一般的な天井の高さは2400㎜ですが、2700㎜など高くすることも可能です。天井が高くなると開放感が高まり、広々とした空間にすることが可能です。一方で2200㎜など低くすると、圧迫感を感じるものなのでしょうか。天井が低くなると、部材なども減るためコストが安くなると思われがちですが、実際は後悔したという意見も少なくありません。そこで本記事では天井高2200㎜にした場合のメリット・デメリットを紹介します。また天井が高い場合も重ねて解説するため、これからマイホームを建築する方はぜひ参考にしてください。
天井高2200mmは後悔する?
天井高を2200㎜にした場合はどのような後悔が挙げられるのでしょうか。ここでは3つの後悔例を紹介します。
圧迫感を感じる
人によって感性が異なるため一概には言えないものの、圧迫感を感じるという意見が多いです。一般的な住宅の天井は2400㎜です。今お住まいの住宅もきっと2400㎜でしょう。そのため200㎜も低くなると圧迫感を感じるという意見が多いです。どこか生活しにく差を感じ、快適なマイホームからかけ離れてしまったという後悔事例が挙げられます。
部屋が狭く感じる
圧迫感を感じるということは部屋が狭く感じてしまうことにもつながります。同じ14畳の部屋でも天井が低いと狭く感じてしまいます。一方で天井を高くすれば広く感じます。そのため今お住いの住宅の部屋の大きさが十分であったため、新しく建築する部屋の大きさを同じにしたものの狭く感じたという後悔例があります。
ダウンライトがまぶしい
天井からの照明が近いため、明るくてまぶしいと感じた失敗例です。近年の照明は明るさ調節できますが、ダウンライトの中には調節できない商品もあります。明るさ調整できないダウンライトを選んでしまい、まぶしいと感じてしまった失敗例です。特に身長の高い方からの意見が多いため、天井高2200㎜にする際は明るさ調整できる照明を選ぶようにしましょう。
理想的・快適な天井高はどれくらい?
理想的な天井高さはどれくらいがベストなのでしょうか。天井高さ2200㎜以外に3つの高さを紹介します。
一般的には2400㎜
一般的な住宅は2400㎜の天井高さです。多くの住宅に採用されている天井高さであるため、圧迫感を感じることもなければ窮屈さを感じることもありません。多くの方が2400㎜に慣れているためです。そのためベストな天井高さと言っても過言ではないでしょう。しかし近年では次の項で紹介する2700㎜を採用している家庭も多いです。
2700㎜にしていることも
通常の天井高さより300㎜高い2700㎜は、開放感のある空間にすることが可能です。近年の住宅に採用されているだけでなく、賃貸住宅などにも取り入れられ始めました。天井が高いと、より広々とした空間になるため、過ごしやすい住宅になります。一方でデメリットもあるため、後ほど詳しく紹介します。
高級住宅は3,000㎜
高級ホテルや高級マンションなどは天井が3,000㎜近い天井高さにしていることもあり、近年では高級住宅にも取り入れられています。より開放感があり、どこかワンランク上の住宅を彷彿させます。
サティスホームでは
標準仕様では、1階が2,500mm・2階が2,400mmで建築しています。ご希望の場合、勾配天井や吹抜けを取り入れることで、より高い天井にもできますよ。
天井高2200mm(低い天井)のメリット
一般的な天井高さは2400㎜ですが、2700㎜や3000㎜も取り入れられています。では天井が低い点はどのような理由で取り入れられているのでしょうか。ここでは天井高さを2200㎜にした場合のメリットを紹介します。
コスト削減になる可能性もある
天井の高さを低くするとコスト削減になる可能性もあります。使用する建材が少なくなるため、本来はコストを抑えることができます。ただし、建築会社によってはコスト高になる可能性もあるため注意しなければいけません。先程もお伝えした通り、一般的な住宅は2400㎜の住宅を建築します。そのため自社工場で加工しているのや建材屋から購入している
建材も2400㎜に合わせています。そのため2200㎜にするとなると、余計な加工が必要となるため、余分にコストが割高になる可能性も高いです。そのため一概にコスト安のために天井を低くするのではなく、建築会社に確認しておかなければいけません。天井高を2200㎜にして安くなる場合は、建築会社がもともと2200㎜の天井高さの建物を建築していることが条件である場合が多いです。
電球の交換がしやすい
天井の高さが低いということは、電球やシーリングライトの交換がしやすくなります。電球を交換したことがある人の中には、「ギリギリ天井まで届かない」「つま先立ちすれば届くけど危険」と感じたという人もいらっしゃるのではないでしょうか。通常の天井より低くなるため、電球交換がしやすくなるメリットがあります。
物を取り出しやすい
天井が低いということは高所にある収納から物を取り出しやすいメリットがあります。女性の方の中には「高所にある家の荷物が取り出しにくい」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。天井高が低いということは身長が低い方でも物が取り出せるメリットがあります。
狭小地との相性が良い
