注文住宅を建築する際は、ベランダをどのような個所に取り付けるか悩む方もいらっしゃるでしょう。一般的には2階の寝室部分に設置しますが、近年では1階に取り付ける方も増えてきています。ベランダはバルコニーとの違いが分かりにくいと思う方もいらっしゃいますが、基本的には屋根が付いているスペースのことを指します。そのスペースを有効に活用するためにも、設計前にベランダの間取りを決めていた方が良いです。とはいえどのように決めればよいか分からない方もいらっしゃるため、本記事ではベランダを決める際の3つのポイントと成功例・失敗例を紹介します。これから注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。
ベランダの間取りの決め方 3つのポイント
ベランダの間取りを決める際はこれから紹介する3つのポイントで選んでみましょう。
機能性・デザインで決める
ベランダは洗濯物を干すスペースだけでなく、イスを置いて読書を楽しむ方や、家庭菜園を楽しむ方などさまざまです。その用途に合わせたデザインにする方も多くいらっしゃいます。ベランダは屋根がある分バーベキューなどには向いてはいませんが、日差しを遮ることもでき、リラックスできる空間でもあるでしょう。機能性は特にどのベランダも変わりはありませんが、掃除する観点も踏まえて水道を取り付ける家庭もいらっしゃいます。どのような用途でベランダを使用するかを決めることで、間取りやデザインなども決まるでしょう。
費用で決める
ベランダも広くするほど施工範囲が増えます。一般的な住宅のベランダは0.5坪ほどですが、非常に狭く、ゆっくりできる空間ではありません。そのためベランダを大きくしようと考える方も多いですが、その分費用も高額となるため、あらかじめ予算を決めておくと良いでしょう。具体的には注文住宅の総工事費の見積もりをもらってから、ベランダを大きくした場合の見積書で比較していきます。
施工例を見て決める
実際の施工例を見てから決める方法でも良いでしょう。どのようなベランダがあるか、住宅展示場などで確認しても良いですし、雑誌やインターネットで調べてみても良いです。気に入った施工例を見つけた後は、建築会社の方へ相談し、施工できるか確認してみましょう。
ベランダの間取りの成功例
ここではベランダの間取りの成功例を紹介します。間取りで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
ベランダの成功例①:大きなベランダにしたらゆっくりできる空間となった
一般的なベランダの3倍ほどの大きさにすることで、足を延ばして読書を楽しむことができたという事例です。やはりベランダでゆっくりするにはある程度のスペースは欲しいです。もちろん建築費用が上がるため、予算との兼ね合いが大切となりますが、風を浴びながらリラックスできる空間となったという成功例です。
ベランダの成功例②:外でランチすることも可能
大きいベランダであれば外でランチすることも可能です。庇も付いているので、庭と違って紫外線が気になりません。また目の前が自然であればより形式の良い状態で食事を楽しむことが可能でしょう。
ベランダの成功例③:ペットや子供の遊び場にすることも可能
リビングなどで子供が遊ぶとおもちゃが散らかってしまう可能性が高いですが、大きいベランダであれば子供が十分遊べるスペースとなるでしょう。家の中だけでなく外で遊ばせたい時にピッタリな空間です。もちろんペットにも十分なスペースとなるでしょう。
よくあるベランダの間取りの失敗例
一方ベランダでの失敗例も数多くあります。ここでは代表的な失敗事例を3つ紹介します。
ベランダの失敗例①:床材をそのままにしたら劣化した
ベランダは大きいほど掃除の手間がかかります。そのため床材は何かしらの工夫が必要でしょう。人工芝を敷く人やウッドデッキなどがおすすめです。そのままの床材にしていると紫外線などにより劣化し、ひび割れの原因にもなりかねません。ベランダを長持ちさせるためにも床材は慎重に選ぶようにしましょう。
ベランダの失敗例②:水道がなく掃除に手間がかかる
ベランダは外の位置にあるため落ち葉や砂埃が溜まります。そのため定期的な掃除が必要となりますが、ベランダに水道がないと掃除に手間がかかってしまいます。ベランダに水道を引き込む際は数十万円程の費用が発生するため、取り付けず後悔したという方も多いです。もちろん建物の構造上水道の引き込みが難しいなどもあるため、建築会社の方へ相談してみましょう。
ベランダの失敗例③:ベランダを優先したあまり部屋が小さくなった
ベランダを大きくするということは他の部屋が小さくなる可能性も高まります。建物は容積率という敷地に対して建築できる延床面積割合が定められています。ベランダは外壁から奥行2m以上となると延べ床面積に算入されるため、容積率の兼ね合い上ベランダを大きくすると他の部屋を狭める要因となったという失敗例もあります。
ベランダの間取りが決まらない場合のコツ
ベランダの間取りが決まらない場合は以下の3つのポイントを意識してみましょう。
使用用途を明確にする
一般的にベランダは洗濯物を干すところです。それ以外の用途があるかを明確にしておくことでベランダの大きさは決まって来るでしょう。洗濯物を干すだけであればそれほど大きくする必要はありません。しかし「読書などを楽しみたい」「家庭菜園を行いたい」などの使用目的が定まっている場合は、ある程度の大きさは必要です。使用用途を明確にすることでベランダの間取りは決まって来るでしょう。
他の施工方法と比較する
ベランダ以外にもルーフバルコニーやウッドデッキなどさまざまな施工方法があります。また2階ではなく1階に設置するケースもあります。さまざまな施工方法と比較し、自分に合った方法を選ぶようにしましょう。
今住んでいる家のベランダからイメージしてみる
新築住宅を建築される方の多くは賃貸住宅に住んでいる方ではないでしょうか。今住んでいるベランダの大きさをベースにどれくらいの広さが理想であるかイメージしてみましょう。
ベランダの間取りの注意点
ベランダの間取りを決める際は、初めにイメージを建築会社の方に伝え、施工できるか判断してもらいましょう。ベランダとはいえ、建築基準法や各自治体の条例によっては施工できない可能性もあります。そのため設計士に判断してもらいましょう。また理想のベランダを優先した場合、他の部屋や屋根形状、階数などにも影響がでます。そのため場合によっては妥協しなければいけない点もあるため、柔軟な対応が必要となります。
【ベランダ】間取りの決め方まとめ
今回ベランダの間取りの決め方について紹介してきました。ベランダにはさまざまな活用方法がありますが、ある程度の広さは必要となります。その分費用も高額となるため予算と相談しながら決めていく必要があります。またベランダであっても法律や条例上「できる・できない」があります。そのため建築会社の方と相談しながら間取りを決めていきましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。