高級住宅の代名詞でもある、庭付きプール。
一度で良いから入りたいと思う方も多いのではないでしょうか。
海外映画やドラマで見かけることが多いプールですが、日本ではまだまだ採用されていません。
施工費だけでなく、敷地の面積も重要になることから、自分には縁のないオプションと思っている方もいらっしゃるからでしょう。
しかし、費用相場も理解せず見切るのは早いため、本記事でプールの施工費用を紹介します。
またプールのメリット・デメリット、ランニングコストなどの維持費も解説するため、ぜひ参考にしてください。
注文住宅のプール施工費用の相場
プールの施工費用はおおよそ「300万円~500万円前後」です。
もちろんプールの大きさによって異なるため、目安としてください。
庭付きプールは、地面の掘削と残土処分から工事が開始します。
つまりプールの深さによっても工事範囲も大きくなるため、金額も増減すると理解しておきましょう。
また、プール内に水を貯めるための給水管も、ある程度太くしなければいけません。
一般的に敷地内には13mmの水道管が埋設されているケースが多いですが、プールを設置する場合は、20mmや25mm、もしくはそれ以上の管径が必要となります。
管径が小さければ、水圧が足りず、プールに水を貯めているとき、他の水道の水が出ないということも考えられるでしょう。
そのため、事前に水道局などで調査を行い、既存管の入れ替えが必要か確認することをおすすめします。
一般的に、プールは庭だけでなく、屋上や室内に設置する場合もあります。
その場合は上記の価格より高くなる場合もあるため、詳しくは注文住宅会社へ相談しましょう。
注文住宅のプールの選び方
注文住宅のプール費用だけで設置の判断をするのではなく、メリット・デメリットを理解したうえで考慮する必要があります。
ここではプールのメリット・デメリット、プールを設置した後の維持費なども紹介するため、ぜひ参考にしてください。
プールのメリット
はじめにプールのメリットを5つ紹介します。
1. リラックス効果が見込める
2. ひとつのアドバンテージになる
3. 運動不足を解消できる
4. 子供たちの遊び場になる
5. 断水時の備えにもなる
リラックス効果が見込める
自宅のプールサイドなどで読書を楽しんだり、お茶などをすることでリラックスできるという方もいらっしゃいます。
もちろんリラックス効果は人それぞれであるため、一概には言えません。
しかし、仕事のストレスなどを発散するため、太陽の陽を浴びながら過ごすのも良いでしょう。
プールに入らなくてもプールサイドがあれば、リフレッシュもできるという方も多いです。
ひとつのアドバンテージになる
自宅にプールがあると聞くと、驚く方も多いのではないでしょうか。
プールがある時点で高級住宅とイメージする方も多いです。
プールがある家を建築することで、近所の方や友人・知人と比べてひとつのアドバンテージにもなるでしょう。
運動不足を解消できる
アスリートがプールで鍛えているほど、プールでのトレーニングは効果的です。
またプールサイドなどでも運動することができるため、在宅ワークの主流化で運動不足が増えた方にはちょうど良いと思う人もいらっしゃるでしょう。
子供たちの遊び場になる
ホームセンターなどで手軽に購入できるビニールプールは、子供たちの遊び場として、多くの家庭が利用しています。
しかし、使うたびに空気を入れて膨らます手間もあり、片付けの際は空気を抜く手作業をしなければいけません。
しかし庭にプールがあれば上記の手間はなくなります。
断水時の備えにもなる
自然災害などが原因で断水状態が続いた際は、プールの水が生活用水としても利用可能です。
もちろん飲料水としては利用できませんが、トイレや洗濯などに使用できるでしょう。
また、雨水などを貯めることができるため、断水時のプールは大きな役割をもたらします。
プールのデメリット
プールのメリットを紹介しましたが、一方でデメリットもあります。
ここでは5つのデメリットを紹介します。
1. 設置コストがかかる
2. 定期的なメンテナンスが必要
3. ランニングコストがかかる
