注文住宅は建売住宅と違い、完成したものを購入するわけではなく、全て一から作り上げていくものです。世界にひとつだけのマイホームは、みなさん憧れるのではないでしょうか。
しかし、注文住宅完成までには決めることがたくさんあるため、何をしていいかわからなくなる方も多いようです。そのため注文住宅を依頼する場合は、次に何をやるのかを事前に整理しておくと便利です。
整理する上で用いるのが注文住宅リストです。
このリストを用いれば、次に決めることがわかり、マイホーム建築をスムーズに進めていくことができます。
まずは注文住宅の流れを把握
注文住宅は建築し始めてから約4か月から6か月間で完成します。しかし、さまざまな打ち合わせなどに時間を要するので、おおよそ1年前後の年数がかかると認識しておきましょう。
注文住宅を検討してから完成までの流れは10項目に分けることができます。
- 毎月の支払額を決め、予算を決める
- 建築場所を決める
- 建築会社にプランと見積もり依頼をする
- 建築会社と仮契約をする
- 住宅ローンの事前審査を行う
- 土地の契約をする
- 建築会社と工事請負契約をする
- 住宅ローンの本審査を行う
- 土地決済を行う
- 工事着手
- 完成
最初は予算から決めていきます。住宅ローンを使用して注文住宅を建築する際は、毎月の支払いに無理がない程度に設定します。
その次に土地を決め、建物を決めていく流れです。焦って土地を決めても良い事はありませんので、十分時間をかけて決めていきましょう。また、良い土地が見つからない場合は、気に入った土地情報が出るまで待つことをオススメします。
土地が決まった後は、建築会社を決めていきます。1社だけでなく複数社見積もりを取り、金額、間取りなどを比較していきます。
土地が決まり、建築会社も決まったら、金融機関の融資審査をして行きましょう。基本的に年収の8倍から10倍の融資上限額と言われておりますが、金融機関によって異なるので、たくさん融資打診してみると良いでしょう。
融資が決まれば土地の契約と決済をし、マイホームの工事が始まります。
あとは完成を待つのみになりますが、それまでの過程で決めることがたくさんありますので、注文住宅リストを用いていきましょう。
注文住宅リストの使い方・注意点
注文住宅リストは、期日までに決めなくてはいけないことを明確にすることで、計画通りの日数で注文住宅を完成することができます。例えば、土地はいつまでに決める、建築会社はいつまでに決めるなどです。
さらに細分化すればキッチンの種類はいつまでに決める、お風呂はいつまでに決めるなどがあります。決めることはたくさんありますが、前もってリストを作成することで、スムーズに進めることができ、予定通りの日程で注文住宅が完成するでしょう。
注文住宅リストを用いる場合、無理な日程を設定しないように気を付けましょう。決めるまでの日数が短いと、焦って決めてしまい、理想のマイホームとは違う建物が出来てしまう要因となります。そのため、余裕を持った日数を設定することが大切です。
人生で一番大きな買い物になるかもれないマイホームです。後で後悔しない為にも、注文住宅リストを用いて一つずつ決めていきましょう。
【保存版】注文住宅の決めることリスト全12項目
マイホームを建築するために決めなければならないことをステージごとに分けると、大きく分けて3つあります。
- 注文住宅会社と契約する前に決めること
- 契約後~着工まで
- 着工~引き渡しまで
順に解説していきます。
注文住宅会社と契約する前に決めることリスト
自分がどのような家に住みたいか、どのような暮らしをしたいかなど、イメージはたくさんあると思いますが、その前に予算を決める必要があります。
多くの方はマイホームを建築するために住宅ローンを組みます。そのため、毎月の支払い(返済)が発生します。生活を圧迫しない支払方法にするためにも、以下の4つの項目を決めていきます。
- 毎月の支払額を決める
- 自宅予定地を決める
- 建築会社にプランと見積もりを依頼する
- 融資事前審査を行い、土地契約をして自宅用地を確定する
