注文住宅の流れ【土地あり】の場合

注文住宅の流れ【土地あり】の場合

既に土地を購入している場合や、ご両親から土地を譲り受けた方は、注文住宅完成まで、どれくらいの期間が必要となるのでしょうか。

注文住宅は建売住宅や中古住宅等と違い、出来ている家を購入するのではなく、何もない状態から作り上げます。その名の通り、ひとつひとつ注文して住宅を作り上げていくため、かなりの時間を費やしてしまうでしょう。実際、長期の時間を費やしてしまう方が途中で嫌になり、注文住宅を断念している方もたくさんおります。

しかし、事前にどのくらいの期間が必要か、スケジュール管理を理解しておけば、「注文住宅に住めるまでにはこれくらいの期間でゴールできる」という気持ちで作業に取り組むことができるでしょう。

もちろん人によって打ち合わせの時間も異なるため、一概には言えません。しかし、ある程度の期間とスケジュールを理解しておけば、今どの段階まで来たのかわかるようになり、気持ち的にも楽になります。

今回は土地を所有している方向けの注文住宅完成までの流れを解説し、おおよその必要期間を説明していきます。

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土地ありから注文住宅を建てるための流れと期間

土地を所有している方が注文住宅を建てるまでに必要とする期間は、6か月から9か月前後が目安です。

下記の表は注文住宅を建てるまでの流れと作業内容、期間を記載したものです。

流れ

作業内容

期間

融資相談

融資打診

1週間から2週間前後

測量

現況測量を行う

1週間から10日前後

プランニング

図面作成

3日から1週間前後

プラン打ち合わせ

各建築会社と打ち合わせ

1週間から2週間前後

見積もり依頼

金額確定

4日から1週間ほど

建築会社の選定

工事請負契約の締結

1週間程度

仕様打合せ

住宅設備や内装などの確定

1か月から2か月

地盤調査

地盤改良の有無調査

1週間程度

着工

工事の着手

1か月半(着工~上棟)

上棟

上棟

1か月半(上棟~完成)

完成

引き渡し

1か月(完成~引越し)

注文住宅が完成するまでの期間は人それぞれ異なります。

期間が長い方は主に、「プラン打ち合わせ」「仕様打合せ」に日数を要する方です。建物の間取りや、外観、内装の仕様などをひとつひとつ選んでいくため、かなりの時間を要します。

プラン打ち合わせは各メーカーへプランニングと見積もり依頼をします。1社だけでなく、複数社に依頼することで相見積もりが取れ、比較検討できるでしょう。

しかし、依頼する会社が多すぎると、何度もメーカーと打ち合わせすることになるので、時間と労力を費やしてしまいます。さらに、各メーカーにプランの相談をしても、全く同じ間取りや仕様の見積もりは出てきにくいです。各社で解釈が異なるだけでなく、出来る範囲と出来ない範囲があるためです。

そのため、この作業は時間を費やしてしまう要因になります。

更に、仕様の打ち合わせも時間を要します。仕様の打ち合わせとは、住宅設備や内装、建具を選んでいく作業です。一般的にはカタログを見て選択していきますが、実物を見ないと色合いなどもわからないため、ショールームに足を運びます。

基本的にショールームはメーカー毎に店舗が異なります。お風呂はあのメーカー、トイレは違うメーカーとなると、何度もショールームに行くことになり、時間がかかってしまうでしょう。

