注文住宅を検討されている方の中には、まず何から始めたらよいかがが分からない方も多いのではないでしょうか。
建売住宅の場合、土地と建物がセットで販売されているため、手続きもさほど多くありません。しかし、注文住宅の場合、土地を自ら探し、建築会社も選ぶ必要があるため作業量が多くなります。
そのため、スケジュール管理をしていないと、完成までの日数がわからなくなり、途中で嫌になる事もあるでしょう。
スケジュール管理をするためには、次は何をすれば良いかを理解する必要があります。カレンダーなどを作成し、「次に何を決める」「どの業者と何をする」などと記載して管理していくと便利です。
今回は、スケジュール管理表を作成し、失敗しない注文住宅を建てる方法を解説していきます。
注文住宅で失敗しないスケジュール管理表
スケジュール管理をすることで、次に何をするべきかがわかるようになります。
一般的には注文住宅を建築しようと考えだしてから10か月で建物が完成します。下記の表は、施主をはじめ、建築会社、銀行、不動産会社ごとのスケジュールの一例です。
時期 | 施主 | 建築会社 | 銀行 | 不動産会社 |
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10か月前 |
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9か月前 |
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8か月前 |
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7か月前 |
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6か月前 |
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5か月前 |
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5か月前 |
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5か月前 |
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4か月前 |
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3か月前 |
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2か月前 |
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1か月前 |
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10か月 |
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土地が見つかってからのスタートになりますが、各社との協力があって注文住宅は完成します。そのため、多くの打ち合わせが必要となりますので、スケジュールを管理していきましょう。
注文住宅の項目別スケジュール一覧
注文住宅完成までに、施主が確認するスケジュールは5つありますので紹介します。
- 契約前スケジュール
- 打ち合わせスケジュール
- 建築スケジュール
- 支払いスケジュール
- 住宅ローン融資開始までのスケジュール
契約前スケジュール
契約前は主の下記の3つの項目を決めていきます。
決めること | 内容 | スケジュール |
---|---|---|
①銀行相談 | 事前相談 | 10か月前 |
②土地探し | 不動産会社へ相談 | 9か月前 |
③施工会社探し | 各社見積もり依頼 | 8か月前 |
①銀行相談
まずは借入上限を確認するために、事前相談を行います。
融資の相談には主に下記の書類が必要です。
- 源泉徴収票3年分
- 住民票
- 課税証明書
- 身分証明書
金融機関によって必要書類が異なりますが、提出すればおおよそ1週間から2週間前後で融資の事前結果が出ます。
また、複数行に融資の相談を行い、金利の比較をしても問題ありません。多忙な場合、建築会社が代わりに融資打診もしてくれますので、相談してみましょう。
②土地探し
土地探しをする際は以下の4項目を基準に検討しましょう。
- 職場までの通勤距離
- 子供の通学距離
- スーパーやショッピングモールなどの買い物する場所までの利便性
- 騒音などがない住環境の良さ
職場や学校までの通勤通学を検討する際が、距離も大切ですが、交通量なども検討しておきましょう。朝の通勤ラッシュは疲れがたまり、交通量の多い通学路は危険が伴います。
スーパーやショッピングモールなど、買い物環境があることは主婦には欠かせません。
また、国道沿いやバイパス沿いは夜中でも騒音が激しいため、住宅地などの場所を選ぶことをおすすめします。
③施工会社探し
施工会社を探す際は、住宅展示場や見学会に行って、実際の建物を見てから検討しましょう。1社だけでなく、2社3社へプランニングと見積もり依頼をします。
