近年では需要が減ってきた注文住宅の和室ですが、取り入れたいと検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、老後のことを考慮して和室を設けるかどうか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。和室はさまざまな種類があり、費用は大きくことなります。
今回、和室の費用について紹介します。さらにメンテナンス方法も紹介しますので、和室を検討中の方は是非参考にしてください。
注文住宅の和室の費用相場
畳には「緑あり畳」と「琉球畳」の2種類に分かれます。一般的に普及している緑あり畳は、畳の両端に縁(ヘリ)を設け、補強されている商品です。一方で縁が無くスタイリッシュで今風の畳は、琉球畳です。
2つの畳によって費用は異なるため、おおよそ費用を以下の表にまとめました。
タイプ | サイズ | 1枚のあたりの費用 | 6畳ほどの費用 |
---|---|---|---|
縁あり畳 | 1畳 | 10,000円~12,000円 | 60,000円~72,000円 |
琉球畳
(縁なし) |
半畳 | 10,000円~12,000円 | 100,000円~12,000円 |
また畳にもグレードがあり、上級品になるほど井草の詰まりが多く、厚みがあります。さらに使用年数が経っても、色合いが均一になりやすく、長く使用することが可能です。一方でグレードが低い畳は、品質や耐久性が低く、上級品と比べて見た目にも違いがあります。
そのため、畳を選ぶときは、価格とグレードのバランスを検討する必要があるでしょう。なお、グレード別の畳料金は以下の価格を目安としてください。
タイプ | サイズ | 1畳あたりの価格 |
---|---|---|
上級品 | 1畳 | 12,000円~15,000円 |
中級品 | 1畳 | 10,000円~12,000円 |
並級品 | 1畳 | 7,000円~10,000円 |
格安品 | 1畳 | 5,500円~7,000円 |
また、畳の他に和室を作る場合は、障子や既製品のブラインドなどが必要となります。
障子などの費用は以下の価格を参考にしてください。
種類 | 大きさ | 参考費用 |
---|---|---|
障子 | 幅180cm×高さ117cm | 30,000円前後 |
既製品ブラインド(和紙) | 幅180cm×高さ117cm | 15,000円前後 |
上記を踏まえ、和室の費用は施工費を合わせると、6畳前後の和室である場合は「20万円~40万円前後」の費用となります。もちろん、建築会社によって異なりますので、工務店へ相談してみましょう。
注文住宅の和室の選び方
注文住宅に和室を取り入れるか検討中の方は、和室のメリット・デメリットを理解しましょう。また、ここでは畳のメンテナンス方法なども紹介します。
和室のメリット
和室には以下の3つのメリットが挙げられます。
ライフスタイルに合わせた用途変更ができる
和室は寝室や客室、両親が泊りに来たときの部屋など、さまざまな用途に利用できます。一見、仏間などのスペースと思われがちですが、近年ではキッズスペースとして活用されている方も多くいらっしゃいます。
また子供が大きくなった後は、再度客室や仏間へ用途変更することも可能なため、さまざまなライフスタイルに合わることが可能となるメリットを持ち合わせています。
防音効果がある
畳は他の床材と比べると、弾力性が高く、空気を多く含んでいるため、音を吸収してくれる効果を持ち合わせています。注文住宅である場合、音はあまり気にされないかもしれません。しかし、子供が小さい頃は走り回るため、家中に音が響きまわってしまうでしょう。
また、弾力性が高い点は、子供が転んでも安全というメリットもあります。
リラックス効果が見込める
和室は落ち着いた空間と感じる方も多く、どこか懐かしさを感じさせてくれる点もメリットと言えます。和室であれば、布団を引かなくても寝転ぶことができ、疲れた時に仮眠する場所としている方もいらっしゃるでしょう。
また、井草の香りにはリラックス効果があります。日々の生活やストレスを解消してくれる空間にもなるでしょう。
和室のデメリット
一方で和室にはデメリットも存在します。ここでは3つのデメリットを紹介します。
コストがかかる
先ほどもお伝えした通り、洋室から和室に変更することで、追加費用が発生する可能性もあります。もちろん注文住宅を建築する工務店によって異なりますが、通常20万円から40万円前後の費用が発生する点はデメリットと言えるでしょう。
重たい家具を置くと、痕が付く
畳は他の床材と比べ、軽量であり、耐久性が低いです。そのため、重さのある家具などを置いてしまうと、畳に痕が残ってしまうデメリットがあります。一度畳に痕が残ってしまうと、メンテナンス補修が難しく、取り替えるなどで対処しなければいけない可能性も考えられます。
そのため、畳の上には重たい家具は配置できないものと考えておきましょう。
定期的なメンテナンスが必要
畳は年数が経つことにより劣化していきます。上級品畳である場合、耐用年数は長くなりますが、ある程度のメンテナンスは必要となると認識しておきましょう。メンテナンス方法については後ほど紹介します。
和室の工期
和室の工期は7日から10日ほどで完了します。和室は床材を作り上げてから畳を設置します。その後、襖の工事や障子の取り付けなどを行い、壁などの施工をする流れです。
しかし、注文住宅を新築で建築する場合、建築途中で和室の施工を行います。和室に特化して工事を行うというわけではありませんので、各社工務店によって工期は異なるのが通常です。
和室のメンテナンス
和室は定期的な清掃が必要です。畳の間にゴミが溜まり、アレルギー反応などを起こす可能性もあるでしょう。そのため、和室の簡易清掃方法を紹介します。
メンテナンス方法
畳はホウキで掃き掃除とイメージされる方もいらっしゃると思いますが、掃除機でも問題ありません。その後から拭きをしていきましょう。
この際、水拭きはしないように注意して下さい。畳の表面には保護膜があり、水に弱い性質を持ち合わせています。
また、畳を裏返しにしても問題ありません。通常、3年から4年を目処に反転しましょう。
メンテナンス費用
和室のメンテナンスは基本的には家電と家庭用品で清掃可能なため、特別かかるメンテナンス費用はありません。仮に業者へ清掃の依頼をした場合は、10,000円以上の費用が発生し、畳の交換を推奨される可能性もあります。畳の交換は決して安い価格ではないため、状況を確認してから検討しましょう。
注文住宅の和室に関するQ&A
ここでは和室に関するQ&Aについて紹介します。
和室の費用を抑える方法はありますか?
和室の費用を少しでも安くしたいという方は以下の3点を意識して検討しましょう。
1. 緑あり畳を採用する
2. 畳カーペットでも良いか検討する
3. 障子より和室ブラインドを採用する
先ほどもお伝えした通り、琉球畳より、緑あり畳の方がコストを抑えることができます。近年では琉球畳が人気となっていますが、2倍近い価格にもなりかねません。
また、緑あり畳よりコストを抑えたいという方は、畳カーペットを検討してみましょう。畳カーペットはホームセンターや通販で販売しています。通常の畳と比べて厚みも無ければ、香りも弱いですが、価格は圧倒的に安いです。カーペットであるため、床に引けば設置完了となります。
また、畳以外にもコストがかかるのが、障子です。障子を作る業者不足と手間から、コストが高くなりがちですが、和室ブラインドにすることで、大幅に費用を抑えることも可能です。障子に対してこだわりのない方は、ぜひ検討して見ましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。