注文住宅と建売の価格差を比較|高い注文住宅のメリット・デメリットも解説

注文住宅と建売の価格差を比較|高い注文住宅のメリット・デメリットも解説

戸建ては「建売住宅」と「注文住宅」に分かれます。

建売住宅はすでに完成している家、注文住宅は一から作り上げていく家ですが、どちらでマイホームを手に入れるか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「建売住宅は安いけど大丈夫かな」、「注文住宅は理想のマイホームを建てられるけど建築費が高くないかな」と思う方も多いでしょう。確かに単価の違いはありますが、どちらもメリットがあればデメリットもあります。

そこで今回、建売住宅と注文住宅の価格面を含め、メリット・デメリットを比較します。双方の良さを理解して、今後のマイホーム建築の参考にしてください。

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建売住宅と注文住宅の費用を比較!

建売住宅と注文住宅との価格面では、どのような違いがあるのでしょうか。一般的には建売住宅の方が安いと思う方も多いでしょう。しかし、どれくらい安いか分からない方も多いため比較します。

建売住宅の費用相場

下記の表は、2020年度の「住宅金融支援機構のフラット35融資利用者調査のデータ」を元に、建売住宅の平均住宅購入価格と平均住宅面積などを表したものです。

全国 首都圏 近畿圏 東海圏 その他地域
住宅購入価格 3,495.0万円 3,922.5万円 3,411.0万円 3,013.1万円 2,841.8万円
住宅面積 101.1㎡ 97.1㎡ 102.9㎡ 105.8㎡ 106.6㎡
世帯年収 557.3万円 598.4万円 548.0万円 506.0万円 499.1万円
年収倍率 6.27倍 6.55倍 6.22倍 5.95倍 5.69倍
年齢 39.3歳 39.3歳 39.1歳 40.4歳 39.1歳
家族数 3.1人 3.1人 3.2人 3.1人 3.2人

 

建売住宅の全国平均価格は約3,500万円となりますが、土地代金が高い首都圏に関しては、さらに上をいく平均価格です。

土地代金も高いため、金融機関から住宅ローンを組む場合、土地の担保評価も高くなるメリットがありますが、一方で前面道路が狭く、工事車両が入りにくいなど作業効率の低下が要因で、建築費が高くなる傾向もあります。

しかしながら、首都圏で建物住宅を購入される方は、年収倍率が高い傾向にあります。金融機関も土地の評価と世帯年収が高いことから、ある程度の借入額までは配慮していることでしょう。

一方その他地域のエリアでは、首都圏より約100万円も世帯年収が下がります。そのため住宅購入価格も低くなりますが、もともとの建築費は首都圏より安いため、上記の数字となっていることでしょう。

どの世代も40歳を基準に建売住宅を購入されています。子供も一人増え、3人家族となったタイミングで建売住宅の購入を検討されていることがわかります。

注文住宅の費用相場

こちらも建売住宅同様、2020年度の「住宅金融支援機構のフラット35融資利用者調査のデータ」を元に、注文住宅の平均建築費と平均土地取得費などを表した表です。

全国 首都圏 近畿圏 東海圏 その他地域
建築費 2,961.2万円 2,851.8万円 2,884.4万円 3,112.2万円 3,016.3万円
土地取得費 1,436.1万円 2,310.2万円 1,655.3万円 1,300万円 932.9万円
住宅面積 111.1㎡ 105.8㎡ 111.2㎡ 114.8㎡ 113.1㎡
世帯年収 634.9万円 710.3万円 631.8万円 624.0万円 599.4万円
年収倍率

(土地代金含む)

6.92倍 7.26倍 7.18倍 7.07倍 6.58倍
年齢 37.6歳 38.4歳 37.3歳 38.3歳 37.1歳
家族数 3.3人 3.3人 3.3人 3.3人 3.4人

 

特に首都圏に関しては、建築費と土地代金が高いため、住宅面積に対する価格は大きいことが分かります。ただし、建売住宅同様、世帯年収が高いため、年収倍率も高くなる傾向になることがわかります。

