憧れのマイホームを建築する際、検討するのは庭の有無。多くのご家庭では、子どもたちが遊ぶ場所として利用したり、バーベキューなどを楽しむ場所という目的で庭を設けます。しかし庭が不要という方にとっては無駄な土地を購入することにもつながります。そもそも庭がいらない理由はどのような点が挙げられるのでしょうか。この記事では「庭はいらない」という方の理由と、庭がない家のメリット・デメリットを紹介します。これから住宅を建築される方はぜひ参考にしてください。
庭がいらないと言う人の理由
庭がいらないという理由はどのような内容が挙げられるのでしょうか。ここでは5つの理由を紹介します。
手入れが面倒
「手入れが面倒」ということが庭がいらない理由の一つとして挙げられます。庭があると雑草が生えてきたり、落ち葉が飛んできたりするため、定期的な手入れを行わなければいけません。その手間が面倒ということで庭を設けないご家庭もあります。もちろん業者に委託することも可能ですが、落ち葉などはすぐに溜まってしまうため、コストを考慮すると現実的ではありません。その結果「庭はいらない」という考えになっている方が多いです。
外構費が多くかかる
庭のデザインによっては外構費用が多くかかります。仮に草を生えにくくする防草シートを敷いて、その上に砂利などで施工したとしても数十万円以上の費用がかかります。さらにアスファルト舗装や土間コンクリートなどを施工すると、数百万円単位になることも。結果外構費用をおさえるためにも庭は極力小さくて良いと考える方も多く見受けられます。
インドアタイプの家庭
そもそも庭で遊んだりすることがないインドアタイプの家庭であれば不要です。昨今PM2.5や黄砂などが日本にも到来していることもあり、外で遊ぶには外的要因の危険が伴うと考えている方も多いです。さらにコロナウイルスの影響もあり、家の中で過ごす家庭も増えています。そのような背景からインドアになり、庭が不要と考えている方もいらっしゃいます。
虫などの発生が嫌
植栽などを植えた庭にすると虫などが発生しやすくなることから庭がいらないと考えている方もいます。何もない庭だとどこか殺風景に感じてしまうため、緑を取り入れるという考えから植栽などを植える方もいらっしゃいます。しかし暖かい季節になると虫の発生場所にもなりかねません。その結果庭はいらないと考えている方も多いです。
土地の購入代金を安くするため
庭の広さ分の土地代金を安くし、その分建物のグレードなどを上げたいと考えている方もいらっしゃいます。庭が不要と考えている方にとっては、庭の面積分の土地代金は無駄でしかありません。建物を建築する際は敷地に対して建築できる上限(建ぺい率)が定められており、建ぺい率ギリギリに建築することで、庭を最小限にすることができ、無駄な代金を抑えることが可能です。
庭がない家のメリット
そもそも庭がない家のメリットとはどのような点が挙げられるのでしょうか。ここでは3つのメリットを紹介します。
駐車・駐輪スペースがたくさん取れる
庭の部分を減らして駐車場や駐輪場のスペースを取ることが可能となります。一般的な住宅では、夫婦で車1台ずつ所有することが多いため、2台の駐車場を設置します。しかし来客者が来た場合、車を止めることができず困る方も多いです。庭部分を減らし、駐車場を設ければ3台停めることも可能となります。また子ども用の駐輪場なども設置することができます。
建物の面積を広くできる
庭を設けない分、建物の面積を広くとることも可能です。建物は土地の面積に対して最大限建築できる建ぺい率が設けられています。建ぺい率は各地域によって異なりますが、おおよそ40%〜60%です。例えば200㎡の土地に40%分を建築した場合は1階部分の面積は80㎡になるということを指しますが、実際は建築予算に合わせたり、駐車場や庭の大きさから逆算して建物の大きさを決めるのが一般的です。そのため建ぺい率ギリギリに建築されるケースは少ないです。しかし土地が大きくない場合、庭を設けなければ、建物の面積を建ぺい率いっぱいに建築することができ、広い空間にすることが可能です。
手入れの手間がかからない
庭を設けないメリットと言えば、ほとんど手入れをする必要がないことです。何もしないままにすると雑草が生えてきたりするため、草刈りなどをおこなわなければいけません。さらに庭の面積が大きくなるほど負担がかかります。しかし庭を作らなければ、手入れする手間が大きく減ります。とはいえ防草シートを敷いたり、除草剤を撒いても草は生えてきます。風によって種子や花粉などが庭に飛んでくるためです。つまり庭がほとんどなくてもある程度の手入れは必要となることは理解しておきましょう。
