住宅ローンの流れ〜注文住宅購入の場合〜建てるまでのつなぎ融資も解説

住宅ローンの流れ〜注文住宅購入の場合〜建てるまでのつなぎ融資も解説

注文住宅を建てる時に必ず検討する資金計画。土地を購入して注文住宅を建築する方の多くは住宅ローンを利用します。

しかし、住宅ローンを借りる際はどのような手順でどんな流れなのかを理解していない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は住宅ローンを借りて実行するまでに必要な4つの流れを解説します。また、住宅ローンを借りる際に決めることや注意点も説明します。

この記事を読むことでスムーズに住宅ローンを借りることができるでしょう。

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住宅ローン手続きに必要な4つの流れとは?注文住宅で家を建てる前に要確認!

住宅ローンの融資を受けるには4つの作業を行います。2つの審査と2つの手続きがありますので紹介していきます。

①事前審査(仮審査)

住宅ローンを借りたいといっても、初めに事前審査をクリアする必要があります。事前審査とは、本審査に入る前に、借主の信用情報や年収を確認し、融資しても問題ない方かどうかを金融機関が審査することです。

住宅ローンの事前審査を行う際は、個人の信用情報を、JICCやCICなどの信用機関に依頼して、過去または現在に返済滞納や自己破産歴などがないかを調べます。過去に滞納などがある場合、再度借り入れ返済を滞納する可能性があると判断する場合もあり、金融機関も慎重に調査します。

問題なければ、年収や家族構成確認し、事前審査がクリアとなる流れです。

事前審査では下記の書類が必要となります。

  1. 源泉徴収票3年分
  2. 借入がある場合の償還予定表
  3. 身分証明書

金融機関によって必要書類は異なりますので、あらかじめ金融機関に確認しておきましょう。

②本審査(正式審査)

事前審査がクリアした後は、本審査に移ります。基本的に、事前審査が通れば本審査も通りやすい傾向があり、約1週間から2週間ほどで結果が出るでしょう。

本審査を受ける際の必要書類は、

  1. 工事請負契約(建築会社の契約書)
  2. 土地売買契約書と重要事項説明書(土地を購入する場合)
  3. 図面
  4. 見積書
  5. 登記簿謄本

など、主に工事に関する書類が必要となります。

他にも必要書類がある場合もありますので、金融機関に確認しておきましょう。

本審査が通れば、借入額、金利、期間などが明確となり、今後毎月支払う返済額なども確定します。

しかし、事前審査が通ったのにも関わらず、本審査で融資不可と判断される場合もあります。本審査で融資不可となりやすい理由として、下記の5項目が挙げられます。

  1. 完済時の年齢が80歳を超えている
  2. 持病などを持ち合わせている
  3. 注文住宅の建築費が高すぎる
  4. 仕事を変えて年収が落ちた
  5. 他の借入があるのが発覚した

完済時の年齢が80歳を越えている

一般的に住宅ローンの完済時の年齢を80歳と設定している金融機関が多いです。例えば65歳の方が住宅ローンを申し込んだ場合、借入期間は15年となります。

もちろん金融機関によって80歳と設定していない場合もありますので一概には言えません。

持病などを持ち合わせている

持病の内容にもよりますが、申込者が今後働けなくなり、収入が確保できなくなるケースも金融機関は懸念します。

住宅ローンを組む際は、一般的に団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険とは、万が一申込者が亡くなった時、残債が免除される保険です。しかし、持病などを持ち合わせていると、団体信用生命保険に加入できず、住宅ローンが借りられないケースもあります。

注文住宅の建築費が高すぎる

事前審査を相談した際に、想定していた金額より高額な見積もりになっていた場合、融資不可となるケースもあります。注文住宅にこだわり、さまざまなオプションを付け、何百万円と見積もり金額が上がる場合は注意しましょう。

他の借入があるのが発覚した

他の借入があることを事前審査時には伝えず、本審査前に発覚した場合は融資不可となるケースもあります。住宅ローンは金融機関と申込者の信用力も大切です。隠していた借り入れなどがわかれば信用問題となり、融資できないことがあります。

