近年開放感のある住宅の人気が高く、吹き抜けを取り入れている方も多いです。リビングに吹き抜けを設けることで、部屋を広く見せることが可能です。一方で音問題も生じるため、対策を打たなければいけません。本記事では吹き抜けの音問題とその他のデメリットを紹介し、必要な対策方法について解説します。これから吹き抜けのマイホームを建築する方はぜひ参考にしてください。
吹き抜けは音対策が必要?そのデメリットとは?
そもそも吹き抜けにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは7つのデメリットを紹介します。
リビングの音が2階届きやすくなる
吹き抜けにすることで、2階の部屋までリビングの音が届きやすくなるデメリットがあります。1階の天井がない分、音が反響しやすくなり、2階の寝室にいてもリビングでの話し声が聞こえてしまう可能性も高いです。特に子どもがある程度大きくなり、2階の部屋で勉強しているときは、リビング内の音量を下げなければいけません。また夜中家族が就寝している最中に、リビングでテレビを見ていると音が聞こえてきて寝付けない場合もあるでしょう。そのため後ほど紹介しますが、音対策をする必要があります。
2階の居住スペースが狭くなる
吹き抜けを設けることで2階の居住スペースが狭くなるデメリットがあります。吹き抜けは2階の居住スペースを失くして設置するため、部屋数が少なくなってしまいます。特に狭小地などの場合は建築できる建物面積も少ないため、吹き抜けを設けると部屋数が足りないことにもつながりかねません。そのため吹き抜けにする際は、必要な部屋数を確保できている状態が望ましいです。
空調が効きにくくなる
吹き抜けにすると空調が効きにくくなるデメリットが挙げられます。空間が広くなるため、冷暖房効率が下がってしまうためです。そのため吹き抜け天井部分にはファンを設け、空気の循環を行う方が多いです。しかしファンをつけたとしても吹き抜けなしのリビングと比較すると、空調の効果は弱くなってしまうでしょう。吹き抜けの状態で空調を効かせるためには、より強力な冷暖房器具を設置するか、省エネ住宅やZEH住宅など、保温性能が高い住宅にする必要があります。
吹き抜けの窓掃除が大変
吹き抜けにする方の多くは、高い位置に窓を設置しますが、掃除が困難なデメリットがあげられます。吹き抜けにした箇所に窓を設置することで、より多くの自然光を取り入れることができるため、部屋が明るくなるメリットがあります。一方で高所のため、自分で掃除をするのは非常に危険です。多くの方は梯子を使って窓掃除を行いますが、万が一転倒した時は大事故にもつながりかねません。そのため本来であれば清掃業者などに一任した方が良いですが、コストがもったいないという理由から自身で行う方が多いです。しかし非常に危険なため、吹き抜けの窓掃除は大変だというデメリットがあります。
臭いが2階に届きやすくなる
1階の天井がない分、吹き抜けを通して2階へ臭いが届いてしまうデメリットがあります。吹き抜けを設置することが多いリビングは、キッチンとつながっているため、料理の臭いが2階まで届いてしまいます。2階まで届くということは家全体に臭いが充満しやすくなることを意味します。そのため、料理後は空気の循環を行うために換気をしなければいけないデメリットがあります。
転落の危険性がある
吹き抜け部分の2階は転落の危険性があるため注意しなければいけません。手すりや壁を設けて落ちないようにするものの、子どもが小さいうちは好奇心が大きいため非常に危険です。また酔っぱらって足を滑らせたりする可能性もあるでしょう。吹き抜けを設ける場合は転落防止の対策をする必要があります。
耐震性能が低下する可能性もある
吹き抜けにすることによって耐震性能が低下する可能性もあります。もちろん建築基準法をクリアした建物であるため、耐震性能は高いです。しかし2階部分の床がない分、地震の揺れが大きくなる可能性も高まります。
吹き抜けの音対策とは?
吹き抜けの音対策はいくつかありますが、吹き抜けのない部屋と比べると、対策しても完全に音が消えるわけではありません。吹き抜けである以上、音の響き具合が大きくなる点は理解しておく必要があります。とはいえできる限りの音対策を紹介します。
2階の部屋を防音室にする
最も有効なのは2階の居室を防音室にすることです。防音室にすれば、居室から音が響かないうえに、吹き抜けのあるリビングなどからの音を抑えることができます。ただし数十万円程度のコストがかかるうえ、夏場などは暑い空間となってしまうため、冷房器具は必須です。音対策として有効な方法ではありますが、コストが大きくかかってしまうデメリットがあります。
テレビ用のスピーカーを設置する
テレビ用スピーカーを設置することで、テレビ自体の音量を抑えることができるため、音対策として有効です。例えばダイニングキッチンからテレビを見る場合、音が聞こえないため音量を大きくするのが一般的です。しかしスピーカーをダイニングキッチン付近に設置すれば、最小限の音量でテレビを見ることが可能です。その結果2階まで届くテレビの音を抑えることが可能となります。
吹き抜けから離れた場所に居室を設ける
吹き抜けを経由して音が届くのであれば、居室を離しておくのも一つの方法です。吹き抜け周辺に居室があると、リビングからの音が届きやすくなってしまいます。しかし離れた場所に居室を設置すれば音の届き具合を最小限にすることが可能です。一方でキッチンから子どもを呼ぶ際、声が届かない場合もあります。「ご飯の支度ができた」「急用で呼びたい」時に便利な吹き抜けの機能が使えなくなる可能性も高いです。どちらを優先するかは各家庭によって異なるため、慎重に検討して間取りを決めましょう。
展示場などで実例を見て音対策を確認する
住宅展示場や完成見学会などに足を運び、実際の吹き抜けの間取りを見てみましょう。その際営業マンの方にどのような音対策を講じているのか確認してみるのも一つの方法です。建築会社によって音対策を行っている場合と、まったく考慮していない場合があります。もちろん参考にするのは音対策を行っている建築会社です。どのような方法を行っているかヒアリングし、自身のマイホーム建築に役立てましょう。
サティスホームでは…
吹き抜けの有無に関わらず、1F天井に断熱材を吹きつけ、2F床にはプラスターボード(石膏ボード)を重ねて貼ることにより、音対策を行っています!
吹き抜けの音対策と解消方法まとめ
今回は吹き抜けのデメリットと音対策について紹介しました。開放的な住宅にできることで人気の高い吹き抜けですが、2階居室スペースの減少や冷暖房効率の低下、音や臭いが広まるデメリットがあります。特に音問題は普段の生活に支障をきたすため、対策しなければいけません。対策方法は防音室やスピーカーの設置が挙げられますが、どれも100%音を遮るということはできません。そのためどれくらい音が響くのかを把握するためには、住宅展示場や見学会に足を運び、吹き抜けの間取りを見てみましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。