見を聞き入れて間取りを検討しましょう。
他の方の意見をすべて聞き入れない
注文住宅を建築する際は、ご両親の方や親戚、友人も意見を出してくる場合もあります。「あれはあった方がいい」「これはいらない」などさまざまな意見をおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
全ての意見を組み入れてしまうと、自身がイメージしているマイホームからかけ離れてしまうこともあります。
そのため、参考になる意見だけを考慮して間取りを決めていきましょう。
コンセントの数や位置を確認
意外と見落としがちですが、コンセントの数と位置は結構大事です。間取りの兼ね合い上コンセントが配置できない場合もありますので、注意が必要です。
住んでから「ここにコンセント無かった」「コンセントが遠い」と感じている方も多いです。また「コンセントを2口にしていたけど、足りなくてタコ足状態になってしまい危険」となることも考えられます。
掃除機を使う時、コンセントが無いと不便ですよね。また、コンセントが無いため、長い配線が見えてしまうこともあるでしょう。
そのためコンセントの数や位置は確認しておくことをオススメします。
注文住宅の間取りでよくある失敗例
注文住宅に住んでから失敗したと感じる方も多数います。ここでは間取りでよくある失敗例を5つ紹介します。
- リビングの動線を考えていなかった
- 収納スペースが少なすぎた
- 吹き抜けを作ったら2階が狭く、リビングが寒い
- 1階と2階の遮音を怠った
- 使わない部屋を作ってしまった
間取りを設計する際は、使いやすさや住みやすさを意識して検討することが大切です。動線や音問題を考慮しないまま間取りを考えてしまうと後悔してしまうでしょう。
賃貸物件と異なり、音問題を意識しなくても大丈夫と考えている方もいらっしゃいますが、2階の音は1階まで届くものです。そのため、遮音性も意識して設計する必要があります。
また音だけでなく、動線や収納スペース、寝室や書斎室などもひとつひとつの空間も意識しておくことも大切です。本当に部屋や収納スペースは足りるのか、もしくは必要なのかを考えて設計しましょう。無駄な空間を省けば建築費を抑えることにもつながります。
住んでから後悔しないためにも、ぜひ検討してみて下さい。
注文住宅の間取り相談は成功例を参考にしよう!
注文住宅は間取りが全てと言っても過言ではありません。自身が設計した空間に住むわけですが、完成してから後悔してもどうしようもない場合もあります。
そのため間取りは慎重に考え、「本当に必要なのか」「これで足りるのか」を見極める必要があります。
とはいえ、初めての注文住宅を設計するわけですから、知識がなければ経験もありません。注文住宅会社のプロの意見や、成功例を参考に間取りを考えることで、住んで後悔しない注文住宅を完成させることができるでしょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。