近年多種多様デザインのトイレが増え、どのトイレが良いか分からない方も多いのではないでしょうか。来客された方にも「おしゃれなトイレだね」と言われたい方も多いでしょう。
しかし、注文住宅の建築はコストが高くなりがちです。可能な限りコストを抑えたいという方もいらっしゃいます。トイレは「コストを重視するべきか」「デザインを重視するべきか」で悩んでいる方に向けて、注文住宅のトイレの費用相場について解説します。
最後にはトイレの費用を抑えるポイントについても紹介するため、トイレ選びで悩んでいる方は是非参考にしてください。
注文住宅のトイレの費用相場
トイレは設置する場所によって価格は異なります。1階でも2階であっても同じ商品である場合、商品価格は変わりませんが、水道配管の距離が影響するため1階の方が安くなります。
1階トイレの費用相場
トイレと言えば、「TOTO」や「リクシル」が有名です。TOTOである場合は、商品自体は5万円~20万円前後が一般的です。リクシルも同様です。施工費を含めると、プラス5万円から10万円前後追加となると考えておきましょう。
また、TOTOのウォシュレット機能、リクシルのシャワートイレ機能、その他LED機能など、さまざまな種類によって商品単価は異なるので目安として下さい。
2階トイレの費用相場
トイレの商品単価は1階と同じものであれば変わりません。しかし2階の方が、水道圧力を強くしなければならないうえに、水道配管は長くなることから施工費用は高くなります。施工費用はおおよそ10万円から20万円となるでしょう。
さらに3階にトイレを設置した場合はより水圧が求められるため、より高額な施工費となります。また、トイレの部屋に窓を設置したり、手洗い場と一体化にしたトイレである場合は、費用は大きく高くなるので注意しましょう。
注文住宅のトイレの選び方
注文住宅のトイレを選ぶ際にはまずは種類を知りたいと思う方も多いでしょう。ここではトイレの種類別メリット・デメリットを紹介します。
トイレの種類
トイレの種類は大きく分けて以下の4つにわけることができます。
- 組合せ便器
- 一体型トイレ
- タンクレストイレ
- システムトイレ
それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介しますので、トイレを選ぶ際の参考にしてください。
組合せ便器のメリット・デメリット
組み合わせトイレとは、便座やダンク、便座パーツをそれぞれ組み合わせたトイレを指します。全国のトイレで最も利用されている種類です。注文住宅でも多く採用されており、トイレが壊れた場合でも、故障したパーツだけを交換すれば補修できるメリットがあります。
さらにシンプルだけでなく、さまざまな機能やデザインを組み合わせることができるため、オリジナルのトイレを作ることも可能です。
一方で、パーツが廃番になる可能性もあり、設置時と同じパーツを組み合わせられないということも考えられます。最初に考えたオリジナルのトイレを再現できない場合もあるという点はデメリットとして挙げられるでしょう。
一体型トイレのメリット・デメリット
一体型トイレは凹凸が少なく、シンプルな形のデザインです。名前の通り一体型となっているため、組み合わせトイレのようにパーツがわかれていません。接続部分が多ければ、その溝の汚れが溜まりやすくなり、さらにトイレの空間は狭いため、掃除するのに労力を費やすでしょう。
しかし、一体型トイレはつなぎ目や段差が少ないため、非常に掃除がしやすい特徴があります。また、一体型トイレはタンク式であるため、水圧がある程度弱くても使用可能です。2階などのトイレに設置しても良いでしょう。
しかし、トイレが壊れた場合は、パーツ交換できず、商品自体を取り換える必要があります。後々のメンテナンス費用は高くなる傾向がある点はデメリットとなる要素でしょう。
タンクレストイレのメリット・デメリット
タンクレストイレは、タンクがトイレとは別の場所にあるため、スタイリッシュなデザインから現在人気となっています。配水管から直接トイレの水を流す機能であるため、水圧が強く、更に何度でもすぐに水を流すようなことも可能です。
しかし他のトイレよりコストが高くなります。さらにトイレが故障した際の修理費用も高いです。もちろん修理を依頼する業者によって修理費用は異なるため、一概には言えません。
また、水圧が非常に大切となるため、水圧が弱い自宅にはタンクレストイレは設置できないケースもあります。タンクレストイレを検討されている方は、工務店の方に設置可能であるか確認するようにしましょう。