依頼してからおおよそ2週間前後で、図面と見積金額が出るでしょう。各社の金額だけでなく、間取りをしっかり検討してくれているかなども比較材料とするのが良いです。
基本的にハウスメーカーは過去に建築した間取りの図面を使いがちですが、良い建築会社は一人一人施主のニーズに応えて検討してくれる間取りを提案してくれます。金額だけでなく、自身が住みやすい間取りであるかも考慮しておきましょう。
③銀行相談
まずは借入上限を確認するために、事前相談を行います、
融資の相談には主に下記の書類が必要です。
- 源泉徴収票3年分
- 住民票
- 課税証明書
- 身分証明書
金融機関によって必要書類が異なりますが、提出すればおおよそ1週間から2週間前後で融資の事前結果が出ます。
また、複数行に融資の相談を行い、金利の比較をしても問題ありません。多忙な場合、建築会社が代わりに融資打診もしてくれますので、相談してみましょう。
打ち合わせスケジュール
建物打ち合わせでは下記の項目を決めていきます。
決めること | 内容 | スケジュール |
---|---|---|
①プラン確定 | 間取りの確定 | 5か月前 |
②仕様確定 | 住宅設備などの確定 | 5か月前 |
③工程の確認 | 着工から完成までのスケジュールを再確認 | 5か月前 |
おおよそ建物完成まで5か月前の作業となります。
①プランの確定
プランの確定打ち合わせでは、間取りを決めていきます。
一番初めに決めるのは、構造です。木造が一般的ですが、鉄骨や重量鉄骨などがあります。
次に間取りを決めていきます。4LDK5LDKなど、どれくらいの部屋数で、大きさなども決め、更にリビングや寝室などの場所も決めていきます。他にもお風呂の位置やトイレの位置、収納位置なども決めていきましょう。
これらが決まれば、大まかな間取りの確定が出来ます。建築会社のプロの意見をもとに検討していくことで2週間前後の期間で間取りが確定できるでしょう。
②仕様の確定
仕様の確定は、一番時間がかかる作業です。
キッチンの種類やデザインを始め、トイレ、お風呂、内装クロス、建具などをひとつひとつ決めていきます。最初にカタログを見て、どのメーカーにするかを絞っておくことで打ち合わせ時間を短縮できます。
カタログで商品を選んだあとは、実際にショールームに足を運び、実物を見て判断していきましょう。カタログではわかりにくい色合いやこまかなデザインなどを確認することが出来ます。
見てから決めるという方法を取ってしまうと、ショールームに行く回数も増え、かなりの時間を費やしてしまうことになります。2週間前後でなく、半年以上の時間をかけて仕様の確定まで日数を要する人もいます。そうなると、さらに注文住宅完成まで時間がかかりますので、ある程度カタログで仕様を固めておきましょう。
③工程確定
仕様も確定したら、最終的に工程の確定をしていきます。ここで、注文住宅に引越しできる日がきまります。注文住宅は着工してから4か月前後で完成するため、引越しできる日から逆算して着工日を決めていきましょう。
例えば12月1月など寒い時期や、7月8月の暑い時期に引越ししたくないとか、3月に引越し業者の費用が高い時期を避けたいなど考えて決めていきます。
4月5月などであれば、気温も暖かくなり、引越し業者の費用も落ち着いてくる時期です。逆算すると、11月12月の着工を想定でき、工程が確定できるようになるでしょう。
建築スケジュール
決めること | 内容 | スケジュール |
---|---|---|
①地鎮祭の有無 | 着工時の地鎮祭の有無と日程 | 5か月前 |
②外構工事 | 外構工事内容 | 3か月前 |
③引越し日 | 引越し日の確定 | 1か月前 |
①地鎮祭の有無
着工前に地鎮祭を行うのが一般的です。
地鎮祭とは、土地の神様にお祈りし、工事の安全と、無事注文住宅が完成することを祈願する式典です。一般的には、地域を守っている氏神様が祀られている寺院にお願いし、施主と施主親族、建築会社で執り行います。
初穂料として3万円前後支払いますが、これから一生住む可能性がある土地ですので、ぜひ御祈願しておいた方がよいでしょう。
着工の2週間前までには地鎮祭を執り行う日程を決めておくことをおすすめします。
②外構工事
一般的に外構工事は2週間から1か月ほどで完了します。
外構工事は、建築会社と契約している場合と、外構業者と契約している場合で打合せする業者が異なります。建築会社を通さず、外構業者と契約している場合の方が金額は安くなります。しかし、外構工事の施工に関しては、建築会社は一切関連を持たず、直接外構業者と打合せをする必要があり、工事の段取りなども施主が行う事になります。
そのため、建築会社に外構工事が入れる日程を確認しておく必要があります。
③引越し日
建物完成1か月前になったら引っ越し準備をしていきましょう。引っ越しまでにやることとスケジュールは下記の通りです。
やること | 引越しまでのスケジュール |
---|---|
①建築会社へ引越しできる日の確認 | 1か月前 |
②賃貸住宅の場合、不動産会社へ退去の告知 | 1か月前 |
③引っ越し会社に見積もりと確定 | 3週間前 |
④荷造り開始 | 2週間前 |
⑤ライフライン開設と停止の連絡(新居分と賃貸住宅分) | 2週間前 |
