注文住宅に住み始めると年々荷物が増え、収納スペースが足りないと感じる方も多いです。
収納スペースは生活に欠かせないものですが、設計段階で不足してしまうと後々後悔することにもつながりかねません。
そんな収納スペースの中でウォークインクローゼットの人気が高くなりました。収納スペースは荷物を多く入れてしまうため、取り出すのにも一苦労でしたが、ウォークインクローゼットは名前の通り、人が歩けるスペースがあるため、取り出しやすい特徴と収納量が多いメリットがあります。
そこで今回、ウォークインクローゼットの設置費用を紹介します。
またウォークインクローゼットの注意点も解説するため、これから注文住宅のウォークインクローゼットの設計で悩んでいる方は是非参考にしてください。
新築注文住宅のウォークインクローゼット設置費用の相場
ウォークインクローゼットの設置費用は2通りあります。
● 部屋の一部をウォークインクローゼットにする場合
部屋の一部にウォークインクローゼットを設置する場合は、費用差額は発生しません。
ウォークインクローゼットの施工費用は、注文住宅の一坪当たりの単価(坪単価)でおおよその費用が算出出来ます。しかし部屋の一部に設置する場合は、壁やドア、照明の工事はあるものの、住宅全体の面積が増えるわけではないため大きな差額はない工務店も多いです。
● ウォークインクローゼット分の面積を追加する場合
部屋を小さくしたくない方は、ウォークインクローゼット分の面積を増加して設置することになります。先ほどもお伝えした通り、面積が増えた部分に関して坪単価を掛け算でき、おおよその費用は以下の通りです。
ウォークインクローゼットの大さ | 工務店の場合 | 中堅ハウスメーカーの場合 | 大手ハウスメーカーの場合 |
0.5坪 | 20万円~25万円 | 30万円~35万円 | 35万円~50万円 |
1坪 | 40万円~50万円 | 60万円~70万円 | 70万円~100万円 |
2坪 | 80万円~100万円 | 120万円~140万円 | 140万円~200万円 |
3坪 | 120万円~150万円 | 180万円~210万円 | 210万円~300万円 |
坪単価が安い工務店であれば大手ハウスメーカーの半額ほどの価格で設置可能です。ただし建築会社によって価格はことなるため目安の費用と認識しておきましょう。
ウォークインクローゼットの選び方
ウォークインクローゼットにはさまざまなタイプがあります。
ここではウォークインクローゼットの種類とレイアウト、おすすめの設置部屋を紹介します。
ウォークインクローゼットの種類
ウォークインクローゼットは以下の3種類に分けることができます。
1. ハンガータイプ
2. 収納棚タイプ
3. ユニット収納棚タイプ
次の項で解説します。
ハンガータイプ
ハンガータイプはウォークインクローゼットの中にハンガーパイプを取り付け、コートやジャケットなどの服を掛けることができるタイプです。またハンガーパイプを取り付けた上は枕棚に設計している住宅も多く、バックや小物なども置くことができます。一方ハンガーパイプに服を掛けた場合の下部分はデットスペースにもなりかねません。物を置く方も多いですが、ロングコートなどを掛ける場合は邪魔になる可能性もあります。
収納棚タイプ
収納棚タイプは壁に収納棚を設置したウォークインクローゼットです。壁全面を収納棚にすることもできれば、一部ハンガーパイプを組み合わせることも可能です。収納棚タイプはコートやジャケットなどを掛ける洋服には不向きですが、半袖や長袖など畳む洋服をしまうことが可能です。また洋服だけでなく、生活用品や日用雑貨などもしまうことが可能です。
近年ではキッチン横に食糧庫として設計しているケースも増えています。
ユニット収納棚タイプ
収納棚の高さを自由に設定できるタイプの収納棚です。収納したい物のサイズに合わせて高さ調整できるだけでなく、設置時に棚板の材質も選ぶこともでき、かつ色のバリエーションも豊富であるため、ウォークインクローゼット内部の見栄えもこだわりたい方におすすめです。
ウォークインクローゼットのレイアウト
