今の時代どの家庭にもエアコンは必需品となりました。昔はエアコンは高級品というイメージだけでなく、電気代もかかる商品と言われていましたが、近年では省エネ化したエアコンが主流となり、電気料金を抑えて利用することができます。とはいえ、エアコン本体の価格は決して安物ではありません。そのため注文住宅を建築する際、何台取り付けしようか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。予算との兼ね合いもあるため、本記事では注文住宅のエアコン設置費用相場を紹介します。これから注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。
注文住宅のエアコン設置費用と相場
注文住宅のエアコンは1台あたり「40,000円~200,000円」前後の費用が一般的です。エアコンは部屋の大きさに合わせた商品があり、適用畳数が大きいほど金額も高くなります。もちろんエアコンメーカーによって価格も大きく異なるだけでなく、取り付けする業者によっても価格に相違があるため、上記の価格は目安としておきましょう。また最低限の性能で良いという方はインターネットでの購入がおすすめです。エアコンは建築会社へ依頼、家電量販店で購入、ネット購入の3種類に分かれます。コストを重視する方はネット購入し、特殊なエアコンや取り付けに一工夫が必要な場合は建築会社へ依頼しましょう。家電量販店でも購入できますが、基本的にはネットの方が価格は安いです。ただし、新年などに購入する際は、より安く購入できる可能性もあるため、住宅が完成するタイミングに合わせて購入先を選ぶようにしましょう。
もう一つエアコンを取り付けする方法として全館空調があります。全館空調とは住宅全体の温度管理・空調管理・空気清浄などを1台の設備で管理するシステムのことです。その場合、約「1,000,000円~3,000,000円」の費用が発生します。全館空調にすることで、家全体の温度を統一することが可能となるだけでなく、きれいな空気を維持してくれます。そのため空気清浄機なども必要ありません。ただし費用が高額となるため、各部屋にエアコンを設置するか、全館空調にするかは慎重に検討しましょう。
注文住宅のエアコン設置費用の内訳
注文住宅にエアコンを設置する場合、本体価格とは別に1台あたりおおよそ「10,000円~20,000円」前後の設置費用が必要です。ただし、2台3台と複数設置した場合は1台あたりの設置費用は安くなります。
またエアコンもサイズによって適用畳数が異なります。もちろん本体も異なるため、以下の表を参考にしてください。
エアコン適用畳数 | 本体価格 | 設置費用 |
6畳用 | 40,000円~50,000円前後 |
10,000円~20,000円前後 |
8畳用 | 50,000円~70,000円前後 | |
10畳用 | 70,000円~90,000円前後 | |
12畳用 | 80,000円~100,000円前後 | |
14畳用 | 100,000円~120,000円前後 | |
16畳用 | 120,000円~140,000円前後 | |
18畳用 | 140,000円~160,000円前後 | |
20畳用 | 160,000円~180,000円前後 |
例えば4LDKの一戸建て全部屋にエアコンを設置する場合、下記のような費用相場となります。
部屋 | 大きさ | 本体価格 | 設置費用 | |
リビング | 16畳 | 120,000円 |
30,000円前後 |
|
寝室 | 10畳 | 70,000円 | ||
子供部屋 | 6畳 | 40,000円 | ||
客間 | 6畳 | 40,000円 | ||
合計 | 300,000円 | 330,000円 |
全館空調と比べると各部屋にエアコンを設置した方が安くすることが可能です。
注文住宅のエアコン設置に関する注意点
ここではエアコンの種類とエアコンの設置場所、エアコンの設置タイミングについて解説します。
エアコンの種類
エアコンには大きく分けて下記の3種類あります。
1. 壁掛けエアコン
2. 天井埋め込みエアコン
3. 全館空調
壁掛けエアコン
壁掛けエアコンは壁の一部に取り付けするタイプで最もポピュラーなものです。後付け工事でエアコンを取り付けするとなっても数時間で設置可能です。またメンテナンスがしやすい特徴があります。エアコンの中でも最もコストが安い特徴があります。
天井埋め込みエアコン
企業オフィスや商業施設にある天井に取り付けするタイプのエアコンです。四方に冷暖房気を出せる特徴がありますが、一般的に注文住宅で採用されることはほとんどありません。天井埋め込みエアコンはあらかじめ型を作った空間にしなければいけないため後付け工事は難しいです。また壁掛けエアコンより価格は高くなります。
全館空調
全館空調は各部屋にエアコンを設置するのではなく、一台の設備から各部屋へ冷暖気を届ける仕組みです。そのため各部屋へエアコンを設置する必要もありません。全館空調には4種類あります。それぞれの特徴は以下の通りです。
全館空調の種類 | 内容 |
