スロップシンクは底が深い流しであるため、掃除道具や靴などの掃除に使われます。スロップは英語で「汚水」を意味することから、キッチンや洗面化粧台で洗うのに抵抗がある人や大きいものを洗う予定のある方が取り入れている傾向にあります。しかしスロップシンクを入れて後悔したという方も少なくありません。本記事ではスロップシンクを設置して後悔した理由とメリット・デメリットを紹介します。
スロップシンクでよくある後悔とは?
スロップシンクを設置して後悔したという方はどのような理由なのでしょうか。ここでは3つの理由を紹介します。
使わなくなる
スロップシンクで後悔される方で最も多い理由は「使わなくなる」という点です。掃除道具などを洗う目的で設置したものの、近年では掃除機などで掃除が完結します。スロップシンクは大きめのモップやバケツを洗う時に使用しますが、そもそも掃除機で掃除するため、使う方が減っています。その結果設置したものの使わなくなったという意見が多いです。
邪魔となった
スロップシンクを設置したものの邪魔となったというケースです。ベランダに設置する方や玄関に設置する方などさまざまありますが、使わなくなると邪魔だなと感じる方も多いです。撤去するにも費用がかかるためそのままにしている方も多いです。
使用していないとメンテナンス費用がかかる
特に外部に設置していると砂埃や落ち葉が排水溝に溜まり、使用できなくなる可能性があります。そのため定期的なメンテナンスや清掃が必要となるでしょう。手間がかかることはもちろん、長期間放置していると使えなくなったということになり、専門業者に修理を依頼することになって後悔したという方もいらっしゃいます。
お湯が出ない
スロップシンクを設置したものの、お湯がでなくて後悔したという方もいらっしゃいます。特に冬場では洗い物を水で行うのは困難です。さらにお湯の方が汚れが落ちやすいため、失敗したという事例です。
スロップシンクのメリット
スロップシンクの後悔例を紹介しましたが、そもそも設置するメリットはどのような内容が挙げられるのでしょうか。ここでは2つのメリットを紹介します。
使用用途が多岐にわたる
スロップシンクは「深さのあるもの」「汚れがひどいもの」を洗う場所として利用されます。実際どのような使用用途があるのかを一例にまとめました。
● 雑巾やモップの洗い場
● 深さのあるバケツに水を汲める
● ペットのシャンプー場所としても活用できる
● 大根などの大きい野菜を洗える
● アウトドア用品なども洗える
● 靴などを洗える など
上記の他にもさまざまな使用用途が挙げられます。一見後悔する方も多いですが、たくさんの用途がある点がスロップシンクのメリットとして挙げられます。
外部水栓は不要
外部水栓を用いて外の植栽に水やりをする方もいらっしゃいます。しかしスロップシンクからホースをつなげても水やりが可能となるため、外部水栓は不要となります。もちろん設置場所がポイントとなりますが、外の水栓周辺は汚れが溜まりがちです。しかし玄関などの室内にスロップシンクを設ければ、掃除する頻度も減りつつ水やりなどが可能となります。
スロップシンクのデメリット
一方でスロップシンクにもデメリットがあります。ここでは4つ紹介します。
設置にコストがかかる
スロップシンクを設置する場合、シンク代金に加えて配管工事に費用がかかります。シンク代は2万円〜5万円前後であるものの、配管工事と施工費を加えると10万円近い価格になるでしょう。もちろん依頼する業者によって異なるため一概には言えないものの、間違いなく工事費がかかるデメリットが挙げられます。
部屋の見栄えの低下
シンク自体、決して見栄えの良いものではありません。スロップシンクはサイズが大きいため空間の見栄えの低下につながります。もちろん個人によって感覚は異なりますが、できれば隠しておきたい方も多いはずです。
設置スペースが必要
スロップシンクを設置する際はある程度スペースが必要となります。狭い場所に設置すると邪魔と感じる方も多いため、ある程度開放的なスペースに設置することが求められます。そのため間取りの工夫などが求められるでしょう。見栄えの低下にもつながることから、クローゼットのように扉を設けて隠しておく方もいらっしゃいます。
種類が少ない
スロップシンクの種類は決して多くありません。そのため内装デザインや建物の外観などに合わせたデザインにすることができない可能性があります。もちろん今後豊富なデザインのスロップシンクが生まれるかもしれませんが、現状では少ないため注意しましょう。
