注文住宅に全館空調を導入する費用と相場

注文住宅に全館空調を導入する費用と相場

近年では「厚生労働省が省エネ住宅の家と健康への関連性を認める内容を発表」したこともあり、新築住宅へ全館空調の導入が推奨されています。全館空調とは住宅全体の温度管理・空調管理・空気清浄などを1台の設備で管理するシステムのことを指します。日本には四季を楽しめる一方で温度差が激しく、ヒートショック現象などが発生し、脳梗塞や心筋梗塞などの病気を引き起こし、人命にかかわることにもつながりかねません。そのため自宅の温度はある程度均等にした方が良いとされていることから、全館空調システムを導入している家庭も増えています。しかしどれくらいの費用が発生するか分からない方も多いため、本記事では新築注文住宅に導入する全館空調の費用を紹介します。これから注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。

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注文住宅に全館空調を導入する費用と相場

注文住宅の全館空調費用は建築する会社によって異なります。ここではハウスメーカーと工務店を比較した場合の費用を紹介します。

ハウスメーカーの場合

ハウスメーカーで全館空調を導入する場合は約「1,500,000円~3,000,000円」の費用が必要となります。ハウスメーカーの中でも価格の幅が広く、中堅ハウスメーカーより大手ハウスメーカーの方が全館空調導入費用は高くなります。またハウスメーカーの住宅は建築費用も高額となるため、全館空調を導入した総工事費は工務店と比べて1.5倍近くにもなります。後ほど紹介しますが全館空調は4種類あり、それぞれ費用も異なります。特にハウスメーカーの場合は会社で採用されている全館空調が決められているため、建築会社によっては全館空調費用に値幅が生じます。

工務店の場合

工務店で全館空調を導入する場合の費用は約「1,000,000円~1,300,000円」になります。工務店の方がハウスメーカーより利益率も低いため導入費用を抑えることが可能です。さらに新築住宅の建築費用も抑えられトータルの建築費も安くなります。下記の表は40坪ほどの建築費用を工務店とハウスメーカーで比較したものです。

  ハウスメーカー 工務店
建築費用 3,500万円前後 2,500万円前後
全館空調費用 150万円~300万円 100万円~130万円

上記の価格を見てわかる通り、工務店の方が建築費用を抑えることができ、さらに全館空調費用も安く仕上げることができるのが工務店の魅力ともいえるでしょう。

注文住宅に導入する全館空調の選び方

ここからは注文住宅に導入する全館空調の選び方について紹介します。一口に全館空調とはいえ、たくさんの種類があります。そのためどの全館空調が良いか理解しておく必要があります。ここでは全館空調の種類や電気料金、メンテナンス方法を解説します。

全館空調の種類

全館空調には4つの種類があります。ここではそれぞれの特徴について紹介します。

1. 天井吹き出し型
2. 床下冷暖房型
3. 壁パネル輻射型
4. 壁掛けエアコン型

天井吹き出し型

天井に吹き出し口を設置し、ダクトを経由して家全体に冷暖気を送り届ける方法です。吹き出し口のルーバーを調整し、風の向きや室温などを操作することができます。暑い日は冷気だけでなく涼しい風も送り届けることが可能なため、家族全員快適に過ごすことが可能です。ただしコストは4つの中で最も高額です。

床下冷暖房型

床下に室内機と分配ボックスを設置し床からの輻射熱とガラリによる送風で家全体へ空気を送り届ける仕組みです。天井吹き出し型より風力は低く、ゆっくりじんわりと暖める全館空調です。価格に関しては4つの中では中央くらいとなります。

壁パネル輻射型

壁に設置した大型冷暖房パネルから冷暖気を家全体に届ける仕組みです。無音で運転を行うため稼働音が気になることもなくなります。さらに無風であるためホコリが舞うこともなく生活しやすくなります。ただし設置機器によっては天井吹き出し型と同額ほどのコストが必要となるケースも多いです。

壁掛けエアコン型

壁に掛けたエアコン1台で各部屋へ冷暖気を届ける仕組みです。ダクトを経由して各部屋へ届けてくれます。4つの中では最もコストが安いとされています。

全館空調の電気代

全館空調は1日中稼働していることもあり、電気代が高いと思っている方も多いです。その他にも「全部屋に空調が行きわたるから高い」「ネットで電気代が3万円や4万円した」という意見もあります。しかし全館空調の方が電気代は安いという場合も多くあります。全館空調は冷暖房が必要な時期(夏や冬)だけ自動運転し、その他は換気のみの運転と設定することも可能となります。通常の家の場合はエアコンのスイッチを入れたり消したりするため電気料金が高くなってしまいますが、全館空調には自動調整や予約機能も導入されているため、いちいち電源をオフにする必要もありません。空調設備は電源のオンオフが一番電気使用量が多くなるため、全館空調の方が安くなるというケースも多いのが実状です。5人家族の場合、冬場の電気料金が10,000円だったものの、全館空調の月料金は8,000円で済んだという方もいらっしゃいます。もちろん使用量や電気のオンオフ回数によって各家庭の電気料金は異なりますが、全館空調の方が電気料金を安くできる方法が多いと認識しておきましょう。

