家を買う際の注意点|新築と中古の違いや購入方法(住宅ローン)、予算・頭金・税金について

家を買う際の注意点|新築と中古の違いや購入方法(住宅ローン)、予算・頭金・税金について

憧れのマイホーム。人生で一度きりの可能性が高いうえ、高額な金額であるためできれば失敗したくないと考える方も多いのではないでしょうか。しかし家を購入するのは初めてなため、どのような点に注意すればいいか分からない方も多いです。万が一失敗して後悔しても戻ることができないため、本記事を読んで注意点を理解しておきましょう。ここでは家の購入時の方法やローンに関する資金計画、税金などを紹介します。これからマイホームを購入する方はぜひ参考にしてください。

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家を買う際の注意点①新築と中古

ここでは家を購入する際の注意点を新築住宅と中古住宅に分けて紹介します。

新築①:全体の流れを理解する

「家を建てよう」「家を購入しよう」と考え始めてから住み始めるまでは長い時間がかかります。建売住宅など、既に完成している物件であれば、2か月前後で住むことが可能です。しかし注文住宅などは半年から1年以上時間がかかることもあります。特に何度も打ち合わせをすることになり、途中で嫌になる方もいらっしゃいます。しかし全体的な流れを理解しておけば、今どの段階まで進んだのかわかるようになり、なおかつスムーズに打ち合わせをすすめることが可能です。憧れのマイホームにするためにも、事前に流れを理解しておきましょう。
<注文住宅の流れ>
1. 予算を決める
2. 銀行に事前相談する
3. 注文住宅を建築するエリアを選定する(土地がない場合)
4. 不動産会社や建築会社と土地探しを行う
5. 建築会社にプランニングと見積もりを依頼する
6. 土地の売買契約を行う
7. 建築会社と工事請負契約を締結する
8. 銀行に住宅ローン審査を行う
9. 銀行と金銭消費貸借契約を締結する
10. 土地決済を行う
11. 建築会社の着工が始まる
12. 完成し、引越し

新築②:建築会社へ相談しながら進めた方がラク

土地を購入して建築するにせよ、金融機関から住宅ローンを借りるにせよ、建築会社の方へ相談しながら進めることをお勧めします。一般的には「土地は不動産会社」「融資は金融機関」「建物は建築会社」と考える方が多いです。しかし全てお客様で手続きするとなると、時間と労力を費やしてしまいます。建築会社に相談すれば、すべて一任することが可能です。お客様に代わって土地探しを行ってくれるうえ、住宅ローンの事前審査も代行してくれます。特に土地探しをする際「そもそも建築できる土地なのか」をプロ目線で判断しなければいけません。自分で気に入った土地を見つけたとしても、建築不可のケースもあります。そのため建築会社に相談しておくとラクに進めることができます。

新築③:図面を何度もチェックする

特に注文住宅を建築する際は、何度も図面をチェックしましょう。建売住宅であれば完成している物件を見ることができるため、住んだ時のイメージがしやすいです。一方注文住宅は一から作り上げるうえ、間取りを作成しても生活している状況がイメージしにくいです。上記を解決するためには何度も図面をチェックすることです。「生活動線上に問題ないか」「必要な設備は導入されているか」を確認しておきましょう。

新築④:施工例をたくさん見ること

たくさんの施工例を見ると、より間取りのイメージがしやすくなります。図面でチェックすることはもちろんですが、部屋の大きさを図面で確認してもイメージしにくいです。例えば「リビング14帖」と記載されていても、どれくらいの広さであるか想像できますでしょうか。さらに家具家電を配置するとより窮屈になるイメージができますでしょうか。間取りや広さは実際の建物を見ることが大切です。後悔しないためにもたくさんの施工例を見ておきましょう。

