注文住宅の費用内訳|必要予算の相場や税金も解説

注文住宅の費用内訳|必要予算の相場や税金も解説

注文住宅の建築にはさまざまな費用が発生します。その費用を理解しておかないと、次にどの費用が必要となるかわからなくなり、トータルの建築予算をオーバーしてしまうことにもなりかねません。

予算をオーバーしてしまうと、住宅ローンの借入額も膨らみ、毎月の返済額も大きくなります。また、場合によっては自己資金を追加投入しなければなりません。そのため、注文住宅の建築をする前にどれくらいの費用になるのか、予算組をすることが大切です。

本記事では、注文住宅に必要な5つの費用と内訳を紹介します。これから注文住宅の建築を検討されている方は、ぜひ参考にして予算組をしてください。

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注文住宅に必要な5つの費用と内訳とは?

注文住宅を建築する際は、大きく分けて以下の5つの費用が必要となります。

  1. 土地購入費用
  2. 注文住宅の本体工事費用
  3. 注文住宅の附帯工事費用
  4. 諸費用
  5. 住宅ローンの手続き費用

土地を既に所有している方や、注文住宅を自己資金で建築される方は、土地購入費用と住宅ローンの手続き費用はかかりません。しかし、一般的に注文住宅を建築される方の多くは上記の5つの費用がかかりますので、次で紹介します。

土地購入費用と内訳

土地を購入して注文住宅を建築する場合、土地に関する費用は以下の5項目の費用が発生します。

費用内訳 概要
①土地代金 購入する土地の代金
②仲介手数料 土地の売買時に発生する不動産会社への手数料
③契約印紙代金 土地の売買契約印紙に添付する税金
④登録免許税 土地の名義変更時に収める税金
⑤司法書士手数料 土地の名義変更の手続きを委託する手数料

①土地代金

購入する土地の代金です。土地の代金は土地の売買契約を締結した後の決済で一括払いをするのが通常です。また、現金で支払えない方は、ローンを組んで購入できるので安心してください。

②仲介手数料

土地の売主と買主の間に入って、土地売買のお手伝いをする不動産会社に支払う手数料です。仲介手数料は土地代金によって異なります。一般的には「(土地代金×3%+6万円)×消費税」の価格を支払います。

上記の仲介手数料は国交省が定めた上限であるため、場合によっては不動産会社の方で手数料を安くしてくれるケースもあります。ただし、稀なケースなため、紹介した仲介手数料を支払うと認識しておきましょう。

仲介手数料は決済時に一括払いするのが通常でしたが、近年では売買契約時に半金、決済時に半金を不動産会社に支払いするのが主流となって来ています。そのため、売買契約時にローンが間に合わない時は自己資金で支払いしなくてはいけませんので注意しましょう。

③契約印紙代金

土地の売買契約書は、売主と買主が1通ずつ保有するため、2部作成するのが通常です。

契約書には売買代金に合わせた契約印紙を添付し、買主と売主が契約印紙に割印をし、署名することで契約が完了したことになります。その契約印紙は売主と買主が1部ずつ用意しなければなりません。

契約印紙は下記の表を確認し、契約金額に合わせたものを用意しましょう

契約金額 契約印紙代金
1万円未満 非課税
10万円を超え50万円以下 200円
50万円を超え100万円以下 500円
100万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1千万円以下 5,000円
1千万円を超え5千万円以下 1万円
5千万円を超え1億円以下 3万円
1億円を超え5億円以下 6万円
5億円を超え10億円以下 16万円
10億円を超え50億円以下 32万円
50億円を超えるもの 48万円

なお、上記の契約印紙は、令和4年4月1日から令和6年3月31日までの契約となります。

④登録免許税

土地の名義人を売主から買主に変更する場合、登録免許税を納税しなければなりません。土地の登録免許税は「固定資産税評価額×2%」で算出出来ます。土地の固定資産税評価額は、売主が所有している固定資産税納税通知書に記載されているので確認しましょう。

⑤司法書士手数料

土地売買契約後、売主から買主へ土地の名義変更をする所有権移転登記を行います。所有権移転登記を司法書士に委託する場合手数料が発生します。

自身で所有権移転登記をすることも可能ですが、内容も複雑で手間がかかるため、司法書士などの専門家に委託するのが通常です。委託する費用は司法書士によって手数料は異なるものの、数万円程度となります。

本体工事費用と内訳

本体工事は大きく分けると以下の7項目になります。

費用内訳 概要
①仮設工事 足場代金や仮設トイレなど
②基礎工事 建物基礎に関する工事など
③木工事 柱や構造躯体の工事など
④屋根工事 屋根の工事など
⑤外壁工事 外壁の工事など
⑥建具工事 ドアや扉などの工事など
⑦内装工事 建物のクロスの工事など

①仮設工事

注文住宅の場合は仮設工事もしくは共通仮設工事とも呼ばれます。仮設工事には、足場や仮設トイレ、仮囲いや工事期間中の電気代や水道代が含まれています。

②基礎工事

建物の土台となる基礎の工事です。基礎工事には「布基礎」「べた基礎」などがありますが、地盤強度や建物構造によって異なります。一般的にはコンクリートを多く利用するベタ基礎の方が単価が高くなります。

