これから注文住宅を建築する方の多くは、どのような外観にするか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。外観は建物の顔といわれるほど、自身だけでなく周りの人から見られるポイントです。できれば誰からもおしゃれな住宅と思われたいですよね。しかし実際どのような点を意識して決めればよいのでしょうか。また2022年度の注文住宅の外観トレンドはどのようなのでしょうか。今回、理想の家の外観にするためのポイントを6つ紹介します。また人気のあるデザインや種類、注意点も解説するため、これから注意点を建築する方はぜひ参考にしてください。
【理想の家の外観】おしゃれな注文住宅の決め方 6つのポイント
理想の家の外観を決める際は、どのような点を意識すれば良いのでしょうか。ここではおしゃれな注文住宅にするための6つのポイントについて解説します。
理想の家 外観の決め方1:建物の形状を決める
一般的な注文住宅は2階建てで建築されるケースが多いですが、もちろん平屋や3階建てでも問題ありません。平屋であれば、シンプルな住宅にすることができ、3階建てであれば細長形状になりやすいものの、他の住宅より高層階にすることができます。建物の階層は人によって感性が異なるため、どの階層が良いとはいえないものの、自身がおしゃれだと思う階層を決めていきましょう。ただし3階建てに関しては建築基準法上や地方自治体の条例上、施工できない場合もあるため、建築会社の方に確認しておきましょう。また建物の形状は「コの字」「ロの字」などさまざまあります。自身が気に入った形状を見つけ、土地に合った間取りができるかも確認しておくことが大きなポイントです。
理想の家 外観の決め方2:デザインカラーを決める
建物の形状が決まった後は、デザインカラーを決めていきます。ベースとなる色は1色〜2色程度が良いでしょう。3色以上選択すると、色のバランスが悪くなり、見栄えが低下してしまいます。もちろん配色のバランスが良ければ3色でも問題ありませんので、建築会社の方と相談しながら決めていきましょう。色が決まらない方は、インターネットや雑誌で施工例を参考にすると決まりやすくなります。
理想の家 外観の決め方3:壁の素材を決める
一般的に木造住宅の注文住宅を建築する場合、サイディングが使用されます。サイディングは費用面や施工面、リフォーム面などを考慮すると費用対効果が高い特徴があります。とはいえサイディングにもたくさんの種類があるため、以下の表を参考にしてください。
窯業系サイディング | セメント質と繊維質などの原料を板状に形成したサイディング。住宅に使われているサイディングの70%〜80%前後を占めています。 |
金属系サイディング | 金属板を成形・加工して柄付けし、断熱材で裏打ちしたサイディング。 |
樹脂系サイディング | 塩化ビニル樹脂が使用されたサイディングで非常に軽量な特徴がある。 |
木質系サイディング | 素材に無垢の木材を使用し、表面に塗装を施してあるサイディング |
もちろんサイディング以外にも数多くの外壁材があります。具体的には以下の3つが挙げられます。
モルタル | 砂とセメントと水を合わせて作った外壁材。つなぎ目がないためなめらかなデザインにすることが可能。さらに吹き付けすることで凹凸を出すことができることから自由度が高い外壁です。 |
ALCボード | 石灰とケイ酸、アルミ粉末によって作られる外壁材。継承でありながらも耐火性、耐久性に優れています。 |
タイル | 年度を原料とした外壁材。重厚感と高級感を醸し出すことができる外壁です。 |
サイディング次第で、自宅の印象は大きく変わります。理想の家を作り上げるためにも、どの外壁材が良いか十分慎重に検討しましょう。
理想の家 外観の決め方4:窓の設置場所
続いては窓の設置場所も決めていきましょう。とはいえ窓の設置場所は建物の間取りと関連していきます。そのため、適当に設置するのではなく、各部屋とのバランスを考慮しなければいけません。また近年では縦長の窓のFIX窓が人気です。大手ハウスメーカーでも多数採用されている窓です。縦長の窓を3つほど並べるタイプが増えてきています。もちろん家のデザインに合う・合わないがあるため、建築会社の方と相談しながら決めていきましょう。
理想の家 外観の決め方5:照明関連
外構の照明の位置も重要です。照明一つで家の印象が大きく変わります。ただ照明をつけるだけでなく、植栽を照らしたりするとよりおしゃれになります。また照明の明るさによってもイメージが異なり、暖かい色合いや白光タイプなどさまざまあります。自身でどこにどのような色合いを照らすかを検討するのも、理想の家にするためのポイントです。
理想の家 外観の決め方6:パース図で全体を確認する
パース図とは、建物の完成予定図のことを指します。建物の形状や色合い、デザインなどが決まった後は、建築会社の方にパース図の作成を依頼し、バランスを確認しましょう。完成予定図があればより一層イメージしやすくなります。不自然な点がないか、気になるところはないかチェックしてください。ただし、パース図はあくまで印刷物になるため、実際完成した色合いとは異なります。そのため細かな色のチェックは外壁材を選ぶときに確認しておきましょう。
【理想の家の外観】注文住宅のトレンドは?
