近年では見かける回数が少なくなったものの、未だ人気のある部屋が和室です。どこか落ち着ける雰囲気もあり、若年層の方からも支持されています。また和室に使われる畳のデザインも年々変化しており、和室でありながら間取りやデザイン次第ではおしゃれな空間にすることも可能です。しかしどのような点を意識して間取りを決めるか分からない方も多いのではないでしょうか。そこで今回、注文住宅の和室の間取りの決め方を解説します。また和室の間取りでの成功例・失敗例を紹介するため、これから注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。
注文住宅 和室の間取りの決め方 3つのポイント
始めに和室の間取りを決める際の3つのポイントについて解説します。
機能性・デザインで決める
和室の間取りはデザイン性を重視して決める方法もあります。近年の和室は昔ながらの畳ではなく、琉球畳といった縁がなくスタイリッシュなデザインの商品が採用されています。和室でありながらもおしゃれな空間にすることが可能です。和室でありながらもモダンなデザインにする方や木のぬくもりを最大限引き出す色合いなどさまざまです。自分好みのデザインにすることも和室の間取りを決める際のポイントとなります。
費用で決める
和室は部屋が大きくなるほど費用が高くなる傾向にあるため、コストで間取りを決めるのも一つの方法です。一般的に和室は洋室より価格は高い傾向にあります。例えば6帖の洋室と和室では数十万円程の費用差が発生します。大きくするほどその費用差は拡大していくため、予算と相談しながら間取りの大きさを決めても良いでしょう。
施工例を見て決める
和室の間取りを、施工例を見て決めるのも一つの方法です。住宅展示場や見学会などに足を運ぶと、和室が設けられた住宅が数多くあります。もちろん他にもインターネットなどで検索すると数多くの和室の間取り例が出てくるため非常に参考になります。気に入った和室の間取りがあれば取り入れてみるのも良いでしょう。
注文住宅 和室の間取りの成功例
ここでは和室の間取りの成功例を紹介します。
和室の成功例①:大きすぎなくてよかった
和室を休憩スペースとして利用する方も多く、それほど大きく作らなくても良かったという成功事例です。和室に設置する畳は家具などの荷重で傷んでしまうため、家具を配置する場所としては適していません。そのため基本的に長く居ることも少なく、ほんのひと休憩する場所として利用されることが多いです。休憩する場所が広すぎても、費用が高額となるだけでなく、他の部屋が小さくなる可能性も高まります。適切なサイズの間取りにして良かったという成功例です。
和室の成功例②:来客対応できる場所となった
部屋が散らかっている時に来客者が来るとリビングなどに通しにくい方も多いです。しかしきれいな状態の和室を維持できていれば、和室にお客様を通すことができるため、接客間としても利用出来た成功例です。急な来客の場合、部屋をきれいにしている時間はありません。できれば散らかったリビングなどを見せたくないと思う方も多いでしょう。その際役立つのは和室です。ただし和室も散らかっていたら意味がありませんので、常に掃除はしておきましょう。
和室の成功例③:子供たちが遊べる場所になった
リビングではテレビやテーブル、ソファーなど固い家具が多くある一方、和室であればテーブルしかなく、床も畳であるためクッション性が高いです。そのため子供の遊び場としても適しています。先ほどの成功例とは真逆に、リビングをきれいな状態にしておきたいという方は、和室を子供の遊び場として利用している方もいらっしゃいます。
注文住宅によくある和室の間取りの失敗例
和室の成功例を紹介しましたが、失敗例もあります。ここでは代表的な3つの失敗事例を解説します。
和室の失敗例①:部屋が大きくてメンテナンス費用がかかる
和室の畳は年数が経つことによって劣化していきます。部屋が大きければ床に貼る畳の数は増え、その分メンテナンス費用も高額となります。基本的に畳の寿命は10年~20年とされていますが、使い方が悪ければ早まる可能性もあるでしょう。そのため定期的なメンテナンスが求められますが、部屋が大きい程その費用は高額となり失敗したという事例です。
和室の失敗例②:和室を取り付けたものの使わなかった
意外と多い失敗例は使用しなかったということです。和室を取り付けたものの、来客者も少なく、子供も大きくなるにつれて使用しなくなることも多いです。結果洋室にしておけば良かったという声もあります。もちろん家が完成した後でも和室から洋室にリフォームすることは可能ですが、その費用を考慮すると最初から和室はやめておくべきだったと思う方もいらっしゃいます。
和室の失敗例③:家のデザインに合わなかった
和室は日当たりを考慮してリビング横の南側に設置されることが多いですが、リビングとのデザインとは合わない傾向にあります。もちろん和室のデザインによりますが、リビングは洋風となると正反対となるため家のデザインと合わなかったという声もあります。おしゃれなリビングにしたとしても「どこか和室だけ浮いている気がする」と感じる方も多く、最初から洋室にしておくべきだったという失敗例です。
注文住宅の和室の間取りが決まらない場合のコツ
ここでは和室の間取りが決まらない場合のコツを3つ紹介します。
使用用途と頻度の確認
和室の使用用途と頻度を確認し、本当に要るのかをじっくり検討しましょう。和室の間取りの中で最も失敗例が多いのは「使用しなかった」という点です。せっかく取り付けた和室を使わないのであればコストだけがかかってしまい、無駄な費用だったということになります。そのため設計段階で和室の必要性を今一度検討してみましょう。
和室は小さくても良い
先ほどもお伝えした通り、和室はそれほど使用する場面は多くありません。そのため最小限のサイズで良いでしょう。和室を大きくすると費用だけでなく、他の部屋が小さくなる可能性も高まります。しかし和室を最小限にすればリビングを広く設計することもできるでしょう。建築会社の方と相談し、どれくらいの間取りがベストであるか十分検討することをおすすめします。
実際の施工者の声を聞く
友人や知人に和室を取り入れた注文住宅を建築した方がいれば、その方たちの意見を聞いてみましょう。実際どれくらい使用しているのか、どのような用途があるのかを確認することで和室の間取りだけでなく、必要性も確認できます。また建築会社の方に確認して見るのも一つの方法です。数多くの住宅を手掛けてきているため、和室の必要性を熟知しています。施工されたお客様の意見もわかっているためとても参考になるでしょう。
注文住宅 和室の間取りの注意点
和室の間取りを決める際の注意点としては将来性も加味することです。老後になった際は和室が欲しいと考える方も少なくありません。とはいえ畳の寿命は数十年前後です。そのため「将来、和室を作っても良いのではないか」と考えても良いでしょう。和室は新築時に作らなければいけないという制限もないため、今必要なのかを検討してみましょう。
【注文住宅 和室】間取りの決め方まとめ
今回注文住宅の和室の間取りの決め方と成功例・失敗例を紹介しました。近年の和室はデザイン性も高くおしゃれな間取りが多くあります。しかしリビングとのデザインが合うかなどは考慮しなければいけません。また和室の使用用途を明確にしておかないと、設置したものの使わなかったという意見も多いです。そのため和室の間取りを考える時はどのように使うかを明確にしておきましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。