クローゼットの扉代わりとして使用されるロールスクリーン。しかし設置してから後悔する方も多いです。本記事ではクローゼットをロールスクリーンにするメリットと、デメリット・後悔例を紹介します。最後には注意点もお伝えするため、これからマイホームを建築する方はぜひ参考にしてください。
クローゼットをロールスクリーンにすると後悔する?
クローゼットの扉をロールスクリーンにすると後悔する方も多いです。そもそもクローゼットには扉がついていることが多いため、なぜロールスクリーンをつけるのか分からない方も多いのではないでしょうか。そこでここではまず、ロールスクリーンをつける理由と、ロールスクリーンの種類について紹介します。
ロールスクリーンとは
本来ロールスクリーンはリビングなどの窓に設置し、日差しを遮るものとして利用されておりました。以前はすだれが主流でしたが、劣化の速さや耐久性の低さからロールスクリーンに変わっています。しかし近年の窓は紫外線を遮る商品が増え、ロールスクリーンの使い方が変わっています。クローゼットにロールスクリーンを取り付けるケースが増えたのは、扉なしクローゼットが増えたことが理由だと考えられます。
扉なしクローゼットとは
名前の通り扉のないクローゼットの事を指します。扉のないクローゼットは以下の3つのメリットがあります。
● お店のようなデザイン性がある
● 扉の開け閉めをする手間がかからない
● 部屋を広く見せることができる
アパレルショップのように衣類をハンガーパイプにかけられた状態にすることが可能なため、デザイン性が高い住宅にすることができます。また、扉がないため簡単に衣類や荷物をしまうことが可能で、扉部分がひっかかって引き出しが引き出せない!というようなことがありません。さらに圧迫感を感じなくさせるため、部屋を広く見せることも可能です。
ロールスクリーンの操作方法
ロールスクリーンの操作方法は「チェーン式」「プルコード式(スプリング式)」「ワンタッチチェーン式(ワンチェーン式)」と3種類あります。
● チェーン式・・・最も流通しているロールスクリーンです。ボールチェーンを手前に引くとスクリーンが下がり、置くに引くと上昇します。
● プルコード式・・・自動で巻き上がるタイプです。スクリーンの一番下部にある紐を引くと、上昇します。
● ワンタッチタッチチェーン式・・・チェーン式とプルコード式の両方で操作することができるスクリーンです。
さらに上記の3つの他に、電動式でスクリーンの開け閉めができるものもあります。
クローゼットをロールスクリーンにするメリット
クローゼットをロールスクリーンにするメリットについて、5つ紹介します。
1.人に見せたくないクローゼットの中身を隠せる
衣服などをアパレルショップのように飾ることができれば1番ですが、なかなかそうはいかない方も多いのではないでしょうか。「普段は家族の目にしか触れないからいいけど、来客時はやはり隠したい…」そんなときにロールスクリーンが便利です。普段は開けっ放しにしておき、来客時だけロールスクリーンを下せば、簡単な目隠しになります。
2.内装のワンポイントにすることができる
クローゼットの扉は建具の色と統一することが一般的です。しかしロールスクリーンにはさまざまなデザインがあるため、内装のワンポイントにすることができます。部屋を白で統一する中で青などのロールスクリーンを取り入れたり、子供部屋用にキャラクターのデザインを取り入れたりすることが可能です。さらにロールスクリーンを交換すれば、模様替えのように内装の印象も変えることができるメリットがあります。
3.通気性が高い
通常の扉と比較するとロールスクリーンの方が左右に隙間ができます。隙間が気になる方もいらっしゃるかもしませんが、一方で、湿気が溜まりにくくなり、衣類からのカビの発生を抑えることにつながります。クローゼット内に除湿剤を設置したことがある方も多いのではないでしょうか。除湿剤も湿度によるものの、水分が溜まりやすく、すぐに交換が必要となるため購入費用もかさみます。しかしロールスクリーンにしておくことで、除湿剤の使用頻度を抑えることも可能となります。
4.指を挟まない
ロールスクリーンにすることで、指を挟む危険性がなくなります。特に幼い子どもは、家の中でかくれんぼや鬼ごっこを行うことも多いです。隠れる場所としてクローゼットに良く行くことも多く、間違って指を挟んでしまうこともあるでしょう。しかしロールスクリーンにしておけば指を挟んで怪我をする可能性はなくなります。
5.交換費用が安い
ロールスクリーンは扉と比べて交換費用が安いメリットがあります。扉も使用年数が経過することにより、劣化や凹み、傷がついたりします。そのため、ある程度年数が経った際は交換する可能性もあります。扉の交換費用も、大きさやメーカーによるものの、数万円にもなりかねません。一方ロールスクリーンは高くても1万円前後で購入できるため、交換費用が安いメリットがあります。
クローゼットをロールスクリーンにするデメリット・後悔例