中古①:中古住宅は早い者勝ち

近年中古住宅をリフォーム・リノベーションして居住する方が多く、流通が増えています。一方で人気の高い物件は早い者勝ちです。気になる中古住宅を見つけたものの、1週間も悩んでいるうちに他の人に買われているというケースは少なくありません。中古住宅を初め不動産は買付証明を売主に提出した方が交渉権を得る仕組みです。買付証明書とは売主に対して「この価格であれば購入します」という意思表示を表した書類です。受け取った売主が買付証明書の内容に同意した場合、交渉が進みます。とはいえ売主は早く売却したいと考えているため、無理な価格交渉でない限り買付証明書を先に提出した人と交渉を進める傾向にあります。すなわち買付証明書を即座に提出しなければ購入できないため、悩んでいる時間はほとんどないということを認識しておきましょう。

中古②:旧耐震物件は購入を控える

昭和56年5月末以前に建築確認申請された建物は、旧耐震基準の建物となるため、購入は控えるようにしましょう。旧耐震基準の建物は震度5の地震で建物が倒壊しないレベルであるため、今後の大規模な地震に備えて耐震改修工事を行う必要があるでしょう。内閣府は「首都直下地震」や「南海トラフ地震」などマグニチュード7以上の地震が30年以内に発生すると発表しています。旧耐震基準の建物では倒壊する可能性も高いため、できれば新耐震基準の建物の方が安全です。それでも旧耐震基準の建物を購入したいという方は、耐震改修工事の見積もりを取ってから検討してみてください。

中古③:リフォーム費用の見積もりを取ってから購入する

中古住宅は必ずと言えるほどリフォーム費用が発生します。購入前にどれくらい費用が掛かるか見積もりを取ってから購入しましょう。リフォーム費用が高額となり、新築住宅を購入した方が安かったというケースも多いためです。リフォーム会社に購入したい建物を見てもらい、「生活するうえでどこを直した方がよいか」「自分が直したいところはここだ」と伝えることで、正しいリフォーム費用を把握することができます。ただし、中古住宅は早い者勝ちです。リフォームの見積もりを取っている間に他の方が購入される可能性もあるため、急いで見積もりを取るようにしましょう。

中古④:接道がない物件も多い

古すぎる物件は接道がないケースも多いです。建物は新築・大規模なリフォームを行う際、2m以上の接道に面していなければ工事を行うことができません。1950年以前は接道義務がなかったため、古い建物には接道がない物件も多いです。その場合は原則建物に関する工事は一切できません。「新たに道路を設ける」ことで解消できますが、大規模な工事なうえ、さまざまな行政からの認可が必要です。そのため中古物件を探す際は、接道の有無を確認しておきましょう。

家を買う際の注意点②購入方法(住宅ローン)

住宅を購入する際は住宅ローンを利用する方が多いです。住宅ローンは毎月借入返済をしていかなければいけません。返済に圧迫されて生活が困難になる方も多いです。そのためここでは住宅ローンを含めた購入時の注意点を紹介します。

家賃と返済額を比較する

賃貸住宅に住んでいる方がマイホームを購入する際は、今の家賃と借入返済額を比較しましょう。一般的に家賃は年収の3分の1とされています。今の家賃でも十分生活に余裕のある方は問題ありませんが、年収が低い方は、マイホームを購入したことで借入返済で圧迫される可能性も考えられます。さらに賃貸住宅の方は安い家賃の物件に引越しして支出を抑えることができますが、借入返済は数十年と一定額を支払っていくことになります。途中で返済額を下げるということは基本的にできないため、住宅ローンの返済額と家賃を比較しておきましょう。

住宅ローンの事前審査を行ってから予算を決めること

予算を決める際は、住宅ローンの事前審査を行ってから決めましょう。事前審査とは金融機関が行う住宅ローンの仮審査であり、借入限度額などを把握することができます。借入限度額を把握せずに予算を決めてしまうと建築会社の方と打合せしたのに、「融資が通らない」「多額の自己資金が必要となった」というケースにもつながりかねません。そのため金融機関へ住宅ローンの事前審査を行っておきましょう。事前審査は年収や勤続先、勤続年数などで審査してもらうため、以下の書類を用意しておきましょう。
● 本人確認書類(運転免許証・健康保険証・パスポート・マイナンバーカードなど)
● 前年分の源泉徴収票(会社員の場合)
● 過去3年分の確定申告書および付表の写し(個人事業主の場合)