ウォークインクローゼットは自由に設計できますが、使い勝手の高いレイアウトは主に以下の4つです。
1. Ⅰ型
2. Ⅱ型
3. L型
4. コの字型
4つのレイアウトの特徴を紹介します。
Ⅰ型
I型のウォークインクローゼットは「通路が左手・右手が収納スペース」「通路が右手・左手が収納スペース」となっているレイアウトです。
収納できる量としては他の3つと比べて劣りますが、通路幅を広く取れるため、荷物の出し入れがしやすいメリットがあります。なお、I型のウォークインクローゼットの広さは1.5帖から2帖ほどが多いです。
Ⅱ型
Ⅱ型のウォークインクローゼットは左右両方に収納スペースを設け、中央に通路があるタイプです。左右に収納スペースがあるため、妻と旦那で分けることも可能です。収納量はI型の倍近くとなり、面積は2.5帖から3帖ほどになります。
L型
L型のウォークインクローゼットの空間は長方形や正方形でありながら、壁2面に収納スペースを設けるレイアウトのタイプです。収納できる量は多くありませんが、空間が広いため動きやすい特徴があります。
コの字型
コの字型のウォークインクローゼットは、Ⅱ型のレイアウトの突き当りに収納スペースを設けるタイプです。4つのレイアウトの中では最も収納できる量が多い特徴があります。そのため、キッチン横の食糧庫として設置している方も多いです。
ウォークインクローゼットに必要な広さ
ウォークインクローゼットに必要な広さは用途や家族によって異なります。
下記の表は家族人数に合わせたウォークインクローゼットの用途別目安面積です。
洋服用 | 食糧庫用 | 布団や生活用品用 | |
家族3人 | 1.5帖~2帖前後 | 0.5帖前後 | 1帖前後 |
家族4人 | 2帖~3帖前後 | 0.75帖前後 | 2帖前後 |
家族5人 | 3帖以上 | 1帖前後 | 3帖前後 |
もちろん家庭によって荷物の量は異なります。上記の広さは目安としておきましょう。
ウォークインクローゼット設置におすすめの部屋
ウォークインクローゼットの設置におすすめの部屋は以下の通りです。
寝室 | 洋服の着替えに便利 |
玄関横 | 靴やゴルフバック、アウターなどを収納できる |
キッチン横 | 食糧庫や料理器具を収納できる |
洗面所横 | バスタオルや清掃用品などを収納できる |
客間 | 来客者の宿泊用に布団をしまえる |
ウォークインクローゼットのメリット・デメリット
ウォークインクローゼットを取り入れる前にメリット・デメリットを理解しておきましょう。
ウォークインクローゼットのメリット
ここではウォークインクローゼットのメリットを2つ紹介します。
洋服をきれいに収納できる
ハンガーパイプを取り付けしたウォークインクローゼットの場合は洋服をきれいに収納することができます。
クローゼット内で着替えることも可能
広々としているウォークインクローゼットであれば室内で着替えることも可能です。来客者が入る場合は大きなメリットになります。
ウォークインクローゼットのデメリット
一方でデメリットも2つあるため紹介します。
部屋が小さくなる場合もある
ウォークインクローゼットを設計することで部屋が小さくなる可能性もあります。注文住宅の面積を増やさずにウォークインクローゼットを設計する場合は、部屋の一部を小さくすることにつながります。
コストが追加となる場合も
注文住宅の面積を増やしてウォークインクローゼットを設計した場合、先ほどもお伝えした通りコストが追加となるデメリットがあります。
新築注文住宅のウォークインクローゼットに関するQ&A
ここでは新築注文住宅のウォークインクローゼットに関するQ&Aを紹介します。
ウォークインクローゼットの費用を抑える方法はありますか?
ウォークインクローゼットの設置費用を抑えるためには部屋の一部に設置する方法しかありません。先ほどもお伝えした通り、住宅面積を広くして設計することで施工面積が増え、コストが上がります。しかし面積を変えなければ費用はさほど変わりはないため、結果費用を抑えることが可能です。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。