注文住宅の屋根裏収納は、天井のデッドスペースを活かした空間です。
まるで秘密基地のようなイメージもありますが、幕末などの時代は屋根裏収納で談合を交わしたりしている場所でした。
近年では普段使わないものを収納する場所として利用されており、他の間取りを受けないことから、注文住宅での人気も高いです。
しかし屋根裏収納を設置するにはコストがかかります。
どれくらいのコストがかかるか気になる方も多いため、本記事で紹介します。
また、屋根裏収納のメリット・デメリットも紹介するため、費用を理解した上で取り入れるか検討してみてはいかがでしょうか。
注文住宅の屋根裏収納にかかる費用相場
屋根裏収納の費用は、おおよそ「500,000円~1,000,000前後」です。
もちろん施工面積によって異なるため、目安としてください。
屋根裏収納は空間を作るだけでなく、内装工事や梯子、または階段も設置しなければいけません。
梯子の場合は既製品を取り付けることが多いですが、決して安い価格ではありません。
しかし階段を造作工事するとなると、梯子より価格も高額となるため、上記の金額の値幅となっています。
一方、屋根裏収納に似たロフトの費用は「2,000,000円~4,000,000円」前後です。
圧倒的に屋根裏収納の方がコストを抑えることができると思われがちですが、面積を同じにすると、価格帯も同等額ほどになります。
つまり、ロフトと屋根裏収納の費用はそれほど違わないということでもあります。
注文住宅の屋根裏収納の選び方
屋根裏収納を検討している方は、費用に合った効果が見込めるかを判断する必要があります。
そのため、ここでは屋根裏収納のメリット・デメリットを解説します。
屋根裏収納を取り入れるかの判断材料の一つとしてください。
屋根裏収納のメリット
屋根裏収納を設置する場合のメリットは以下の3つが挙げられます。
1. 間取りに影響されない収納スペースを確保
2. デッドスペースの有効活用
3. 秘密基地のように使える
間取りに影響されない収納スペースを確保
屋根裏に収納スペースを設けるということは、間取りに影響されない収納を作ることを意味します。
本来、収納スペースはクローゼットなどとして部屋の一部に設計するのが一般的です。
クローゼットがあるということは、収納スペースを確保できる反面、部屋が小さくなります。
しかし部屋に収納を作らず、天井に収納スペースを設けることで、部屋を広くすることも可能となります。
デッドスペースの有効活用
屋根裏は居住者の立場としては不要な空間と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際は電気配線や空調ダクト、建物の通気性や空気循環などさまざまな用途がありますが、デッドスペースといっても過言ではありません。
しかし、屋根裏収納はデッドスペースの活用方法としてベストです。
もちろん設計段階で建築基準法や構造計算をクリアする必要があるものの、屋根裏に収納を設けるだけで、注文住宅の使い勝手も向上します。
秘密基地のように使える
子供の頃に一度は憧れた秘密基地を再現することができます。
もちろん収納スペースとして活用する方が最も多いですが、自分の趣味の空間としても利用可能です。
また、自身の子供と一緒に楽しめる空間としても利用することができます。
屋根裏収納のデメリット
屋根裏収納は、自宅の収納スペースを確保するだけでなく、自分の趣味の空間としても利用できるメリットがありました。
しかしデメリットもあります。
ここでは屋根裏収納のデメリットを4つ紹介します。
1. 建築コストがかかる
2. 荷物運びが大変
3. 天井が低いため、頭をぶつけることも
4. 夏場は暑い
建築コストがかかる
先ほどもお伝えした通り、屋根裏収納を設置する場合はコストがかかります。
費用も安い価格ではないため、慎重に検討する必要があるでしょう。
また、屋根裏収納を設置しなければ、キッチンやお風呂などのグレードを上げることもできたという意見もあります。
その他にもさまざまなオプションを追加することが可能となるでしょう。
そのため、「収納スペースを優先するか」「住宅設備のグレードを上げるか」の選択になることでしょう。
荷物運びが大変
2階に荷物を運ぶのが大変と同じように、屋根裏収納に荷物を運ぶのも大変です。
また、通常の階段より屋根裏収納の階段の方が勾配も急で、横幅も狭いケースが多いです。
つまり、屋根裏収納にしまう荷物は、普段使用しないものと限定されることとなるでしょう。
天井が低いため、頭をぶつけることも
屋根裏収納はロフトと同様、高さ1.4mまでと定められています。
1.4m以上の高さである場合は、延べ床面積に算入され、容積率の計算をし、建築基準法をクリアしなければいけません。
もちろん建築基準法上問題がなければ高くしても問題ありませんが、一般的には、延べ床面積に算入されない高さに施工します。