土地購入する方は手付金が必要なこともある

土地を購入して住宅を建築する方は、土地の契約に関して手付金を自己資金で用意しなければいけない場合があります。手付金とは売買契約を円滑にすすめるために売買契約時に売主に支払う手数料です。支払った手付金は決済時に残金と相殺されますが、売買契約時は住宅ローン審査前となるため、借入して支払うことができません。そのため手付金は自己資金で支払うのが一般的です。金額は売主と交渉次第となりますが、土地価格の5%~10%程度と高額なため、事前に用意しておきましょう。

固定金利と変動金利

住宅ローンを借入する際は「固定金利」と「変動金利」のどちらかを選ぶことになります。
● 固定金利・・・一定期間金利が固定。しかし変動金利より金利が高い
● 変動金利・・・1年や2年で金利の見直しが入る。固定金利より金利が安い
金利が安い時に固定金利にしておくことで、5年後、10年後に金利が上昇した時でも金利が高くなることはありません。一方変動金利は固定金利より安いものの、将来的に金利が上昇した際に、高い金利が適用されるため、返済額が高額となるリスクがあります。近年では低金利時代が続いているものの、世界各国が金利の上昇を行っております。その結果為替にも影響が生まれ、日本でも物価高などが続いていることから金利の上昇が行われる可能性があります。固定金利か変動金利はお客様が決めることなので、慎重に判断しましょう。

家を買う際の注意点③予算・頭金

ここでは予算や頭金の注意点について紹介します。

予算①:年収に対して

住宅金融支援機構が発表しているフラット35利用者調査2021年度集計表を確認すると、各住宅別の建築費と年収、年収倍率の全国平均は以下の表の通りとなります。

注文住宅 土地購入
注文住宅
建売住宅 中古住宅
建築費  3,569万円 4,455万円(土地代含む) 3,604万円 2,614万円
年収 602万円 639万円 563万円 507万円
年数倍率 5.9倍 6.9倍 6.4倍 5.1倍

上記の通り、年収の5倍から7倍前後の借入を行う方が多いです。明らかに年収より高い借入は生活にも影響を及ぼすことにもつながりかねません。自身の年収と比較して決めてもよいでしょう。

予算②:生活費も考慮すること

住宅ローンの返済額だけでなく、生活費も踏まえて予算を決めておくことが大切です。ローンの返済額は、7万円〜15万円程度。給与で支払っていける金額かもしれませんが、生活費も加えると、毎月の支出額は大きくなります。総務省が発表している統計局ホームページ/家計調査報告 ―月・四半期・年―を確認すると、2人以上の世帯の平均支出は29万円です。29万円の中には借入返済額が入っていないため、毎月約36万円~44万円前後の支出となります。もちろん各家庭によって支出額は異なりますが、決して安い金額ではありません。そのため予算を決める際は生活費も考慮しておきましょう。

頭金①:

住宅金融支援機構が発表しているフラット35利用者調査2021年度集計表を確認すると、各住宅別の頭金の全国平均は以下の表の通りとなります。

注文住宅 土地購入
注文住宅
建売住宅 中古住宅
頭金 596.6万円 412万円 270万円 214万円

建売住宅や中古住宅を購入する方は200万円から300万円前後の頭金を出している傾向にあります。一方注文住宅となると価格も高くなることから頭金を多く出している傾向にあります。もちろん必ず上記の価格が必要ということではなく、あくまで平均です。詳しくは金融機関や建築会社へ確認しましょう。

