近年の住宅は省エネが推奨されており、エアコンなどより床暖房を採用している家庭も多いです。特に寒い地域などでは必需品ともいわれており、冬を越すためにも床暖房は有効です。しかし床暖房にも種類があり、どの点をポイントに選べば良いか分からない方も多いのではないでしょうか。そこで今回床暖房を決める際の3つのポイントと成功例・失敗例を紹介します。これから注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。
床暖房の間取りの決め方 3つのポイント
床暖房を決める際は3つのポイントから選ぶようにしましょう。
機能性・デザインで決める
床暖房には「電気ヒーター式」と「温水循環式」の2種類あります。電気ヒーター式は電気が熱源である一方、温水循環式はガス・灯油(重油)・電気(ヒートポンプ)などが熱源になります。それぞれ機能面も異なり、電気ヒーター式は暖房機能の立ち上がりが早い特徴があります。一方、温水循環式は熱源機によって機能が異なる特徴があります。
費用で決める
費用は電気ヒーター式の方が安い特徴があります。電気ヒーター式は12帖から15帖ほどである場合、「600,000円から900,000円前後」となりますが、温水循環式の場合は700,000円~1,000,000円前後」となります。費用面で床暖房を決める場合は電気ヒーター式の方がイニシャルコストを抑えることが可能です。
施工例を見て決める
床暖房の施工範囲を決める際は実際に施工例を見て検討することが望ましいです。見学会やモデルルームを見て床暖房を体験してみましょう。どこまでの施工範囲であれば実用性が高いかなどが判断できます。リビングなどの家具を置く場所には床暖房は必要ありませんので、施工例などを見て参考にしてみましょう。
床暖房の間取りの成功例
床暖房の設置で悩んでいる方は初めに成功例を紹介します。自身が取り付けた際にどのような利点が得られるかなどを把握するのと共に、設置時の参考にしてください。
床暖房の成功例①:エアコンやストーブが不要となった
床暖房は下から熱を伝え、暖かい空気は上へ循環されます。そのためエアコンやストーブが入らなかったという家庭も多いです。もちろん寒い地域では該当しないことも多いですが、近年の住宅は断熱性能と保温性能が高いため、床暖房だけで冬を過ごしている方もいらっしゃいます。さらにエアコンを使用しないため、電気代が節電となり、ストーブなどの灯油購入費用を抑えることにもつながったという成功例もあります。
床暖房の成功例②:寒い朝でも快適に起きられる
床暖房はすぐに暖かくなるため、朝は快適に起きることができたという意見もあります。近年の床暖房はタイマー機能も備わっているため、起床時間に合わせてセットすることも可能です。寒い朝は布団から出たくないという方も多いのではないでしょうか。床暖房の時間をセットしておけばスムーズに起きることが可能となるでしょう。
床暖房の成功例③:乾燥しない
冬場は湿度が低い上にエアコンをつけるとより空気が乾燥し、お肌などにも影響を及ぼすでしょう。しかし床暖房にはその心配はありません。女性や肌が弱い方にとっては大きなメリットとも言えます。
よくある床暖房の間取りの失敗例
3つの成功例を紹介してきましたが、失敗例も多くあります。ここでは3つの失敗事例を紹介するため、床暖房を検討している方はぜひ参考にしてください。
床暖房の失敗例①:使わない場所まで床暖房を取り付けてしまった
リビングのテレビ台やソファーを置くところ、キッチンの食器棚や冷蔵庫を置くところまでも床暖房をしても意味はなく、イニシャルコストだけでなく月々のランニングコストも増えることに繋がります。そのため設計段階で施工範囲を明確にしておくことが大切です。ただしその点を意識するあまりに家具の配置換えなどが限られてくることにも注意が必要です。
床暖房の失敗例②:子供たちが床暖房をつけっぱなしにする可能性もある
子ども部屋に床暖房を取り付けたものの、電源をつけっぱなしにして電気料金が高くなったという失敗例もあります。子供は電気料金などを考慮していないので、十分注意が必要です。また床暖房が暖かいがゆえに床で寝てしまう子もいらっしゃいます。
床暖房の失敗例③:定期的なメンテナンスが必要となることを知らなかった
床暖暖房は電気機器であるために定期的なメンテナンスが必要となります。特に温水式床暖房を設置する場合、温水器の不凍液は4年に一度に補充する必要があります。費用は30,000円~60,000円前後です。また床暖房の一部が破損すると最悪床の張替えや交換が必要となり、更に費用が発生します。そのような状態にならないためにも専門業者の定期点検が必要となるでしょう。
床暖房の間取りが決まらない場合のコツ
床暖房が決まらない方はこれから紹介する3つのコツを参考にしてください。
施工範囲を明確にする
先ほどの失敗事例でも紹介した通り、施工範囲を明確にするようにしましょう。リビングに設置する範囲だけでなく、子供部屋にいるのかなどをよく検討しましょう。施工範囲が増えれば費用も高額となり、注文住宅の建築費が予算オーバーする要因にもなりかねません。そのため建築会社の方とどの範囲まで床暖房を取り付けるかを検討しましょう。
イニシャルコストとランニングコストを比較する
床暖房とエアコンではイニシャルコストが大きく異なります。またランニングコストにも違いが生じるためトータルの支出でどちらが良いか比較してみましょう。ランニングコストに関しては電力会社や使用頻度によっても異なります。詳しくは建築会社の方へ確認して比較してみても良いでしょう。
実際の利用者の声を聞いてみる
床暖房を取り付けている知人や友人に意見を聞いてみましょう。該当者がいない場合、建築会社の方へ確認しても良いです。建築会社は数多くの床暖房を施工しており、お客様の声も届いています。「実際どれくらい使用するのか」「月々の電気料金がどれくらいか」などを把握しています。もちろん家庭によって意見は異なりますが、非常に参考になります。
床暖房の間取りの注意点
床暖房を取り付ける際、メーカーによって機能性や価格帯も大きく異なります。そのため各メーカー比較し、見積依頼をしてみましょう。ただし建築会社が床暖房メーカーと提携している場合、そのメーカーがおすすめです。プロから支持されている商品であるため、お客様も満足できることでしょう。ただし価格帯が気になる方は建築会社の方へ相談し、相見積もりをしてみましょう。
【床暖房】間取りの決め方まとめ
今回床暖房を決める際の3つのポイントと成功例・失敗例を紹介してきました。床暖房はエアコンなどが不要になる可能性も高く、省エネ住宅にも繋がります。ただし冬場しか使用場面はなく、夏場はエアコンが必須です。また取り付ける範囲を大きくし過ぎると費用も高額となるため、施工範囲に注意しながら設置個所を決めていきましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。