近年注文住宅の中で吹き抜けが人気となってきました。おしゃれ住宅特集の雑誌に、吹き抜けを採用している住宅を多数見受けます。また、吹き抜けにはおしゃれだけでなく、さまざまなメリットがあり、より住空間を良くするために用いられています。
そこで今回、吹き抜けにはどのようなメリットがあるかを紹介します。また重ねてデメリットも紹介し、施工費用なども解説していきます。これから注文住宅の建築で吹き抜けを作るか検討中の人は、ぜひ参考にしてください。
注文住宅の吹き抜けの費用相場
注文住宅の吹き抜けの費用相場は、50万円から250万円前後となります。ただし、吹き抜きの大きさによって金額は異なりますので、目安としておきましょう。
本来吹き抜けを作るとなると、床が無くなるので施工費が安くなると思われがちです。しかし、床が無い分、2階部分の構造をより安定させなければなりません。更に天井の工事などをする際、プラスで足場費用などが必要となります。床があれば、天井周辺の施工が安易となりますが、床が無い分施工費が上がるというイメージです。
もちろん建築会社によっては吹き抜けにしても費用は変わらないというケースもあります。吹き抜けを施工する場合は、注文住宅会社に費用相談して見るのが良いでしょう。
注文住宅の吹き抜けの選び方
注文住宅に吹き抜けを追加するか悩んでいる方へ、吹き抜けのメリット・デメリットを紹介します。また、設置例や工期、メンテナンス方法などを紹介するので、参考にしてください。
吹き抜けのメリット
注文住宅に吹き抜けを設定するメリットは以下の5点が挙げられます。
- 解放感が広がる
- 風通りが良くなり、暑さ対策にもなる
- 家族とのコミュニケーションが取りやすい
- 窓を追加することで部屋が明るくなる
- 今風のおしゃれ住宅に出来る
解放感が広がる
一般的な住宅の天井高さは2.4mほどですが、吹き抜けにすることで、その倍近くの高さにすることができ、解放された空間になります。天井の高さをあげることで、部屋の圧迫感がなくなるメリットがあります。
風通りが良くなり、暑さ対策にもなる
吹き抜けをつくり、窓を開けることで空気の循環がより良くなります。また夏場に感じる熱い空気は上に集まる傾向があり、天井が高ければ、熱い空気を避けることが可能となります。吹き抜けは熱中症対策にもなる特徴を持ち合わせています。
家族とのコミュニケーションが取りやすい
リビングに吹き抜けを設置することで、家族を呼ぶときが非常に楽になります。子供を呼ぶために、2階の部屋まで行くということは少なくなるでしょう。また家族がどこにいるかも把握しやすくなり、キッチンからも声をかけることが可能なため、家族間のコミュニケーションが取りやすい環境にすることにも繋がります。
窓を追加することで部屋が明るくなる
吹き抜けの2階部分に窓を設置するのが一般的なため、より日当たりが良くなります。つまり部屋全体を明るくすることにつながります。また、住宅地で明かりが取りにくい場所でも、吹き抜けをつくり、窓を設置すれば解消できることでしょう。
今風のおしゃれ住宅に出来る
近年の注文住宅は吹き抜けを採用している家が多いです。これまで紹介したメリットの他にも、吹き抜けをつくることで、さまざまなものを飾ることができる壁が多くなります。少し高い位置にアートを飾って、ワンポイントにしているおしゃれな家も見受けられます。
吹き抜けのデメリット
吹き抜けにはメリットもあればデメリットもあります。ここでは5つのデメリットを紹介します。
- コストがかかる
- 2階のスペースが減る
- 光熱費が上がるケースもある
- 1階の声が2階にも届く
- 掃除が大変
コストがかかる
本記事の最初にもお伝えした通り、吹き抜けを作るには費用がかかります。決して安い金額ではないため、注文住宅の建築時には慎重に検討しましょう。吹き抜けを作ることにより、建築予算がオーバーし、キッチンやお風呂のグレードを下げたり、住宅面積を狭くしなくてはいけないことにもなりかねないデメリットがあります。
2階のスペースが減る
吹き抜けを作ることにより、2階のスペースは減ってしまいます。場合によっては、2階の他の部屋や収納スペースが小さくなる可能性もあります。将来子供が増え、子供部屋が足りないとなった場合、吹き抜けにしなければ良かったと感じる方もいらっしゃいます。
光熱費が上がるケースもある