頭金②:頭金をカードローンで借りてはいけない

頭金が出せないという方でカードローンを利用する方もいらっしゃいます。しかしカードローンは金融機関の融資審査において不利になる可能性があります。特に複数のカードローンを利用している方は「お金に困っている」と判断されることもあります。もちろん金融機関によって審査条件などが異なるため一概には言えません。しかし頭金は自己資金で支払うものと考えている金融機関も多いため、カードローンは利用しないようにしましょう。頭金が出せないという方は、金融機関へ相談し、別のローンで代用できないか確認してみましょう。

家を買う際の注意点④税金

家を購入した後は、さまざまな税金を納めることになります。ここでは3つの税金について紹介します。

数か月後に不動産取得税を納税する

不動産を購入した数か月後に不動産取得税の納税通知が届きます。不動産取得税は土地や建物を建築・購入した方に課せられる1度きりの税金です。不動産取得税は固定資産税評価額に対して3%の税率を掛けた値です。ただし新築住宅の場合は、固定資産税評価額から1,200万円(長期優良住宅の場合は1,300万円)を差し引いた金額に課せられる軽減措置があります。固定資産税評価額とは固定資産税を算出する際の指標であり、毎年送られてくる固定資産税納税通知に記載されています。しかし新築住宅の場合、購入した翌年に納税通知書が届くため年の途中に家が完成した人はわかりません。とはいえおおよそ本体金額の50%〜60%とされています。つまり以下の計算式で算出することが可能です。

新築住宅の場合:不動産取得税:=(本体金額×60%-1,200万円)×3%

仮に本体金額が3,000万円と仮定すると、18万円の不動産取得税を納税しなければいけません。加えて土地を購入する方は土地の分も納税します。ただし土地に関しても以下のいずれか多い額が不動産取得税の税額から控除されます。

● 4万5000円
● 土地1m2当たりの価格×1/2×住宅の床面積の2倍(200m2が限度)×税率(3%)

ただし、土地と建物の軽減や控除が適用されるには条件が定められています。決して難しい条件ではありませんが、事前に建築会社の方へ確認しておきましょう。

固定資産税

マイホームを購入した方は、翌年以降毎年固定資産税を納税しなければいけません。固定資産税は数十万円程度の費用となりますが、新築木造住宅を建築・購入した方は、4年目以降は(長期優良住宅の場合6年目)は2分の1の減額措置がなくなります。そのため新築した翌年の納税し「固定資産税はこれくらいか」と認識していると、いざ高額な固定資産税が来た際に対処できなくなります。そのため、事前に固定資産税の計算方法を理解しておきましょう。

固定資産税=固定資産税評価額×1.4%

先ほどと同様に本体価格3,000万円と仮定すると「3,000万円×60%×1.4%=25万2,000円」です。3年間は半額となりますが、4年目以降は上記の費用を納税しなければいけません。固定資産税は年々建物が劣化していくため、納税額も低くなりますが、決して安い費用ではありません。加えて土地の固定資産税も納税しなければいけないため、事前に費用を計算しておきましょう。

都市計画税

固定資産税と一緒に納付する都市計画税は、固定資産税評価額の0.3%です。固定資産税と比較すると安い金額ですが、不動産を所有している以上毎年支払い続けることになります。ただし地方によって都市計画税の税率が異なるうえ、そもそも納税義務が発生しない自治体も存在します。事前にマイホームを建築・購入する場所の自治体のホームページで確認しておきましょう。

家を買う際の注意点まとめ

家を購入する際は、新築と中古、それぞれ注意点があります。注文住宅であれば全体的な流れを理解するだけでなく、予算組みも大切です。中古住宅であれば築年数とリフォーム費用が重要となります。さらに税金なども考慮しておかないと、借入返済以外に生活費を圧迫することにもなりかねません。家を買う際はさまざまな注意点がありますが、購入後も税金の支払いがあるため、資金計画は大切にしましょう。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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