これからマイホームを建築する方は、どのような住宅にするか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。注文住宅はデザインや見栄えに目が行きがちですが、もっとも重要なのは「暮らしやすさ」です。雑誌やインターネットではたくさんの施工例を見ることができますが、デザインばかり見ている方も多いでしょう。しかしいくらおしゃれな住宅にしても、暮らしにくい環境となると、住み心地は悪くなってしまいます。注文住宅は一度完成すると、後から間取りを変更するということは費用面上難しいです。後悔しない建物を建築するためにも、暮らしやすさを意識した間取りを検討するようにしましょう。本記事では暮らしやすい注文住宅の6つのヒントと、世帯別のポイント、理想の家の間取りがシミュレーションできるおすすめサイト・アプリを紹介します。これから注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。
【理想の家の間取り】暮らしやすい注文住宅の6つのヒント
暮らしやすい注文住宅を建築するためにはどのような点を意識するべきなのでしょうか。ここでは6つのヒントを紹介します。
理想の家の間取り ヒント1:開放感のある空間
自宅の間取りを開放感ある空間にすることで暮らやすさが倍増します。敷地の面積や予算の兼ね合い上、大きくできる範囲に限りはありますが、広い空間にすることで動きやすくなります。例えばリビングなど、家族が集まるスペースが狭いと、自然に人が集まりにくくなる傾向にあります。一方開放感ある空間であれば、家族であっても距離を保ちながらテレビを見ることも可能でしょう。もちろん各家庭によって異なるため一概には言えないものの、開放感ある空間を意識することで、暮らしやすい住宅にすることが可能となります。
理想の家の間取り ヒント2:生活動線を意識した間取り
開放感のある空間にするだけでなく、生活動線を意識した間取りも大切です。動線が悪ければ家の中を行き来するのが面倒に感じ、生活しにくい状態となります。リビングを開放感ある空間にしたとしても、家具を配置すると歩きにくいというケースも多いです。そのため事前に設計段階で動線を考慮しておきましょう。具体的な例としては以下の点が挙げられます。
● 玄関から手を洗うための洗面台まで行きやすい
● 家具が配置されていてもリビングが動きやすい
● 夜中に寝室からトイレまでが行きやすい
● どの部屋に行くにも扉の開け閉めが少ない
● 洗濯機から干す場所への行き来が楽
生活動線は建物が完成してからでは決めることはできません。そのため建築会社の方と相談しながら図面に反映し、何度もチェックするようにすることが大切です。
理想の家の間取り ヒント3:収納スペースが多い家
収納スペースも暮らしやすさに影響します。「収納スペースを取るか」「部屋の大きさを優先するか」は永遠の課題です。しかし収納スペースが少ないと、部屋に物が散乱してしまうため、暮らしやすさは軽減してしまうでしょう。とはいえ、部屋の大きさも大切にしたい方も多いはずです。そのため空間を有効活用して収納スペースを設けましょう。具体的には以下の方法が挙げられます。
● 床下収納
● 小屋裏収納
● 階段下収納
もちろん上記の他にも収納方法はたくさんあります。廊下のデッドスペースを生かした収納や庭や駐車スペースの一角に物置を置いたりなど、数多くの方法が挙げられます。少しでもデッドスペースを有効活用し、収納スペースを設けることで、暮らしやすさが増すでしょう。
理想の家の間取り ヒント4:ライフスタイルに合った間取り
近年では新型コロナウイルスの影響もあり、各家庭のライフスタイルが変化しつつあります。在宅ワークをする企業が増加しただけでなく、フリーランスとして活動する方が増えています。自宅で仕事ができる環境を整えることで、その人のライフスタイルにあった仕事をすることが可能となります。リビングで仕事をする方や書斎を設ける方と、それぞれにあった間取りを検討するようにしましょう。
理想の家の間取り ヒント5:緑を取り入れた空間設計
自宅に緑があると、リラックス効果が見込めます。庭に木などの自然を取り入れることで、ゆっくりできる空間にすることが可能です。また芝生などを敷けば、子供が汚れることなく遊ばせることも可能です。もちろん家の中のインテリアとして取り入れてもよいでしょう。緑を取り入れるだけで、空間の印象が大きく変わります。ただし、虫の発生や定期的な手入れなどは必要となるため、しっかり対応できるようにしなければいけません。
理想の家の間取り ヒント6:プライバシーも大切にする
子供が小さいときは、家族団らんできるように扉を少なくしたり、開放的な間取りにする方も多いです。しかし子供も思春期になると、自分の時間が大切となるため、プライバシーを守った部屋が必要となります。また勉強するようになると、「家族の話し声がうるさい」「テレビの音声が気になる」という方も多いです。そのため家族であってもプライバシーが守れる部屋を意識しましょう。子供部屋をリビングから一番遠いところに設置したり、大人用にも趣味部屋や書斎を作ったり…。しっかり家族会議を行って部屋の間取りを決めておきましょう。
【理想の家の間取り】世帯別のポイントは?
