注文住宅の建築には本体工事の他に、ライフラインの工事も必要です。ライフラインと言えば、「電気」「ガス」「水道」の3つに分かれますが、今回紹介するのは「電気」についてです。電気工事は本体工事費用の中に含めている建築会社も多く、実際どれくらいの費用がかかるか分かりにくいところでもあります。とはいえこれから住宅を建てるという、人生にとって大きな買い物をするのに、わからない費用があるというのも不安になるのではないでしょうか。そこで今回、注文住宅の電気工事にフォーカスをあて、費用や注意点、工事の流れなどを解説します。これから注文住宅の建築を検討している方はぜひ参考にしてください。
注文住宅の電気工事とは?
誰でも分かる通り、自宅の電気を使えるようにする工事です。また電気を使用する設備も電気設備工事として含める場合もあります。電気工事には「宅内」と「宅外」の工事に分かれます。宅内は自宅の中の電気工事、宅外は家の外回りの工事です。一般的に建築会社の電気工事は宅内と宅外を一緒にしていることがほとんどです。しかし本体工事価格の中に含まれているため分かりにくいというところです。詳しく知りたい方は建築会社へ詳細見積を依頼すると電気工事費用がわかるようになります。では実際どれくらいの費用が相場なのでしょうか。次の項で解説します。
注文住宅の電気工事の費用と相場
注文住宅の電気工事費用はおおよそ「300,000円~1,000,000円」前後になることが多いですが、建築する住宅の電気工事内容によって大きな差が出るため、一概には言えません。場合によってはさらに2倍3倍近くかかることもあるでしょう。また建築会社によっても価格が異なるため、詳しくは建築会社へ確認するようにしましょう。
注文住宅の電気工事費用の内訳
注文住宅電気工事は大きく分けて以下の3つに分かれます。
1. 強電設備工事
2. 弱電設備工事
3. 照明設備工事
見積書には電気工事や電気設備工事と記載されているため、上記の項目に分かれることはありませんが、それぞれの内容について紹介します。
● 強電設備工事
名前の通り高い電圧(強力な電気)が必要となる設備のことを指します。発電機設備や避雷設備などに使用する物が強電設備となります。戸建て住宅の場合は主に以下の工事が該当します。
・ 屋内配線
・ ブレーカー
・ アース配線
・ スイッチ
・ コンセント
● 弱電設備工事
弱電設備とは電気信号で機器を制御できる電力のことを指し、感電事故のないほどの弱い電気設備工事です。戸建て住宅の場合は以下の電気設備工事が含まれます。
・ インターホン
・ 防犯カメラ
・ 人感センサー
・ テレビアンテナ配線
・ 家庭用火災報知器
・ 電力コントローラー
・ アクティブソーラー
・ 24時間換気システム
このほかインターネット配線や電話配線も弱電設備工事に含まれますが、NTTやプロバイダなどの第三社企業との関連もある場合は別途工事になっていることも多いため、事前に確認しておきましょう。
● 照明設備工事
照明器具などの工事は照明設備工事に含まれます。リビングの照明や廊下の照明などの費用が該当します。
注文住宅の電気工事の注意点
注文住宅の電気工事に関する注意点を4つ紹介します。これから注文住宅を建築する方にとって重要なポイントですのでぜひ参考にしてください。
1. 設計段階で家具の配置場所を決めておく
2. 無駄な電気工事は控えるようにする
3. 電力使用量を検討しておく
4. 後付けの電気工事は控える
設計段階で家具の配置場所を決めておく
家具の配置を決めずにスイッチやコンセントの位置を決めてしまうと、後々使い勝手が悪いということにもなるため、設計段階でレイアウトを決めておくことをおすすめします。ベッドを置くところにコンセントがないために、スマホが充電できない状態や、スイッチの場所が悪く夜中が不便などにもつながります。そのため、注文住宅の間取り打合せで家具の配置を決めておき、それに合わせてコンセントやスイッチの場所を決めましょう。
無駄な電気工事は控えるようにする
電気工事も施工箇所が増えると金額も増加します。そのため無駄な工事は控えることが大切です。例えばコンセントはたくさんあれば便利ですが、もちろん費用は増えていきます。さらにコンセントがたくさんあると見栄えが低下することにもつながります。そのような観点も踏まえ、電気の施工箇所は増やし過ぎないようにしましょう。
電力使用量を検討しておく
各部屋のエアコンをつけた状態で電子レンジやドライヤーを使用すると、ブレーカーが落ちる原因にもなります。そのため電力使用量をあらかじめ検討しておいたり、アンペア数を決めておくようにしましょう。戸建て住宅のブレーカーは20アンペアに設定していることが多いです。100ボルトであると2,000W以上の電気を使用するとブレーカーは落ちてしまいます。さらに2口コンセントは一般的に15アンペアであるので、ドライヤーなどの1500W以上の電力までしか使用できません。そのためあらかじめ「どれくらいの電気を同時に使用するか」「ブレーカーが落ちないアンペア数はいくらか」を検討するようにしましょう。
後付けの電気工事は控える
注文住宅の予算の兼ね合い上、不足したコンセントなどは後付けで電力工事をしようと検討する方もいらっしゃるでしょう。しかし後付けの工事費用は新築時の工事より費用は高額となります。壁に穴をあけて配線工事を行い、その後補修するとなると費用も高くなりがちです。そのため電気工事は新築時に全て納めておくことが望ましいでしょう。
注文住宅の電気工事の流れ・工期
お客様が電気工事で唯一行うことは電気配線の打ち合わせです。注文住宅の電気工事は建築会社の下請け業者が施工しますが、配線などの打ち合わせは建築会社と行います。間取りの確定がした後は電気配線図をもとに、コンセントの位置や照明の位置、スイッチの場所を決めましょう。一般的には設計会社の方である程度の配線を決めますが、要望があればこの時伝えるようにしましょう。
また電気工事の工期は3か月~4か月とされています。着工前に仮設電気工事を行い、建物の躯体が完成するのと同時に電気配線工事を行います。建物が完成すると電気の配線確認と動作確認をして完了です。
注文住宅の電気工事に関するQ&A
ここでは電気工事に関するQ&Aを紹介します。電気工事も施工箇所が増えれば費用も高額となるため、ここでは電気工事の費用を抑える方法を解説します。
電気工事の費用を抑える方法はありますか?
電気工事費用を抑えたい方はコンセントの数を増やし過ぎないようにしましょう。コンセントの費用は大きな金額ではないものの、個数が増えれば高額になります。そのため事前に必要個数を決めておきましょう。どれくらいの個数がベストか分からない方は建築会社の方へ相談してみることをおすすめします。
一般的に電気工事は建築会社に内容をお任せするのが一般的です。数々の住宅を建築してきた実績と経験から、ベストな電気工事を行ってくれます。お客様の要望もあるかと思いますが、ぜひ建築会社へ相談しながら進めておくようにしましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。