一方東海圏やその他地域に関しては、土地代金が安い分、建築費に上乗せされていることがわかるでしょう。年収倍率は首都圏より低いものの、住宅の面積を大きくしたり、オプションを付けたりしているため、建築費は高くなる特徴があります。

建売住宅と注文住宅の費用の違い

建売住宅と注文住宅では住宅に関わる費用が約1,000万円異なります。建物の面積や作業効率に違いはあれども、どうしてこのような金額差になるほど違いがあるのでしょうか。

ここでは建売住宅と注文住宅の費用の違いについて紹介します。

自由設計による設計負担

注文住宅の場合、設計士と発注者が一から間取りを検討していきます。特に間取りの変更回数は多くなるのが通常であり、その度に設計士への負担はかかってしまいます。その負担費は建築会社によって異なりますが、通常であれば手間代を取ることでしょう。

また、世界に一つしかない住宅を作れる注文住宅ですが、設計完了後は建物の構造計算をしなくてはいけません。建売住宅の場合、同様の建物をいくつも建築しているので、一度構造計算してしまえば、同様の建物にも活用できるのです。

しかし、注文住宅の場合、ひとつひとつ間取りが異なるため、すべての物件に関して構造計算をする必要があります。構造計算は手間もかかれば費用も掛かってしまいます。

これらの理由から注文住宅は建売住宅より費用が高くなってしまう要因の一つとなっています。

オプションを付けられる

建売住宅はすでに完成している家を購入します。そのためキッチンやお風呂などのグレードを上げたいというのは通常対応しません。もちろん建売住宅会社によって異なりますが、費用面と手間を考慮すると、建売会社は断ることが多いです。

しかし、注文住宅は設計段階から発注者の思惑通りにマイホームを設計することができます。オプションも追加できればハイグレードな住宅を建築することも可能です。つまり、自由度が高いのが注文住宅です。

しかしながら自由度が高いということは、要望が膨らんでしまう要因となり、さまざまなオプションをつけてしまい、注文住宅が高額となってしまいます。

集中購買による原価圧縮

ハウスメーカーや工務店は、住宅に関する資材や設備を集中購買によって仕入れています。

集中購買とは、建築会社が年間発注数をメーカーや商社に伝え、その代わり単価を下げる方法です。どの企業も採用しておりますが、建売住宅の場合、集中購買から外れた商品は使用しません。

一方注文住宅の場合、集中購買から外れた商品でも、発注者の要望があれば取り入れてくれます。注文住宅の方が柔軟に対応してくれますが、もちろん集中購買から外れた商品は高くなります。

建売住宅と注文住宅、どちらがおすすめ?

では建売住宅と注文住宅、どちらの方法でマイホームを建築したらよいのでしょうか。ここでは建売住宅のメリット・デメリット、注文住宅のメリット・デメリットを紹介するので、比較検討する際に参考にしてください。

建売住宅の特徴と費用

では建売住宅の特徴とはどのようなものでしょうか。

ここではメリット・デメリットを紹介します。

メリット

建売住宅の一番の特徴は価格が安い点です。価格が安いということは、毎月の住宅ローン返済額を抑えることに繋がります。

また、住宅ローンの借入限度額が低い人でも購入できるチャンスがあるのが建売住宅です。近年ではローコスト住宅の人気が高まり、なおかつ低金利時代が続く日本では、建売住宅の需要が高まっています。

先ほど紹介した、「建売住宅の費用相場」の世帯年収を、注文住宅の世帯年収と比較しても、低いことが分かります。つまり、ある程度の年収があれば、マイホームを手に入れられることができるのが建売住宅のメリットでもあります。

また、建売住宅は既に完成している物件を購入するため、約1か月から2か月で入居できる点もメリットです。住宅は着工してから入居開始できるまで約4か月から5か月かかります。さらに設計段階から始めるとなると、更に3か月や4か月必要となるでしょう。

