注文住宅の予算の決め方|マイホームの平均費用と予算オーバー対策

注文住宅の予算の決め方|マイホームの平均費用と予算オーバー対策

注文住宅の予算は年収によって大きく異なります。

自身の年収ではどれくらいが平均予算なのか気になる方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回、平均年収から逆算した注文住宅の予算の決め方を紹介します。予算が決まることで、毎月高額返済になることを防ぎ、安定した生活を送ることにつながるでしょう。

これから注文住宅を検討する方は、建築会社の選定や土地探しより、予算を第一優先に決めることが大切です。予算を決めずに注文住宅の打ち合わせをすると、予算オーバーになる可能が非常に高くなります。

そのため、本記事を読んで、予算の決め方を理解しておきましょう。

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年収別の注文住宅の平均予算

自身の年収から逆算した平均予算はいくらなのか気になる方もいらっしゃるでしょう。ここでは年収倍率から逆算した平均予算を紹介します。

予算の計算方法(年収倍率)とは?

年収倍率とは、自身の年収に対して注文住宅の建築費の比率を指します。

例えば、年収500万円の方の年収倍率が6倍である場合、3,000万円の注文住宅を建築できるという計算になります。

これらは金融機関の住宅ローンの融資審査基準として用いられています。よく年収の5倍前後まで借入できるという話がありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

下記の表は2020年度住宅金融支援機構のフラット35融資利用者の平均年収倍率になります。

建物用途別 購入金額 世帯年収 年収倍率
注文住宅 3533.6万円 594.2万円 5.94倍
土地付き注文住宅

(土地代金含む)

4397.3万円 634.9万円 6.92倍
建売住宅 3495.2万円 557.3万円 6.27倍

引用:住宅金融支援機構

上記の数字を見ても、年収の5倍ではなく、6倍前後の年収倍率になっていることがわかります。つまり、本記事を読んでいただいている方は年収のおおよそ6倍前後まで住宅ローンを組めるという認識でも良いのではないでしょうか。

年収別の平均予算

年収 年収倍率
6倍 6.5倍 7倍
500万円 3,000万円 3,250万円 3,500万円
600万円 3,600万円 3,900万円 4,200万円
700万円 4,200万円 4,550万円 4,900万円
800万円 4,800万円 5,200万円 5,600万円
900万円 5,400万円 5,850万円 6,300万円
1000万円 6,000万円 6,500万円 7,000万円

注文住宅の予算内訳

注文住宅の予算は先ほどのお伝えした年収倍率になります。土地がある場合と、土地が無い場合での予算が異なる理由と内訳を紹介します。

土地ありの場合

土地を所有している場合、年収倍率は「5.94倍」となります。また、土地を所有していない方の自己資金は「440.5万円」に対し、土地を所有している方は「617.7万円」となっています。

年収倍率は低いものの、自己資金を多く出されている傾向があるのが分かるでしょう。つまり土地ありの方は、住宅ローンが借りれる額が小さいのではなく、自己資金をたくさん出されている方が多いのがわかります。

土地無しの場合

先ほどの表をみても、土地を購入して注文住宅を建築される方の年収倍率が「6.92倍」と高くなる傾向があります。

本来であれば土地を所有している方が年収倍率は高くなるのではと思う方もいるでしょう。しかし、年収倍率が高い理由には金融機関が絡んできます。

注文住宅を建築される方の多くは、土地を所有していません。土地を所有していない方の年収倍率を低く設定すれば金融機関も融資する方が減ってしまいます。

また、土地を所有していない方が注文住宅を建築される場合の平均年齢は、37歳です。「土地を相続した」などの理由以外に、土地を所有している理由がないため、土地購入をして注文住宅を建築している方が多いのも特徴です。

注文住宅の予算の決め方

注文住宅の予算の決め方は下記の手順で行います。

  1. 年収倍率でイメージする
  2. 毎月の支払い額を決めていく
  3. 融資の事前審査を行う

1.年収倍率でイメージする

先ほど紹介した年収倍率で予算をイメージしてみましょう。自身の年収、もしくは世帯年収の合計額から決めていきます。

例えば年収500万円である場合、土地を購入して注文住宅を建築される方の平均の年収倍率は6.92倍になります。つまり、3,500万円の建築予算となることでしょう。

しかし先ほど紹介した年収倍率は全国平均となり、各地域によってことなりますので下記の表を参考にしてみましょう。

下記の表は土地を所有していない方が、2020年度住宅金融支援機構のフラット35融資利用をした場合の地域別平均年収倍率になります。

地域別 注文住宅購入代金 世帯年収 年収倍率
北海道 4007.8万円 618.1万円 6.48倍
東北 3782.5万円 587.9万円 6.43倍
北関東信越 3791.1万円 588.1万円 6.44倍
南関東 4882.8万円 684.0万円 7.13倍
東海 4447.6万円 626.2万円 7.10倍
北陸 3861.6万円 617.5万円 6.25倍
近畿 4539.7万円 631.8万円 7.18倍
中国 4185.5万円 616.5万円 6.78倍
四国 3827.7万円 585.8万円 6.53倍
北部九州 4194.2万円 601.8万円 6.96倍
南九州 3894.5万円 605.0万円 6.43倍

引用:https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.jhf.go.jp%2Ffiles%2F400357449.xlsx&wdOrigin=BROWSELINK