③木工事

建物の柱や構造躯体などの工事です。木造注文住宅の場合、「在来工法」「2×4工法」などの構造が一般的ですが、構造によって木工事の価格は異なります。

④屋根工事

注文住宅の屋根の工事です。ガルバリウム鋼板や瓦など、屋根の種類によって費用は異なります。

⑤外壁工事

外壁にはさまざまな種類があります。「サイディング」「モルタル」「タイル」などたくさんの種類がありますが、一般的にはサイディングを利用している注文住宅会社が多いです。

⑥建具工事

家の中の扉やドアなどが建具工事となります。またサッシなどの工事も含まれます。サッシなど数を減らすと建具工事費用が下がります。

⑦内装工事

家の中の石膏ボードや断熱材工事、クロス工事などが該当します。

付帯工事費用(別途工事費用)と内訳

建物本体工事に付随して、付帯工事も必要となる費用です。ここでは以下の5つについて紹介します。

費用内訳 概要
①地盤改良費 軟弱な地盤を補強する工事
②給排水工事 水道の引き込みと下水の工事
③外構工事 外構の工事
④解体工事 既存建物、既存ブロックなどの工事
⑤屋外電気工事 外灯などの工事

①地盤改良工費

注文住宅を建築する土地の地盤が軟弱である場合、地盤を補強しなければなりません。補強する方法は、「表層改良工事」「柱状改良工事」などがありますが、地盤調査結果と建物荷重によって改良工法は異なります。

地盤調査により、改良工法は判断されますが、地盤が固ければ地盤改良工事をしなくてもよいケースもあります。

②給排水工事

注文住宅を建てる土地の前面道路には水道管と下水管があるのが通常です。前面道路から自宅の土地を経由し、注文住宅へ水道を引き込む工事です。給排水工事は注文住宅会社によって、本体金額に算入される場合もあります。

③外構工事

注文住宅会社の建物回りの工事です。庭の造成費用やアスファルト舗装をする工事などが含まれます。外構工事にこだわり過ぎてしまうと、金額も高額になるため、注意しておきましょう。

④解体工事

購入する土地に既存建物や既存ブロックなどがある場合、解体して更地にしなければなりません。解体工事は付帯工事の中でも大きな金額となるので、注文住宅の予算組の時は注意しましょう。

⑤屋外電気工事

庭に照明などを付けたりする場合の費用です。名前の通り、屋外で電気を利用する場合、屋外電気工事となります。

諸費用と内訳

注文住宅には本体工事と付帯工事の他に諸費用が必要となります。ここでは5つの諸費用について紹介します。

費用内訳 概要
①工事請負契約印紙代金 注文住宅会社と締結する契約書に添付する印紙代金
②登記費用関連 建物の登記費用
③水道加入金 水道を管轄する自治体に支払う費用
④地鎮祭費用 地鎮祭を行う際の費用
⑤各種申請費用 建築確認・権料検査などの手数料

①工事請負契約印紙代金

土地の売買契約同様、注文住宅会社と注文住宅の契約を締結する際は印紙を用意する必要があります。こちらも注文住宅の請負代金に応じて契約印紙代金が異なりますので、下記の表を参考にしてください。

契約金額 契約印紙代金
1万円未満 非課税
100万円を超え200万円以下 200円
200万円を超え300万円以下 500円
300万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1千万円以下 5,000円
1千万円を超え5千万円以下 1万円
5千万円を超え1億円以下 3万円
1億円を超え5億円以下 6万円
5億円を超え10億円以下 16万円
10億円を超え50億円以下 32万円
50億円を超えるもの 48万円

(令和4年4月1日から令和6年3月31日までの契約)

②登記費用

注文住宅が完成したと同時に、どんな建物で、誰の所有であるかを法務局で登記します。登記しないと、第三者に悪用されてしまう可能性もあります。一般的には司法書士に委託して登記するため、登記費用と登録免許税司法書士手数料が発生します。

③水道加入金

水道管は地域によっては水道負担金とも呼ばれています。水道を利用する上で、各自治体に収める料金です。

しかし、すでに既存管が土地に入っている場合は、水道加入金を支払う必要はありません。新たに引き込む場合、もしくは水道管の口径を大きくする場合に費用が発生します。

費用に関しては各自治体料金が異なるので、水道局へ確認しておきましょう。

④地鎮祭費用

注文住宅の着工前に行う地鎮祭に関する費用です。地鎮祭は任意ですが、工事の安全を祈り、執り行う方が多いです。地鎮祭は各寺院によって費用が異なるため、寺院に確認しておきましょう。一般的には数万円程度となります。

⑤各種申請費用

注文住宅の建築にはさまざまな申請費用が発生します。代表的な申請ですと、「建築確認申請費用」や「完了検査費用」などが該当します。

他にも24条申請費用、省エネ申請費用など、土地と建築する注文住宅によって必要となる申請は異なるので、注文住宅会社へ確認しておきましょう。

住宅ローンの手続き費用と内訳

費用内訳 概要
①融資手数料 金融機関からお金を借りるときの手数料
②契約印紙代金 金融機関と住宅ローンの契約書を締結する印紙代金
③抵当権設定料 抵当権を設定する際の手数料
④保証料 住宅ローンを借りるときに支払う保証料
⑤火災保険料 5年間の火災保険に加入する費用

