【BELS(べルス)と住宅】BELSとは?省エネ,評価,メリットについて

【BELS(べルス)と住宅】BELSとは?省エネ,評価,メリットについて

注文住宅の建築を検討する際は、ZEHやHEMSなどさまざまな英語を耳にすることが多いかと思います。その中にはBELS(ベルス)という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。BELSは建物の省エネ性能を評価する制度のことを指します。とはいえ、制度と言われてもいまいちイメージできる方も多くはありません。そこで今回はBELSに着目し、概要と性能、メリットについて解説します。これから注文住宅の建築を考えている方は、ぜひ住宅選びの検討材料の1つとして下さい。

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【BELS(べルス)と住宅】BELSとは?


BELSとはBuilding-Housing Energy-efficiency Labeling Systemの略称のことで、建築物省エネルギー性能表示制度ともいいます。2016年より建築物省エネ法において、不動産会社などに「建物の省エネ性能を表示するようにすること」が求められるようになりました。BELSは不動産会社や建築会社が独自で調査するのではなく、第三者機関から省エネ性能を評価してくれるため、信頼性は高い証明となるというわけです。

BELSとZEHとHEMSの違い

BELSは住宅の省エネ性能を示す制度でありますが、ZEHは住宅の種類のことを指します。HEMS(ヘムス)は自宅のエネルギー制御を管理するシステムのことを指すため、それぞれ意味合いが異なります。

【BELS(べルス)と住宅】省エネ性能について

BELSの評価はプレートに星マークで表記されています。ネットの口コミの星とおなじような形です。そのため、建築・不動産業界の方だけでなく、誰が見てもどれくらいの省エネ性能があるか、一目で判断できるようになっています。星マークはBEI値と呼ばれ、5つに分かれています。次の項で詳しく解説していきましょう。

BEI値の区分

BEIの正式名称はBuilding Energy Indexであり、BELSの評価指標のことを指します。星マークで表記され、1〜5段階で評価されます。星の数が多いほど評価は高くなりますが、星マークが一つの場合、省エネ基準を満たしているとは言えないことから、最低でも2つ以上がないと適合されません。「BEI」の基準をまとめた表を以下に示します。
★5つ BEI ≦ 0.80
★4つ 0.80 < BEI ≦ 0.85
★3つ 0.85 < BEI ≦ 0.90
★2つ 0.90 < BEI ≦ 1.00
★1つ 1.00 < BEI
BEI値が小さいほどランクが高いBELSの住宅ということがわかります。ではBEI値はどのような方法で算出するのでしょうか。次の項で計算式について紹介します。

BEI値の計算方法

BEI値は以下の計算式で算出することが可能です。
BEI=設計一次エネルギー/基準一次エネルギー消費量
設計一次エネルギーとは、建物の設計・設備上、冷暖房や換気、給湯や照明などで消費するエネルギーの合計のことを指します。基準一次エネルギー消費量とは、各地域や建物の床面積などから決められている基準のエネルギー量です。
つまり、BEI値は「設計段階で消費するであろうエネルギーが建物の基準エネルギーに対してどの程度少ない割合か」を表していることになります。もちろんエネルギーが少ないほど、省エネにつながることを意味します。

【BELS(べルス)と住宅】評価について

BELSの評価は第三者機関が行ってくれるため、建築主の方は特別計算する必要はありません。ただし、どのようにして評価するかは知っておきましょう。評価方法は、国立研究開発法人建築研究所がWEB上に公開している計算支援プログラムを用いて計算するのが一般的であり、以下の4つの方法が挙げられます。
1. 標準入力法
2. 主要室入力法
3. モデル建物法
4. 既存建築物評価法
それぞれの方法について次の項から紹介します。

標準入力法

標準入力法とは3つの中で最も精度の高い評価方法です。建築研究所のホームページにて公開している「一次エネルギー算定用WEBプログラム」で計算を行います。 エクセルシートに以下の項目の仕様を入力していきます。
● 基礎情報入力シート
● 室仕様入力シート
● 空調ゾーン入力シート
● 外壁構成入力シート
● 窓仕様入力シート
● 外皮仕様入力シート
● 熱源入力シート
● 二次ポンプ入力シート
● 空調機入力シート
● 換気対象室入力シート
● 給水機送風機入力シート
● 換気代替空調機入力シート
● 照明入力シート
● 給湯対象室入力シート
● 給湯機器入力シート
● 昇降機入力シート
● 太陽光発電システム入力シート
● コンジュネーションシステム入力シート