ここからは世帯別に合わせた理想の間取りの一例とポイントを紹介します。あくまで一例であるため、ご参考程度にしてください。
3人家族の間取り:夫婦+子供1人
一般的な3人家族の間取りは以下の表の通りです。
間取り | 3LDK~4LDK |
リビングの広さ | 14帖~16帖 |
寝室 | 8帖~10帖 |
子供部屋 | 6帖~8帖 |
客間 | 6帖前後 |
3人家族であれば、3LDKほどあれば十分足りますが、新たな家族(子供)ができた場合、部屋が不足してしまいます。また子供が大きくなった時に備え、ある程度の大きさと部屋数は確保しておきましょう。そのような点を踏まえ、4LDKほどの間取りに設計しておくのも重要なポイントです。また4LDKとして造ったものの、お子様の出産予定が無くなった場合であっても趣味部屋や書斎としても活用することが可能です。
4人家族の間取り:夫婦+子供2人
続いては、お子様が2人いる4人家族の間取りについてです。
間取り | 4LDK~5LDK |
リビングの広さ | 16帖~18帖 |
寝室 | 8帖~10帖 |
子供部屋(2部屋) | 6帖~8帖 |
客間 | 6帖前後 |
3人家族と比べて、リビングなどは多少広くしておくことがポイントです。ソファーやテーブル、ダイニングテーブルなどのサイズも大きくなるため、十分家具が配置できるほどの大きさが好ましいでしょう。また子供部屋も2部屋必要となるため、ある程度住宅面積は大きくなることから建築費用も高くなります。しっかり予算内に収まっているかを確認しておくことが大切です。
6人家族の間取り:親夫婦+夫婦+子供2人
続いては、ご夫婦の方と同居している場合の間取り例です。2世帯住宅ではなく、6人で住んでいる場合で紹介します。
間取り | 5LDK~6LDK |
リビングの広さ | 18帖~24帖 |
寝室(2部屋) | 8帖~10帖(または12帖前後) |
子供部屋(2部屋) | 6帖~8帖 |
客間(または仏間として和室) | 6帖前後 |
2世帯でない場合、6人家族として部屋を設置しましょう。夫婦の寝室に加えて、親夫婦の寝室を用意しなければいけません。将来、親の足が悪くなった時に備え、親夫婦の寝室は1階に用意しておくことがポイントです。仏間については、親の寝室に設ける方・客間に設ける方・和室に設ける方もいらっしゃいます。どこに仏壇を用意するかはしっかり家族会議で決めておきましょう。さらに親夫婦の来客があった際、他の家族は自身の部屋(寝室など)にいる可能性も高いことから、多少大きくしても良いでしょう。
2人家族の間取り:夫婦2人
ご夫婦2人だけであれば、大きな部屋は必要ないでしょう。具体的な例は以下の表の通りです。
間取り | 2LDK~3LDK |
リビングの広さ | 10帖~12帖 |
寝室 | 8帖~10帖 |
客間(または仏間として和室) | 6帖前後 |
2人であれば、子供部屋も必要ないため、建物自体の面積は大きくありません。そのかわりに書斎などを設けても良いでしょう。またペットを飼っている方は、ペット専用の仕様にするのもひとつのポイントです。
5人家族の間取り:高齢者の親(バリアフリーが必要)1人+夫婦+子供2人
バリアフリーが必要な親がいる場合、一般的な住宅と比べて段差を解消しなければいけません。
部屋の間取りは以下の表の通りですが、要所要所でバリアフリー対策を行います。
間取り | 4LDK~5LDK |
リビングの広さ | 18帖~24帖 |
寝室 | 8帖~10帖 |
子供部屋 | 6帖~8帖 |
客間(または仏間として和室) | 6帖前後 |
一般的な大きさの間取りになりますが、車いすなどを使用している場合、ダイニングを含めたリビングはある程度大きくしましょう。またバリアフリー対策も必須です。具体的には以下の項目のような対策が挙げられます。