①融資手数料

金融機関と住宅ローンを借りるときには手数料が発生します。手数料は各金融機関によって異なりますが、融資手数料は数万円から数十万円です。

②契約印紙代金

住宅ローンを組む際は、金融機関と金銭消費貸借契約を締結します。金銭消費貸借契約とは、申込者と金融機関がお金の貸し借りを結ぶという契約です。

契約は、金銭消費貸借契約書を締結しますが、契約印紙を添付します。契約印紙は契約金額によって異なりますが、土地の売買契約印紙と同様になります。

③抵当権設定料

金融機関は住宅ローンの申込人が万が一返済しなくなった場合に備え、土地と建物を担保設定します。担保にすることで、申込人の返済能力がないと判断した時、金融機関は土地と建物を売却できる権利を持ちます。これを抵当権といいます。売却後は競売物件として売りだし、売却益を返済に回すという仕組みです。

また、他の銀行が申込者の土地と建物に担保を設定しないようにするためにも行います。抵当権の設定をしないと、他の銀行に差し押さえられてしまうからです。抵当権設定は必ず行われ、その費用は借入額によって異なりますが、数十万円の費用となるのが通常です。

④保証料

連帯保証人に変わって保証会社に依頼する手数料です。保証料は各保証会社、金融機関、借入額によって異なります。また、保証料が発生しない保証会社もあります。

⑤火災保険料

火災保険に加入することで、万が一注文住宅が火事になった場合、保険金がおります。その保険金は住宅ローンの返済に回すのが通常であるため、金融機関が住宅ローンを貸し出すときは、火災保険の加入は必須条件です。

火災保険は最長5年であるため、5年分をまとめて一括払いするのが通常です。もちろん火災保険には1年や3年といった商品もあるため、期間は自由に選ぶことができます。

火災保険は期間だけでなく、建物の構造、保険会社などによって異なりますので、各社相見積もりを取って比較しましょう。

注文住宅費用の内訳を比較

注文住宅の費用は各建築会社異なれば、地域によっても異なります。ではどれくらいが平均相場なのでしょうか。また、注文住宅だけでなく、建売住宅なども人気となっている今、どのような違いがあるのかと疑問に思う方も多いでしょう。

ここでは注文住宅の相場と、建売住宅の違いについて紹介します。

注文住宅費用の相場

2020年度の「住宅金融支援機構のフラット35融資利用者調査のデータ」では、注文住宅は以下の全国平均予算となっています。

建築種別 注文住宅(土地有り) 注文住宅(土地無し)
全国平均価格 3533.6万円 4397.3万円

引用;https://www.jhf.go.jp/about/research/2020.html

土地を購入して注文住宅を建築される方は約4,400万円、土地を既に所有している方が注文住宅を建築される場合は約3,500万円となります。

建売住宅と注文住宅費用の違い

建売住宅の良さは、住み始めるまでの速さと価格でしょう。既に完成している物件を見て、購入するかを判断できるのが強みです。住宅ローンの審査さえクリアしてしまえば、約1か月から2か月で済むことが可能です。

また、注文住宅と違い、価格も圧倒的に安いです。先ほども紹介した通り、土地なしの注文住宅は約4,400万円の平均価格に対し、建売住宅は3,500万円の平均価格となっています。

つまり、予算を重視し、いち早くマイホームを手に入れたい方は建売住宅の方が良いでしょう。

一方注文住宅は、自身が思い描くようなデザインのマイホームを建築できる強みがあります。いわば、憧れの家とも言えるでしょう。金額は建売住宅より高くはなるものの、生涯住む可能性があるマイホームを後悔したくないという方は、注文住宅がオススメです。

ハウスメーカーと工務店の違い

ハウスメーカーより安く注文住宅を建築できるのは工務店です。

ハウスメーカーは企業規模が大きくなるほど、社員を多く抱え、宣伝広告に注力します。その費用は全て建築費に加算されてしまうため、価格が高くなりがちです。一方、地域密着型である工務店は、宣伝広告などを最低限に抑えているため、建築費が安くなります。

また、安いからと言って施工技術が低いわけではなく、長きにわたって住める注文住宅を建築してくれます。近年ではハウスメーカー以上に施工技術が高い工務店も多数あります。そのため、価格を考慮した上でも工務店に注文住宅の相談をしてみても良いでしょう。

注文住宅費用をシミュレーションしよう!

これまで注文住宅の建築に関する費用について紹介してきました。注文住宅を建築するにはさまざまな費用があることはお分かり頂けましたでしょうか。

費用の内容を理解していないと、予算オーバーになってしまう原因にもなり兼ねません。注文住宅の打ち合わせを進めていき、予算を削る場面になったとしても、費用内容を理解しておけば、どの項目を削れば良いかすぐ判断できるようにもなります。

そのため事前に必要となる費用を理解してから注文住宅の検討をするようにしましょう。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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