注文住宅会社との打合せを進めていく中で、「間取りや住宅設備が決まっていないのに仮契約を求められているけど大丈夫?」など不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
契約と聞くと、既に決まったと勘違いしている方も多く、どうして良いかわからなくなる方や不安になる方もいます。
そのため、注文住宅へ相談する前に契約までの流れを理解しておくことで、次のステップがわかるようになり、不安も解消できるでしょう。
ここでは、注文住宅会社と契約するまでの流れを解説します。
これから注文住宅の検討をし始める方は、契約までの流れを理解してから相談しましょう。
注文住宅会社と契約するまでの流れ
注文住宅会社と契約するまでの流れは下記の7つの項目順に進みます。
ここでは内容別の解説をします。
契約までの流れ | 内容 |
①展示場や見学会に参加 | モデルハウス見学をする |
②ラフプラン打ち合わせ | 大まかな間取りや配置を検討する |
③概算見積もり | 各社の概算見積もりを比較検討する |
④仮契約 | 仮契約をして本格的な打ち合わせを行う |
⑤詳細打ち合わせ | 間取りや住宅設備などの打ち合わせを行う |
⑥プランと見積金額の確定 | 最終図面と最終金額の確認 |
⑦工事請負契約書の締結 | 注文住宅会社と契約 |
①展示場や見学会に参加
注文住宅会社と契約するまでの流れの第一ステップは、展示場や見学会に足を運んでみる事です。
実際の建物を見て、自身が建てたい注文住宅のイメージをしてみましょう。
また、各メーカーの展示場物件を見てみることで、気に入った構造や外観がまとまるきっかけにもなります。
まずは自身が住みたい注文住宅のイメージをしてみましょう。
②ラフプラン打ち合わせ
展示場に足を運んだ後は、各メーカーにラフプランを依頼しましょう。
ラフプランとは、簡易プランを指しますが、十分打ち合わせできる図面です。
おおまかな間取りや配置などの要望を伝えて作成してもらいましょう。
何も思いつかない方は、注文住宅会社に提案してもらう事も可能です。
各メーカーのラフプランが揃ったら、ベースとなる建物の大きさ、間取り、構造、仕様を決めていきましょう。
決まった後は各社ラフプランを修正してもらい、同じ大きさに統一することで、相見積もりで比較しやすくなります。
③概算見積もり
各社のラフプランが揃った後は、概算見積もりを依頼しましょう。
おおよそ、3日から1週間前後で揃います。
見積金額を比較して、どのメーカーに選択するかを選びます。
この際、金額だけで判断するのではなく、メーカーの信頼度も重要です。
後々、「何かトラブルがあった際にしっかり対応してくれる会社か」「意思疎通ができる営業マンであるか」「アフターメンテナンスをしてくれる会社か」なども比較検討材料としておきましょう。
④仮契約
ある程度依頼する注文住宅会社が決まった後は、仮契約をしましょう。
もちろん仮契約がない会社もありますが、ここでは仮契約がある注文住宅会社の想定でお話します。
仮契約を締結する際は、本契約でないかを必ず確認することが大切です。
仮契約として契約したのにもかかわらず、打ち合わせを兼ねていき金額が同意できなかったため解約の申し出をしたが、本契約だったという事例もあります。
必ず、本契約ではない旨を書面で頂きましょう。
⑤詳細打ち合わせ
仮契約が完了した後は、建物に関して詳細に打合せしていきます。
間取りだけでなく、収納位置や建物内の動線、住宅設備などを決めていきます。
この際、ラフプランから本格的な図面を提案してくれる建築会社が多いです。
住宅設備は、キッチンやお風呂、トイレなどを決めていきますが、実際にショールームに足を運んでから選びましょう。
「思っていたのと色味が違った」「使いにくい」など後悔してしまわないため、実物は一度見ておきましょう。
⑥プランと見積金額の確定
詳細打ち合わせが完了したあとは、最終図面と最終金額を提出してもらいましょう。
最終図面は見ただけではわからない方も多いため、一から建築会社の説明を受けるようにしましょう。
また、見積金額も同様です。
これまでは概算の金額だけでしたが、見積金額の場合は詳細項目まで明記されています。
注文した内容が見積書に反映されているかを確認しましょう。