毎月の支払額を決める
住宅ローンを組んで注文住宅を建築する方は毎月の支払額を決めましょう。その支払額から逆算して予算を決めます。
住宅金融支援機構のデータによると、2020年度の土地付き注文住宅所要資金は、4,397万円でした。35年ローン、金利1%で計算すると、毎月の支払額は124,121円です。
このように毎月の支払額を決めることで、建築予算を決めることが可能となります。無理ない返済額で設定することが大切です。
自宅予定地を決める
予算を決めたら、次は土地を決めていきましょう。
土地を決める際は、場所、大きさ、価格などの要望を不動産会社やハウスメーカーに伝えます。1か所の土地で決めるのではなく、複数個所リストアップしてもらい、実際の場所を見て決めましょう。
気に入った土地が見つかれば、購入申込書を提出します。購入申込書とは、買主が売主へ土地を購入したいという意思表示を書面にしたものです。購入申込書の内容に売主が同意した場合、他の人に土地が購入される懸念を抑えることができます。
建築会社にプランと見積もりを依頼する
購入したい土地が決まれば、工務店にプランニングと見積もりを依頼します。希望している構造や間取り、仕様などだけでなく、土地代金が分かっているので、建築費予算を事前に伝えましょう。
この際にある程度間取りに関しては決めておいた方が良いです。後で間取りを変えてしまうと見積金額が大幅に変わってしまう要因になります。
建築会社を決めるには、各社見積もりを取り比較します。一概に高ければ良い建物、価格が低ければ安っぽく見えるというわけではありません。各社特徴がありますので、実際に展示場や建築した物件を見て決めていきましょう。
融資事前審査を行い、土地契約をして自宅用地を確定する
建築会社の見積もりが出たら融資の打診をしましょう。
融資の事前審査をする際は、3年分の源泉徴収票や課税証明書、見積書などが必要となってきます。おおよそ1週間から2週間で融資の内諾結果がでます。本審査は建築会社と契約後にしますが、事前審査が通ればおおよそ融資内定となるケースが多いです。
融資の目処がついたら、土地の契約をして行きます。土地の契約の際は、手付金の他に、仲介手数料が必要となるケースもあります。手付金は一般的には土地代金の1割から100万円前後と言われており、生活が圧迫されるほどの金額であれば、事前に不動産会社に確認しておきましょう。
契約後〜着工までに決めることリスト
間取りが決まり、工務店との契約も済み、土地の決済も完了した後は、本格的に建物の打ち合わせをしていきます。建物の打合せが完了したら、資金の話、式典を決めていきましょう。
ここでは契約した後から着工までに決める、以下の4項目を解説します。
- 内装や設備仕様を決める
- 外構工事を決める
- 支払開始日を決める
- 地鎮祭を決める
ここの作業が一番時間を要するので、注文住宅リストを用いてひとつひとつ決めていきましょう。
内装や設備仕様を決める
間取りが決まったら、次は建物の中を決めていきます。
- 設備関連(キッチン・トイレ・洗面台・お風呂)
- コンセント位置
- スイッチ位置
- 壁紙の色
- 床や建具の色
- カーテンレールの位置
- 窓の位置
- 照明器具の位置
- 棚の位置
など、カタログなどを見てそれぞれの候補を固めてから、実際にショールームに足を運び、実物を見て決めていきましょう。
設備関連は生活するうえで、如何に快適な住空間を作れるのかがポイントです。デザインのみを重視せず、利便性を優先することをオススメします。
外構工事を決める
次に建物の外回りを決めていきます。本来は建物完成後に決めても良いのですが、外構工事内容が決まらなかった際は、完成日も遅れてしまうため、事前に決めていた方が良いです。
外構工事は主に、「アスファルトの範囲」「フェンスの位置」「庭や植栽の位置」などエクステリアに関する内容です。場合によってはカーポートを設置や、物置を設置することもありますが、予算も上がりますので、慎重に検討する必要があります。
支払開始日を決める