上記の2点が大きな時間を費やしてしまうところですが肝心なところなのでじっくりと打合せをしましょう

注文住宅の流れ【土地あり】の場合

土地がない場合、土地探しから始まりますが、土地をお持ちの方はそういった面では費用も期間も大きなアドバンテージがあります。

ここでは、土地を所有している方が注文住宅を建築する場合のひとつひとつ細かく説明していきます。

①融資の相談を行う

注文住宅を検討し始めたら、金融機関へ融資の事前相談を行うようにしましょう。

住宅ローンを組んで家を建てる方は、融資が決まらない限り、注文住宅を建築するのは難しいです。

融資の相談をする際、金融機関に源泉徴収票3年分や住民票、身分証明書などを提出することで、1週間から2週間ほどで審査結果が出ます。

基本的には土地を所有していない場合、年収の7.4倍前後の金額まで融資可能です。個人での年収が少ない場合、夫婦などの世帯年収でも融資の相談を受けてくれます。

融資の審査結果が出たら、借入上限額がわかるようになります。上限まで借入しても良いですが、毎月の支払いも考慮しながら検討しましょう。

下記の表は借入金額別毎月支払い額の一覧なります。(フラット35想定で、最も高い金利1.59%の場合)

借入額

月支払い額

1,500万円

46,591

2,000万円

62,122

2,500万円

77,653

3,000万円

93,183

3,500万円

108,714

4,000万円

124,244

4,500万円

139,775

5,000万円

155,306

金利や借入期間によって支払額が異なりますので、毎月の支払い額を設定する目安としてください。

②建築会社へ相談する

毎月の融資限度額が分かったら、建築会社に相談しましょう。

不動産会社や税理士などから紹介された建築会社である場合、マージンが発生します。施主には伝えませんが、紹介手数料を支払うのが、建築業界では一般的です。

おおよそ建築費の3%~5%のマージン料が発生するため、少しでも安く建築したい方は、自身で直接建築会社に問い合わせすることをおすすめします。しかし、どのような建築会社か分からない方も多いので、一度住宅展示場や見学会に行って、物件を見てからの方が良いでしょう。

どの建築会社も詳細まで打ち合わせしてしまうと、かなりの労力と期間を費やしてしまいます。最終的な詳細打ち合わせは契約する会社のみで問題ありません。

③現況測量と地盤調査を行う

建築会社へ相談する際は、プランだけでなく、現況測量を依頼してください。

現況測量は土地の形や面積を測るだけでなく、道路との高低差も測ります。高低差が分からないと残土処分費や盛土費用が計算できませんので、必ず行う必要があります。

現況測量は建築会社に依頼すれば調査してくれますが、費用が発生する可能性もあります。無料の建築会社もありますが、おおよそ数万円から20万円前後の費用が必要となります。

測量が完了した後は、大まかな間取りと住宅設備を決めていきましょう。

④建築会社の選定を行う

各社見積もりが揃ったら建築会社を決めていきます。

判断基準として、下記の3つを比較して選ぶとよいでしょう。

  • 価格
  • アフターフォロー体制
  • 営業マン

価格

価格はもちろん安いことに越したことはありません。安ければ借入額も減り、毎月の返済額も少なくすることができます。

アフターフォロー体制

アフターフォローは住んでから補修箇所があった場合、しっかり対応してくれる企業であるか確認しておくことをおすすめします。

大手などの建築会社の場合、1年点検や5年点検などがあります。建てて終わりという企業はアフターフォローが出来ていない可能性があるので確認しておきましょう。

営業マン

営業マンはその企業の顔でもあります。一生住むことになるかもしれない注文住宅の建築を、信頼できない営業マンに任せるのは不安です。どんなことにも対応してくれる営業マンであるか見極めて下さい。

最終的に建築会社の選定が出来たら工事請負契約を締結し着工準備していきましょう。

⑤着工前後で行うこと

着工前後で行うことは3つあります。

一つ目は地盤調査です。

建物の配置が決まった後は、土地の地盤を調査し、改良の有無を確認します。土地が軟弱な場合、地震などに備えて改良工事を行います。もちろん費用が発生するので、契約時に予算組してもらうことをおすすめします。

2つ目は着工前に地鎮祭を行うかを検討しましょう。

地鎮祭とは、土地の神様に工事の安全を祈願する式典です。一般的には氏神様(地域の神様)が祀られている寺院にお願いし、初穂料として3万円前後支払います。地鎮祭は任意ですが、行われる方が比較的多いです。