また、土地を所有している方に向けて、地域別の年収倍率も記載しますので参考にしてください。

地域別 注文住宅購入代金 世帯年収 年収倍率
北海道 3485.2万円 640.5万円 5.44倍
東北 3317.1万円 574.1万円 5.77倍
北関東信越 3312.5万円 565.2万円 5.55倍
南関東 3681.1万円 611.8万円 6.01倍
東海 3596.1万円 600.0万円 5.99倍
北陸 3381.5万円 573.4万円 5.89倍
近畿 3741.5万円 617.2万円 6.06倍
中国 3552.8万円 583.1万円 6.09倍
四国 3269.3万円 563.7万円 5.79倍
北部九州 3419.1万円 571.9万円 5.97倍
南九州 3287.7万円 567.5万円 5.79倍

引用:https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.jhf.go.jp%2Ffiles%2F400357448.xlsx&wdOrigin=BROWSELINK

2.毎月の支払い額を決めていく

年収倍率から注文住宅の建築費は検討できるものの、その方々の世帯支出は異なるでしょう。年収が同じでも家族が多ければ、月々の生活費は大きくなります。そのため年収倍率だけでなく、毎月の返済額から逆算して予算を決めるのも大切です。

借入額が大きくなれば、返済額も大きくなりますので、下記の表を参考にしてみましょう。フラット35を利用した場合の、借入金額別返済シミュレーションです。金利は1.35%を想定しています。

借入額 35年の返済期間の場合(1.35%)
1,500万円 44,833円
2,000万円 59,777円
2,500万円 74,722円
3,000万円 89,666円
3,500万円 104,611円
4,000万円 119,555円
4,500万円 134,500円

おおよその返済額が分かると思いますので、参考にしてください。

3.融資の事前相談を行う

借入額から返済額が想定できたら、金融機関に融資の事前相談を行います。融資の事前相談とは、申込者が住宅ローンの借り入れができるかの審査をし、融資の可否、または借入限度額を知るために行います。

融資の事前審査を行わなければ本審査に行けず、住宅ローンを借りることができないので、必ず行いましょう。融資の事前審査をすることで、借入限度額が分かるため、予算も確定することでしょう。自己資金を捻出される方は、「借入限度額+自己資金」が予算となります。

また融資の事前審査を行う際は下記の書類が必要となります。

  • 源泉徴収票3年分
  • 借入がある場合の償還予定表
  • 身分証明書

申込者に借入がある場合、必ず金融機関に伝えるようにしましょう。万が一、本審査後に他の借入があることが発覚した場合、「借入限度額が減少」や「金利の上昇」、最悪の場合は「融資不可」と判断される可能性もあります。

そのため、金融機関には全ての状況を話すという気持ちで事前審査を行うようにしてください。

注文住宅の後悔を防ぐ!予算オーバーした場合の対処法

注文住宅の建築予算が確定しているものの、予算オーバーする方も多数います。予算オーバーする方の多くは、「要望を詰め込み過ぎた」「融資の事前審査を行っていなかった」「住宅を大きくし過ぎた」などが原因です。

できれば予算オーバーしないで注文住宅の打ち合わせを進めていきたいですね。とはいえ、見積もり金額が提示されるまでは予算オーバーしているかわからないでしょう。

そのため万が一予算オーバーした場合の対処法を5つ紹介します。

  • 設備機器の見直し
  • 外構工事の見直し
  • 仕上げ材の見直し
  • 注文住宅会社の変更
  • 最終手段は間取りの変更

注文住宅の予算がオーバーした際、設備機器や外構工事の見直しをされている方が多いです。ハイグレードな住宅設備や高級住宅のような外構など、予算を意識していないため、予算オーバーしている原因となっています。

その際は「本当に必要なのか」「後で工事できないのか」と見直ししてみましょう。設備などの費用は大きな金額ですので、予算を圧縮できる可能性は高いです。

また仕上げ材も同様です。一般的にクロスが安いですが、塗り壁などにしたい方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、塗り壁などの範囲を狭くし、クロスの面積を大きくすることでコストの圧縮に繋がります。

それでも予算がオーバーしてしまう場合、間取りの変更や注文住宅会社の変更を検討しましょう。今まで注文住宅会社と打合せをしてきた内容を、再度考え直すのは大変かもしれません。しかし、今後支払い続ける住宅ローンを考慮すると、間取りや注文住宅会社を変更して予算内に収める方が良いでしょう。

とはいえ、手間がかかるので、間取りの変更や注文住宅の変更は最終手段だと思って検討しておいてください。

予算決めにはモデルハウスや完成見学会も活用しよう!

今回注文住宅の予算の決め方と、予算オーバーした時の対処法を紹介しました。

平均年収を考慮すると土地有りの場合は6倍前後、土地なしの方は7倍前後となります。

ただし、年収は同じでも世帯によって支出は異なります。毎月の支出を加味して返済額を決めた方が、安心した予算になるのではないでしょうか。

しかし、せっかく建てる理想のマイホームなので、予算オーバーしてしまうこともあるでしょう。予算オーバーした際は、設備などの見直しを行っていくのが第一段階ですが、最終的には間取りの変更や建築会社の変更をせざるをえない状況にもなるかもしれません。

その際は、再度モデルハウスや完成見学会に参加し、注文住宅選んでいきましょう。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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