注文住宅会社と打合せを進めていく中で、「どの段階になったら契約したらよいのだろか」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「間取りが決まったら?」「見積金額が確定したら?」「注文住宅会社に契約の催促されているけど大丈夫?」などさまざまな疑問があるでしょう。
そこで今回注文住宅会社と契約するタイミングについて解説します。契約するタイミングが分かれば、建築会社から契約を催促された時に「本当に契約しても大丈夫?」という不安もなくなることでしょう。
また、本記事では契約するタイミングの他に、契約書の注意点も解説します。契約書の内容を理解せず契約してしまい、トラブルとなることも考えられるためです。
これから注文住宅会社との契約が近い方はこの記事を参考にしてください。
注文住宅会社と契約するタイミングはココ!
注文住宅会社と契約するタイミングは以下の3つの内容を確定させてから進めましょう。
- 間取りや仕様を確定させてから
- 価格に納得してから
- 契約書の解約内容を理解したら
基本的には金額の確定と、万が一の対処方法を理解することができたら契約するタイミングとなりますが、ここでは3つの点を解説していきましょう。
間取りや仕様を確定させてから
注文住宅会社と契約するタイミングの一つとして、建物の間取りや住宅設備、内装など、建物に関する内容は全て確定してからになります。確定しないと、見積金額も決まらないからです。
万が一確定しないまま契約した場合、後々追加費用が求められたり、住宅ローンを組む金融機関に再度融資審査してもらう場合となったり、自身の預金から追加費用を支払うことになってしまいかねません。
そのようなことが起きないためにも、間取りや仕様を確定させて、お願いした項目が全て入っているか確認しましょう。
価格に納得してから
間取りや仕様が確定すれば、見積金額も確定することでしょう。
多くの方は住宅ローンを組んで注文住宅を建築するため、価格が高ければ借入額も高くなり、毎月の支払い額も変わってきます。そのため、ただ見積金額を見て納得するのではなく、毎月の借入返済額を検討したうえで、契約するかを検討していきましょう。
契約書の解約内容を理解した
注文住宅会社と契約したものの、何かしらの理由で解約した場合、違約金が発生するケースもあります。注文住宅会社によっては高額な違約金となることもあるでしょう。
注文住宅会社との契約書には、工事請負契約約款の添付が義務付けられており、解約に関する条項が明記されています。そのため契約する際は、万が一解約した際の違約金や対処方法についてしっかり説明してもらいましょう。
また、一般的には住宅ローンの融資が下りなかった場合は、契約を白紙撤回できるローン特約が明記されています。ローン特約の場合、違約金などは発生しません。
しかし、注文住宅会社によっては記載が無い場合もありますので、必ず確認しておきましょう。
注文住宅の契約タイミングを急かす業者には要注意!
注文住宅会社から契約の催促をしてきた場合は要注意です。
本来間取りや仕様、解約に関するに内容を理解した上で注文住宅会社と工事請負契約を締結します。しかし、建物に関して内容が確定していないのも関わらず、契約を進めてくる注文住宅会社がいるのも実態です。
注文住宅会社としては、毎月の売り上げ予算があったり、他社と契約させないためが主な理由でしょう。そのような場合、契約に対して慎重になるようにしましょう。また、契約後に追加費用が請求されるケースや、工期が変わってしまうケースも考えられます。
そのようなことが起きないためにも、契約の催促をしてくる注文住宅会社には注意が必要です。
万が一契約してしまった際は、契約書とは別に、「これ以上追加費用は発生しない」などの覚書を締結しておくことが対処方法となります。覚書を締結することにより、注文住宅会社も追加費用の請求はできなくなることでしょう。
注文住宅の工事請負契約までに決めること
注文住宅の工事請負契約を締結するまでに決めることは大きく分けて5つに分けることが出来ます。
- 建築予算を決める
- 計画地の確定
- 建物の間取りの確定
- 住宅設備の確定
- 注文住宅の見積金額の確定
1.建築予算を決める
注文住宅会社と契約する前に、建築予算を決めておきましょう。
建築予算も決めずに注文住宅会社と打合せを進めていても、高額な見積もりを提出されて契約をしないということになった場合、いままでの打ち合わせは水の泡となります。
そのため住宅ローンを組んだ場合、毎月の支払い額から逆算した予算を決めていく事が大切です。
2.計画地の確定
注文住宅を建築する方の多くは、土地を所有していない方です。
土地が決まっていなければ、家を建てるどころか、プランニングさえできません。そのため計画する土地を決めていきましょう。
プランニングの段階では計画地の購入はしなくても問題ありませんが、注文住宅会社と契約する前には土地の売買契約を行っておきましょう。
3.建物の間取りの確定
先ほどのお伝えした通り、見積金額を確定させるため、間取りの確定が必ず必要です。