近年の注文住宅のトレンドは、モダンなデザインが人気です。シンプルなデザインが人気であり、色合いもモノトーンを基調とした落ち着いている建物が選ばれることが多いです。木造住宅でありながらもモダンなデザインにすることで、重厚感と高級感を持ち合わせることができます。今の日本では住宅を問わず、さまざまな商品がシンプルを推していることから、モダンな住宅の需要が高い傾向にあります。
【理想の家の外観】注文住宅の種類は?
今のトレンドはモダンな住宅と紹介させていただきましたが、そもそも注文住宅にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは11種類の特徴を紹介します。
和風
日本家屋を取り入れた住宅です。近年の和風の住宅は、昔ながらのデザインと近年の住宅を組み合わせている形となります。和室の畳だけでなく、フローリングなどや昔ながらの瓦からグレードアップしたものも用いられている住宅になっています。日本らしさを表現できていれば和風として取り扱われます。とはいえ先ほどもお伝えした通り、トレンドのモダン系が人気が高いため、最近では施工されるケースが減りつつあります。どちらかというと、新築住宅ではなく、古民家をリフォームして和風建築にしているケースが増えてきています。
洋風
洋風の住宅は、ヨーロッパの住宅をモチーフとした住宅です。ヨーロッパを彷彿させる明るめの色合いや曲線系の形状、妻飾りなどを取り入れた住宅が特徴的です。海外の住宅は室内の仕切りはあまりありませんが、日本の木造住宅では構造上仕切りが必要となるため、間取りまではまねできません。しかし外観に関してはおしゃれなデザインであることから、令和になった今でも人気のある住宅となっています。
洋モダン
洋モダンは洋風とモダンを融合させたデザインです。シンプルでありながらも海外をイメージした住宅にすることが可能となります。モノトーンにこだわらず、海外のかわいらしさを取り入れ、ポップなカラーも採用した住宅です。
シンプル
シンプルな住宅は、モダンな住宅よりさらにシンプルさを重視した住宅です。建物の凹凸も少なく、カラーバリエーションも1色だけとしているケースが多いです。特にホワイトのカラーが人気で、清潔感ある住宅にすることが可能なデザインです。
シンプルモダン
シンプルよりモダンさが強いのが、シンプルモダンです。シンプルとの明確な違いがないため、区分するのは難しいですが、モノトーンを基調としたデザインのものをシンプルモダンと呼ぶ方も多いです。特にカラフルな色合いは使用せず、直線的で余計な装飾を省いたデザインの住宅です。
シンプルナチュラル
ナチュラルの特徴は木のぬくもりを使用したデザインです。さらにシンプルと合わせることで、より一層温かみのある家にすることができます。日本での「木」の人気は高いことからシンプルナチュラルは人気が高いです。オーソドックスとも言えるため、注文住宅だけでなく建売住宅などでも建築されています。
カリフォルニアスタイル
アメリカ西海岸の住宅をイメージしたデザインです。青や白を用いて海をイメージしているケースやカリフォルニアスタイルに欠かせないカバードポーチを取り付けたデザインなどが挙げられます。特に海が好きな方や、海に近い方に人気のあるデザインとなっています。
アメリカンスタイル
アメリカンスタイルとは、名前の通りアメリカの住宅をイメージしたデザインです。ポップなカラーリングや平屋のデザインなどで作り上げます。とはいえアメリカも州によって建物のデザインが大きく異なるため、あくまでイメージで作ったものです。
北欧テイスト
長年人気の高い北欧テイスト。ノルウェーやスウェーデンの家をイメージした住宅です。落ち着いたカラーで統一しながらも、木の良さを全面的に出したデザインが特徴です。近年では北欧住宅のみ建築する会社も多いことから、北欧テイストの人気が高いことがわかります。
南欧テイスト
南欧テイストは、南フランスのプロヴァンスをイメージした建物です。外壁の角にアイボリーやベージュなどのストーン柄のレンガのような装飾を取り付ける特徴があります。またオレンジやブラウンなどの瓦で仕上げるデザインです。
【理想の家の外観】注文住宅の注意点
理想の注文住宅を建築する際は、どのような点を注意すべきなのでしょうか。ここでは6つの注意点を紹介します。