⑥家電やカーテンの購入 | 1週間前 |
⑦引越し開始 | 当日 |
おおよそ1か月前後で引っ越し準備をしていきます。
特に大切なのは、引っ越しできる日が確定しているかです。万が一、引っ越し作業をしたものの、注文住宅の工事が遅れてしまい、引っ越しできる環境ではなくなった場合、住む場所が無くなってしまいます。引越し業者も一度日程をずらしてしまうと、1週間2週間と日程がずれてしまいます。
そのため、何度も建築会社に完成日を確認しておきましょう。
支払いスケジュール
融資が確定したら支払いスケジュールを確定していきます。
下記の表は融資関連で決めていく内容とスケジュールです。
決めること | 内容 | スケジュール |
---|---|---|
①支払い条件の確認 | 支払い代金の確認 | 6か月前 |
②銀行契約日の打ち合わせ | 支払い日の打ち合わせ | 6か月前 |
③金銭消費貸借契約の締結及び入金 | 銀行との契約と建築会社への支払い | 5か月前 |
内容としては難しいことは無く、1日で決めていける作業です。
①支払い条件の確認
建築会社へ工事代金を支払う条件を確認します。一般的には総工事費の金額のうち、契約時に10%、着工時に30%、上棟時に30%、完成時に30%です。建築会社によって支払額やタイミングが異なりますので確認しておきましょう。
また、契約時の10%を支払った後に解約した場合、その金額は戻ってこないケースが多いので注意しましょう。
②銀行契約日の打ち合わせ
住宅ローンの本審査をする際は、銀行に行って資料を提出し、行員と面談します。銀行もどのような人なのかを実際に合って確認する必要があるのです。その日程を決めておきましょう。
基本的に土日は銀行が休みのため、平日に行くしかありません。
③金銭消費貸借契約の締結及び入金
住宅ローンの本審査も終わったあとは、金銭消費貸借契約を銀行と締結します。銀行とのお金の貸し借りの契約です。
契約時には印鑑証明書2通や身分証明書、実印などが必要となりますので、事前に確認しておきましょう。その際に、建築会社への支払いも同時にする場合が多いので、たくさんの書類に署名捺印します。
約2.3時間で作業は完了します。
住宅ローン融資開始までのスケジュール
住宅ローンを借りる際は、下記の3つを決めていきます。
決めること | 内容 | スケジュール |
---|---|---|
①金融機関を決める | 借りる金融機関 | 8か月前 |
②ローン期間を決める | 借入期間 | 8か月前 |
③金融商品を決める | 固定金利か変動金利 | 8か月前 |
長きに渡り返済し続けていく借入れになりますので、比較検討しながら決めていきましょう。
①金融機関を決める
住宅ローンを借りる金融機関を選んでいきます。金融機関によって金利や条件が変わるため、複数行に打診して検討しましょう。
住宅ローンの金利が低いことに越したことはありませんが、条件の確認も必須です。保証料などが借入する条件としてある場合、借入金額の2%や3%を支払うケースもあります。保証料を支払うことより、ある程度金利が高くても、長い目で見た時の総返済額が少ない場合もありますので、十分比較検討してください。
②ローン期間を決める
次に借入返済期間を検討します。一般的には35年ローンを組み、途中でボーナス返済や繰り上げ返済をしているのが主流です。ローン期間が長ければ、毎月の支払い額は少なくなります。しかし、総返済額は大きくなるでしょう。
例えば、3,000万円を金利1%と仮定して比較した場合、35年ローンでは、毎月84,685円の返済額で、総返済額は35,567,998円になります。
一方25年ローンの場合、毎月の返済額は113,061円となり、総返済額は33,918,520円です。
総返済額を少なくするのか、毎月無理のない返済額にするのかを決めていきましょう。多くの方は生活を圧迫しない返済額に設定している方が多いです。
③金融商品を決める
住宅ローンには変動金利と固定金利の2種類があります。
変動金利とは、2年毎や3年毎に金利の見直しが入り、経済市場のよって金利が変動する商品です。つまり安くなったり、高くなったりする金利の事を指します。
固定金利は5年固定、10年固定、もしくは35年固定など、金利が一定期間固定されている商品です。固定金利の良さは、インフレに伴う金利上昇が起きても、固定されているため変わりません。しかし、現代では変動金利より利率が高いケースが多いです。
将来的に金利が上昇すると考えている方が固定金利、今の支払額を優先する方は変動金利といったところでしょう。
理想の注文住宅を手に入れるにはスケジュール管理が大切!
今回は、注文住宅のスケジュール管理について解説してきました。
スケジュール管理をすることで、次に何を決める必要があるのかわかるようになります。
注文住宅は一から作り上げていく作業のため、多くの打ち合わせを行います。打ち合わせが嫌になり、途中で心が折れてしまう方も多いです。
しかし、事前にスケジュールを管理し、いつまでに何を決めるのかを把握しておくことでスムーズに進み、ストレスなく理想の注文住宅を手に入れることが可能となるでしょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。