【理想の家】和風・和モダン建築とは?注文住宅の外観・間取りのポイントと事例

【理想の家】和風・和モダン建築とは?注文住宅の外観・間取りのポイントと事例

注文住宅のデザインには数多くありますが、古くから親しまれている和風建築は今でも人気です。日本家屋の趣を残した建物は、どこか懐かしさを感じることができます。また、近年ではモダンな住宅の人気も高いことから、和風と融合させた「和モダン」のデザインを採用している家庭も多いです。とはいえ、どのようなデザインであるかいまいちわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「和風・和モダンの外観デザインの特徴と魅力」と「間取り例とポイントについて」紹介します。これから注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。

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【理想の家】和風・和モダン建築とは?

和風建築の原型となっている建物は、鎌倉時代から室町時代のものとされています。当時のお座敷と言われる部屋が現代の和室になり、室町時代になると畳を敷き詰め、障子などを用いた書院造と呼ばれるようになりました。この名残から和室のある家は和風建築と認識されています。とはいえ、現代の和風建築には近代的な要素を取り入れた建物も含まれます。和室だけでなく、フローリングなどを取り入れた建物も和風建築と呼ばれます。すなわち明確な定義はなく、「見た目が和風建築っぽいもの」や「和室や障子を取り入れている建物」が和風建築と呼ばれています。一方和モダンはモノトーンを基調とした和風建築のことを指します。ベースは和風建築であるものの、色合いをグレーや黒などに統一している建物のことを呼ぶことが多いです。もちろん和モダンも明確な定義はありません。そのため個人によっても意見が異なり、「和風建築っぽいもの」「和モダンっぽいもの」と捉えている方がほとんどです。新しくできた高級旅館などは和モダンを取り入れていることも多いです。

【理想の家】和風・和モダンの外観(デザイン)の特徴と魅力

では和風・和モダンの外観はどのようなデザインがあるのでしょうか。ここでは4つの特徴と魅力について紹介します。

和風・和モダンの外観(デザイン)1:木のぬくもりを存分に使ったデザイン

和風建築といえば、木を存分に使ったデザインを思いつく方もいらっしゃるのではないでしょうか。旅館などのデザインをイメージしてもらうとわかる通り、木の趣あるデザインの建物などが和風建築の特徴です。もちろん近年の住宅の多くは木造住宅でありますが、和風建築との違いはより一層和を感じるデザインにしています。さらに庭に植栽や岩などを設けることで日本庭園を彷彿させるかのようなデザインにすることも可能となります。

和風・和モダンの外観(デザイン)2:漆喰を使ったデザイン

和風建築の中には漆喰を使ったデザインの住宅もあります。漆喰とは石灰を主成分とした建材で、日本では縄文時代から使われています。日本のお城や蔵などの外壁をイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。もちろん日本だけでなく、海外でもいまだに人気のデザインです。漆喰は調湿性能が高く、デザイン性にも優れています。しっかりメンテナンスをすれば100年以上もつとも言われています。ヨーロッパでも中世の時代に数多くの漆喰を使った建物が未だに健在なため、耐久性の高さがわかります。漆喰は和風・和モダン双方に使われるケースが多いです。モノトーンを基調とした漆喰を使うことで和モダンの住宅にすることが可能となるでしょう。

和風・和モダンの外観(デザイン)3:古民家風のデザイン

古民家と聞くと、古家をリフォーム・リノベーションするイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。確かにリフォームやリノベーションの中で古民家風は人気です。しかし新築住宅でも古民家風のデザインにされる方もいらっしゃいます。外観を古民家風のデザインにし、内装を和風でありながらも近代的な要素を取り入れることで、使い勝手の良いおしゃれな和風住宅を造り上げることも可能です。

和風・和モダンの外観(デザイン)4:瓦を取り入れたデザイン

近年ではガルバリウム鋼板を取り入れた住宅が多いですが、昔の和風建築と言えば屋根を瓦にしているイメージも強いです。瓦は耐久性も高く、メンテナンスも少なく済みます。一方でガルバリウム鋼板よりコストは割高になってしまうことから、近年では少なくなりました。しかし和風の住宅と言えば瓦という考えは根強く、デザイン性も高いことから取り入れる方もいらっしゃいます。

【理想の家】和風・和モダンの間取りの特徴と魅力

外観デザインの特徴や魅力について紹介しましたが、続いては建物内である間取りの特徴と魅力について解説します。

和風・和モダンの間取り1:天井の施工方法によって味が変わる

和風・和モダンでは天井の施工方法によって開放感が異なります。主に以下の4つの施工方法が挙げられます。

● 折上天井(おりあげてんじょう)
天井の中央部分を高くする施工方法です。照明を取り付ける場所だけ天井が高くなるため、部屋が広く感じる特徴もあります。またシャンデリアなど奥行きのある照明は部屋を圧迫してしまいますが、折上天井にすると、その点は多少解消できます。

● 船底天井(ふなぞこてんじょう)
船底天井とは中央の梁から中心に左右へ勾配を設けるタイプの天井です。主に屋台船などに使われている工法です。一昔の和風建築には使われておりましたが、近年ではあまり見かけなくなりました。しかし和風感をより一層醸し出す味わいある天井の施工方法です。