早急に今の家を引っ越したい方、新しい家に住みたい方などには建売住宅はピッタリかもしれません。

デメリット

先ほどもお伝えした通り、建売住宅は既に完成している物件を購入します。そのため、自分の思い通りの設計ができないデメリットがあります。間取りを大きくしたい、設備を変えたいなどは基本的にはできません。

既に完成しているわけですから、何か家の中を変えたい場合は、引っ越ししてからリフォーム・増築などしなければなりません。

そのため自分の要望は組み込まれないデメリットがあります。

また、建売住宅は分譲地に建築されるケースが多いです。分譲地でよく似たような家が並んでいるのを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。その住宅は建売住宅である場合が多く、同じような外観で、個性が無いデメリットがあります。

さらに分譲地の建売住宅を購入した場合、注文住宅と比べてプライバシー保護が弱い特徴があります。住宅は法律上敷地境界から50センチ離さなければなりません。隣地も同様の為、1メートル離れていることになります。

分譲地では敷地をフルに活用しているケースも多いため、隣地と近いと感じる方も多いです。そのためプライバシーには十分気を付ける必要があります。それと同時にご近所付き合いは必須となることでしょう。

注文住宅の特徴と費用

次に注文住宅のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

注文住宅のメリットとしては、世界に一つだけの住宅をつくることができる点です。設計士と一から注文住宅を作り上げ、自分の理想に合った間取り、住空間、設備を取り入れることができます。

もちろん建物の中だけでなく、外観や外構など、他の人が見るところにも力を入れ、オシャレにすることで、他の住宅とのアドバンテージも取れることでしょう。

また、注文住宅を建築できる方は、収入が多いというのが世間のイメージとしてあることでしょう。つまり、注文住宅を建てることで一種のステータスにもつながります。

さらに建売住宅と異なり、注文住宅は施工の進捗状況を確認しながら建築することが可能です。残念ながら近年、建築会社の施工不良なども見受けられます。建売住宅である場合、施工現場を確認することなく建物が完成してしまいますが、注文住宅の場合、建築会社の担当者と現場確認することができます。

何か不自然や疑問点があれば、即座に質問できますし、施主が現場を見ているとなれば、より施工に力を入れてくれるかもしれません。後で施工不良が発覚し、建築会社とトラブルなることを防止できるメリットもあります。

デメリット

注文住宅のデメリットは建築コストではないでしょうか。建売住宅と比べるとコストは大きくなります。自由に設計できるからこそ、オプションを追加したり面積を大きくしてしまい、建築費が上がってしまいます。

しかし、オプションなどを最低限とし、面積も暮らしの中で不便のない大きさにすれば建築コストを抑えることも可能です。また、大手ハウスメーカーなどで注文住宅を建築するより、地域に密着した工務店であれば、更に建築費を抑えることが可能となるでしょう。

さらに近年の工務店は、価格はおろか、ハウスメーカーに引けを取らない施工技術を持ち合わせています。同じ施工技術であれば、コストが安い工務店で建築した方が十分メリットがあることでしょう。注文住宅を建築する際は、工務店にも相談してみてはいかがでしょうか。

理想のマイホームのために建売と注文住宅の費用をしっかり比較しよう!

建売住宅と注文住宅の違いを紹介してきました。

全国平均を見比べても建売住宅の方が圧倒的に安いです。また、世帯年収の違いを比較しても、注文住宅はある程度収入がある人が建築するというイメージにもなるでしょう。

しかし、圧倒的にコストが安い建売住宅ですが、施工する建築会社によっては注文住宅を安く抑えることも可能です。

「安いから不安」と懸念される方も多いかもしれませんが、近年の工務店の施工技術が非常に高いです。価格と技術を比較しても、大手ハウスメーカーで建売住宅を購入するより、工務店で注文住宅を建築した方が良いかもしれません。

もちろん各社によって異なるので、まずは、建売住宅と注文住宅の費用を見比べ、更に建築会社を比較することで、より良い住宅を手に入れられることでしょう。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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