注文住宅の床暖房の設置費用相場

注文住宅の床暖房の設置費用相場

注文住宅を建築する際、必ずと言っていいほど、床暖房の設置を一度は検討するのではないでしょうか。

床暖房があれば、より快適な住空間にすることができ、住みやすさが向上します。

特に東北や北海道の地域で注文住宅を建築する場合、床暖房は必需品となってきました。

しかし雪国だけでなく、冬場は全国的に寒くなるため、できれば取り入れたいものです。

ただし、費用相場もわからないため、床暖房を設置するか悩んでいる方も多いでしょう。

そこで今回、注文住宅の床暖房の設置費用を紹介します。

また床暖房のメリット・デメリット、ランニングコストなども紹介するため、ぜひ検討してみましょう。

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注文住宅の床暖房の設置費用相場

床暖房には「電気式床暖房」と「温水式床暖房」の2種類あります。

双方費用が違うだけでなく、特徴や暖房方法も異なるため、紹介します。

電気式床暖房

電気式床暖房は名前の通り、床下に発熱体の電流を流し、床全体を温める暖房です。

初期費用も安く、オール電化住宅などと相性も良い特徴を持ち合わせています。

電気式床暖房のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
l  初期費用が安い

l  施工が簡単

l  ランニングコストが高い

l  温まるまで時間がかかる

電気式床暖房は温水式床暖房と比べて初期費用が安いです。

4畳半ほどの大きさである場合は、「200,000円~300,000円前後」です。

8畳ほどの子供部屋などに設置する場合は「400,000円~600,000円前後」となります。

また、リビングなど大きい部屋(12畳~15畳)である場合は、「600,000円から900,000円前後」となります。

一方で、温水式床暖房などのガス料金より電気料金の方が高いため、月々のランニングコストが高くなります。

また、温水式床暖房より温まるのが遅いため、早朝の寒い日などは温まるまで我慢が必要です。

温水式床暖房

温水式床暖房はガス温水式床暖房とも言われます。

熱源機で温水を作り、温水パイプを経由して床を温める仕組みです。

ガスで発電すると思われがちですが、最近ではガス+電気のハイブリッド式の床暖房もできました。

温水式床暖房のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
l  ランニングコストが低い

l  温まるまで早い

l  初期費用が高い

l  メンテナンスが必要

温水床暖房は電気式床暖房よりランニングコストが低い特徴があります。

もちろん電気よりガスの方が安いという基準で比較した場合です。

場合によっては電気料金の方が安い地域もあるため一概には言えません。

温水床暖房は電気式床暖房よりパワーが強力なため、温まるまでの時間は早いです。

その分初期費用が高額となるデメリットがあります。

4畳半ほどの床に温水式床暖房を設置した場合の費用は「250,000円~350,000円前後」です。

8畳ほどの子供部屋などに設置する場合は「500,000円~650,000円前後」となります。

さらに大きな部屋に(12畳~15畳)設置する場合は、「700,000円~1,000,000円前後」の費用となるでしょう。

また、温水式床暖房の不凍液は定期的に補充する必要があります。その分のメンテナンス費用がかかるということは認識しておきましょう。

注文住宅の床暖房の選び方

床暖房の設置に悩んでいる方は、床暖房のメリット・デメリットを理解してから検討しましょう。

また床暖房のランニングコストやエアコンとの違い、工期やメンテナンス方法など、床暖房について詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてください。