庭がない家のデメリット
一方庭がない家にもデメリットがあります。ここでは5つ紹介します。
土地が小さいと建築できる面積も小さくなる
庭がいらないということから狭小地を購入しようと検討する方もいらっしゃいますが、その分建築できる建物の面積が小さくなるデメリットが挙げられます。先程もお伝えした通り、土地には建ぺい率があるため、建築できる上限面積が定められています。しかし建ぺい率を理解しないまま狭小地を購入してしまい、結果小さな建物しか建築できなかったというケースも考えられます。三重県の建ぺい率は三重県の市区町村別の用途地域マップで確認することが可能なため、これから土地を購入する方は必ず確認しておきましょう。
子どもの遊び場が減る
特に小さい子どもは家の外で遊ばせて運動させておくことがよいと言われています。公園などが近くにあれば便利ですが、家の近くにない場合や、家から出られない用事がある場合などもあるでしょう。庭があれば、リビングなどから子どもの様子を見ながら家事をすることが可能となります。しかし庭がない場合は家の中で遊ぶしかありません。
バーベキューなどが自宅で楽しめない
自宅に庭があれば家族のみんなでバーベキューを楽しむことができます。バーベキューをする際は煙が出てしまうため、隣地に届かないようにしなければいけません。しかし庭がないと駐車場などの狭い空間で行うことになったりして、ご近所まで煙が届き迷惑をかけてしまう可能性も高まることから、自宅でバーベキューなどをすることは出来ない状態となるでしょう。
物置などを置けない
家の荷物が増えてしまい、外部に物置を置こうと思っても庭がないため、設置スペースがなくて困るデメリットが挙げられます。物置もサイズによりますが、最低でも1㎡前後のスペースが必要です。しかし庭が全くなければ設置することが困難となります。また物置だけでなく、その他の荷物なども置くことができません。
ガーデニングなどを楽しめない
庭がなければガーデニングなども楽しむことができません。戸建て住宅に住むタイミングで、自家栽培など行いたい方やお花を植えたい方もいらっしゃるでしょう。しかしそもそも庭がなければ外で作業することができなくなります。
庭がない家が合う人は
ここでは庭がない家が合う人について紹介します。大きく分けて以下の3つの項目に当てはまる人がおすすめです。
家の中をできるだけ広い空間にしたい人
庭より家の中の広さを優先したい人におすすめです。庭を作ってしまうと、どうしても建物の大きさを少し狭くしなければならないケースが多くなります。特に家族の人数が多くて部屋数を増やしたい方や大きめのリビングに憧れている人などは、庭より建物の広さを優先しても良いでしょう。
車や自転車を何台か持っている人
車や自転車を何台か持っていて、できれば敷地内に停めたいと考えている人は、庭がない家がおすすめです。庭も設けてしまうと停められる車の台数に制限がうまれてしまいます。さらに大型の自動車などに買い替えた時、車が止められないという事例にもなりかねません。そのため事前に庭を失くし、大きめの駐車場を準備しておきたいと考えている方にはおすすめです。
手入れやメンテナンス作業が苦手な人
庭の手入れをしたくないという人にとって、庭は不要です。庭がない家は、こまめなメンテナンス作業に苦手意識を持っている人に合っているといえるでしょう。手入れなどを行わないままにするときれいな状態を維持することができず、建物の外観イメージの低下につながります。さらにご近所から「めんどくさがり屋な人」「掃除ができない人」などのイメージを持たれる可能性もあるため、手入れやメンテナンス作業が苦手な人には庭がいらないでしょう。
まとめ:庭はいらない?それとも、いる?
今回は自身が住む家に庭がいらないという方の理由と庭がない家のメリット・デメリットを紹介しました。多くの方が手入れが面倒という理由や外構費を抑えたい、建物の面積を大きくしたいという理由で庭を設けていません。とはいえ庭があれば子どもを外で遊ばせることもできたり、物置の設置やガーデニングなどを楽しむことができます。庭は設けるべきか、いらないかは各家庭によって異なります。しかし家の広さを優先したい方や駐車場台数を増やしたい方は、庭のない家が合うことでしょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。