注意点1:外壁の色合いは同系色で統一する
外壁の色を2色以上使用する場合、同系色で統一した方が見栄えが良い住宅にすることが可能です。例えば以下の表の組み合わせが考えられます。
メインのカラー | アクセントのカラー |
ホワイト | ブラック・ベージュ・ブラウンなど |
ブラック | ホワイト・ダークブルー・グレーなど |
ブラウン | ダークブラウン・グレー・ベージュなど |
例えばホワイトの建物に、レッドやイエローなどを取り入れると統一感がなく、モチーフも分からなくなります。そのため、極力同系色を意識するようにしましょう。色選びでわからない方は建築会社の方やカラーコーディネーターなどに相談することをおすすめします。
注意点2:屋根も重要
一見屋根は見えにくいところであるため、てきとうに選ばれる方も多いです。しかし屋根とはいえ、どのような素材で色合いにするか注意しなければいけません。屋根次第で建物の印象は大きく異なるためです。また屋根はガルバリウム鋼板や瓦によって重厚感が異なります。さらに建物にあった色を選ぶ必要もあります。そのため、建築会社の方と打合せする際は、実物を手に取って見てから決めるようにしましょう。
注意点3:街並みに合わせることも大切
住宅街にひときわ目立った建物を建築すると、常に目線を感じることにもつながりかねません。街並みと調和したデザインにすることで、他の家との統一感を感じることが可能となります。また地域によっては建築できないデザインもあります。例えば歴史ある街並みの中に、プロヴァンス風の建物を建築すると景観が崩れてしまいます。そのため建築会社の方と相談しながら街並みにあったデザインであるかを検討する必要があります。
注意点4:外構も一つのポイント
外構も理想の外観を作り上げるための重要なポイントであるため、こだわって造るようにしましょう。建物の外観と外構は外から見られるポイントです。せっかくおしゃれな住宅を作ったのにも関わらず、外構をおろそかにしていると、おしゃれな住宅とはいえません。もちろん予算との兼ね合いがあるため、費用が足りない方もいらっしゃるでしょう。そのため、住宅全体の工事費のバランスを考慮しながら外構を造り上げていきましょう。
注意点5:将来的なメンテナンスも考慮する
建物は築年数が経つことによって将来的なメンテナンスが必須となります。デザインや見栄えばかりにこだわってしまい、メンテナンス回数を考慮しておらず、費用がかかることにもなりかねません。例えば黒い外壁は傷や汚れが目立ちやすく、定期的に清掃が必要となります。そのため建物ばかりに注視するのではなく、将来のことも考慮した注文住宅を建築するように心がけましょう。
注意点6:予算が最も大切
これまで理想の家を建築するためのポイントや注意点を解説してきましたが、最も大切なのは建築予算です。理想の家を建築するあまり、さまざまなオプションを取り付けたものの、結果予算のオーバーとなり一から打合せしなおさなければいけないことにもなりかねません。予算をオーバーすると、住宅ローンの審査をしなおさなければいけず、場合によっては自己資金のねん出を求められる可能性もあります。そのため理想の家を建築する前に、建築会社の方へ予算を伝えておきましょう。予算に関しては、住宅ローンの返済額から逆算して決めます。例えば毎月の支払いを10万円にしたい場合、35年ローンで金利1.2%であれば、3,420万円の借入となります。金融機関に事前審査することで借入限度額がわかりますので、建築会社の方へお願いし、打診してもらうようにしましょう
まとめ
今回、理想の家の外観にするための6つのポイントとデザインの種類と注意点も解説してきました。理想の家にするためには、形状や色合いのベースを決めて、外壁の素材や窓の位置などを決めることがポイントです。またデザインが決まった後は全体バランスを確認するためにもパース図をもらうようにしましょう。近年ではモダンな住宅がトレンドとして人気がありますが、たくさんの種類があるため、自身が気に入ったデザインを見つけるのもポイントです。ただし理想ばかりにこだわりすぎてしまうと予算オーバーにもなりかねないため、建築会社の方と相談しながら決めていくことが大切です。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。