天井吹き出し型 | 天井に吹き出し口を設置して家全体にダクトを経由して冷暖気を届ける方法です。ルーバー1つで家全体の温度と換気を操作することが可能です。 |
床下冷暖房型 | 床下に全館空調の設備を設置し、ガラリによる送風で家全体に冷暖気を届ける仕組みです。天井吹き出し型より風力は弱く、家全体を暖めるのに時間がかかります。 |
壁パネル輻射型 | 壁に大型冷暖房パネルを設置し、家全体に冷暖気を届ける方法です。無音・無風で稼働する特徴があります。 |
壁掛けエアコン型 | 1台の壁掛けエアコンから各部屋の冷暖気を届ける仕組みです。 |
近年では全館空調の人気が高まっています。家の温度を一定に出来るだけでなく、換気機能もついているため、快適な住生活を過ごすことが可能です。もちろん費用は最も高額となるため、建築会社と相談してから決めましょう。
エアコンの設置場所
エアコンは居住時間が多い部屋に取り付けするのが一般的です。主に以下の箇所に取り付けします。
● リビング
● 寝室
● 子ども部屋
● 和室
● 客室
上記の中で最も多いのはリビングでしょう。リビングは家族が集まる場所であり、一日の中で一番長く居る場所です。もちろん他の部屋にも設置しても構いませんが、エアコンが増えるとコストが高くなってしまうため、予算を考慮しながら設置しましょう。また、エアコンを取り付けする際は「室外機」と「配管穴」を用意しておかなければいけません。それぞれの設置場所について次の項で紹介します。
室外機
エアコンを取り付けする際は室外機の設置が必須です。室外機は名前の通り屋外へ設置します。設置する場所は主に以下の3か所です。
● ベランダ
● 外壁に壁掛けラックを取り付け
● 地面
エアコンを使用している最中は、室外機は熱を持ちます。ベランダに設置すると室外機を隠すことができますが、ベランダ全体が熱くなってしまうため、地面か外壁に取り付けするのをオススメします。
配管穴
配管の穴はあらかじめ注文住宅時の工事と同時に設置するのが通常です。後付けでエアコンを取り付けできるように、設置予定部屋には取り付けしておきましょう。
オプション工事
エアコンのオプション工事には以下の2つが挙げられます。
● 化粧カバーの設置
エアコンと室外機を結ぶ配管にカバーを設置することが可能です。カバーを取り付けすることで配管の劣化を防ぐことが可能です。カバーしないままにすると雨風により配管が腐食し、交換しなければいけない状況にもなりかねません。また配管は見栄えの良くないため、外壁デザインと合わせた化粧カバーを取り付けるのが一般的です。なお、化粧カバーの相場費用は5,000円~10,000円前後になります。
● 室外機カバーの取り付け
エアコンの室外機は見栄えの向上につながります。室外機はそのまま置いてあるとかっこ悪いと感じる方も多いのではないでしょうか。見栄えを悪化させないためにも室外機カバーを取り付けている家庭も多いです。また室外機は直射日光が当たる場所にあり、熱を持つ機械でもあります。熱を持ったまま使用すると、月々の電気使用量が大きくなるため、電気代が高くなります。しかし室外機カバーを設置すれば太陽の光が当たりっぱなしになることがなくなるメリットがあります。室外機カバーは5,000円~30,000円、もしくはそれ以上の価格の商品もあります。コストを抑えたい方はDIYで作成することも可能です。
エアコン設置のタイミング
エアコンの設置のタイミングは取り付けるタイプによって下記のように異なります。
壁掛けエアコン | 注文住宅の完成間近または完成後 |
天井埋め込みエアコン | 注文住宅の建設工事と同時に施工する |
全館空調 | 注文住宅の建設工事と同時に施工する |
壁掛けエアコンはいつでも取り付けすることが可能です。そのため、先に配管穴だけを開けておき、後で必要になったら取り付けすることも可能です。
ただし天井埋め込みエアコンと全館空調は注文住宅の建築前に決めておかなければいけません。設計に大きく影響されるため、事前に建築会社と相談して決めましょう。
注文住宅のエアコンに関するQ&A
エアコンは何台も購入するとなると大きな費用となります。そのため少しでも費用を抑えたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここではエアコンの設置費用を抑える方法を紹介します。
エアコン設置費用を抑える方法はありますか?
エアコンの設置費用を安く抑えたい方は、大手メーカーの商品を控えるようにしましょう。
パナソニックや三菱などCMを多く打っているエアコンは高性能でありますが、価格が高いです。近年ではアイリスオーヤマのエアコンが、コストパフォーマンスが高いと言われています。もちろん人によって意見が異なるため一概には言えませんが、価格帯を重視するのであればメーカー毎の価格を比較してみましょう。また家電量販店よりインターネットの方が安く購入できるケースが多いです。ただし商品によって異なるため、両方を確認してみましょう。さらに付与されるポイントもかかわってくると思うのでぜひ確認してください。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。