床暖房のメリット

ここでは床暖房のメリットを5つ紹介します。

1. 冬場でも快適に過ごせる
2. エアコン不要となることも
3. 動作音がない
4. 掃除の手間もかからない
5. 場所を取らないため、部屋もスッキリできる

冬場でも快適に過ごせる

床暖房を取り付ける方の多くは、冬場の期間を快適に過ごしたいと思っているからではないでしょうか。

寒い時期は床が冷えてしまい、裸足で過ごすのは大変です。

しかし、床暖房があれば、裸足で過ごせるほど床を温めてくれるメリットがあります。

エアコン不要となることも

床暖房は床だけでなく、空間も温めてくれるため、エアコンが不要となるケースもあります。

エアコンほどの暖かさを作れるかどうかは床暖房の性能にもよりますが、床からの熱は上昇する傾向があるため、自然と空間が暖かくなります。

そのため、「床暖房があるからエアコンは不要となった」という方もいらっしゃいます。

動作音がない

エアコンやストーブなどを使用した場合は動作音が発生します。

動作音が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

床暖房も動作音は発生しますが、上記の2つと比べて静穏です。

音が気になるという方は床暖房の採用を検討してみましょう。

掃除の手間もかからない

エアコンなどはホコリが溜まるため、定期的な清掃が必要となります。

しかし床暖房は床下に設置するため、ホコリが溜まることもなければ、掃除する必要がありません。

場所を取らないため、部屋もスッキリできる

ストーブなどはデザインによるものの、部屋のインテリアを崩してしまう場合もあるでしょう。

おしゃれなストーブはインテリアとして活用できますが、実用性や価格帯を考慮すると、家電量販店などで販売している商品を採用している方が多いです。

しかし床暖房があれば、ストーブ不要という意見もあり、同時に部屋をスッキリさせることが可能となります。

床暖房のデメリット

床暖房のメリットを紹介しましたが、デメリットもあります。

ここでは5つのデメリットを紹介します。

1. 設置コストが高い
2. 定期的なメンテナンスが必要
3. ランニングコストがかかる
4. 床暖房対応の床材にする必要がある
5. 使わないという意見もある

設置コストが高い

先ほどもお伝えした通り、床暖房を設置する際は費用が発生します。

リビングだけでも600,000円~1,000,000円前後、さらに全部屋床暖房を設置するとなった場合、2,000,000円~3,000,000円と高額になります。

エアコン1台10万円~20万円の価格と比較した場合、大きなコストであることがわかるでしょう。

定期的なメンテナンスが必要

温水式床暖房を設置する場合、温水器の不凍液は定期的に補充する必要があります。

交換費用は後ほど紹介しますが、4年に一度、追加補充を行うのが望ましいです。

不凍液を補充しないままでおくと、配管の腐食や凍結が発生し、床暖房として機能しなくなる可能性も高くなります。

さらに腐食から配管やボイラーに穴が開き、不凍液が空気と接触して酸化を起こし、床暖房器具を全部交換することにもなりかねません。

ランニングコストがかかる

床暖房は電気やガスを使用します。

そのため月々のランニングコストが高くなります。

料金に関しては後ほど紹介するため、参考にしてください。

床暖房対応の床材にする必要がある

どの床材でも床暖房が設置できるわけではありません。

床暖房に対応した床材であることが必要です。

床材は建築会社によって異なるため、注文住宅の設計段階で注文住宅会社へ確認しましょう。

使わないという意見もある

電気料金に反映されることから、注文住宅に住み始めてから数年経った後、使わなくなったという意見もあります。

タイミングとしては、床暖房の調子が悪くなった時です。

「電気料金がもったいないし、メンテナンス料金もかかるから」という理由が最も多いため、参考にしてください。

床暖房のランニングコスト

これまで床暖房の種類やメリット・デメリットを紹介しましたが、気になるのはランニングコストではないでしょうか。

先ほども紹介した通り、温水床暖房の方はガスを使用するため、月々の料金は安くなる傾向があります。

もちろんガス会社や電気会社によって異なるため、明言はできませんが、一例の比較として下記の表を参考にしてください。

一か月あたりの温水床暖房料金

(1日8時間稼働)

一か月あたりの電気式床暖房(1日8時間稼働)
3,200円前後 4,000円~6,000円前後

 

