注文住宅の電動シャッターといえば、車のガレージと思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。近年では防犯上の兼ね合いから、窓にシャッターを設置しているケースも多いです。
シャッターはカーテン代わりになるだけでなく、外から窓と家を守る役割も持ち合わせています。
しかし手動のシャッターでは開け閉めに手間がかかるという理由から電動シャッターの需要が高くなってきました。
そこで、今回は注文住宅の電動シャッターにフォーカスをあて、設置費用相場とメリット・デメリットを紹介します。
これから注文住宅の建築を考えている方は、本記事で読んで電動シャッターを取り入れるか検討してみましょう。
注文住宅の電動シャッターの設置費用相場
電動シャッターの費用は、おおよそ「30万円~50万円前後」となります。
上記の価格は、リビングなどの窓1か所分の設置費用です。
電動シャッターは大きさやグレードによって価格が異なるだけでなく、メーカーによっても異なります。
さらに窓の大きさに合わせた特注品である場合、費用はさらに高額となります。
また、電動シャッターは手動シャッターと比較されがちです。手動シャッターの価格も気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
手動シャッターはおおよそ20万円前後です。電動でない分価格はお手頃になりますが、開け閉めの手間は圧倒的な差があるでしょう。
注文住宅の電動シャッターの選び方
注文住宅に電動シャッターを取り入れるか悩んでいる方は、メリット・デメリットを理解してから判断しましょう。
ここでは電動シャッターのメリット・デメリットを紹介します。
電動シャッターのメリット
電動シャッターには5つのメリットが挙げられます。
1. 開け閉めが便利
2. 窓を開ける必要がない
3. 音が静か
4. 窓の破損を防げる
5. 防犯性能が高い
開け閉めが便利
電動シャッターの醍醐味であるボタン(スイッチ)一つでシャッターを開け閉めできる点は大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
手動シャッターは自身で閉める必要がありますが、電動シャッターであれば手動で閉める負担はなくなります。
窓を開ける必要がない
手動シャッターを閉める際は、一度窓を開ける必要があります。
しかし電動シャッターは家の中からスイッチで開け閉めできるため、窓を開閉する手間はなくなります。
音が静か
シャッターを利用したことがある方はわかると思いますが、開け閉めをしたときの音が大きく、ご近所への配慮も必要です。
しかし電動シャッターは音が小さく、機械音だけで済むメリットがあります。
窓の破損を防げる
台風の日に石などの固いものが窓に飛んできた場合、窓に破損やひび割れが発生する可能性があります。
窓は部分補修ができず、交換となってしまい費用も高額です。
しかし電動シャッターがあれば、上記の懸念はなくなります。
風が強い日は電動シャッターを閉めることで、窓を守る役割にもなります。
防犯性能が高い
電動シャッターを閉めておけば、外部から窓を割られて家に侵入される可能性は大きく低下します。
防犯面では大きな役割があると言っても過言ではないでしょう。
電動シャッターのデメリット
電動シャッターのメリットを紹介しましたが、デメリットもあります。
ここでは5つのデメリットを紹介します。
1. 設置コストがかかる
2. 風が強い日は音がうるさい
3. メンテナンスが必要
4. 取り付けたけど使用しないことも
5. 電気代が発生する
設置コストがかかる
先ほどもお伝えした通り、電動シャッターの設置には大きな費用が発生します。
紹介した価格は1つの窓を想定した費用でしたが、全部の窓に取り付けるとなった場合は、数百万円にもなる可能性があるでしょう。
電動シャッターを設置しなければ、注文住宅の費用を抑えることができます。
また、設置費用分を他のオプション費用へ回すことも可能です。
そのため、設置費用を十分理解し、他のオプションと比較したうえで検討しましょう。
風が強い日は音がうるさい
電動シャッターは風や雨から窓を守る役割がありますが、風が強い日はシャッターが揺れてしまい、音がうるさくなります。
性能が良く強固なシャッターであれば、限りなく音を抑えることも可能ですが、コストも大幅に向上するため、取り入れることは難しいでしょう。
メンテナンスが必要
電動シャッターの耐用年数は10年~15年ほどです。
しかし10年経ったら使用できなくなるわけではなく、メンテナンスが必要ということです。
電動シャッターのメンテナンス費用は後ほど紹介しますが、決して安い費用ではありません。
取り付けたけど使用しないことも
意外と電動シャッターを取り付けた方に多いのが、「使用していない」という意見です。
理由としては、「スイッチを押すことさえ手間」「カーテンがあるから使用しない」などが挙げられます。
もちろん上記の理由が居住者全員に該当するわけではありません。
しかし、実際に取り付けした方の意見も参考にしましょう。
