注文住宅の外壁タイルは1㎡あたりおおよそ「13,000円~30,000円」前後となります。サイディングと比較すると約2倍から4倍ほど価格が高額となります。また外壁タイルにも種類があり、それぞれ価格も異なります。そのため上記の価格は目安としておきましょう。
注文住宅に外壁タイルを貼る場合の注意点
ここでは外壁タイルのメリット・デメリットを紹介します。外壁材で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
外壁タイルのメリット
外壁タイルのメリットは以下の3点が挙げられます。
1. 高級感ある見栄え
2. 耐久性が高い
3. メンテンナンスが楽
それぞれのメリットについて解説します。
高級感ある見栄え
外壁タイルの独特の風合いと高級感ある見栄えは最大のメリットとも言えます。
冒頭にもお話した通り、外壁材はサイディングが最も採用されています。サイディングは価格が安価な点が大きな理由です。一方外壁タイルは「価格が高いだけの見栄えがある」という意見も多いです。また外壁タイルはデザインのバリエーションも豊富です。洋風な建物というイメージが強い中、モダンなデザインやクラシックなデザインにすることも可能な点も大きなメリットの一つです。
耐久性が高い
外壁タイルは土や石を1,300℃という高温で焼き固めたものです。簡単に傷がつかず、さらに劣化しにくい特徴があります。外壁は築年数が経つとひび割れなどが発生しますが、外壁タイルはその心配はありません。現にヨーロッパの建物には外壁タイルが多く使用されており、数百年残っている建物も多くあります。それほど耐久性が高いことが分かります。
メンテナンスが楽
耐久性が高いということは大きなメンテナンスが不要ということにもつながります。サイディングなどは経年劣化によって専門業者のメンテンナンスが必要となります。しかし外壁タイルは高圧洗浄で清掃すれば完了です。他の外壁材に高圧洗浄すると、ひび割れ箇所の拡大や外壁材の破損につながりますが、外壁タイルは耐久性が高いため問題ありません。また自身でできることからメンテナンス費用を抑えることにも繋がります。
外壁タイルのデメリット
もちろん外壁タイルにもデメリットがあります。ここでは以下の3点が挙げられます。
1. コストが高い
2. 剥離の可能性もある
3. 施工できない会社もある
コストが高い
先ほどもお伝えした通り、外壁タイルは他の外壁よりコストが高いです。外壁も本体価格の費用の中では大きなウエイトを占めており、㎡単価が上がると大きな建築費となります。
剥離の可能性もある
外壁タイルは施工不良や経年劣化によって剥離が起き、タイルが落ちてくる可能性も0ではありません。もちろん建築会社もプロであるため、しっかりした施工を行います。しかし築年数が経つと剥離が起き、タイルが落ちてくる危険性も高まります。万が一タイルの下に人がいた場合、大事故にもなるでしょう。
施工できない会社もある
外壁タイルはどの会社でも施工できるとは限りません。主な理由は以下の2つが挙げられます。
・ 建築会社で集中購買に入っていない
・ 施工できる下請け業者がいない
建築会社は外壁の単価を下げるため、メーカーと価格交渉を行います。年間の発注数を決めるかわりに1㎡あたりの単価を下げる集中購買を行います。しかし集中購買の中に外壁タイルが入っていない会社も多いです。つまり外壁タイルは発注する予定がないことを意味することでもあるため、施工できる下請け業者もいない場合も挙げられます。
外壁タイルのメンテナンス
ここでは外壁タイルのメンテナンス方法と費用を紹介します。外壁タイルはメンテナンスが少ないメリットが挙げられるものの、まったくしなくて良いという訳ではありません。そのため外壁タイルを取り入れる方はぜひ参考にしてください。
メンテナンス方法
外壁タイルは高圧洗浄機で掃除が可能です。簡易的な汚れなどはある程度落ちるでしょう。汚れを放置したままにすると、せっかくの高級外壁の見栄えが低下します。またカビやコケの繁殖要因にもなりかねないため、定期的に高圧洗浄を掛けましょう。
また築年数が経つと剝離が起きている可能性もあるため、専門業者に定期点検を依頼することをおすすめします。先ほどもお伝えした通り、剝離が起きてタイルが落下した場合は大事故にもつながりかねません。そのため、数年に一度外壁タイルの点検を行うようにしましょう。
メンテナンス費用