また、気になる項目がある場合、担当者の方に聞いてみましょう。
プランと見積もり金額が納得できたら、次は工事請負契約となります。
⑥工事請負契約の締結
いよいよ工事請負契約となります。
契約時には下記の3つを確認しておきましょう。
1.見積金額に相違はないか
2.工程スケジュールは理解できたか
3.契約約款の読み合わせはあるか
今まで打合せしてきた通りの金額と工程であるかは契約書を見て確認しておきましょう。
契約約款は工事が遅れた際の対応や遅延金だけでなく、万が一解約した際の手続きや違約金などが記載されているため、必ず説明してもらうようにしておきましょう。
また契約時には2つの費用が必要となります。
1.契約時金
2.工事請負契約印紙
契約時金は建築会社によって異なるものの、一般的には工事代金の10%です。
契約前に建築会社へ確認しておきましょう。
また、工事請負契約書に添付する印紙が必要となります。
印紙は、建築会社との契約代金によって異なりますので、下記の表を参照してください。
記載された契約金額 | 税額 | |
10万円を超え | 50万円以下のもの | 200円 |
50万円を超え | 100万円以下のもの | 500円 |
100万円を超え | 500万円以下のもの | 1千円 |
500万円を超え | 1,000万円以下のもの | 5千円 |
1,000万円を超え | 5,000万円以下のもの | 1万円 |
5,000万円を超え | 1億円以下のもの | 3万円 |
引用;https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm
ここで注意するには、諸費用などを含めた総工事費ではなく、建築会社との契約代金で印紙代金が決まるということです。
間違った印紙を購入しないように気を付けて下さい。
注文住宅会社と仮契約する前に決めること
注文住宅会社と仮契約をする前に、事前に決めておくことを3つ紹介します。
1.毎月の支払い額から予算を決める
2.融資の事前相談をして内諾をもらう
3.土地がない場合、土地を選定する
1.毎月の支払い額から予算を決める
まずは予算から決めていきましょう。
予算を決めないで注文住宅の打ち合わせを進めてしまうと、マイホームへの理想ばかりが膨らみ、オプションをたくさんつけてしまい、高額な金額となってしまうでしょう。
そのため、事前に予算を設定しておくことで、大幅な見積もり金額になることは防げることでしょう。
また、多くの方は住宅ローンを用いて建築するため、毎月借入返済が発生します。
無理のない借入返済から逆算して予算を決めておきましょう。
2.融資の事前相談をして内諾をもらう
毎月の予算が確定したら、融資の事前相談を金融機関に行って相談しましょう。
融資の事前相談では、申込者の年収や家計図、借り入れなどの有無を確認します。
後の住宅ローンを借りるためには必ずといっていいほど事前相談で内諾を取る必要があります。
そのため、仮契約をする前に融資の事前相談をしておきましょう。
また、一般的には事前相談が通れば本審査も通る確率が高くなります。
3.土地がない場合、土地を選定する
土地を所有していない方は、土地探しから始まります。
最初に決めた予算から土地代金を決め、立地や敷地面積などを検討して探してみましょう。
土地を探す方法としては、「自身でインターネットを用いて検索する方法」「不動産会社に相談する方法」「建築会社に見つけてもらう方法」の3種類があります。
自身でインターネットを利用して探す場合、売れ残り物件が多いため、優良物件といえるものは少ないです。
そのため慎重に探すことが大切となります。
不動産会社に相談する際は、希望エリア、希望金額などを伝えましょう。
不動産会社の仲介したいため、親身になって探してくれます。
インターネットには掲載されていない物件情報も多く保有しているため、気に入った土地が見つかる事でしょう。
建築会社は地場の不動産会社との付き合いが多いため、たくさんの情報を持っているケースがあります。
そのため、気に入った土地情報を教えてくれる場合があるでしょう。
しかし、建築会社に土地を見つけてもらった場合、その建築会社で注文住宅を建てるというのが暗黙の了解でもあります。