スロップシンクで失敗・後悔しないためのポイント
スロップシンクを設置して後悔しないためにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
本当に必要なのかを確認する
先ほどの後悔例でもお伝えした通り、スロップシンクを設置したものの「使わなくなる」方が多いです。そのため本当に必要なのかを確認しましょう。スロップシンクを設置する際は使用用途と頻度を明確にしておくこと。「何のために設置するのか」「代用品はないのか」を検討し、使用頻度が多くなるのかもチェックしましょう。スロップシンクの設置はコストだけでなく場所も取ります。そもそも必要であるのかは何度も確認してください。
設置場所を検討すること
スロップシンクの設置場所によっては邪魔と感じる方もいらっしゃるため、事前に設置場所を考慮しておくことが大切です。「使用頻度が高い場合は使いやすいところ」「それほど多く使用しない場合は生活動線から離れたところ」などが好ましいでしょう。一般的には玄関やベランダなどが挙げられますが、どの場所に設置するかはお客様次第です。なおかつスロップシンクを見せたくないという方は扉などで隠すことで、動線上の邪魔になる可能性も低くなります。設計段階でどこに設置すれば邪魔にならないかを考慮して間取りに反映させることで、後悔しないスロップシンクにすることにつながります。
スロップシンクの機能性を考える
スロップシンクからお湯を出るようにしたり、シャワーホースが付いている製品にするとより高機能で使いやすくなります。寒い時期に水で洗うとなると、手もかじかんでしまうため、お湯が出る機能がおすすめです。また深さのあるスロップシンクであっても、大きいものでははみ出してしまう可能性もあります。その際役立つのがシャワーホースです。機能性も高まれば後悔することも低くなるため、ぜひ検討してみてください。
スロップシンクの実物を見る
スロップシンクの実物を見ることも後悔しないためのポイントの一つです。実物を見ることで、製品のイメージだけでなく、高さの調整も可能です。スロップシンクの高さが低いと腰を痛めてしまうことにもつながりかねません。そのためショールームなどに足を運び実物を見るようにしましょう。
こんな人はスロップシンクの設置がおすすめ!
ではどのような方にスロップシンクが向いているのでしょうか。ここでは向いている方3選を紹介します。
家庭菜園をしている方
家庭菜園をしている方は、スロップシンクがあれば野菜を洗う場所として利用できるためおすすめです。キッチンなどでも野菜は洗えますが、量が多いとシンクに収まりません。しかし深さのあるスロップシンクであれば、一度に多くの量の野菜を洗うことが可能です。といいえ家庭菜園をしている方の中でも収穫量が多い方がおすすめです。それほど育てる野菜の量が多くないのであれば、わざわざ建築コストを費やしてスロップシンクを設置する必要はないでしょう。どれくらいの家庭菜園をするかを決めてからスロップシンクを設置するか検討することをおすすめします。
子どもが多い家庭
小さな子どもが多い家庭では、運動靴などをまとめて洗う機会があるでしょう。その際役立つのがスロップシンクです。キッチンなどでは使用頻度も多いため、漬け置き洗いなどができません。しかしスロップシンクは使用頻度も多くないことから点け洗いも可能です。また運動靴を洗う以外にも子どもが外で遊ぶおもちゃなども洗うことが可能なため、お子さんが多い家庭にはおすすめです。
ペットを飼っている家庭
ペットのシャンプー場所としても利用することができます。お風呂などで洗う家庭も多いですが、どうしてもペットは毛の量が多く気になる方もいらっしゃるでしょう。スロップシンクであれば自身が入るお風呂とは別なため、気にせず洗うことが可能です。外で遊んで汚れてきた際は、玄関周辺に設置すると、家の中を汚さずにペットを洗うことが可能となります。
スロップシンクで後悔しない方法まとめ
スロップシンクは家庭によって使用頻度が異なるため、使わなくなったため不要だったという家庭もいらっしゃいます。一方で野菜を洗う場所やペットのシャンプー場所として利用している方も多いです。スロップシンクを設置する際は、使用目的を明確にすること。理由もなく設置すれば後悔することは当たり前です。なぜ必要なのかを決めて工事費と相談しながら取り入れるかを決めていきましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。