電気代が発生する
電動シャッターは電気を使って開け閉めします。そのため電気料金に加算されるでしょう。
大きな電気料金になることは少ないものの、動力が大きい電動シャッターである場合は、電気の負担も大きくなります。
そのため強力な電動シャッターが全て良いということではなくランニングコストも考慮する必要があります。
電動シャッターと手動シャッターの違い
電動シャッターと手動シャッターの価格の違いは先ほど説明した通りです。
その他の違いとしては手軽さが挙げられるでしょう。
電動シャッターはボタン一つで開け閉めできるのに対し、手動シャッターは名前の通り、自身の手で動かす手間があります。
利便性だけを優先すると、電動シャッターの方が圧倒的に楽でしょう。
しかし、頑丈さに関しては大きな違いがありません。
電動シャッターはシャッター上部にシャッターケースがついており、巻取りシャフトが電動になっているだけです。
もちろん静音性は異なりますが、製品自体は手動シャッターのものとさほど相違がありません。
もちろん製品によって異なるため、一概には言えません。
詳しくは建築会社か電動シャッターのメーカーに確認してみましょう。
電動シャッターの種類
シャッターにはたくさんの種類があります。
ここでは注文住宅の窓の取り付けるケースが多いシャッターを4つ紹介します。
1. クローズドタイプ
2. スリットタイプ
3. ブラインドタイプ
4. 耐風タイプ
● クローズドタイプ
注文住宅の電動シャッターで最も用いている方が多いシャッターです。
隙間がなく、窓を全て覆うタイプのものです。
シャッターを閉じると採光を全て防ぐことができます。外出時にシャッターを閉めることで家に人がいるかどうかわからなくなるため、泥棒なども判断できなくなることから防犯性能も向上します。
しかし、シャッターを閉めると全く通気性がなくなります。
また、閉めた状態では陽の光を取り入れることができないため、居住者は朝か夜か分からない状態になるデメリットがあります。
● スリットタイプ
すだれのようなシャッタータイプです。
先ほどのクローズドタイプとは異なり、カーテン代わりに使用している方が多いです。
防犯性能は低いですが、採光の取り入れと通気性に優れています。
しかし、クローズドタイプより価格は高額です。
● ブラインドタイプ
名前の通り、ブラインドタイプのシャッターです。
ルーバー(羽板)の角度を動かすことで、自身で陽の光を取り入れる量を調整できます。
しかし、羽板の形状が複雑であるため、拭き掃除などのメンテナンスは一苦労します。
● 耐風タイプ
台風などに強いシャッターであり、クローズドタイプの強化版です。
シャッターの破損しやすい箇所を補強しているため、強風に強い特徴があります。
しかし、価格は高額であり、クローズドタイプのシャッターより1.5倍以上となります。
電動シャッターの工期
電動シャッターの工期は1日から3日前後です。
一般的に既製品を取り付け、電気配線工事を行う流れとなります。
注文住宅に電動シャッターを取り付ける場合、本体工事がある程度完成してから取り付けます。
もちろん建築会社によって取り付けるタイミングは異なるため、詳しくは建築会社に確認しましょう。
電動シャッターのメンテナンス
ここでは電動シャッターのメンテナンス方法と、費用について紹介します。
メンテナンス方法
シャッターの隙間は、ゴミが溜まりやすいため、以下の道具を用いて清掃しましょう。
・ゴム手袋
・雑巾
・スポンジ
・サッシブラシ
・シリコンスプレー
シャッターの清掃を行う際は、電動シャッターの電源をオフにしてから始めましょう。
電源をオフにしたら、雑巾やスポンジで汚れを落とし、サッシブラシで清掃します。
最後にシリコンスプレーを吹きかけることで開閉がスムーズになります。
しかし、「シャッターが動かなくなった」「開閉時に変な音がする」となった場合は、自身で直すのではなく、専門業者へ相談しましょう。
電動シャッターの補修は専門的な知識と技術力が求められます。
自身で直そうとすると、さらに故障具合が悪化する可能性もあるため、専門業者などのプロに一任した方が良いです。
メンテナンス費用
清掃道具に関しては、ホームセンターなどで購入でき、1,000円程の費用です。
しかし、専門業者に依頼した場合は、5,000円~20,000円の費用が発生します。
更にシャッターの交換が必要となると、10万円前後の費用が発生するため注意して下さい。
注文住宅の電動シャッターに関するQ&A
ここでは電動シャッターに関するQ&Aを紹介します。
電動シャッターの費用を抑える方法はありますか?
電動シャッターの費用を抑えたい方は、クローズドタイプの電動シャッターを選び、各メーカーの価格を相見積もりしましょう。
最もポピュラーで人気の高いクローズドタイプは価格も一番安いです。
しかし電動シャッターのメーカーによって価格が異なるため、注文住宅会社に相談し、安いメーカーを取り入れるようにしましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。