土地を優先して選ぶ場合のみ、この方法を選択しましょう。
注文住宅会社と本契約を結ぶ前に決めること
注文住宅と本契約を結ぶ前の決めることは大きくわけて3つあります。
間取り
構造
住宅設備
価格
間取り
例えば3LDK,4LDKなど家の大きさを決めていきます。
子供部屋の数などを事前に考慮しておきましょう。
構造
構造は自身で建築する注文住宅を木造で建築するのか、鉄骨で建築するのかなどを決めていきましょう。
木造の注文住宅が価格帯は一番安いため、日本では一番人気です。
また、何階建ての注文住宅にするかも検討しておきましょう。
建築基準法上の法令の兼ね合いもあるため、3階建てなどは出来ない場合もありますが、一般的には2階建てが主流です。
住宅設備
例えば、キッチンのもたくさんの種類があり、「I型」「Ⅱ列型」「アイランドキッチン」「L型キッチン」などさまざまな種類があります。
そのため、カタログを見てある程度の形とメーカーを決めておきましょう。
決まった後はショールームで実際の商品をみて決めていきます。
価格
上記の項目が確定した後は最終の見積金額を提出してもらえます。
その価格に納得できるかを確認しておきましょう。
住宅ローンを組む場合、その価格によって毎月の支払い額が変わります。
そのため、価格の確認は必須条件となります。
注文住宅会社と契約する際に気をつけること
注文住宅会社と契約する際はいくつか注意する点があります。
後々トラブルにならないためにも、ここでは4つの項目について
契約のタイミング
契約に必要となるもの
契約後のキャンセル
契約金について
解説していきます。
契約のタイミング
契約のタイミングは注文住宅の間取り、設備、工事スケジュール、見積金額が確定した段階で契約します。
また、土地を所有していない場合、土地の売買契約が完了してから注文住宅の工事請負契約を締結しましょう。
土地が確定していないのにもかかわらず工事請負契約書を締結すると、後々トラブルになる可能性もあるため注意しましょう。
契約に必要なもの
契約に必要なものは、各社によって異なるもの、一般的には印鑑と契約印紙のみとなります。
契約時は工事請負契約書の他に、各種代行委任状などさまざまな書類に署名捺印します。
特に実印は必要とはなりませんので、認印でも結構です。
また印紙に関しては、注文住宅会社に立て替えして用意してもらう事も可能です。
事前に注文住宅会社へ相談しておきましょう。
契約後のキャンセル
契約後のキャンセルを申し出た場合、契約時に支払った契約金(手付金)の返金はなく、さらに注文住宅会社の設計業務報酬割合に応じた金額を支払う必要があります。
もちろん建築会社の工事請負契約約款に準ずるため、契約時は必ず確認しておきましょう。
また、注文住宅会社との契約後に住宅ローンの審査が否認された場合、一般的には白紙撤回となるため、設計業務に関する請求はおろか、手付金は返金されます。
こちらも建築会社によって異なりますので確認しておきましょう。
契約金について
契約金(手付金)には、「契約を履行したという証拠」「申込者が解約しないため」という効力が発生します。
工事請負契約書を締結したことで契約を履行したことになりますが、契約金を支払うことで、気持ちの面でも、双方より約上したと感じることでしょう。
また、先ほどもお伝えした通り、契約金を支払った後に申込者が解約の申し出をした場合、手付金は返金されないため、「もったいない」という感情から解約されなくなることに繋がります。
一般的には工事代金の10%の金額ですが、注文住宅会社によって異なります。
金額は工事請負契約書に明記されています。
契約日当日に用意してほしいと言われても困るので、事前に注文住宅会社へ確認しておきましょう。
また注文住宅会社によっては契約金を請求しない会社もあります。
トラブルを防ぐために注文住宅の契約の流れを確認しよう!
これまで注文住宅会社との契約までの流れを解説してきました。
契約までの作業はさまざまあり、事前に流れを理解しておくことで、次のステップがわかるようになります。
また仮契約といわれて署名したものの、流れを理解していなかったために、注文住宅会社とトラブルになったということもあります。
これから注文住宅を検討している方は、まずは流れを理解してから相談していきましょう。