5つのメリットを紹介しましたが、デメリットや後悔例もあります。ロールスクリーンを前向きに検討している方もいらっしゃるかもしれませんが、デメリット・後悔例も理解しておきましょう。
風が吹くと音がでる
部屋への行き来をするための扉を開けた際や、換気のために窓を開けた際は風が室内に入り、ロールスクリーンが揺れてしまい音が発生します。夏場、部屋が暑いため窓を開けておいたものの、音がうるさくて眠れないという方もいらっしゃいます。もちろんロールスクリーンを固定できるものもありますが、開くときにわざわざ固定している物を解除する手間もあるため、使わない方がほとんどです。ある程度の音であれば気にしないという方にはおすすめですが、音に対して敏感という方は、ロールスクリーンを控えた方が良いでしょう。ただし、「来客時しかロールスクリーンは使用しない」という場合は、そこまで気にしなくても良いでしょう。
掃除が面倒
扉と違い、ロールスクリーンに汚れが付いた時の拭き掃除が面倒です。硬さがないため裏面を抑えながら拭く必要があります。さらにロールスクリーンに着色性のある汚れがついてしまった場合、取り外してクリーニングに出せない商品も多いです。
開けっ放しでほこりが溜まった
開けっ放しにすると見栄えの低下だけでなく、部屋中のほこりがクローゼット内に溜まってしまう可能性もあります。そのため普段より掃除することも多くなったという失敗例があります。
クローゼットをロールスクリーンにする場合の注意点
クローゼットにロールスクリーンを設置する場合、さまざまな注意点を意識しておかなければいけません。注意点は数多くあるため、しっかり理解しましょう。
寸法間違いに注意する
ロールスクリーンを購入する方で最も多い失敗は、寸法を間違えていたことです。ロールスクリーンは取り付けする場所も考慮した寸法にしなければいけません。とはいえ初めて購入する方は、どれくらいの寸法が正しいのかわからない方も多いでしょう。そのためクローゼットの寸法を測り、家具屋さんなどで伝えてから購入することが大切です。
サティスホームでは…
お客様といっしょに図面を確認しながら、寸法をお伝えさせていただきます。もちろんこちらで手配したロールスクリーンを設置することも可能ですし、施主支給品としてお客様にご購入いただいたものを設置することもできます。(購入前に「これを買おうと思っているんだけど」と担当者にご確認ください!)お客様が設置も行う場合は、下地処理などを施すため、事前に設置場所を確認させていただきます。
できれば実物を見て色合いを確認する
インターネットで購入する方が多いですが、ロールスクリーンは内装のデザインに合わせることが大切なため、実物を見て色合いを確認することが大切です。インターネットの画像やカタログを見ても、実際の色合いが異なることも多いです。もちろん返品できるかもしれませんが、手間がかかります。そのため、ホームセンターやショールームなどで実物を見て選ぶようにしましょう。
設置する際はビスでしっかり固定する
先ほどのデメリットでもお伝えした通り、ビスが緩んでロールスクリーンは落下する可能性もあるため、しっかり固定することが大切です。専門業者に依頼しても問題ありませんが、費用を考慮すると自身で取り付けする方がほとんどでしょう。
使いやすさを確認する
ロールスクリーンは開け閉めがラクな商品を選ぶようにしましょう。開け閉めに手間がかかるとストレスを感じ、結果としてロールスクリーンを取り外すことにもなりかねません。可能であれば実際に手に取って使いやすさを試してから購入することをおすすめします。また、価格の安い商品は使いにくいだけでなく、耐久性も低い傾向にあります。もちろん一概には言えないため、見極めが肝心です。
透けないかチェックする
ロールスクリーンは素材によってクローゼットの中が透けて見えてしまう可能性もあります。そのため先ほどもお伝えしましたが、透け感を確認することができないネット購入は控えるようにしてください。もちろん透けても気にしない方は良いですが、多くの方は「クローゼットの中は見えないようにしたい」と思うのではないでしょうか。実物を見て透け感をチェックしてから購入しましょう。
クローゼットをロールスクリーンまとめ
クローゼットにロールスクリーンを設置した時のメリットとデメリット・後悔例、注意点を紹介しました。後悔する方の多くは、音問題と開け閉めの手間が挙げられます。ロールスクリーンは扉と比べると耐久性も低いため、小さな風で揺れてしまい壁にぶつかってしまいます。そのため音に敏感な方は控えるようにしましょう。とはいえ将来的な交換費用が安く、通気性も高いというメリットもあります。コストを抑えたい方はロールスクリーンを取り入れても良いでしょう。ただし実物を見て、色合いや透け感、使いやすさを確認しておくことをおすすめします。
サティスホーム本社営業部長:小林大将
2級建築士と宅地建物取引士の資格を取得後、サティスホームで現場監督を10年経験。携わらせて頂いたお客様は200棟以上。その後、本社営業部長としてお客様の家づくりをお手伝いさせて頂いてます。