全館空調のメンテナンス

全館空調は定期的なメンテナンスをすることで長持ちさせることが可能です。ここでは自身でできるメンテナンス方法を紹介します。

メンテナンス方法

全館空調のメンテナンスは「集中排気吸い込み口」と「換気システム」のフィルター掃除を行うだけです。フィルターの掃除を行わないと以下のようなトラブルが発生します。

● 運転音が大きく、騒音に感じる
● 結露が発生した
● モーターが故障し取り換えが必要となった
● 電気料金が高くなった

トラブルが発生した場合、最悪全館空調の取り換えが必要となるかも知れません。そのため集中排気吸い込み口のフィルターは1か月に1回、換気のフィルターは3か月に1回を目処に清掃しましょう。万が一フィルターが壊れた場合はインターネットで探すと数千円程度で購入可能です。しかしフィルターの交換だけでは十分なメンテナンスとは言えません。そのため専門業者へ依頼し定期的な検査を行うようにした方が良いでしょう。

メンテナンス費用

先ほどは自身で簡易メンテナンスを行う方法を紹介しましたが、全館空調は電気機器であるため、専門業者へ依頼し配線やダクトなどの確認をしてもらうことも大切です。専門業者へ依頼した場合は「10,000円~50,000円」程度の費用が発生します。また全館空調の部分修理・部品交換が必要な場合は、さらに追加で費用が発生します。部品にもよりますが、数万円~数十万円もの費用ともなります。全館空調の全交換をしないためにも定期的なメンテナンスを行い、長持ちさせるように心がけましょう。

注文住宅に全館空調を導入する場合の注意点

全館空調の導入費用は決して安い価格ではありません。費用面を考慮すると導入するか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのため検討中の方ははじめにメリット・デメリットを理解しておきましょう。

全館空調のメリット

全館空調には以下の5つのメリットが挙げられます。

1. 室内温度を維持できる
2. きれいな空気を維持できる
3. 部屋干しも可能
4. スッキリした空間にできる
5. 外観もスッキリできる

室内温度を維持できる

冒頭にもお話したとおり室内温度を維持することができ、ヒートショック現象を抑えることが可能です。ヒートショックとは10度以上の温度差がある場所へ移動すると血流が急激に変化し、心筋梗塞・脳梗塞・不整脈などを起こして人命にかかわるリスクが高まる現象のことです。特に高齢者の方の入浴時には注意が必要です。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの調査では、ヒートショック現象による死亡事故は年間1千人にものぼると推計されています。そのため快適な住環境を過ごすだけでなく、人命を守るためにも室内温度の維持は重要です。

きれいな空気を維持できる

全館空調を設置することで家の中の空気をクリーンな状態に保つことが可能です。現在の住宅は24時間換気が標準仕様となっていますが、全館空調の換気口フィルターにより花粉や塵PM2.5といった微粒子までもキャッチできるようになっています。そのため、室内の空気はきれいな状態で維持できるのが大きなメリットでもあります。また全館空調は常に空気の巡回をしており、カビや水滴が付きにくい特徴があります。そのためエアコンのようなカビの臭いなども発生しないため、快適な生活を送ることが可能です。

部屋干しも可能

室内の空気がきれいなため、気持ちよく部屋干しすることも可能です。近年ではプライバシーの観点から外に干すより部屋干しされる方も増えて来ました。部屋干しする際気になるのは臭いです。生活臭などが衣類につくことを嫌がる方も多いでしょう。しかし全館空調は常にきれいな空気であるため安心して部屋干しが可能となります。

スッキリした空間にできる

全館空調は天井や床材に空調設備を取り付けるため、壁パネル輻射型と壁掛けエアコン型以外の全館空調であればエアコンのように壁に取りつけすることはありません。そのため部屋全体をスッキリすることが可能です。壁にインテリアや絵画などを掛けられるスペースも広くなるためよりおしゃれな住宅にすることが可能です。

