注文住宅のベランダを設置するか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ベランダは必需品というイメージを持っている方が多くいらっしゃいましたが、最近ではあってもなくてもどちらでも良いという意見もあります。
ベランダといえば2階に設置するケースが多かったものの、実際「洗濯物を干すために階段を上るのが一苦労」という方もいらっしゃるためでしょう。
そこで今回、ベランダの費用やメリット・デメリットを紹介します。ベランダの取り付けで悩んでいる方は是非参考にしてください。
注文住宅のベランダの設置費用相場
注文住宅のベランダは大きく分けて2種類に分けることができます。一つは、「建物2階に施工する」もう一つは「1階にウッドデッキなどを設置する」です。それぞれの費用相場を紹介します。
1. 建物2階に施工する
最もベランダでポピュラーなタイプで、注文住宅の建物2階部分に設計するベランダです。多くの家庭で取り入れているため、イメージできる方も多いのではないでしょうか。
2階のベランダは「建物と一体型」のものと、「アルミまたはステンレス製」のベランダに分けることができます。
建物と一体型
建物一体型である場合は、注文住宅を建築する会社によるものの、「500,000円~1,000,000円前後」です。
しかし、上記の価格は木造住宅の単価です。鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの注文住宅の場合は、さらに価格は高額となるため、注意しましょう。
アルミまたはステンレス製
アルミ製またはステンレス製のベランダの相場価格は施工費含めて「150,000円~300,000円」となります。
建物一体型と比べて安価ではありますが、強度という面では不安要素があるベランダです。
1階にウッドデッキなどを設置する
近年では、2階にベランダを設置せず、1階に「ウッドデッキ」や「タイルデッキ」を設置する方も増えています。それぞれの費用を紹介します。
ウッドデッキ
ウッドデッキの費用は施工費含めて「200,000円~300,000円」となります。
しかしウッドデッキのバリエーションも豊富であり、商品によってはさらに高額な商品もあります。また、近年ではウッドデッキに屋根を設置するケースが多く、「テラス屋根」や「オーニング」を追加する場合は更に別途費用が追加となります。
タイルデッキ
ウッドデッキ同様、人気が高いのがタイルデッキです。素材がタイルなため、頑丈なところがメリットとして挙げられます。
費用としては、「150,000円~250,000円」程の商品が多いです。
注文住宅のベランダの選び方
注文住宅のべランダの種類と費用は理解した上で、ベランダのメリット・デメリットを紹介します。
ベランダとバルコニーの違い
ベランダのメリット・デメリットを紹介する前に、ベランダとバルコニーの大きな違いについて紹介します。
2つの大きな違いは、屋根の有無です。ベランダには屋根がついており、バルコニーには屋根がありません。
また、もう一点大きな違いとしては、延べ床面積への算入が挙げられます。屋根がついているベランダは延べ床面積に算入されるため、建築基準法の容積率に影響がでます。ベランダがあるために、容積率がオーバーしてしまい、建築できないということもあります。
しかしバルコニーは延べ床面積に算入されないため、容積率以内に建築する方法の一つとしても有効です。ただし、バルコニーに対する屋根の面積にもよるため、詳しくは注文住宅会社の設計士に確認しましょう。
ベランダのメリット
ベランダには以下の3つのメリットが挙げられます。
洗濯物を干せる空間になる
以前は家の庭に洗濯物を干すのが主流でしたが、洗濯物が風で飛んだり、盗難に遭うなどの理由から、ベランダで干す方が増えています。ベランダは外壁に守られている構造でもあるため、高い位置に干すことで、洗濯物が風で飛んでいく可能性は低くなります。
さらに、2階部分のベランダであれば、下着なども干すことができるでしょう。もちろん他の方から見えない位置に干すことが条件ではありますが、プライバシーを守ることもできます。
室外機置場にもなる
エアコンには室外機が付き物です。室外機は外から見えない位置に配置した方が、見栄えも良くすっきりした状態にできます。ベランダがあれば、室外機を外から見えないようにできるメリットがあります。
大きいベランダであれば、くつろげるスペースにもなる
ベランダが大きければ、家族とバーベキューすることもでき、ゆっくりくつろぐことも可能です。リフレッシュできる空間として利用する方や、家族とのコミュニケーションを取るスペースとしても活用できるメリットがあります。
ベランダのデメリット
建築コストがかかる
もちろんベランダがなければ建築コストを抑えることが可能です。ベランダは種類や大きさによるものの、1,000,000円近い商品も多数あります。注文住宅の総建築費と比べれば大きな金額ではありませんが、決して安い価格でもありません。
定期的な清掃が必要
ベランダは屋根がついているとはいえ、落ち葉が溜まってきます。落ち葉も溜まってしまうと、排水溝につまってしまい、雨樋にも影響を及ぼしてしまいます。雨樋の故障などを防ぐためにも、定期的な清掃は必須となります。
雨の日は用途がない
ベランダは屋根がついているとはいえ、雨の日は使用用途が限られてくるでしょう。晴れている時こそ活用方法が多いベランダですが、天候が悪い日は使い道がないと言っても過言ではないでしょう。
ベランダの工期
ベランダの工期は注文住宅の着工から引き渡しと同日であるため、おおよそ4か月~5か月が目安となります。しかしどの建築会社もベランダだけに特化して工事を行うことはありません。
また、建築する注文住宅の構造によって工法も異なるため、ベランダには明確な工期がないです。
ベランダのメンテナンス
ここではベランダのメンテナンス方法と費用を紹介します。
メンテナンス方法
ベランダで一番メンテンナンスが必要な箇所は、「ベランダの床材」と「排水溝のつまり」です。ベランダの床材は経年劣化によりひび割れが起こることもあります。ひび割れが発生すると、剥がれにも繋がるため、専門業者の定期点検は必要となるでしょう。
また先ほどもお伝えした通り、落ち葉が溜まることで排水溝のつまりに繋がります。雨樋の補修や交換にも影響するため、排水溝の清掃は行うようにしておきましょう。
しかし、どちらも専門業者に依頼する必要があります。自身で補修できる範囲には限りがあるため、プロに依頼することをおすすめします。
メンテナンス費用
専門業者にメンテンナンスを依頼した場合、「5,000円~10,000円」です。しかし、補修や交換などが発生した場合は、数万円から数十万円にもなりかねません。
もちろん補修する範囲や規模によって費用は異なるため一概には言えません。正確な金額を知りたい方は専門業者に見積もりを取ってみましょう。
注文住宅のベランダに関するQ&A
ベランダの設置費用を抑える方法はありますか?
ベランダの費用を抑える手段としては、防水工事を安くする方法が挙げられます。ベランダの防水工事は「ウレタン防水」「ウレタン防水と長尺シート」「FRP防水」「アスファルト防水」などが挙げられます。
下記の表は防水工事別1㎡あたりの単価です。
防水工事 | 1㎡あたりの費用相場 |
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ウレタン防水 | 3,000円〜7,000円/㎡ |
ウレタン防水と長尺シート | 3,500円〜4,500円/㎡ |
FEP防水 | 4,000円〜7,000円/㎡ |
アスファルト防水 | 10,000円〜15,000円/㎡ |
4つの防水工事の中ではウレタン防水が一番価格を抑えることができます。注文住宅のベランダの費用を抑えたい方は是非参考にしてください。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。