③住宅ローン契約手続き

住宅ローンの契約は、金銭消費貸借契約ともいいます。金消契約やローン契約とも呼ばれ、申込者が銀行からお金を借り、利息分も含めて返済するという契約です。

事前に準備しておく書類は下記の通りです。

  1. 身分証明書
  2. 土地売買契約書
  3. 工事請負契約
  4. 印鑑証明書2通から3通
  5. 住民票(本人または世帯全員分)
  6. 実印
  7. 銀行印
  8. 通帳
  9. 収入印紙(借入金額によって異なる)

こちらも金融機関によって異なりますので、金銭消費貸借契約を締結する前に金融機関に確認しておきましょう。

一般的に、契約日当日は、金銭消費貸借契約の重要事項の説明を受け、契約書に署名捺印します。契約を締結する際は下記の3つを確認しておきましょう。

  1. 借入金額に相違がないか
  2. 借入期間(借り入れ年数)に相違がないか
  3. 金利に相違がないか

④住宅ローン融資実行

金銭消費貸借契約が完了した後は、口座にお金が振り込まれるのを待つだけです。

住宅ローンは、物件の完成と同時に融資実行されるため、建築会社から家を引き渡しされる日と同日になります。融資実行された翌月または翌々月から借入返済がスタートします。金融機関によっては支払開始日を遅らせる(据え置き期間)ことも可能な場合もありますので、相談してみましょう。

住宅ローンの事前審査までに決めておくこと

住宅ローンの事前審査を申し込む前に、下記の3つを決めておきましょう。

  1. 借入期間
  2. 固定金利か変動金利か
  3. 毎月の支払い金額

借入期間

借入期間は何歳までに完済するかです。一般的には35年ローンを組む方が多いですが、利息がつき、総返済額も多くなるため、自身に合った期間を設定しましょう。

固定金利か変動金利か

住宅ローンを組む際は、固定金利か変動金利かを選択できます。

固定金利の場合、数年間に渡って金利が固定であり、毎月の返済額に変動はありません。

変動金利は、1年毎や2年毎に金利の見直しが入り、金利が上がるケースもあれば下がるケースもある金融商品です。

2022年1月時点では、変動金利の方が安い金融機関が多いですが、今後インフレに伴う金利上昇があった場合、固定金利の方が優位に働く可能性もあります。

毎月の返済額

毎月の返済額は、「借入額」「借入期間」「金利」によって異なるため、上記の2つを決めた後に検討していきましょう。もちろん金融機関からの融資上限額もありますが、自身の生活費を圧迫しない金額に設定することが大切です。

下記の表は借入金額別の固定金利と変動金利の月返済額です。35年ローンになりますが、返済額の目安にしてください

借入額 固定金利の場合(金利1.2%想定) 変動金利の場合(金利1%想定)
1,500万円 43,755円 42,342円
2,000万円 58,340円 56,457円
2,500万円 72,925円 70,571円
3,000万円 87,510円 84,685円
3,500万円 102,095円 98,799円
4,000万円 116,680円 112,914円
4,500万円 131,266円 127,028円
5,000万円 145,851円 141,142円

住宅ローンの流れと合わせて確認したい契約時の注意点

住宅ローンの審査が終わり、金融機関と金銭消費貸借契約を締結する際に確認しておきたい注意点を解説します。

注文住宅を建てる際に必要な費用と支払日について

注文住宅を建築する際の必要項目は大きく以下の4つに分かれます。

  1. 本体工事費
  2. 付帯工事費
  3. 外構工事費
  4. 諸経費

本体工事費や付帯工事費、外構工事費は建築会社の工事費用となりますが、その項目とは別に諸経費が必要となるので注意しておきましょう。

おおよそ費用として、総工事費用が100%とした場合、建築会社の工事費用が70%、諸経費が30%前後の内訳になることが多いです。

諸経費には、以下のような項目が該当します。

  1. 保険料
  2. 不動産所得税
  3. 登記費用
  4. 抵当権設定費用
  5. 融資手数料
  6. 水道加入金
  7. 印紙代

諸経費を支払うタイミングとしては、着工時に支払う場合もあれば、引き渡し時に支払う場合など様々ですので、建築会社に聞いておきましょう。

融資実行日について

住宅ローンの融資実行日は、建物が完成した日に行います。購入した土地や完成した家を担保として設定できるようになるからです。担保とは、万が一返済が滞った場合、銀行は土地と建物を差し押さえる権利を持つという意味です。