価格の比較をしても温水床暖房の方が800円ほど安く、冬季期間を3か月で計算すると、2,400円もの金額差となります。

なお、上記のランニングコストは8畳の部屋に床暖房を設置した場合です。

リビングなどの大きい部屋ではさらにランニングコストが高額となるため注意して下さい。

床暖房とエアコンの比較

つぎにエアコンとの設置費用とランニングコストを比較します。

エアコンも商品によって価格は異なるものの、8畳の部屋に合わせたエアコンを設置した場合、おおよそ「10万円~20万円前後」となります。

床暖房の設置費用が400,000円~650,000円ほどであるため、大きな金額差があります。

さらにランニングコストを比較してみましょう。

エアコンの電気料金が1時間あたり、「20円~40円」です。一日8時間稼働で計算すると、「160円~320円」、一か月で「4,800円~9,600円」となります。

近年のエアコンは省エネ基準を満たしている商品もあるため、上記の用にランニングコストの値幅が広くなります。

とはいえ、床暖房よりランニングコストが高い傾向にあることがわかるでしょう。

設置費用を考慮すると、俄然エアコンの方がコストを抑えることが可能です。

しかしエアコンを使った方はお分かりになると思いますが、エアコンを使っている時は乾燥が気になるのではないでしょうか。

床暖房は乾燥することがないため、「コストを優先するか」「住環境を優先するか」でエアコンか床暖房にするかが決まるのではないでしょうか。

床暖房の工期

床暖房の工期は1週間から2週間ほどで完了します。

しかし、新築の注文住宅で取り入れる場合、本体工事期間中に施工するため、明確な期日がわからないのが実態です。

建築会社は床暖房メーカーへ商品を発注し、納品後は専門業者が取り付けと電気配線工事を行います。

そのスケジュールは各建築会社によってことなるため、いつ工事が始まって完成したかは、都度現場を見ていないとわからないでしょう。

具体的な工期を知りたい方は、注文住宅会社へ確認しましょう。

床暖房のメンテナンス

ここでは床暖房のメンテナンス方法と費用について紹介します。

メンテナンス方法

はじめに、「床暖房のメンテナンスは専門業者に依頼する」ということを意識しておきましょう。

床暖房にはさまざまな電気機が取り付けられており、知識のない方がメンテンナンスするのは非常に難しいです。

また電力を使っているため、感電などのおそれもあります。

床暖房のメンテナンスは難しいだけでなく、危険性も高いため、専門業者に依頼するようにしてください。

メンテナンス費用

床暖房のメンテナンスは作業内容によって異なります。

● 定期点検…5,000円~7,000円前後
● 不凍液の交換…30,000円~60,000円前後
● その他部品交換…50,000円~100,000円前後

上記の価格は目安です。

専門業者によって価格は異なるため、詳しい金額を知りたい方は、電気会社や床暖房メーカーに確認しましょう。

ただし、床暖房を全て交換となった場合、先ほど紹介した床暖房費用に撤去費用が追加となります。

つまり、新築注文住宅時に導入した費用より高額となる可能性が高いです。

そのため、できれば床暖房の交換はしたくないと思う方も多いのではないでしょうか。

床暖房を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要です。

専門業者に定期点検を依頼するようにしましょう。

注文住宅の床暖房に関するQ&A

ここでは床暖房に関するQ&Aを紹介します。

床暖房の設置費用を抑える方法はありますか?

床暖房の設置費用を抑える方法としては3つ挙げられます。

1. 電気式床暖房を採用する
2. 床暖房面積を狭くする
3. 各メーカーの見積もりを比較する

● 電気式床暖房を採用する

本記事で何度もお伝えしている通り、温水床暖房より電気式床暖房の方がコストは安いです。

性能に違いは生じるものの、コストを優先する方は電気式床暖房を設置した方が良いでしょう。また将来的なメンテナンス費用も抑えることが可能なため、長期間の費用を考慮すると選択肢はひとつになるのではないでしょうか。

● 床暖房面積を狭くする

床暖房は設置面積によってコストがかわります。

設置範囲が狭いほど安くすることができるでしょう。

一般的には部屋の5割~7割の面積に設置します。家具など下に床暖房を設置しても意味がないからです。

そのため、暖かくしたい範囲を先に決め、床暖房を設置する場所を決めるのがベストでしょう。

● 各メーカー見積もりを比較する

床暖房を提供しているメーカーはたくさんあります。

メーカーによって床暖房の性能は異なりますが、価格も大きく異なります。

そのため、各メーカーの床暖房の見積もりを取り、比較しましょう。

見積もりを取る際は、注文住宅会社へ依頼します。

個人が直接メーカーに依頼すると、注文住宅の施工時の段取りを自分で行う必要があり、かつ金額も高くなりがちです。

コストパフォーマンスを考慮すると、注文住宅へ依頼した方が良いでしょう。

また、設置費用とは内容が異なりますが、ランニングコストを抑える方法も紹介します。

ここでは3つ挙げられます。

1. スイッチのオン・オフを繰り返さない
2. カーペットや絨毯を敷かない
3. タイマーを活用する

● スイッチのオン・オフを繰り返さない

床暖房はスイッチをオンにしたタイミング(立ち上がり時)にランニングコストが多くかかります。

定常時のランニングコストは1時間あたり8円~10円ですが、立ち上がり時は40円近くになります。

そのため、極力電源のオン・オフは控えるようにしましょう。

● カーペットや絨毯を敷かない

床暖房は「ふく射熱」や「熱伝導」で空間を暖めてくれます。

温めた空気は上昇していくため、自然と部屋全体が暖かくなります。

しかしカーペットや絨毯などを敷くと、熱伝導が伝わりにくくなり、暖かい空気を閉じ込めてしまうことにもなりかねません。

そのため、床暖房の上には何も敷かない方が、部屋全体が暖かくなり、他の暖房機器を使用することもなくなる可能性が高くなります。

3)タイマーの有効活用

床暖房は使用してから30分ほどは余熱で暖かいです。

そのため出かける前や就寝前などはタイマーをうまく利用することで、余計な電気料金を抑えることができるでしょう。

近年の床暖房にはタイマーがついている商品がほとんどです。

また、省エネモードを搭載している床暖房もありますので、ランニングコストを抑えることにも繋がるでしょう。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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