● 車いすでも通れる動線を考慮する
● 廊下を広くする
● 玄関の段差を低くする。またはスロープを設置する
● 要所要所に手すりを設置する
ほかにもバリアフリー対策はたくさんあります。詳しくは建築会社の方と相談しながら間取りを検討していきましょう。
理想の家の間取りがシミュレーションできるおすすめサイト・アプリ
これまで暮らしやすい家のヒントや、世帯別の間取り例を紹介してきました。しかし実際に建築会社の方と間取りの打ち合わせを始めるとなると、どのように決めてよいかわからない方も多いです。そのため、事前に自身で間取りを検討しておくことも大切です。ここからは、理想の家の間取りがシミュレーションできるサイト・アプリを紹介します。オリジナルの間取りを作成したいという方は、ぜひ利用してみてください。
タウンライフ(無料サイト)
タウンライフは実際の業者が間取りを作成してくれるサイトです。全国に880以上の注文住宅会社が登録しており、建築予定地エリアの地域にある業者が表示され、間取りだけでなく資金計画などを提示してくれます。また土地を購入して注文住宅の建築を検討している方には、登録している住宅会社から土地情報も届く仕組みとなっているため、早期に土地を見つけることも可能となるでしょう。料金も無料であるため、誰でも気軽に相談できるサイトです。
【公式】タウンライフ家づくり|間取りと費用相場の一括比較サイト
ユニバーサルホーム(無料サイト)
全国的に有名な建売メーカーの一建設やアーネストワンと同じ、飯田産業グループの注文住宅部門の会社です。延べ床面積や部屋数、オプションなどを選択していくことで、間取り図を自動で作成してくれるサイトです。その組み合わせ数は1,000通りにも及びます。間取りについてどのように決めればよいかわからない方にとっては簡単につくることが可能となります。
間取りシミュレーション
1000のひらめき 間取りシミュレーション|注文住宅のユニバーサルホーム
Forest Selection BF間取りシミュレーションサイト(無料サイト)
住友林業が運営する間取りシミュレーションサイト。ユニバーサルホーム同様、1,000通り以上の間取りから選ぶことが可能です。ただし住友林業は大手ハウスメーカーに該当します。価格も高級であるため、事前に理解したうえでサイトを利用しましょう。
Forest Selection BF – 間取りシミュレーション
木の家¥シミュレーター(無料サイト)
岐阜県にあるフォレスタイルが運営する間取り図のシミュレーションができるサイトです。他の方が造った間取りも見ることができるため、非常に参考にできます。建築費のシミュレーションも行うことが可能ですが、本サイトが紹介する工務店は岐阜県や愛知県の東海エリアであるため、他県の方にとっては参考にはなりません。ただし間取り選びで悩んでいる方にとっては非常に有効なサイトです。
木の家¥シミュレーターの公開間取一覧・検索|木の家・木造注文住宅の建築・施工を間取・建築費用シミュレーション機能でサポートします[岐阜県 愛知県 名古屋市 三重県など]
マイホームクラウド(無料サイト)
東京都にある株式会社マリエッタが運営するホームクラウドでは、インターネットで住宅図面が作れるサービスです。自分で作成するだけでなく、人気のあるトレンディなマイホームの図面を見ることも可能です。さらに作成した図面を3D化することも可能なため建物のイメージを見ることができるうえ、VRで内観を確認することもできます。間取りづくりを行ってみたいという方にはおすすめのサイトとなっています。
マイホームクラウド
Excel DE 間取り図(無料サイト)