外観もスッキリできる

エアコンを設置した場合室外機を外に設置しなければいけません。エアコン1台につき一つの室外機が必要となり、外に置くと見栄えが悪くなります。ベランダなどに設置することも可能ですが邪魔と感じる方も多いです。全館空調は種類によるものの室外機1台だけで済ませることができるため、住宅の見栄え低下にはつながりにくい特徴があります。

なお4つのデザイン性については以下の表を参考にしてください。

全館空調の種類 天井吹き出し型 床下冷暖房型 壁パネル輻射型 壁掛けエアコン型
デザイン性 室外機の露出はない 床下に収めるため露出がない パネル設置場所の検討が必要となる 室外機の設置は必要。複数の室外機になることもある

 

全館空調のデメリット

全館空調のメリットを紹介しましたがデメリットもあります。ここでは以下の5つのデメリットを紹介します。

1. 設置コストがかかる
2. 定期点検が必要
3. 一つ故障すると全空調が操作できなくなることも
4. 部屋ごとの温度調整が難しい
5. 使い方によっては電気代が高くなることも

設置コストがかかる

先ほどもお伝えした通り全館空調の導入には費用がかかります。建築会社によって価格は異なりますが、数百万円以上と高額となることがほとんどです。また全館空調の導入する種類によっても費用が異なり、天井吹き出し型となると300万円近い価格となるでしょう。全館空調の導入は決して安い価格ではないため、建築予算と十分考慮したうえで設置するようにしましょう。

定期点検が必要

全館空調は換気フィルターの定期清掃が必要なうえ専門業者の定期点検を行う必要があります。フィルターの清掃を専門業者へ依頼しても問題ありませんが、その都度費用が発生し、年間だけでも数万円にもなりかねません。そのため多くの方が自身でフィルター掃除を行いますが、定期点検を無視しがちです。定期点検をしなければ事前に故障個所を見つけることができず、結果全交換にもつながりかねません。そのため定期点検は必須となります。全館空調は導入費用だけでなく定期点検による維持費が必要なデメリットがあります。

一つ故障すると全空調が操作できなくなることも

全館空調は一か所故障すると全部屋への空調設備が行き届かなくなるデメリットがあります。動力源が故障すると各部屋へ冷暖気を送ることもできなければ換気設備も動かなくなります。エアコンなどの場合は1台ごとに動力が分かれているため、上記のような問題は発生しませんが、全館空調は全て一つのシステムとして稼働しているため、どこか破損すると家全体へのダメージも大きくなります。

部屋ごとの温度調整が難しい

エアコンの場合は1台ごとの温度調整が可能です。しかし全館空調の場合は一定範囲内に温度環境を整えるのが特徴です。近年では部屋ごとの温度調整ができる全館空調も出てきましたがそれでもなお多少の調整しかできないデメリットもあります。居住者の中に寒がりの方と暑がりの方がいると温度調整が難しくなります。結果寒がりの方は追加で暖房機器を使うため電気料金が高くなるということにもつながります。

使い方によっては電気代が高くなることも

先ほどの温度調整だけでなく、家族全員がリビングに集まる時間が長いと他の部屋への冷暖気は無駄になります。もちろんヒートショック対策にはなりますが、リビングに集まる家族が多い場合はエアコン1台で済むため、全館空調の方が電気料金は高くなるケースも考えられるでしょう。

注文住宅の全館空調導入に関するQ&A

ここでは全館空調の導入に関するQ&Aを一つ紹介します。全館空調は費用も高額なため少しでも安くする方法はないか知りたい方も多いのではないでしょうか。ここでは全館空調の費用を抑える方法について紹介します。

全館空調の費用を抑える方法はありますか?

全館空調には4種類あり費用は以下の順番で高額となるケースが多いです。

1. 天井吹き出し型
2. 床下冷暖房型
3. 壁パネル輻射型
4. 壁掛けエアコン型

費用を抑えたい方は壁掛けエアコン型にすることをおすすめします。ただし性能は上から順番に良くなるため費用対効果を検討したうえで決めるようにしましょう。

また先ほどもお伝えした通り、全館空調の注文住宅を建築する場合はハウスメーカーより工務店の方が圧倒的に費用を抑えることが可能です。もちろん建築会社によって価格は異なりますが、全国的にも工務店が最も安い特徴があります。安いからといって施工能力が引くわけでなく、利益率がハウスメーカーより低いだけです。そのためコストを重視する場合は工務店での建築をおすすめします。ハウスメーカーで見積もりすると、住宅ローンの借入限度額から全館空調を取り入れることができなかったという方もいらっしゃいます。しかし工務店で建築すると全館空調だけでなくさまざまなオプションも追加できたという事例もたくさんあるのでぜひ検討してみてはいかがでしょう。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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