一般的に工事が着手した際と、完成時に住宅ローンを用いて建築資金を支払います。
支払いした後、借入支払いが発生しますが、据え置きすることも可能です。据え置きすることにより、住宅ローンの返済開始日を遅らせることができます。
金融機関によって据え置きできる期間が異なりますが、注文住宅が完成し、引越ししてから支払い開始するケースが多いです。
地鎮祭を決める
工事のスケジュールは工事請負契約書の日程に基づいて進みますが、工事の前に地鎮祭を行うか決めていく必要があります。
地鎮祭は、マイホームを建築する際に、土地の神様に工事の安全と、その建築に関連する方々の無常息災などお祈りする式典です。基本的には初穂料として3万円前後奉納しますが、今後一生お付き合いするかもしれない土地ですので是非やっておきましょう。
日にちは大安が吉日と言われておりますが、それに限りではありません。ただし、天赦日等の良いお日柄があれば、その日で執り行いましょう。
着工〜注文住宅完成までに決めることリスト
工事が着手したら、基本的に決めることはなく、完成まで待つことになります。しかし引っ越しまでに決めることが、以下の4つありますので、それぞれ解説していきます。
- 上棟式をするか決める
- 工事現場と近隣住人に挨拶
- 引越しに関することを決める
- 保険会社を決める
上棟式をするか決める
近年の注文住宅はプレハブ工法や2×4工法といった棟上げがない工法が主流となってきたため、上棟式が少なくなってきました。しかし上棟式は建物が無事に完成することを願い、建築会社の人や関係者とお祝いする式典でもあります。
上棟式をした後は、宴会などをしますが、その費用は建築主の負担です。呼ぶ人数にもよりますが、数十万円以上となるケースが多いので、十分検討しましょう。
工事現場と近隣住人に挨拶をするか決める
現場への差し入れを持っていく文化は今もなお続いております。コーヒーや菓子折りなどをもっていくことで、職人さんたちは喜んでくれます。もちろん持って行かなくても良いですが、今後お付き合いするマイホームを一生懸命作ってくれている人たちですので、お礼も込めてお渡ししましょう。
また、完成日が近づいてきたら、ご近所挨拶をする日を決めていきます。引越しした後でも構いませんが、近所の方はどんな人が家を建てているのだろうと疑問に思っています。今後長いお付き合いになりますので、早めに挨拶しておくと良いです。
引越しに関することを決める
現在のお住まいから新居に引っ越しますので、引越しの準備をして行きましょう。アパートなどの賃貸にお住まいの方は、退去告知を1か月前に行う必要があります。そのため、工務店に引越しできる日を確認し、不動産会社に連絡する必要があります。
「退去日を先に伝えてしまったが、工事が遅れて入居日がずれた」ということがないように気を付ける必要があります。
保険会社を決める
火災保険や地震保険はローンを組んだ際は必須のため、依頼先を決める必要があります。火災保険は最長10年、地震保険は最長5年のため、期限が切れたら再度契約が必要となります。水災を入れたりすることにより、金額が変動しますので、保険会社と打合せしましょう。
また、2022年度には火災保険が最長5年になりますので覚えておきましょう。
注文住宅の決めることリストで理想のマイホームを建てよう!
これまで注文住宅を検討し始めた時から完成までの流れと、注文住宅リストの内容を解説してきました。
注文住宅を一から作るとなると、何を決めれば良いか分からなくなる方が多いようです。
しかし、全体的な流れを理解し、10項目の注文住宅リストを用いて、決める内容を整理すればスムーズに進めることが出来るでしょう。
もちろん、決めることが多すぎて嫌になってしまうこともあるかもしれません。しかし、頑張って決めた先には憧れのマイホームでの楽しい生活が待っています。
最後まで諦めずに、注文住宅リストを用いて自分に合ったお家を完成させましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。