京都DE不動産が運営しているExcel DE 間取り図は、エクセルで造れる間取りシミュレーションサイトです。普段からエクセルを使っている方は簡単に作成できます。ツールバーからコマンドボタンを選び、図形をもとに作成する仕組みです。
Excel DE 間取り図(間取り図作成ソフト)
カリモク家具 3Dシミュレーター(無料サイト・無料アプリ)
カリモク家具株式会社が運営している間取りシミュレーションサイトです。スマホがあればアプリをダウンロードして作成することが可能です。間取りを作成するだけでなく、カラーコーディネートができるうえ、家具の配置も可能です。全て3Dで見ることができるため、生活動線などの確認もできます。
3D Simulator|国産家具メーカーのカリモク家具 karimoku
IKEA ホームプランナー(無料サイト)
IKEAが運営する間取りシミュレーションサイトです。ネット上で、オリジナルの間取りを造ることができます。また家具の会社ともあって、家の中の家具のレイアウトや配置場所を細かく決めることが特徴的なサイトになっています。IKEAの家具で揃えたいと検討している方は、家具に合わせた間取りを造ることができるためおすすめです。
IKEAホームプランナー
Planner5Dインテリアデザイン(無料アプリ)
Planner5Dインテリアデザインは間取り図を作成でき、3Dで確認できるアプリです。内観だけでなく、外観からも確認することができるため、作成した間取り全体をチェックすることが可能となります。アイテムも豊富なため、ゲーム感覚のように造れるという声が多い人気アプリです。applestoreでのサイトは以下となります。
「プランナー5d: 間取り図と部屋のレイアウト」をApp Storeで
間取り Touch+(無料アプリiPhone専用)
間取りTouch+は新築住宅の間取りを作成できるサイトです。あらかじめベースとなる間取りに登録された家具や設備を配置するため、初心者の方でも簡単に作成できる特徴があります。手軽に作成したいという方にはおすすめです。ただしiPhone専用アプリである点は注意してください。
「間取りTouch+ お部屋のデザインに役立つ図面作成アプリ」をApp Storeで
Home Design 3D(無料アプリ)
名前の通り、3Dで間取りが作成できるアプリです。先ほど紹介した間取りTouch+よりバリエーションも豊富なうえ、3Dグラフィックでレイアウトを作成できます。そのため頭の中の理想の家を実現できるか確認することが可能な特徴を持ち合わせています。本アプリはiOS(iPhoneなど)・Android(アンドロイド)に対応しているため、スマホがあれば誰でも作成可能です。
「Home Design 3D」をApp Storeで
Home Design 3D – Google Play のアプリ
まとめ
今回は、暮らしやすい注文住宅の6つのヒントと、世代別のポイント、理想の家の間取りがシミュレーションできるおすすめサイト・アプリを紹介してきました。注文住宅をこれから建築する方は、建物の見栄えばかりを意識してはいけません。いくらおしゃれな住宅にしたとしても、生活動線が悪く開放感のない部屋にすると、暮らしにくい住宅になってしまいます。自身のライフスタイルに合わせた間取りを検討するようにしましょう。また家族が多くなるほど、リビングなど人が集まる空間を意識しなければいけません。狭すぎると家族が集まりにくくなることから、本記事で紹介した各部屋の大きさをベースに検討してみてはいかがでしょうか。また実際の間取りを検討するうえでも、一度シミュレーションサイトやアプリを使用してみても良いです。理想の住宅を建築するためにもまずは行動してみましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。