入力が完了した後は、アップロードすれば自動で計算し、結果を表示してくれます。

主要室入力法

主要室入力法は、標準入力法より簡易であるものの、精度が多少落ちてしまう計算方法です。本来BELSを評価する際は、原則建物の全ての部屋と設備、仕様を入力しなければいけません。しかし主要室入力法は主要な部屋のみの入力で良いため、計算結果に影響を与えない部分の入力は不要となります。そのためエネルギー消費量の計算の手間を軽減できるメリットがあります。主要室となるのは以下の3つに該当する部屋です。
1. 床面積が100㎡以上の部屋
2. 主要室定義表において 「●」と記されている部屋
3. 1と2と同一の設備を導入している部屋

主要室定義表では「事務所」「ホテル」「病院」「店舗」「学校」「飲食店」「集会所」「工場」が建物用途として表記されています。つまり一般住宅は該当しないため、本評価方法は使用されないことを意味します。

モデル建物法

モデル建物法は3つの中で最も簡易に評価できる方法です。以前は「ポイント法」「簡易ポイント法」として計算されていましたが、現在では廃止され、平成26年4月よりモデル建物法になりました。とはいえポイント法と同じように、適用範囲や外皮や設備の仕様を集計して評価する方法です。モデルということもあり、建物の形状や用途、室用途の構成を想定します。想定した仕様をもとに、各部屋の面積や外皮、設備などを入力して計算します。その結果、評価対象建物の室構成などを集計する必要なく評価できるため、簡易に計算することが可能です。ただし精度は3つの中で最も低いという特徴があります。

既存建築物評価法

既存建物評価法とは、中央式空調システムを採用している建物にも適用できる評価方法です。モデル建物法と同じく、外皮や設備の入力だけで計算することが可能です。とはいえ、1000㎡以上の事務所のみ該当するため、戸建て住宅には使用されない計算方法です。

【BELS(べルス)と住宅】メリット

BELSの住宅を建築するにはどのようなメリットが挙げられるのでしょうか。ここでは3つのメリットを紹介します。

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)の補助金制度申請に必要

ゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)の補助金は最大112万円交付してもらうことが可能です。ZEHはエネルギー消費量の収支0を目標とした住宅のことです。このZEHの補助金を受けるためには、以下の要件が含まれています。
本事業では、申請する住宅は建築物省エネ法第7条に基づく省エネ性能表示(BELS等、第三者認証を受けているものに限る)を原則として中間報告前に取得し、中間報告時にその写しを提出できることを交付要件としています
引用:令和2年度「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」(戸建住宅におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化支援事業)のうち ZEH支援事業

すなわちBELSの評価を得ている住宅でなければゼロエネルギー住宅(ZEH・ゼッチ)の補助金を受けることは出来ないことを意味します。とはいえ、上記の内容は条件の一つであり、他にもさまざまな条件をクリアしなければいけません。詳しく知りたい方は補助金交付をしている「一般社団法人環境創生イニシアチブ」のホームページをご確認下さい。

第三者機関からの証明のため、信頼度が高い

BELSの評価は第三者機関が行うため、信頼度が高く評価されます。住宅には「劣化対策等級」や「耐震等級」など、第三者機関評価され、証明できる書類が数多くあります。建築会社が自ら評価しても「自社の建物だから良く評価するのは当り前」となりますが、第三者機関であれば、適切な評価と言えるでしょう。そのため将来的に売却する際も、省エネ性能が高い住宅として、高く売却できる可能性にもつながるメリットがあります。

省エネ性能が高い住宅であるためランニングコストを抑えられる

BELSは省エネ性能を表した住宅であるため、月々の電気料金などのコストを抑えることが可能です。近年ではエネルギー問題が深刻化し、電力不足などによる電気料金が上昇傾向にあります。しかしBELSの住宅にすれば、一般的な住宅より消費エネルギーを抑えることが可能なため、ランニングコストの節約にもつながるメリットがあります。

【BELS(べルス)と住宅】まとめ

今回はBELSにフォーカスをあて、概要と性能、メリットについて解説してきました。BELSは第三者機関から住宅の省エネ性能を評価してくれるものであり、星の数が大きいほど良いとされています。またZEHの補助金を受けるためには欠かせない評価であることから、ZEHを建築される方はBELSの評価を忘れないようにしなければいけません。近年では省エネがより注視されてきています。今後ますますBELSの住宅は増えて行くため、これから注文住宅を建築される方は、ぜひ評価を受けられる住宅にしてみてはいかがでしょうか。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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