システムトイレのメリット・デメリット
システムトイレはタンクレストイレや一体型トイレと同様です。トイレだけでなく、手洗い場や収納スペースが設けられている特徴があります。収納スペースがあるため、予備のトイレットペーパーや洗剤、掃除用具などをしまうことも可能です。棚なども作成できるため、インテリアをすることも可能です。空間をスッキリできる点はシステムトイレのメリットと言えるでしょう。
一方で、システムトイレはパーツ交換ができません。そのため、補修をする際は、交換しなければならないデメリットがあります。また、手洗いスペースを確保するため、空間を広く設計する必要があります。つまり、他の部屋などを考慮して設置しなければいけないでしょう。
トイレの工期
トイレは全て既製品であるため、取り付けすれば工事は完了します。取り付けは1日で完了しますが、給排水管とつなげる作業があります。
つなげる作業は、工務店によって行うタイミングが異なるため、明確な工期はありません。また、取り付けした後は、水道が流れるか検査を行います。検査が無事通れば、トイレとして利用可能です。
トイレのメンテナンス
トイレは汚れが溜まりやすいです。そのため、定期的な清掃は必須でしょう。トイレの掃除するタイミングは多いことに越したことはありません。気になった際は定期的に掃除することを意識しましょう。
メンテナンス方法
トイレの清掃は以下の5つの道具を用意しましょう。
- トイレ用中性洗剤
- クエン酸スプレー
- ボロ布(使い捨て可能なもの。使い捨てトイレ掃除用シートやトイレットペーパーでも可)
- トイレ用ブラシ
- ゴム手袋
トイレの便座の掃除手順
- 便座内部にトイレ用洗剤をスプレーする
- トイレ内部をブラッシング
- トイレのフタやつなぎ目を拭く
床材やクロスの掃除手順
- 床はトイレ用中性洗剤を使用してから布などで掃除する
- 壁は上から下に向けてトイレ用中性洗剤をかけた布でふく
基本的にはトイレ中性洗剤を用いて掃除を行いますが、床材やクロスの材質によっては汚れを取るだけでなく、傷んでしまう可能性もあるため注意しましょう。
メンテナンス費用
トイレのメンテナンスは、掃除用具だけで済むでしょう。そのため数千円もあればメンテナンス可能です。業者に清掃を依頼する場合は、5,000円前後の費用が必要となります。もちろん清掃する範囲によって金額が異なりますので、目安としてください。
また、トイレ自体を交換するとなった場合、トイレの商品だけでなく、既存トイレの撤去費用が必要となります。依頼する業者によって異なりますが、2万円から3万円前後必要となるでしょう。そのため少しでもトイレを長持ちするために、定期的に清掃し、何か不具合を感じたら業者に確認してもらうようにしましょう。
注文住宅のトイレに関するQ&A
トイレの費用を抑える方法はありますか?
トイレの費用は種類やデザインによって金額は大きく異なります。デザイン性も良く、お手頃な価格のトイレがあれば良いのですが、どちらかは妥協しなければいけないのも現実です。
1. 既製品の安いトイレを選ぶ
トイレの費用を抑える方法としては、既製品の安い商品を選ぶことです。オシャレさはなくなるものの、コストを抑えることに繋がり、その浮いたコストを他の設備に投資することも検討できるでしょう。
2. 組み合わせ便座を採用する
将来的なメンテナンスを考慮した際は、組み合わせ便座を採用した方が、交換費用を安く収めることができます。そのため、パーツを交換できるトイレの方が、将来的な費用も含めて安く抑えることが可能です。
3. クロスなどは量産品を選ぶ
トイレをおしゃれにしたい方は、クロスのデザインも変えたいと思うでしょう。クロスにはさまざまな種類があり、脱臭効果などがあるエコカラットなどを採用すると、高額な金額にもなり兼ねません。
そのため量産品のクロスから選ぶようにしましょう。量産品のクロスであっても、デザイン性の高い商品もたくさんあります。クロス選びは工務店の担当者の方に相談して決めていきましょう。
4. 窓は設置しない
トイレへの採光は取り組みたいところではありますが、トイレの窓は費用が発生します。窓の商品だけでなく、施工費も関連してくるため、ある程度の費用が発生します。どうしても窓を取り入れたい方は、小さくて価格が安い商品を選択するようにしましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。