専門業者にメンテナンスを依頼する場合に費用は「10,000円~30,000円」前後になります。主に外壁の一部メンテナンスの価格です。家全体の外壁をメンテナンスするとなると足場を組む必要もあるため、数十万円の費用にもなりかねません。そのため外壁メンテナンスをする際は屋根のメンテナンスなどと一緒に行うと足場費用を抑えることが可能です。
注文住宅の外壁タイルの種類と選び方
外壁タイルを選択する前に、どのようなタイルの種類があるか把握しておくと、建築会社と打ち合わせする際スムーズに進めることができます。ここでは外壁タイルの種類について紹介します。
素地別の外壁タイルの種類
外壁タイルは主に3種類に分けることができます。
1. 磁器質
2. 石器質
3. 陶器質
それぞれの特徴について紹介します。
磁器質
磁器質は水に強く耐久性が高い特徴があります。吸水率も3%以下と高い防水性能を持ち合わせています。また表面がきめ細かく光沢がある特徴を持ち合わせています。
石器質
石器室は磁器質と比べると耐久性は劣りますが、陶器質より高い耐久性であるため、中間の外壁タイルです。見た目としては素朴な味わいとなるため、落ち着いた住宅などに向いています。
陶器質
陶器質のタイルは吸水性が高く、石器室より強度は劣ります。ただし変色や劣化がしにくいため、メンテナンスはほとんど不要なメリットが挙げられます。
形状別の外壁タイルの種類
ここではタイルの形状について紹介します。主に「平物タイル・ユニットタイル」と「役物タイル」にわかれます。それぞれの形状について解説します。
平物タイル・ユニットタイル
平物タイルとは表面が平面上で正方形・長方形のタイルのものと呼びます。ユニットタイルは表面にシート状などの台紙を張り付けたタイルを連結させたものです。
役物タイル
役物タイルは外壁の角や開口部に用いられるタイルです。平物タイル以外の形状をしたものを役物タイルといいます。
サイズ別の外壁タイルの種類
ここではサイズ別の外壁タイルの名称について紹介します。サイズは大きく分けて以下の5つに分かれます。
1. 小口平タイル
2. 50角タイル
3. 二丁掛タイル
4. 45二丁タイル
5. ボーダータイル
小口平タイル
小口平タイルは、小口面が60×108サイズのタイルです。サイズも小さくつなぎ目を少なくすることできる特徴があります。東京駅などにも使用されているサイズです。しかし近年の住宅にはあまり用いられることは少なくなってきました。
50角タイル
50ミリ×50ミリサイズのタイルです。ただし実寸では45ミリです。50ミリは目地を含めた大きさであるため、50角タイルと呼ばれています。一つあたりのサイズが非常に小さいため、あらかじめ複数枚を組み合わせた1枚のシート状になったものを貼り付けて施工します。
二丁掛タイル
実寸227ミリ×60ミリサイズのタイルです。これより大きいタイルとして三丁掛タイル(実寸227ミリ×90ミリ)、四丁掛タイル(実寸227ミリ×120ミリ)もあります。タイルの中ではオーソドックスなデザインとなります。
45二丁タイル
45ミリ×50ミリサイズのタイルが2枚分ということで45二丁タイルと呼ばれています。外壁タイルの中でも単価が安く、マンションなどにも使用されています。
ボーダータイル
二丁掛タイルの高さを半分にしたサイズのタイルです。しかし正確なサイズは定まっておらず、実際はバラバラです。他のタイルより細めになっている特徴があります。アクセントタイルとして使用している方も多いです。
注文住宅の外壁タイルに関するQ&A
ここでは注文住宅の外壁タイルに関するQ&Aを紹介します。外壁タイルの費用は高額です。少しでも費用を安くしたいという方に向けて、コストを抑えるための方法を紹介します。
外壁タイルの費用を抑える方法はありますか?
外壁タイルは商品やメーカーによって価格が大きく異なるため、相見積もりを建築会社へ依頼しましょう。建築会社が外壁タイルを集中購買品としている場合は、建築会社で決められた商品を選ぶことが最も安くなります。しかし集中購買に入っておらず、外壁タイルがオプション工事の場合、1㎡あたりの価格は安いとはいえないため、相見積もりで安い商品を探すようにしましょう。しかし「デザイン性が違う」「色合いがイメージと異なる」とのこともあるでしょう。そのため気に入った外壁を複数選び、その中から決めるようにしましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。