天井高さ2200㎜は狭小地との相性が良いメリットがあります。狭小地の場合、3階建てなどの建物を建築することになるケースが多いですが、建物を建築する際にクリアしなければいけない建築基準法には高さに関する制限が多く存在します。しかし天井高さを2200㎜にすると、法令をクリアして建築できることも多いため、狭小地との相性が良い特徴があります。もちろん法令を遵守した建物でなければ建築できませんが、狭小地の場合、建物が小さくなってしまうため階層を増やして建築するのが一般的です。しかし建築基準法には「北側斜線制限」「道路斜線制限」、自治体による制限などさまざまな高さに関する制限があります。そのため簡単に3階建てを建築するのは困難ですが、天井高さを低くして建物全体の高さを抑えれば建築することも可能となるでしょう。もちろんどの狭小地でも法令が該当するというわけではないため、建築士に確認してもらう必要があります。
天井高2200mm(低い天井)のデメリット
もちろん天井高さが2200㎜と低くした場合、さまざまなデメリットがあります。ここでは3つのデメリットを紹介します。
圧迫感を感じる
天井高2200㎜の最大のデメリットは圧迫感を感じる点です。通常の天井高さより低いため、どこか窮屈さを感じてしまい、初めて居住する方は慣れるまで時間がかかるでしょう。特に高身長の方はより圧迫感を感じてしまうデメリットがあります。
自然とクロスは白を選択することも
圧迫感を感じてしまうため、クロスは膨張色である白がベースとなってしまいます。一般的に住宅のクロスは白を採用していますが、おしゃれさを引き立てるため、アクセントクロスとして色合いを変更する方もいらっしゃいます。しかし圧迫感を感じてしまうため、ほとんど白のクロスになってしまう可能性も高いです。
照明がまぶしいと感じることも
天井高が低いということは照明までの距離が近いことになります。そのため明るい照明を取り入れてしまいまぶしいと感じる方も多いです。電球の切り替えがしやすいメリットがありますが、近すぎるあまりにまぶしく感じる可能性もあります。そのため天井高が低い場合は照明選びも慎重に行う必要があります。
高い天井のメリット
天井高が低い場合のメリット・デメリットを紹介しましたが、一方天井が高いメリットは以下の3つが挙げられます。
開放感がある空間となる
天井の高い空間は開放感があり、広々とした部屋にすることができます。多少部屋が狭くても天井が高いだけで広く感じます。例えば同じ14畳の空間であっても天井が高いだけで大きく印象が異なります。吹き抜けなどをイメージしてもらうとわかるとおり、リビングが狭くても広々と感じるでしょう。とはいえ、人によって感性は異なるため、住宅展示場などで天井高の物件を見てみることが大切です。
高級感のある住宅にすることができる
天井の高い家はどこか高級感のある住宅をイメージさせます。一般的な天井は2400㎜ですが、3000㎜などの天井高さにすることで、友人や知人に自慢できるアピールポイントにもなるでしょう。さらに天井が高ければ、天井の凹凸をつけることができ、おしゃれな照明を設置することも可能となります。
大きな窓を設置できる
天井を高くすれば大きな窓を設置することも可能です。そのため家の中に取り入れることができる自然光の量も増え、空間全体を明るくすることも可能となります。窓が大きいと見える外の範囲も広くなるため、開放感にもつながるメリットがあります。
高い天井のデメリット
一方、天井が高いことでデメリットもあります。ここでは4つのデメリットを紹介します。
コスト高になる
もちろんですが、天井が高いと建材の量も増えるため、コスト高になるのが一般的です。さらに木造の2×4工法では構造上3000㎜などにするのが難しく、2×6など柱の太い建材を使用することにもなります。ただし、天井高が2700㎜や3000㎜などを標準設定にしている企業もあるため、一概にコスト高になるとは言えません。そのため、天井を高くした場合のコストについては事前に建築会社へ確認しておきましょう。
オーダーメイドのカーテンになることも
通常家具屋で販売されているカーテンは天井高さ2400㎜を想定したものが多いです。3000㎜となると、デザインの種類も少ないため、気に入ったカーテンが見つからずオーダーメイドになる可能性も高くなります。すなわちカーテンの料金も高くなってしまうデメリットがあります。
電球交換が大変
天井高が2200㎜とは真逆で、電球交換が大変となります。椅子などに立っても届かない可能性も高いです。そのため少し高さのある乗り物の上に立つことになりますが、その分危険が伴います。安全性を考慮すると業者に依頼するのがおすすめですが、電球交換程度であれば、わざわざ業者は使わないと考える人も多いのではないでしょうか。しかし自分でやるには危険性が伴うため注意しなければいけません。
高い位置にある収納が取り出しにくい
ウォークインクローゼットなども同じ天井の高さにした場合、荷物が取り出しにくいデメリットが挙げられます。特に身長の低い方にとって、枕棚の上にある荷物を取り出すのに脚立などが必須となるでしょう。普段使用しないものを収納しておけばそもそも荷物を取り出す機会が減りますが、いざ取り出すとなった時は手間がかかるデメリットが挙げられます。
天井高を2200mmにして後悔しないための注意点まとめ
今回は天井高を2200㎜にして後悔した事例と注意点を紹介しました。天井高を2200㎜にした場合は圧迫感を感じてしまうため、慎重に検討する必要があります。さらに部屋全体が狭く感じてしまったという意見も多いです。一般的な天井高は2400㎜が多いですが、2700㎜や3000㎜にすることも可能です。とはいえコストにも大きく影響し、天井高を低くしたからといって建築費が安くなるとは限りません。相談している建築会社へ確認してから検討しましょう。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。