暖房を利用したとしても、暖かい空気は天井に循環してしまいます。そのため暖房機器の温度を上げたり、風力を強くしてしまい、光熱費が上がるケースもあります。また、暖かい空気を循環させるため、天井にファンを設置した場合でも、ファンの電気代金は必要となるでしょう。そのため光熱費があがってしまうケースも考えられます。
1階の声が2階にも届く
吹き抜けにすることで、家族とのコミュニケーションは取りやすくなりますが、一方で吹き抜けがあるリビングで大きな会話をしていた場合、2階の部屋にも届く可能性は十分あります。1階と2階の天井が無い分、音の問題は必ず出てくるでしょう。
掃除が大変
吹き抜けを作り、窓を設けた場合、定期的な窓の掃除は行わなければなりません。さらに内側だけでなく、外部からも必要となるでしょう。窓は高所のところにあるので、梯子を使って掃除することになります。手間だけでなく、危険も伴うため、掃除に関しては大変な作業となるデメリットがあります。
吹き抜け設置例
通常、吹き抜けはリビングに設置します。リビングは生活の中心となり、家族が集まるところです。家族が集まる場所の日当たりを良くして、その場所から声をかけられるようにするのが一般的な設置例です。
また、場合によっては玄関に設ける方や趣味の部屋に設ける方もいらっしゃいます。それぞれに用途に合わせた吹き抜けを設置している方が多いです。どの空間に吹き抜けを設置した方が、一番使い勝手が良いかを検討して設置しましょう。
吹き抜けの工期
吹き抜けは新築の住宅工事期間中に行うため、明確な工事期間はありません。リフォームや増築で吹き抜けをつくる場合は、2週間から3週間ほどで完成しますが、新築注文住宅の場合は、工事段階に合わせて作っていきます。吹き抜けだけに特化して作るということはありませんので、工事が完成するタイミングと認識しておきましょう。
吹き抜けのメンテナンス
吹き抜けのメンテナンスは、窓掃除がメインとなります。吹き抜けの天井のメンテナンスはほとんどなく、柱や梁などの拭き掃除程度です。しかし、定期的な掃除が必要となりますので、メンテナンス方法や費用を紹介していきます。
メンテナンス方法
吹き抜けに関するメンテナンス箇所は以下3つです。
- 壁
- 窓
- 照明
壁などはハンディモップなどでほこりを払う程度で問題ありません。クロスを拭きたい方は、乾拭き対応するようにしましょう。窓や照明に関してはモップやクイックルワイパーなどで拭き掃除します。高い場所にある場合は、梯子を使って掃除しても構いませんが、落ちないように最大限の注意を払いながら行うようにしましょう。
メンテナンス費用
吹き抜けに関する清掃を業者に委託した場合、数万円程度の費用となります。業者によって大きく異なるので、複数社に相談して価格を比較しましょう。
また、照明などの交換、窓の交換が必要となった場合、更に追加費用が発生します。決して安価な金額ではありませんので、常に使い方に意識して、極力交換などが無いようにしましょう。
注文住宅の吹き抜けに関するQ&A
吹き抜けの費用を抑える方法はありますか?
先ほどもお伝えした通り、吹き抜けを施工するにあたって高額な費用が発生してしまいます。少しでも安く吹き抜けを施工したい場合は、以下の点を意識して見ましょう。
1. 吹き抜け範囲を広くしない
吹き抜けの施工範囲を大きくし過ぎると、施工金額が広がるだけでなく、他の部屋も小さくなりがちです。吹き抜けを設置した上で、更に他の部屋を小さくしたくないとなると、次第に住宅面積は大きくなってしまうでしょう。
住宅面積が大きくなると建築コストも増額してしまいます。そのため、吹き抜けを作る範囲は、注文住宅会社と十分打ち合わせをして、予算を考慮しながら作るようにしましょう。
2. 窓を大きくし過ぎない
自然光を多く取り入れるため、窓を大きくしようと検討されている方もいらっしゃると思います。窓を大きくし過ぎると、費用も大きくなる傾向があります。最低限の窓の大きさで考慮するようにしましょう。
3. 天井の照明器具にこだわり過ぎない
吹き抜けの天井には照明を設置します。少しでもコストを抑えたい方は、照明器具を安いものを選びましょう。せっかく吹き抜けを作ったので、おしゃれで高級な証明器具を取り付けたいと思う方も多いはずです。しかし、注文住宅の建築予算にも影響が出るため、予算をオーバーするのであれば、証明器具を変更して予算内に収めるようにしましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。