4. 使用しなくなる方も多い
5. 水漏れしたら大惨事になることも
設置コストがかかる
先ほどもお伝えした通り、プールの設置費用は高額です。
注文住宅のオプションの中でもトップクラスの価格ともいえるでしょう。
そのため注文住宅の予算オーバーが発生する可能性も高くなります。
プールを設置することで、住宅仕様のグレードを下げることにもつながりかねません。
資金に余裕がある方、プールは絶対に外せない方が設置しているケースが多いです。
定期的なメンテナンスが必要
プールも日数が経つことで経年劣化します。
プール内の壁面にひび割れなどが発生している場合は、水漏れなども起こる可能性が高くなるため、定期的なメンテナンスが必要です。
ランニングコストがかかる
プールの水質を保持するため、毎月定期的な維持費が発生します。
「ろ過」もしくは「水の入れ替え」が必要です。
ろ過機を導入することで、年1回~2回の入れ替えですみますが、ろ過機を導入しない場合は、水の入れ替えを行わなければいけません。
水の入れ替えは大きなランニングコストにもなるでしょう。
使用しなくなる方も多い
プールを設置した方で最も多い意見は、使わなくなったという点です。
子供が大きくなると、自宅ではなく、外出して遊ぶ方も多くなるため、プールを利用しない家庭が多いです。
また、子供も成長すると、自宅であっても水着などに抵抗を持つ子も多くなるのでしょう。
将来的に使わなくなるケースが見込めるのであれば、無駄なコストを支払うことにもつながりかねません。
水漏れしたら大惨事になることも
地震などの自然災害でプールが破損し、水が漏れた際は、自宅への被害の他に、近所の方へも影響を及ぼす可能性もあります。
日本の住宅は、隣同士が近い位置にあるため、プールからの水漏れが原因で大きな被害にもつながりかねません。
最悪の場合は損害賠償を請求される可能性もあるでしょう。
そのためプールを設計する際は、デザイン性ばかりを優先するのではなく、耐久性を考慮する必要があります。
プールの維持費
プールの水質を保つための維持費は、おおよそ一月あたり「6,000円~10,000円程」の費用が発生します。
年間で72,000円~120,000円と決して安い価格ではありません。
上記の価格に含まれる内容として、「ろ過機の電気料金」「塩素などの薬剤代」「プールの水道料金」です。
さらにプール外周に照明などを設置する場合は、追加費用が発生します。
プールの種類・設置場所
プールの設置場所は主に「庭」「屋上」「中庭」「室内」の4つに分けることができます。
1. 庭
プールと言えば「庭」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
太陽の陽を浴びながら子供だけでなく、大人も遊べる場として活用できるでしょう。
しかし、外からの視線は気になります。
目隠しフェンスなどを設置する必要があるでしょう。
2. 屋上
屋上も屋根を設置しない場合は、日光を感じながら開放感あるプールにすることができます。
外から見られる可能性も低いため、プライバシーを守ることもできるでしょう。
しかし、プールの水量も数トンとなるため、建物の構造を補強しなければいけません。
一般的には鉄筋コンクリート造などの住宅のみに採用されます。
3. 中庭
家の中庭にプールを接するケースです。
住宅の形が「コの字」や「ロの字」である場合に採用されます。
庭や屋上と比べて、よりプライバシーを守ることができますが、日光を取り入れることが難しくなるでしょう。
4. 室内
室内であれば、外からの目線を全く気にする必要はありません。
さらに天候が悪くてもプールに入ることが可能です。
しかし、プールを設置する代わりに注文住宅の面積が小さくなることも考えられるため、間取りとのバランスを考慮する必要があるでしょう。
プールの工期
注文住宅のプールは工事を行う場所によって異なるため、下記の表を確認してください。
設置場所 | 工期 |
庭 | 2か月~3か月 |
屋上 | 5か月~6か月 |
中庭 | 5か月~6か月 |
室内 | 5か月~6か月 |