● 網代天井(あじろてんじょう)
木材で編んだ幾何学模様のデザインの天井のことです。色合いをモノトーンにすることでより和モダンをイメージした住宅にすることが可能です。

● あらわし梁
あらわし梁は天井が梁でむき出しになっているタイプの天井です。天井板をはらないため、圧迫感のない空間にすることが可能となります。しかし2階部分は居住区間にできないデメリットがあります。

和風建築にはさまざまな天井の施工方法があります。好きな天井デザインを選べる点は和風建築の魅力のひとつです。内装に合わせた天井にすることで、よりおしゃれさを引き立てることができるでしょう。ただし構造上できない場合もあるため、設計士の方に確認を取りながら決める必要があります。

和風・和モダンの間取り2:壁紙や配色によって雰囲気も異なる

内装の壁紙を落ち着いたカラーにすることで、より和を意識した住宅にすることが可能です。和風建築では赤や黄色など明るい色はほとんど使用しません。一方でブラウンやベージュなどのカラーを使うことで和の空間に近づけた内装にすることが可能となります。またグレーやホワイト、ダークブルーなどのカラーを使用する和モダンの内装もあります。壁紙の色合いを変えるだけで、家の雰囲気も大きく変わります。そのため和風建築をする際は、クロスや漆喰などの色合いも考慮しましょう。

和風・和モダンの間取り3:玄関一つで大きく印象が異なる

和風建築をする際は玄関も一つの特徴です。一般的な玄関と異なり、和風建築の住宅はより木を意識したデザインや古民家風な土間を採用することが多いです。玄関ドアはステンレス等が用いられることが多いですが、和風建築玄関は木でできたものが多いです。もちろん一概には言えないものの、「和=木」というイメージが強いことから、木製玄関を取り入れている方もいらっしゃいます。また
玄関を石畳や土間にすることでより和を醸し出すことも可能です。さらに壁を漆喰などで仕上げれば、おしゃれな和風建築住宅の玄関とすることができるでしょう。

和風・和モダンの間取り4:照明を生かして趣ある住宅に

古くの日本は火を使って明かりを取っていました。その名残から少し薄暗い照明も人気です。旅館などに行くとわかるとおり、明かりを抑えているところも多いです。そのため照明を生かして和を感じさせることも可能です。また間接照明などを和紙で囲った商品を使えばより和をイメージさせることができるでしょう。照明一つで家の印象を大きく変えることが可能です。

和風・和モダンの間取り5:やはり人気の和室

和風建築には欠かせない和室。多くの方が取り入れています。「和室=和風建築」という印象もある通り、昔から親しまれている畳を設置することで、より印象強くなるでしょう。畳の香りや和室の雰囲気は、和風建築にとっては欠かせないポイントです。

【理想の家】和風・和モダンの家づくりのポイント

注文住宅はデザイン性ばかりに目が行きがちですが、そもそも暮らしやすさを考慮しなければいけません。ここでは和風・和モダンの住宅を建築する際のポイントを6つ紹介します。

和風・和モダンのポイント1:生活動線も考慮する

和風・和モダンの良さはデザイン性でもありますが、間取りを検討する際は生活動線も考慮しなければいけません。いくらおしゃれな住宅であっても使い勝手が悪ければ住み心地も悪くなります。そのためデザインや見栄えだけを意識するのではなく、生活するうえで不便な動線がないか十分チェックしましょう。契約時に決めた間取りは原則後から変更するのは難しいです。しっかり建築会社の方と相談しながら決めておきましょう。

和風・和モダンのポイント2:工法によってできる範囲が異なる

以前の和風建築は、大黒柱を主とした「在来工法」で作っていました。しかし近年の住宅会社はツーバイフォー工法を標準としています。ツーバイフォー工法は壁で構造を支える仕組みであるため、壁をとって広々とした間取りにするにはある程度の制限がかかります。そのため古民家のような開放的な空間をいくつもの柱で支える工法ではないことから、できる範囲が限られてしまいます。そのため建築会社の方と打合せする前に、「在来工法で建築できるか」、「イメージ通りの間取りを作成できるか」を確認しておきましょう。

和風・和モダンのポイント3:コストが割高になるケースも

近年では和風の住宅を建築する会社が減りつつあります。和風でない一般的な住宅の人気が高いため需要が減ってきたという見解でしょう。もちろん建築会社によって異なるため、一概には言えないものの、瓦や漆喰などのオプションを追加することが多くなることから、多少割高になることもあります。そのため和風の住宅を建築する際は、建築会社の方に割高になるかを確認しておきましょう。

和風・和モダンのポイント4:家具も統一感あるデザインを選択する

せっかく和風・和モダンの住宅にするのであれば、統一感ある家具を選択しなければいけません。和室であるのに洋風の家具を置くと、住宅のコンセプトから外れることになってしまうでしょう。そのため和風デザインの家具を置かなければいけません。しかし日本家具は通常の家具より割高です。こだわりすぎると費用も高額となるため注意してください。