ただし、手続きは引き渡しだけに行う訳ではありません。建築会社と締結した工事請負契約書の日程に基づいて、つなぎ融資や分割融資で建築費用を支払います。

例えば、4月1日着工の場合、遅くても3月31日までに融資実行手続きを行い、4月1日に銀行が融資実行してくれます。ただし、4月1日が月曜日などの週初めである場合は、3月29日の金曜日など、平日に手続きを行う必要があります。

上棟時の入金や引き渡し時の入金も同様です。

しかし、書類の不備や必要書類不足なども考えられるため、着工日前日より余裕を持った日程で手続きしていきましょう。万が一手続きが遅れ、建築会社が入金確認できなかった場合、建築会社だけでなく、下請け施工会社にも迷惑をかけ、工程を一から組み直す必要があるので、注意が必要です。

つなぎ融資について

住宅ローンは家が完成してから融資実行を行いますが着工時や上棟時に建築会社へ工事代金を支払う必要があります。その際に利用するのがつなぎ融資ですので解説していきます。

つなぎ融資とは?

つなぎ融資とは、工事代金を一時的に立て替えてくれる融資の事です。

住宅ローンは完成してから融資実行となりますので、着工から完成までの工事代金を代わりに支払ってくれます。例えば工事代金が2000万円で建築会社の支払い条件が着工時に総工事費の40%、上棟時に総工事費の40%、完成時に残りの20%であった場合を想定しましょう。

着工時では800万円の支払いが必要となりますが、自己資金で支払えない場合、つなぎ融資で支払います。もちろん上棟時や完成時も同様になります。

メリット・デメリット

つなぎ融資を使用すれば、自己資金を抑えられます。マイホームが完成した後は、家具や家電でたくさんのお金が必要となります。つなぎ融資を利用することで、自身の預金から出費を抑えられるメリットがあります。

一方、名前の通り融資になりますので、利息が発生します。短い工事期間であるとはいえ、金利もかかれば手数料も発生します。極力借入返済を抑えたいという方にはつなぎ融資はデメリットになるでしょう。

分割融資について

つなぎ融資の他にも分割融資を利用して工事代金を支払っている方も中にはいます。ここでは分割融資について説明します。

分割融資とは?

分割融資とは、1本の住宅ローンを複数回に分けて融資実行する方法です。例えば、注文住宅を建築するのはまだ先だが、先に土地を購入しておきたいなどの場合に用いることが出来ます。

ただし、分割できる回数は金融機関によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

分割融資をする際は、土地に抵当権の設定をしなければなりません。抵当権とは住宅ローンが返済されない時、設定した金融機関がその土地を競売にかけ、貸付金を回収できる権利です。

住宅ローンのみならず、アパートなどを建築する事業ローンなども抵当権設定を行いますので、一般的なものだと理解しておきましょう。

メリット・デメリット

つなぎ融資と分割融資は内容が似ているところがありますが、金利に関しては分割融資の方が安いです。つなぎ融資は無担保でかつ短期での融資のため、金利が高めに設定されています。分割融資は抵当権設定費用が必要となるものの、その分金利が安いメリットがあります。

一方で分割融資は実行できる回数や融資のタイミングが金融機関によって決められています。追加工事費用などが発生し、即座に支払う必要がある場合、分割融資では対応できない場合もあります。

また、どの金融機関も取扱いをしているわけではありませんので、住宅ローンを申し込んだ場合でも、分割融資非対応であれば、再度他行で事前審査から行う必要もあります。

再確認!注文住宅で住宅ローンを組むための4つの流れ

今回、住宅ローン手続きに必要な4つの流れについて解説しました。

住宅ローンを借りて注文住宅を建築される方は、初めの事前審査が第一関門です。

事前審査がクリアできれば本審査、契約、融資実行と進めることが可能なりますが、事前に住宅ローンの流れを理解し、必要書類に注意しておくことで、よりスムーズに進めることができます。

人生でも最大の借入になる可能性がある住宅ローンです。しっかり内容を理解してから審査依頼していきましょう。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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