大人が屋根裏収納に上った際は、天井が低いと感じる方がほとんどでしょう。
そのため、天井に意識して屋根裏収納へ上る必要があります。
夏場は暑い
夏場の熱い空気は上に集まる習性があるため、屋根裏収納も暑くなります。
エアコンがなければ居られないほどの空間にもなる可能性もあります。
屋根裏収納にエアコンを取り付ければ良いと思う方も多いですが、普段使用しない部屋にエアコンを取り付けるコストがもったいないと考える人も多いのではないでしょうか。
更に夏場は湿気が集まりやすくなるため、カビやすいものは置かないように注意する必要があります。
屋根裏収納の工期
屋根裏収納は注文住宅の本体工事期間に施工され、おおよそ3か月~4か月前後です。
屋根裏収納だけに特化して工事を行うことはどの建築会社でもありません。
本体工事期間中に完成すると認識しておきましょう。
屋根裏収納のメンテナンス
屋根裏収納は普段出入りする場所ではありません。
そのためメンテナンスがおろそかになる場所でもあります。
ここでは屋根裏収納のメンテナンス方法と費用について紹介します。
メンテナンス方法
基本的に屋根裏収納をメンテナンスすることは多くはありません。
しかし、屋根裏収納でメンテナンスが必要な箇所といえば、主に以下の3つが挙げられるでしょう。
1. クロスの剥がれ
2. 照明器具の故障
3. 階段の破損
● クロスの剥がれ
経年劣化により、クロスが剥がれてくる可能性があります。
もちろん生活する上は支障がないため、補修しない方もいらっしゃいます。
クロスの剥がれが発生した際は、DIYで補修することも可能ですが、補修範囲によっては専門器具が必要な場合もあります。
そのためクロス屋などに依頼して補修してもらいましょう。
● 照明器具の故障
屋根裏収納を設置した場合は、照明を取り付けるのが一般的です。
照明も年数が経過することで、電球切れなどが起こります。
電球の多くはLEDを採用しておりますが、おおよその寿命は10年~15年です。
時期が来たら交換を検討しましょう。
● 階段の破損
階段のメンテナンスは常に意識しておく必要があります。
破損した状態に気が付かず、上った際に足を踏み外すことも考えられます。
そのため、常に階段に支障がないか確認しておきましょう。
既製品などの階段の場合は、最悪交換をしなければいけない可能性もあると認識しておくことをおすすめします。
メンテナンス費用
ここでは、屋根裏収納のメンテナンス費用について紹介します。
● クロスの剥がれ
自身が直せる範囲のクロス補修である場合、ホームセンターなどで材料を揃えると、3,000円~5,000円前後の費用となるでしょう。
もちろん施工範囲や補修内容によって異なるため、一概には言えません。
しかし専門業者に依頼した場合、5,000円以上の費用は必要となるケースが多いです。
そのため、クロスの剥がれ具合を確認し、自身で補修するか、専門業者に依頼するか検討しましょう。
● 照明器具の故障
電球程度の交換であれば自身で行うことができ、家電量販店などで購入可能です。
費用も数千円程度で済むでしょう。
しかし、照明器具の破損があった場合は、専門業者に依頼すると数万円以上の交換費用が必要となります。
もちろん電気会社によって異なるため、詳しくは業者へ確認してみましょう。
● 階段の破損
既製品の階段が破損した場合は、通常交換となります。
ただし部品交換で済む場合もあるため、詳しくは専門業者へ確認しましょう。
既製品の階段を交換するとなった場合が、7万円~15万円程の費用が必要です。
決して安い価格ではないため、破損しないように注意しましょう。
注文住宅の屋根裏収納に関するQ&A
ここでは屋根裏収納の設置費用に関するQ&Aを紹介します。
屋根裏収納の費用を抑える方法はありますか?
屋根裏収納は決して安い価格ではありません。
少しでもコストを抑えたいと思う方が多いのではないでしょうか。
屋根裏収納のコストを抑える方法は以下の2つが挙げられます。
1. 収納面積を小さくする
2. 既製品の階段を採用する
● 収納面積を小さくする
先ほどもお伝えした通り、屋根裏収納の費用は施工面積によって異なります。
収納面積が大きくなるほど、造成工事費と内装工事費が増えるのが一般的です。
もちろん建築会社によってはそれほど大きな金額差がない場合もあるため、詳しくは建築会社へ確認しましょう。
● 既製品の階段を採用する
既製品の階段を設置する場合の費用はおおよそ7万円~15万円前後です。
一方造作工事で階段を作った場合、建築会社によりますが、20万円前後となるでしょう。
また造作工事で階段を作った場合、横幅を広くしたり、勾配を小さくするために段数を増やすことも可能です。
しかしより費用が高額となるため、屋根裏収納のコストを抑えたい方は既製品の階段を採用しましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。