もう一点として、着工の前後で、契約が決まっていない内容を打ち合わせして決めましょう。

例えば、外構工事の内容や、火災保険会社の選定などです。後ほどでも良いですが、各業者段取りがありますので、早めに決めておくことをおすすめします。外構工事は工事内容にもよりますが、2週間前後の日数を費やします。外構工事は、建物完成後に行うのが一般的です。

⑥完成時に行うこと

賃貸物件に住んでいる場合、注文住宅が完成する1か月前に、退去の告知を賃貸物件の管理会社に伝えましょう。賃貸借契約に退去の告知は1か月前という項目が記載されているケースが多いです。

そのため、引越し1週間前に退去したくても、告知をしていなければ、1か月分の賃料を支払う事になってしまいます。予め、建築会社に引越しできる日を確認しておきましょう。

土地ありから注文住宅を建てる場合のポイント・注意点

土地を所有している方が注文住宅を建てる場合のポイントと注意点を3つ解説していきます。

  • 毎月の支払額から予算を決める
  • 別途費用がかからないか確認する
  • 現場の確認を怠らない

毎月の支払額から予算を決める

憧れのマイホームですので、さまざまなオプションの付いたかっこいい住宅を検討される方がたくさんいます。

しかし、追加オプションを付けたがゆえに、見積もり金額が上がり、毎月の支払額が増えてしまうことがあります。毎月高額な支払い金額である場合、生活を圧迫してしまう事もあるため、無理ない金額で借入しましょう。

借入金額が決まれば、後は予算に合わせてマイホームを検討していきます。上記の借入金額別毎月支払い額の一覧表を参考に決めていきましょう。

別途費用がかからないか確認する

建築会社と契約した後に、追加費用が請求されたら、誰もが嫌になるでしょう。そのため、「これ以上追加費用は発生しない」という書面をもらうようにしてください。

建築会社のミスで追加費用をもらわないと困るというケースはあります。しかし、融資額の上限も決まっているため、自己資金で支払わなければならないことになりかねません。そのため、建築会社に何度も追加費用のことは確認しておきましょう。

現場の確認を怠らない

多くの建築現場は、日曜日以外は常に動いています。職人だけでなく現場監督もいますので、進捗状況を確認しておきましょう。

万が一、工事が遅れている場合は引越し日も遅れてしまいます。その際は、建築会社から連絡をもらえることが多いですが、連絡してこない会社もあります。

何とか間に合わせようとする突貫工事の要因にもなり、欠陥のある注文住宅が完成してしまうことにも繋がり兼ねません。そのため、何度か現場に足を運び、どれくらい予定通り進んでいるのかを確認しておくことをおすすめします。

参考:土地ありで注文住宅を建てる場合の予算とは?

注文住宅の全国平均予算は、住宅金融支援機構の2020年利用者調査を元に見ると、3533.6万円です。さきほど説明した融資返済額の表を見ると、約11万円前後の支払い額で組んでいる方が多いです。

しかし、地域によって所得が異なるのと同じで、住宅予算の平均値も違います。東京都の場合、平均値が4135.7万円となりますが、鳥取県になると平均値は2607.3万円です。

このように、自身の所得から借入返済するため、無理のない予算に設定することが大切です。生活を圧迫しない支払い額から逆算して計算しましょう。

土地ありなら注文住宅に必要な期間は6ヶ月

今回は土地を所有している方が注文住宅を建築するまでの流れと注意点を解説してきました。

土地ありの場合、融資の相談から始まり、完成して住めるようになるまでおおよそ6か月間です。先に予算を決めてしまえば、後は金額に合わせてお家の内容を検討していくだけです。

長いように感じる方もいらっしゃいますが、今後一生住むことになる大切なお家ですので、しっかり打ち合わせしていきましょう。

6か月頑張った先には憧れのマイホームが待っているので、諦めずに頑張ってください。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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