庭以外のプールに関しては、注文住宅の完成がプールの完成を意味します。
本来注文住宅は3か月~4か月ほどで完成しますが、プールを設けることで+2か月ほど日数を費やすこととなります。
一方、庭のプールに関しては、建物と関与することがないため、プールだけの工事である場合は2か月ほどで完成します。
もちろん建築会社や注文住宅の建物構造、プールの規模によって工期は異なるため、目安としておきましょう。
プールのメンテナンス
ここではプールに関するメンテンナンスについて紹介します。
メンテナンス方法
メンテンナンスの前に、プールの水はどれくらいの日数で交換が必要か気になる方もいらっしゃるでしょう。
結論としてはプールに水を入れてから「1日~2日」ほどです。
プールの水は、ほとんどが水道水を利用している方が多いです。
水道水には塩素が含まれており、空気に触れることで、抜けてしまいます。
抜けることにより、プールの水に雑菌が繁殖し、2日~3日ほどで白く濁り、ぬめりなどが発生します。
そのため、プールの水は使用した翌日には入れ替える方が良いでしょう。
ただし、ろ過機を導入している場合は、水をきれいに保つことも可能です。
また、雨が降った時のプールは入っても問題ないのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
雨は酸性を含んでいますが、人体に大きな影響をもたらすことは少ないです。
ただし、大気中のホコリなども含まれているため、無害とは言えがたいでしょう。
特別気にならない方は、雨水を含んだプールに入っても問題ありませんが、誤って飲み込まないようしてください。
メンテナンス費用
プールの水を長持ちさせるには塩素を購入し、消毒機能を元に戻す必要があります。
しかし、プールに入れる塩素も大量となるため、水の入れ替えとほとんど料金が変わりません。
プールの大きさによって水道料金も異なるため、水の入れ替え料金は一概には言えません。しかし、大きな費用となるでしょう。
また、プールの補修などが発生した場合は、専門業者に検査してもらう必要があります。
検査自体は数千円から数万円程度の費用で済むでしょう。
しかし、補修工事が必要となった場合、数十万円の費用が必要となるケースもあると認識しておいた方がよいです。
もちろん専門業者などのリフォーム会社によって価格が異なるため、明確な金額はお伝えできません。
詳しくはリフォーム会社に問い合わせして見ましょう。
注文住宅のプールに関するQ&A
プールの設置費用は高額であるため、少しでもコストを抑えたいと思う方も多いのではないでしょうか。
ここでは施工費用を抑える方法を紹介します。
プールの施工費用を抑える方法はありますか?
プールの施工費用を抑える方法として、「プールの面積を小さくする」「屋上に施工しない」
「給排水管を考慮する」の3つが挙げられます。
プールの面積が大きくなるほど施工費用が高くなるというイメージはできるでしょう。
もちろん大きいプールは開放感もありますが、コストバランスを考慮する必要はあります。
家族が4人ほどしかいないのに、有り余るほど大きいプールを作ったとしても空間を持て余してしまうでしょう。
そのため、必要な面積を注文住宅会社と打合せし、コストを抑えるようにしましょう。
また、屋上に施工するということは、注文住宅の構造が鉄筋コンクリート造になることを意味します。
もちろん木造であっても構造を補強すれば、屋上にプールを施工できますが、建築費も高額となります。
そのため、注文住宅のコストも考慮した構造で建築し、庭や室内に設けることが得策と言えます。
先ほどもお伝えした通り、プールの水は、水道水を利用します。
水道水を利用する場合は、敷地の前面道路から引き込む工事を行います。
敷地に引き込む水道管が長いほどプールのコストにも影響がでます。
そのため特に屋上や中庭などに設置するより、前面道路から近い中庭の方が水道工事の費用を抑えることが可能です。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。