配置図や平面図、立面図などをみて、注文住宅会社と打合せして確定させていきましょう。契約後に間取りの変更をした場合、金額だけでなく、工程も変わってしまう恐れがあるため、必ず契約前に決めるようにしておきましょう。
4.住宅設備の確定
住宅設備も間取り同様、見積金額を確定させるために決めておきます。
住宅設備はキッチンやお風呂、トイレなどを決めていきます。この際カタログだけをみて決めることはやめておきましょう。後々、思っていたものより小さかった、色合いが違ったなど後悔する事にもなりかねません。必ずショールームで実物を見てから確定させていきましょう。
5.注文住宅の見積金額の確定
上記の2点が確定することにより、見積金額の確定が可能となります。
見積金額が確定した後は、これ以上変更内容がないか図面と見積内容を確認しておきましょう。また、契約後に行った地盤調査により地盤改良工事があった場合は、追加費用となることもあるので必ず注文住宅会社に確認しておきましょう。
「工事請負契約書」の種類と内容
工事請負契約書には下記の4つを添付します。
契約書の種類 | 内容 |
---|---|
建築工事請負契約書 | 発注者と注文住宅会社で結ぶ契約書 |
建築工事請負契約約款 | 発注者と注文住宅会社で締結する契約書を補完するもの |
設計図書 | 工事請負契約書に添付する図面等 |
工事費見積書 | 注文住宅会社の請負金額を詳細項目にしたもの |
建築工事請負契約書
建築工事請負契約書には、発注者と注文住宅会社の住所氏名を記載し、支払金額や支払いスケジュール、支払い方法などが記載されております。
建築工事請負契約約款
建築工事請負契約約款は発注者と注文住宅会社が双方協力して、工事を完遂させるための条項と、万が一工事に関するトラブルなどがあった際の対処方法が明記されています。注文住宅の契約約款は、工事請負契約を補完するものです。
設計図書
契約書に添付する契約図書は、注文住宅会社によって異なるものの、「配置図」「平面図」「立面図」「矩計図」「仕上げ表」などが挙げられます。建物の配置から間取り、住宅仕様や断熱材の内容などが確認できます。
工事費見積書
工事費見積書は注文住宅に関する建築金額を項目ごとに分かれたものです。
例えば、今まで注文住宅会社から提示されていた本体金額を「仮設工事」「基礎工事」「外壁工事」などに分けて提示されます。より詳細に項目ごとの単価がわかるものと認識しておきましょう。
注文住宅の契約書の注意点
注文住宅といざ契約となった際は、とりあえず署名捺印をするのではなく、下記の4点を必ず確認するようにしましょう。
- 設計図書を確認し、図面に相違がないかを確認
- 建築代金の再確認を行う
- 工程スケジュールや支払いサイクルの確認
- ローン特約確認
設計図書を確認し、図面に相違がないかを確認
今まで打合せしてきたとおりの図面になっているか確認しましょう。
契約書に署名捺印してしまった後に図面の間違いに気が付いた場合、工事前であれば修正可能ですが、工事が進んでいた場合は修正が難しくなります。後々トラブルにならないためにも、注文住宅会社から図面に関して一から説明をうけることが良いでしょう。
建築代金の再確認を行う
工事請負契約書には建築代金が明記されているため、再度確認しておきましょう。
建築代金は住宅ローンの申請にも関わるため、これまで打合せしてきた金額と相違がないかをチェックすることが大切です。
また、さきほどの注文住宅会社が契約の催促をしてくるうえ、金額が未記入の場合もあります。勝手に金額がかかれる場合もありますので、そのような場合は必ず契約をしないようにしましょう。
工程スケジュールや支払いサイクルの確認
工事請負契約書には工事は着手する日から完成して引き渡しを受ける日程が記載されています。それと同時に建築会社へ支払い代金と、支払日が明記されておりますので確認しましょう。
賃貸住宅などに住んでらっしゃる方は、引き渡し日から逆算して引越し日や退去告知日を設定できます。また、支払いするために金融機関に行き、手続きをするスケジュールも固められるでしょう。
今後のスケジュールを固めるためにも、工程スケジュールと支払いサイクルの確認は必須となります。
ローン特約の確認
先ほども説明した通り、工事請負契約書に融資特約の記載があるかを確認しましょう。
万が一ローン特約がない場合、住宅ローンの審査が通らなかった時は、高額な違約金を支払うことになってしまいます。そのため、契約書と注文住宅会社の担当者に確認しましょう。
一般的には工事請負契約約款、もしくは契約書の特約事項に明記されています。
注文住宅の契約内容とタイミングは慎重に確認しよう!
これまで注文住宅会社と契約するタイミングと契約書の注意点を解説してきました。
契約するタイミングの大前提として、建物に関する内容が全て確定してからというのはお分かりになりましたでしょうか。説明した内容のひとつでも完了しないで契約した場合、後々注文住宅会社とトラブルになりかねません。
そのため注文住宅会社との契約の際は、慎重に一つ一つを確認してから行うようにしましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。