和風・和モダンのポイント5:防音性能を十分考慮する

和風の扉に取り付ける障子は、一般的な建具より防音性能が低いです。そのため人の話し声などが届いてしまう可能性も高いため注意が必要です。さらに家族間であってもプライバシーへの配慮は必要です。子供が大きくなって思春期になると、自分の部屋にこもることも多くなるでしょう。また勉強する時間も増えます。しかし障子にしたあまりに、リビングから話し声が聞こえてきて集中できないというケースもありえます。そのため障子などを取り入れる際は、どの部屋に設置するかを明確にし、音問題への配慮を検討したうえで取り入れるようにしてください。

和風・和モダンのポイント6:定期的なメンテナンスが必要となる

障子などは子供が遊んでいるうちに穴をあけてしまうケースも多いです。さらに畳は10年から20年前後で補修・交換が求められます。和風建築のデメリットともいえる点は、定期的なメンテナンスが求められるところです。縁側も日光によって色褪せする可能性も高く、外部にある柱や梁も劣化する場合があります。もちろんこまめな清掃などをしておけば長持ちするかもしれませんが、和風の住宅を建築する際は、ある程度の支出は考慮しておく必要があります。

和風・和モダンのポイント7:プロの意見を参考にする

注文住宅を建築する方の多くは初めてです。そのためデザイン性などが第三者から見てもおかしくないか確認しておいた方がよいでしょう。自分が気に入ったデザインであっても他の方から見ておかしいと感じる家は嫌ですよね。そのためにも建築会社のプロの意見を参考にしながら造り上げていった方が良いです。建築会社は数多くの住宅を手がけてきています。そのため経験やノウハウだけでなく、デザイン能力も高いです。専門家の意見を取り入れることで、他の方が見てもおかしくない住宅を作ることができるでしょう。

【理想の家】和風・和モダンの事例・実例

インターネットでは数多くの和風・和モダン住宅の施工例の写真が挙げられています。しかしどれもおしゃれと感じて何にしたらよいかわからないという方もいらっしゃるでしょう。そのためここでは実際に建築した施工例の一例を紹介していきます。

事例・実例1:黒を基調とした古民家風住宅

古民家風でありながらも新築住宅であるメリットは、見栄えだけでなく、耐震性・耐久性に優れているところです。古民家をリフォーム・リノベーションしたとしても、新築住宅より耐久性は低くなります。もちろん大規模リフォームを行えば新築住宅に近い耐震性・耐久性を持ち合わせることは可能ですが、その費用は莫大となります。場合によっては新築住宅の方が安くなるかもしれません。そのため新築住宅でありながらも古民家風のデザインにすれば、おしゃれなうえに地震や火事に強い家を造り上げることも可能です。また古民家カフェを始めたい方は、住居兼店舗として併用することも可能です。

事例・実例2:老後に備え平屋の和風住宅にした

平屋のメリットは2階建てなどと比べて価格が安いところだけでなく、階段を設けないため、老後に足が悪くなっても家の中を動きやすい点が挙げられます。高齢者になると、階段の上り下りが大変になるため、2階を使用することが少なくなります。そのためあらかじめ平屋にしておくことで、使わない部屋を無くせるメリットがあるでしょう。さらに畳などを取り入れることで、老後もゆっくり生活することができます。フローリングにすると床で寝るのが難しいですが、畳であれば枕を敷いてお昼寝も楽しむことができるでしょう。

事例・実例3:木目のキッチンを取り入れた

木を多く取り入れた内装にした際は、木目のキッチンとの相性も良いです。もちろん全体バランスや色合いを考慮したうえでの話ですが、木目を取り入れることでより木の温かみを感じることができます。さらに木目はスタイリッシュさがあり、高いデザイン性から見た目も良く、よりおしゃれなキッチンにすることが可能です。

事例・実例4:縁側でゆっくり休めるスペースを設けた

縁側を濃い目のブラウンやブラックの色をベースにすると、大正・昭和の雰囲気を作ることができます。さらにアンティーク家具などを置くとより、レトロ感のある縁側が完成します。縁側は庭の景色を楽しみながらお茶する場所としては最適です。また庭で遊んでいる子供の様子を見たり、バーベキューをする際の椅子代わりにもなるでしょう。

まとめ

今回は「和風・和モダンの外観デザインの特徴と魅力」と「間取り例とポイントについて」を紹介してきました。和風の住宅の魅力は木のぬくもりを感じることができる点や、日本人ならではの温かみを感じる点でしょう。どこか懐かしさを感じる和風住宅は落ち着きをもたらすことができます。また和風とモダンを融合させた和風モダンは、おしゃれでありながら高級旅館のようなデザインにすることも可能です。しかしデザイン性ばかりを意識してはいけません。生活動線や統一感のある家具なども考慮する必要があります。また、建築会社によっては割高になってしまう可能性も高いため、事前に確認しておきましょう。和風・和モダンの住宅を建築する際は建築会社の方としっかり相談し、理想の家を建築できるように打ち合わせを何度も重ねることをおすすめします。

●この記事の監修 サティスホーム本社営業部長:小林大将
●この記事の監修
サティスホーム本社営業部長:小林大将

2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。
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